バカとオリと召喚獣   作:孤独なバカ

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最弱、いいや最強だ

クラス中がざわめき出す。

まぁそれもそのはずFクラスは成績底辺者。つまりは学年最低クラスだ。

それが成績最上位のAクラスを攻めるとなっては無謀だと思うだろう。

「んじゃ、ここからは俺も入らせてもらうぞ。いいな、雄二。」

「ああ。どっちにしろ説明は楽の方がいいからな。」

「皆とりあえずさっきも言ったとおり副代表の大沢だ。基本前線は俺が指揮を持つ。早速だがこのクラスには学年1位の実力なものが5つある。それを一つずつ説明していく。最初に康太。ってどこいった?」

悪友の一人を探す。

「おい、康太。畳に顔をつけて姫路のスカートを覗いてないで前に来い。」

「…………!!(ブンブン)」

「は、はわっ」

急いで姫路がすそを抑える。だけどもう遅い。

「土屋康太。こいつがあの有名な、寡黙なる性識者(ムッツリーニ)だ。」

すると教室中が騒ぎ始める。ムッツリーニというあだ名は男子生徒からは畏怖と畏敬を女子生徒からは軽蔑されている。

また保健体育においては俺に唯一勝てる保険体育の帝王なのだ。

「次は身体能力。いいか?間違ってもこれは戦争なんだ。ただ突っ立っていてもしょうがない。撹乱し不意を突く。これが大切なんだ。そうしたら少ない人数で首を切ることができる。」

すると頷く。

「ついでに学年次席の姫路についてはみんなも知っていると思う。ついでに俺も総合は4000オーバーだ。」

「うぉー!!」

「もちろん俺も全力を尽くす。」

雄二の昔神童って言われていたし士気は高い。リーダーをやるには十分だろう。

「そして吉井明久だっている。」

クラスがざわめいていたのが一気に静かになる。

「ちょっと楽どうしてそこで僕の名前を呼ぶのさ!」

「んなもんお前がかなりの戦力だからに決まってるからだろうが。お前観察処分者だろうが。」

すると教室がざわざわしている。

観察処分者はいわゆるバカの代名詞として有名だ。まぁ教師の本を質屋に売ったと知った時絶句してたからな。

「まぁバカの代名詞と言われている観察処分者だけど利点と欠点がある。欠点はダメージが術者にフィールドバックされることだ。しかし雑用によって召喚獣の扱いにおいてはずば抜けている。正直腕輪持ちさえいなかったら最強といえる。つまり300点以上400点未満の相手に勝てる可能性がある。それもひとりでな。」

すると教室中の指揮は最高潮になる。

「ついでに敵の幹部クラスを打ち取ったやつには1000円の図書カードを与える。これで参考書を買うなり聖本を買うなり自由にしてもらっていい。」

「とにかくだ。俺達の力の証明として、まずはDクラスを殲滅する。皆、この境遇は多いに不満だろう?」

『当然だ!!』

『ならば全員ペンを執れ!出撃の準備だ!」

『おおっーー!!」

「俺達に必要なのは卓袱台ではない!Aクラスのシステムデスクだ!」

『うおおーー!!』

「お、おー……」

姫路は遅れたけどまぁいい。

「明久、Dクラスへの宣戦布告にいってくれないか?今日の昼食にかけうどん(198円)奢ってやるから。」

「分かった。いってくるよ。」

すると立ち上がりすぐにむかう。

「あいつよく行ったよな。」

雄二がびっくりしている。

「まぁ、幼馴染だからどうやって嫌な仕事を押しつけるのは飯でつればいいから扱い楽だぞ。」

すると数分後、遠くからバタバタと悲鳴をあげて教室に逃げ込んできた明久の姿があった。

 

明久にかけうどんを奢ってから屋上に上がる。

「いやー久しぶりに個体物食べたよ。」

「お前なぁ、趣味ばっかりに金使うからだろうが。仕送り俺と同じ金額なのにそこまで減るってどんな使い方してるんだよ。」

正直な話なんで生きているのか疑問になのだが……

屋上につくと島田、秀吉、康太、姫路、雄二がすでに来ていた。

「おう明久久しぶりのまともな昼飯はどうだったか?」

「えっ吉井君って昼食食べないんですか?」

「いや、一応食べてるよ。」

「あれは食べると言えるのか?」

俺はため息をつく。

「塩と水だろ。主食。」

「失礼な砂糖も食べてるよ!!」

「明久君。それは食べるといいませんよ。」

「……性格には舐めるが正解」

「……」

全員が明久に同情の目線を送る。

「ま、飯代を遊びに使い込むお前が悪いよな。」

「しッ仕送りが少ないんだよ!……趣味ってお金かかるから」

「普通生活の方優先するだろう。お前以外のやつなら。」

とりあえず俺は菓子パンをかじる。

「とか言って楽も外食ばっかりじゃん。」

「仕方ねえだろ。料理苦手なんだよ。」

俺は料理が正直苦手だ。簡単なもの以外しか作れないので基本外食がメインになる。

「…あ、あのよかったらわたしが弁当作ってきましょうか。」

「「ゑ?」」

「はい。明日のお昼でよければ。」

どうしようかなぁ。さすがに悪いから適当な理由をつけて断るか。

「俺はパス。久しぶりにロー○ンのシュークリーム食いたいし。それにさすがに悪いしな。一応余裕があるし。明久は貰えば金欠なんだろ。」

「本当に楽はシュークリーム好きだよね。」

「ってことで俺はいいや。ついでに島田も作れるんじゃないのか?」

するとビクッと反応する島田

「えぇ、一応作れるわよ。」

「さすがに姫路にも悪いし島田も明久に作ってきたらどうだ。」

「えっ!?」

島田が明久に好意な気持ちをもっていることは知っている。だから一年からの付き合いだから少しでも応援してあげたいのだ。

「いいの島田さん?」

「まぁいいわ作って来てあげるわよ。そのかわりあんたの分はないわよ。」

「だからいらないって。そんなことよりシュークリーム食べたい。」

「はぁ。」

といいながら機嫌が良くなる島田。分かりやすいなぁ。

「もしよければ皆さんも……」

「俺たちもいいのか」

「はい。嫌じゃなかったら。」

料理が好きなのか雄二たちにも勧めてくる。まぁ俺はシュークリーム島田に奢って貰えそうだしいいか。

「そういえば、Dクラス戦について説明しないといけないよな。まず全員が気になってるなぜDクラスを攻めるかだ。」

「うむ。気になってはおったのじゃが、どうしてDクラスなんじゃ?段階を踏んでいくならEクラスじゃろうし、勝負に出るならAクラスじゃろう?」

「あぁそれはAクラス戦は今のままじゃ確実に負けてEクラス戦は余裕すぎるんだ。正直Eクラスは文系と部活動組が集まっているから俺が数学と化学で突っ込んだら勝てるんだよ。明久は俺の理数系の点数の高さは知っているだろう。」

「学年2位の霧島さんと100点差つけていたからね。理数系に限ったらムッツリーニの保健体育レベルだとおもうよ。」

「ってことまぁだから、俺一人で倒せないDクラスを選んだってわけ。理系だけに限ったら平均600オーバーだからな。英語と保体も500点オーバーだし。」

「あんた、なんでここにいるのよ。」

島田がため息をつく。

「他にもDクラスを攻めるには次に攻めるBクラス戦の準備でもあるんだよ。」

「Bクラスにも攻めるんですか?」

「あぁAクラス戦を有利に進めるのにな。」

雄二と俺の考えて一番いい策を採用した結果だ。

「負けるなんてありえない。そうだろ雄二。」

「あぁ、お前らが俺に協力してくれるなら勝てる。」

「「いいか、お前ら。ウチのクラスは最強だ。」」

ニヤリと笑う俺と雄二

「いいわね。面白そうじゃない!」

「そうじゃな。Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの。」

「………(グッ)」

「が、頑張りますっ」

俺らは頷き

「そうか、作戦を伝えよう。」

雄二の作戦に耳を傾けた。


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