バカとオリと召喚獣   作:孤独なバカ

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救出

『さてどうする?坂本と大沢と、…吉井だったか?そいつら、この人質を盾にして呼び出すか?』

『待て。吉井と大沢っていうのは知らないが坂本は下手に手を出すとマズい。坂本は今は聞かないが中学校時代相当ならしたらしい。』

『大沢っていうやつもマズい最近俺らがナンパしようとした時にスタンガンを持ってやがった。しかも相当使い慣れてるぞ。』

康太が持ってきた盗聴器からそんな声が聞こえてくる

「思いっきり殴りたいんだけどまだダメか?」

「まて、工藤のことが心配なのはわかるが落ち着け。楽。」

小声で話しかけると雄二に止められる。

「まずは人質の救出が先ってことはわかってるんだろ?」

「……」

分かっているけど

工藤が嫌な思いをしてると思うと嫌な気持ちになる

くそ。何もできないのが本当に腹ただしい

『あんた達何が目的なのよ。」

『俺たちは三人を動けなくすることを依頼されてるんだ。』

「雄二、この連中って」

「あぁ、黒幕に依頼されたチンピラだろうな。」

「多分俺を付けてきたのもこの内の一人だと思う。三回戦後に付けられてたし。」

「そういえば言っておったのう。」

てか俺以外冷静だな。落ち着いてるし

……はぁ。俺も一旦落ち着かないといけないか。

『あなた達一体何が目的なの?これ犯罪なの分かってるのかしら?』

「……木下分からないでやるわけないだろ。動揺してんのか?」

「そうじゃのう。姉上はこういった場面にあったことがないからのう。」

「まぁ、俺とは真逆の性格だからなこういった場面に慣れてないのも当たり前か。」

「そういや、俺とあったのも薄汚い路地裏だったな。……今思い返しても怖すぎるだろ。」

「いや、それよりこの学校の女子の方が怖いと思うんだが。」

「「「「同感」」」」

といつもの雰囲気が取り戻しつつある俺たち。

「……まぁ、せっかくだから俺らがつけた後始末しっかりけりつけるか。30秒後作戦を開始する。康太頼む。」

「……まかせろ。」

「雄二。今回の件は思いっきり暴れろ。情報は漏れないように何とかしてやるから半殺しまでは許可してやる。俺もそのつもりでやるから。でも情報収集するために一人は意識があるようにしとけよ。」

「あぁ。」

「お主ら……」

と秀吉は呆れているが止める様子はなさそうだ。

俺はハンドサインで康太と明久にサインを送る。

ここからは油断している隙を狙うのみなんだが

『……雄二、助けて。』

『大沢くん。』

今まで聞かなかったようにしてたトランシーバーから今にも泣き出しそうな声を聞いて何かがプツンと切れた。

「……楽、雄二。」

「悪い。明久。一つ貸しな。」

「同じく流石に限界だな。」

俺と雄二がドアを開く

「失礼すんぞ。」

殺意を込め俺は扉を開く

すると目の前に広がっているのは縛られた三人の姿とそして八人の他校の生徒。……制服から落水高校だな。

「……えっ?」

「お、大沢くん。」

「雄二。」

そんな声が聞こえているけどもう気にしない

「……なんだこいつら。」

と近づいてくる高校生の顔を掴み思いっきり力を入れる。ミキミキと音を立てながら浴びせ数秒立った後

「雄二。」

「おうよ。」

離した瞬間雄二チンピラの腹部に拳をいれる。どうやら全員無事らしい

「工藤。悪い遅くなった。」

「大沢くん?なんでこの場所が。」

「話は後でな。さて、喧嘩は嫌いだけど……少し本気で潰そうか。」

さすがに俺だって気分が悪いしな。そしておれはカラオケ店のテーブルの上の飛び乗りその勢いで工藤から一番近い奴に飛び蹴りを喰らわせすぐ立ち上がり手短な奴から自分が持っている一番強力なスタンガンで気絶させる。

それの繰り返しだ。後は雄二達がなんとかしてくれるはずだろう。

そして俺の後ろは

「イィッシャァァーー!!」

「ゴファァッ!」

明久がハイキックをお見舞いしていた。

「貸しイチだよ。」

「んなもんわかってる。秀吉と康太は女子を連れて学校へ迎え。警備は忘れるんじゃねーぞ。後理事長を呼び出せ。明久と雄二の件で話があるって言えば教室にくるだろう。」

「…了解」

「姉上、霧島、工藤こっちに。」

「わ、分かったわ。」

「でも……」

「翔子。先戻ってろ。後から全部説明する。」

すると霧島は心配気になりながらも渋々頷く。

「後、楽も工藤の元にいてあげなよ。……恋人なんでしょ?」

そんな明久が俺の方を見て笑う。

俺は少しだけ考え、憂さ晴らしよりも確かに大事なことだと判断する。

「なら、言葉に甘えるけど。雄二後お願いしていいか?」

「あぁ。それにしても丁度いいストレス発散の相手ができたな。生まれてきたことを後悔させてやるぜぇーーー!!」

「殺すなよ。」

と笑って最後の一人に回し蹴りを放つと俺はドアを開ける。雄二と明久なら後は確実に大丈夫だろう。

そして俺は扉を閉めた。


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