バカとオリと召喚獣   作:孤独なバカ

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四回戦

「……えっと。工藤?」

「何かな?」

「さっきから目の前に黒ずくめの男が斧を持ってるのってこれ現実だよな?」

すごくおかしいと思うんだけど

「あはは。」

「笑い事じゃねーよ。いや真面目に危ねぇって。」

さすがに殺意しかないだろ。あれ

「えっと、大沢くん。どう言うことですか?」

「俺が聞きたいんですがそれは。」

布施先生の言葉にため息をつく

「えっと、横田と横溝お前ら何をしてるんだ?」

「黙れ。異端者には聞く耳を持たぬわ。」

「異端者?」

意味不明な言葉に聞き返してしまう。

「あぁ。罪状。被告、大沢楽は我が文月学園の第二学年生徒であり。」

「御託はいいから結論だけ聞かせろ。」

「彼女がいて羨ましいであります。」

「何その理不尽。ってかもう広がってるのか!!」

「そりゃ、あんなところで告白したらFクラスの誰かが見ててもおかしくないと思うよ。」

「……もう、なんで口滑らしたんだろう。」

やっぱりちゃんとしたところで告白したかったなぁ。

「まぁ、切り替えるしかないけどさ。……とりあえず勝つしかないよなぁ。後衛でチビチビダメージ削っていくからお願いしていいか?」

「うん。ボクも余り文系は自信ないんだけどね。」

「しかもかなり強いんだよなぁ。こいつら試召戦争のとき前線で名のある奴打ち取ってるしかなり腕は立つし俺も点数低い方だからな。」

「協力して倒そうか。」

「あぁ。」

「それでは召喚してください。」

布施先生の言葉に頷く

「「「「試獣召喚」」」」

するともう見慣れた幾何学模様が出てきて四体の召喚獣が出てくる

 

2ーF   2ーA 【古典】  2ーF  2ーF

大沢楽  工藤愛子 VS  横溝浩二 横田慎二

149点 & 256点     68点   49点

 

横田お前点数鯖読んでたな。

俺の一番苦手科目で100点差って酷すぎるだろ

聞いていたところ60点は取れたと言っていたけどその10点も低いじゃねーか

「……作戦に死傷がでるからやめて欲しかったが仕方ないか。彼奴ら俺を罰することしか考えてないようだし。」

「あの勢いじゃ絶対に姫路さん達が吉井くんにやってることと同じようなことが起こるよね。」

「大沢殺す。大沢殺す。」

「工藤さんと別れろ。そしたら苦しめてから殺してやる。」

「……あんなことするからモテないんだと思うけどなぁ。」

「でも面白いよね。Fクラスの皆は。」

「それは同感だけどな。」

面白いからこそ苦労も多いけど。

「それじゃあ始めてください。」

「工藤、防御を固めてくれ俺は横田を潰す。」

「うん。わかった。」

すると工藤が召喚獣の点数の高さを使い攻撃を受け止める。俺は集中し横田の召喚獣の頭を狙い撃つ。

するといつもより少し遅いスピードで銃弾は飛んで行く。そして

「工藤」

すると横田の召喚獣は回避する隙を工藤は見逃さず武器を点数で押し切り横田の召喚獣に近づき斧を横田の召喚獣に振り下げた

「横田。」

「お前もとどめだ。」

俺は威力は低いが広範囲にひろがる散弾を打ち込む

横溝は回避するけど一対二ではさすがに部が悪い

回避した横溝を工藤が打ち取る

「ナイス工藤。」

「大沢くんもね。」

一度手を叩く。これで試合終了だ。

「そこまで、いいコンビネーションで相手を翻弄し敵を打ち取った大沢、工藤ペアの勝利です。」

すると歓声が湧くそういや三回戦から観客が入れるようになってたな。

そんなことを考えながら俺は一礼した。

 

「危ねぇ。」

急いで教室の中に入る。

「あっ!お帰りなさい。大沢くん。」

「どうしたのよ大沢。そんなに焦った様子で

姫路と島田が出迎えてくれる。

「もう。今日何回追いかけられたらいいの?」

「愛子おかえり。」

「あぁ。疲れた。」

「大沢くん悪いけど、シフト入ってもらっていいかい?味に定評がきたのかお客さんが増えてね。」

「マジか。」

久保の言葉にゲンナリしてしまう。

「そういえばどうしたんだい?誰かに追われてたみたいだけど。」

久保が聞いてくる

「あぁちょっとやらかしてな。FFF団に追われてた。」

「……もしかしてあの噂は本当なのかい?」

「噂って?」

「廊下の真ん中で告白した男子生徒がいるって噂なんだけど。」

……もうこんなところまで伝わっているのか。

「あぁ。俺だよ。」

「……」

「本当なんですか?」

「口を滑らしたんだよ。告白はするつもりだったんだけど……あんなところでする予定じゃなかったんだけどなぁ。」

深くため息をつく

「……えっと相手は工藤さんですか?」

「そうだけど……やっぱり分かりやすかったか?」

「うん。」

「工藤さんも大沢くんもお互いをよく見てたからね。気づいてない人はいないんじゃないのかな?」

「……そこまでか。」

「えぇ、ウチもアキも気づいてると思うわよ。」

「だよな。ってか明久達はどうした?」

「今木下さんが抜けているからキッチンで働いてると思うよ。」

「……なるほどな。ってか真面目に工藤大丈夫か?俺はもう慣れかけているけどお前はあのバカに追いかけられるの始めてだろう?」

「うん。ボクは大丈夫だけど……大沢くんこそ大丈夫?体力ないって吉井くんが言ってたけど……」

「大丈夫だよ。……ってか体力も平均男性レベルはちゃんとあるぞ。明久と雄二に比べたらないだけで。」

「あの二人なんで運動部にいないんだろう?」

本当体力の無駄使いなんだよなぁ

「……はぁとりあえず仕事しよ。どうせ対戦相手は決まってるだろうし。」

「えっ?そうなの?」

「対戦相手見てみろ。Dブロックに三年A組のコンビがいるだろ?どうやら理数系で腕輪持ちの実力者らしい。」

すると二人は驚く

「俺よりも理系は低いが文系が強いって感じだ。普通に強いだろうな。」

「……でも教科って。」

「保健体育。今回俺は510点だったし最悪腕輪使えばいいかな?」

「ちょっと待って。ボクより点数高いの?」

「お前何点だよ?」

「489点だよ。」

「うん。康太にも負けてるぞ。あいつ俺の一点上だし」

すると工藤は明らかに落ち込んでいる様子だった。

「そ、そんな。また負けるなんて。」

「……今度俺が得意なスポーツ教えようか?一応スポーツ医療とかそういうのに関しては俺は得意だし。」

「そういえば大沢ってなんで保健体育できるのよ?」

「昔野球やっててその時に健康管理や応急処置については一通りやったからな。性の問題は苦手だけど他に関しては康太以上にあるからなぁ。所謂タイプが違うんだよ」

元々スポーツをやっていたせいかそういう問題については得意だった。

「まぁ今でも草野球チームに入ってるし使うことが多いんだよ。やっぱり野球に怪我は付き物だし。」

「ということは普段使っている知識をそのまま書いてるだけってこと?」

「まぁ、少し勉強もするけど、基本はそうかな。」

「大沢くん話しているところ悪いんだけど。」

すると久保が呼びにくる

「悪い久保すぐ行く。ごめん。この話はまた後で。」

「うん。ボクもすぐ手伝うよ。」

「了解。とりあえず着替えるから3分間だけ待っててくれ。」

「あぁ。」

俺は急いで着替えに更衣室に向かった。


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