「しかし、姫路の料理があんなに壊滅的とな。」
明久が雄二を三途の川から救いあげた後俺達はオレの昼食の菓子パンで口直しをしていた。
「て言うか木下お前だけなんで残っているんだよ。女子はみんなどっか行ったぞ。」
今残っているのは雄二と明久、秀吉に木下の5人だ。
「私は、キッチン担当なのよ。だから衣装は必要ないのよ。それに姫路さんをキッチンの中に入れないようにしないといけないでしょう。」
「あぁ、そうだな。」
あんなお菓子食ったら死者が何人出るかわからないしな。
「ところで楽。楽って姫路さんみたいなタイプ苦手じゃなかった?」
「そうなのか?」
雄二が意外そうに聞いてくる。失礼だな
「違うぞ。明久。オレは胸が大きい奴が大嫌いなんだよ。」
「お主、なんでそんな堂々と言えるのじゃ?」
秀吉が呆れたように言う。
「だって嘘つくの嫌いだし。」
「オイ。さっきオレに対して嘘ついてなかったか?」
「嘘はついてないぞ。騙しただけだ。」
「…何事もいいようじゃのう。」
嘘はつかなくても騙せる。これ豆知識。
「衣装ってことはメイド服ってことだよな。なるほどムッツリーニがいない理由が分かったよ。」
明久ため息一回つく。まぁ、写真を売るのは当たり前だろう。まぁ最近お得意様が増えたって言っていたからな。
「お待たせ!!」
すると工藤が走ってくる。白主体のフリフリのドレスがよく似合ってる。そして、いつもよりも雰囲気が違うって、なんというか凄くかわいい。
「……」
「おーい。楽?」
「あっ。悪い明久。聞いてなかった。」
「ん?楽どうした?お前が話聞いてなかったことって珍しいよな。」
「雄二、今の工藤さん、楽のストライクゾーンど真ん中だから。」
「そうなのか?」
「そうだけどさ。なんでオレの好きなタイプ知ってるんだよ。」
「だって、楽はスレンダーな女の子がスカートやフリフリのドレスを着ているのが好きって中学校の時言っていたよね。」
よく覚えているな。でもなんでその記憶を勉強に使わないんだろう。
「それなら島田さんとかも好きなの?けっこうタイプに入っているんじゃないの?」
「ただし、常識的でやさしい女の子に限るっていえばいいか?」
「楽よ。それじゃ島田が常識外れな暴力的な女の子と言ってないかのう?」
そう言ってるんだよ。
「でも今の愛子は大沢くんのストライクゾーンど真ん中らしいわよ。」
「……そういえば、これ本人いるんじゃ。」
「うん。全部聞いてたよ~」
後ろを見るとニヤニヤとしている工藤がいた。
「ふーん。大沢ってこういうのが好きなのね?」
「意外ですね。」
しかもFクラスの女子二人にも。
「まぁ好きだけどさぁ。」
「否定しないどころが楽だよね。あれ雄二は?」
「あそこ。」
オレが指さすと霧島に目潰しされている雄二の姿があった。
「さっき、姫路が現れた時に目潰しされてた。多分露出が多いように設計された服だろうしな。」
「うぅ。恥ずかしいです。」
「てか康太1人1人に別のメイド服作ったのか。しかもかなり似合っているし。」
霧島は上品な感じで、工藤のは可愛さ、島田は料理もしないといけないので家庭的な感じのメイド服だった。他の女子にも各自メイド服を取り入れている。
「とりあえず雄二と明久は一回戦行ってこい。もう始まるぞ。霧島も雄二をはなせ開店するぞ。」
午前中はオレと明久、雄二で店を回さないといけない。
時刻は9時になる。それが開店の時間だった。
「工藤、姫路、霧島は出てホールに回れ。木下姉弟と島田はキッチンの管理。絶対に奴だけは入れるなよ。」
「「「了解。(分かったわ)」」」
「じゃあ、オープンするか。」
オレはドアを開ける。やる気はいっぱいなんだけど。
「これより、メイド、執事カフェご主人様とお呼びをオープンします。」
この名前はどうにかならないかな?