「あれ、楽も召喚大会出るんだね。」
「それはこっちのセリフだよ。」
俺と明久が話す。ブロックは違うが明久と雄二が召喚大会にエントリーされていた。
「しかも急に雄二がやる気になってるしお前何したんだよ。」
雄二が一気にやる気を出したせいで装飾、そしてメイド服(康太が制作)が本格的に集まった。
「べ、別に何もないよ。」
「絶対何か隠してると思うが……まぁいい。会うとしたら決勝か教科は日本史か。まぁ雄二の点数次第かな。そっちはかなりの激戦区らしいし。」
一回戦目は数学、二回戦目は英語W、三回戦目は現社、四回戦は古典、準決勝が保健体育、決勝が日本史となっていた。俺たちのブロックは正直一回戦目と二回戦目は2−A、3−Aの人とあたり三、四回戦は二、三年生のD〜Bが当たる予定だ。準決勝は3-Aの二人が上がってくると思うが教科が保健体育だ。油断さえしなければ勝てるだろう。得意科目でAクラスを相手にできることがよかった。
対して明久たちは一戦目からBクラス、その後は根本、小山コンビ、その後も姫路、島田コンビ、霧島、木下コンビとなる。
「でも雄二だったらなんとかできると思うよ。」
「ならいいけど。」
俺はため息をつく。確かに雄二だったらなんとかなる可能性はあるな。
「おーい。大沢くんと吉井くん早く更衣室から出てきてよ。みんな待ってるよ。」
……はぁ
俺と明久は軽くため息をつく。
しょうがないので俺と明久は更衣室から出て行きAクラス教室に行く。
するといつものメンバーが勢揃いしていた。そして女子たちが歓声をあげる。
「似合ってるわよ。アキ。」
「吉井くん、大沢くんカッコイイよ。」
「本当にどうしてこうなった。」
「ほんとにね。」
俺と明久は今執事服をきている。文化祭の出店に久保から人数が足りないと言われ雄二がなら俺と明久に執事服をきて接客することになったのだ。今はA組の工藤と木下、Fクラスの秀吉と島田が教室に残っていた。
「全くこんなもん俺なんかが着たって人増えないだろうに。」
「そんなことないとは思うわよ。」
オレがいうと木下が否定してくる。
「あんた、知らないと思うけど顔だけだったら女子から人気あるのよ。」
「その性格が最悪だったら意味ないだろう。木下。」
「……あんた自覚あるんだったら治しなさいよ。」
呆れたようにいう木下。
「治す気はあると思うか?」
「ないわね。」
「そのとうり。ところでそこにあるシフォンケーキとクッキー食べていいのか?」
目の前には美味しそうなシフォンケーキとクッキー、紅茶が置かれてあった。
「別にいいわよ。味見用だし。」
「なら一つ。」
俺はクッキーを一口食べる。するとなんということでしょう。
表面はゴリゴリでありながら中身はパサパサして口の中の水分がなくなり、甘すぎず辛すぎる味わい。
「……これ誰が作った?」
「えっ?ムッツリーニくんと島田さんだけどって大沢くんどうしたの顔が真っ青になってるよ。」
「あ、それはさっき姫路が作ったものじゃな。」
原因が明らかだった。やばい。
「く、工藤み、水くれ。」
「えっ。は、はい。」
俺は工藤が持っていたポカリを取り出し思いっきり一気飲みする。しかし舌の痺れが全く取れないが
「これシャレになってねぇぞ。」
なんとか喋れるようになった。
「えっと。だ、大丈夫?」
「あぁ。なんとかな。」
「楽大丈夫。」
「あぁ。お前の姉さんのおかげで耐性はできてるから。」
俺は汗を拭う。
「工藤もサンキュー。あれないと結構やばかった。」
「そんな大げさな。」
「秀吉。この中で姫路が作ったものは?」
「えっと、後はうさぎの形のクッキーとシフォンケーキじゃが。」
俺はそれを一つとって
「明久、これ島田に食わせてこい。」
「えっ。うち?」
「まって。楽。美波が死んじゃうよ」
「ちょっと。あんたたち姫路さんがかわいそうじゃないの。」
木下がいうけど。
「じゃあ木下お前が食えよ。俺たちの辛さがわかるから。」
「えっ。別にいいわよ。」
するとうさぎ型のクッキーを取り出し口に運ぼうとしたところで
「うーっす。戻ってきたぞ。」
「おっ雄二シフォンケーキの死作品できてるぞ。」
「へぇーなんだうまそうじゃないかどれどれ。」
シフォンケーキを迷わずに口に入れる。
「お主鬼畜じゃのう。」
「嘘はいってないぞ。しは死亡のしだから。」
「雄二。キミは最高に輝いているよ。」
「?お前らが何をいってるのかわからんが……ふむふむ。表面はゴリゴリでありながら中身はパサパサして口の中の水分がなくなり、甘すぎず辛すぎる味わい。んゴパっ。」
あっなんかデジャブ。
雄二は床に倒れてガクガク震えている。
木下が顔を真っ青にしクッキーを置こうとしてる。
「木下。とりあえず死にかけの雄二をみて一言。」
「……大沢くんごめんなさい。」
木下が謝ってくる。ついでに絶対にキッチンに姫路はいれないということで意見は一致した。