バカとオリと召喚獣   作:孤独なバカ

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ラブレター

何も変哲のない水曜日。

「んでここのXをここに置いて。」

「あっ、なるほど。」

「秀吉ここ違う。この式は、」

俺はAクラスの女子と秀吉に数学をおしえていた。

「でも本当にあなた数学できたのね。」

木下が数学を教わりながら言う。

「理系はあまり覚えることないからな。実験とかも楽しいし。」

楽しめたり視覚や体で覚えるのが得意だからな。

「でもまさかまだまともな男子が木下君と大沢君だけとはね。」

女子生徒はため息をつく。今Aクラスの豪華な教室には俺と秀吉以外の男子はいない。

「まぁ霧島、久保がいなくなるとはのう。」

「姫路さんもいなくなったのは意外だったけど……」

ついでに姫路、島田、霧島も教室にはいなかった。

「まぁ霧島はとにかくそのほかは絶対に今日の雄二の発言が問題だろ。Aクラスの男子も付き合いたくないランキングの上位になっているやつも結構多いし。」

正直ガリ勉ばっかりだもんな。

なんでこうなったのかは今日のHRの時間に戻る。

 

「今日からAクラスの設備を使ってAクラスと一緒に授業を受けてもらうが俺たちは補習を数日放課後と土日に受けることが条件になってる。」

俺が今教卓に立ちAクラス戦のメインだったクラス設備の共有化について話していた。

「んで補習回避したのは俺、姫路、雄二。以上3人。それ以外は補習を受けてもらう。また授業の妨害、勉学の低下がみた生徒は俺が判断してAクラスの教室が使えなくなる。また担任も福原先生から高橋先生になった。以後HRはなぜか俺がやることになった。まぁ後はFクラスでも授業が受けられるとか色々あるけどどうでもいいか。」

昨日とおとといのテストで何故か雄二の点数が異常に上がっていた。まぁ霧島にいつかリベンジするためだろう。

「まぁいくつか言いたいことがあるが一つだけ。Aクラス戦は…

 

 

俺たちFクラスの勝ちだ。

「「「「っしゃぁぁぁぁぁーーーーっっ!」」」」

Fクラス中が歓声に包まれる。

「ついにこの教室とはおさらばだな。」

「俺たちがシステムデスクが使えるなんて坂本と大沢様様だな。」

と俺が言うと騒ぎ出すFクラスのメンバー。しかし雄二だけなにか考えるような顔をしていた。

「はい。一応だけど出席とるぞ。井上」

と大きな声でいうけどあまり届かないまぁさっき全員いるのは確認しているので続ける。

「雄二。」

「…………明久がラブレターを貰ったようだ。」

「「「「殺せぇぇっ」」」」

あんなにざわめいていたのにだれも雄二の言葉を聞き逃さなかった。

「どういうことだ!?吉井がそんな物貰うなんて!」

「それなら俺達だって貰ってもおかしくないはずだ!自分の席の近くを探してみろ!」

「ダメだ!腐りかけのパンと食べかけのパンしか出てこない!」

「もっとよく探せ!」

「……出てきたっ!未開封のパンだ!」

「お前は何を探しているんだ!?」

「てかそんなもんなんであるんだ?」

おれがため息をつく。

「ほら静かに。明久を処刑にするのは後からにしろ。でもAクラスで授業受けるんだったら処刑できないけど。」

「「「Fクラスで受けるから大丈夫だ。」」」

「あっそ。ならホームルームを終わる。心変わりした奴がいたならい一時間目終了前まで待つぞ。」

俺は教室を出ようとすると、

「ちょっと楽助けてよ。」

「前に俺が追われてる時助けなかったからな。一回俺の苦労味わえよ。」

「……ごめん。」

まぁさすがにかわいそうだし明久はAクラスで受けさせてやるか。

「楽お主はどこに行くのじゃ?」

「Aクラスだよ。さすがに誰も行かないってわけにはいかないだろ。」

「あれ?大沢は明久に制裁を与えないの?」

島田が首を傾げる。

「別に明久がモテようが彼女作ろうが幼馴染だぞ。あいつ。それに喧嘩は好きじゃないしな。俺はAクラスで授業受けてくる。」

「じゃあわしも一緒に行こうかのう。」

秀吉も当然のごとく不参加。

「姫路はどうするんだ?俺たちと一緒にAクラスにいくか?」

「いえ、私も明久君から話を聞かないといけないといけないので。」

姫路もFクラス色に染まってきたな。

 

「んじゃ失礼するぞ。」

「楽よ。今日からわしらの教室になるのじゃ。その挨拶いらないとおもうのじゃが。」

Aクラスの教室に入ると

「あっ。大沢君。」

「よう。工藤。」

工藤が俺の方に来る。

「今日の予定はどうなっているんだ?」

「班を決めてから席を決めることらしいわよ。後は自習ね。今日はDクラスとEクラスの試召戦争があるらしいから。」

木下が説明してくれる。

「へぇ。DクラスがEクラスにか。まぁCクラスの設備手に入れたから三カ月の休戦が目当てかな?」

「えぇその通りよ。」

まぁ今のDクラスは普通に強いからな。よほどのことがない限り負けないだろ。

「そうだ。たぶん今日はこのメンバーが多分全員。よって席は俺がFクラス全員の分決めるんで。」

「「「はい?」」」

「あー。じつはな。」

俺が説明すると

「そ、それは吉井くんがかわいそうね。」

「ラブレターもらったからひどい目にあうってどういうことだよ。まったく。」

女子からはかわいそうだと言われていた。そうたぶんこれが普通だろう。

「大沢、吉井がラブレターもらったって本当か?」

「あぁ。そうだけど。」

「う、うそだろ。Aクラスの俺はモテなくてあのバカがもてるって。」

……えっ?

「そ、そうだ嘘だ、嘘に決まってる。」

「お主らは何を言っておるのじゃ?」

秀吉が正論を言っている。

教室内が悲鳴をあげている。久保に至っては膝まで震えている。

「ちょっと落ち着けよ。」

「「「うるさい。リア充は黙ってろ。」」」

あっ。そういえばこのクラスの男子ってFクラスと似てるな。ってことは

「「「吉井を殺せ!!」」」

と言いながら久保以外の教室を出て言った。

「……頭がいたい。」

「ちょっと僕が止めてくるよ。」

久保はなんとか立場と言うものが勝ったのであろう。それなら大丈夫か。

「あぁ頼んだ。」

「なら言ってくるよ。」

すると久保も教室から出て行った。その後久保もまだ戻ってきていない。

「あれ?霧島は?」

「待ってたのに坂本くん来ないから迎えに行くって。」

「まともな奴はいないのか。」

俺はため息をつくしかなかった。

 

「とりあえずこれでいいか?」

「うん。ありがとう。」

「でも本当にわかりやすいわねあなたの数学。」

木下が驚いたように俺を見る。

「得意科目だしな。その分古典がひどい。100点はこえるのが精一杯だ。」

「わしの最高点より高いのじゃが。」

「あんたはひどすぎるのよ。大沢くんのところは捨てるんじゃなくて古典で戦った方がよかったわね。吉井君があんなに強いとは思わなかったわ。」

「……明久はやるときはやる。」

「しれっと参加してるけど康太いつのまにきたんだ?」

「ついさっき。俺も勉強しにきた。」

時間を見るとまだ一時間目が終わっていなかった。

「まぁ、いいか。後久保は?」

「……隙を見て奪おうとしていた。」

「了解。はぁ明久は悪くないからこっちにくるよう鉄人に言ってあるから別にいいとして。」

「鉄人?鉄人がどうしたのじゃ?」

あっ伝えてなかったな。

「もしあのままFクラスで授業を受けたいといっていたらよく考えてみろ。ここと授業一緒にやるって言うのにFクラスは誰が授業するんだ?」

「……なるほど。」

「あーそういうこと?」

「この学校でAクラスの授業に関係しない先生は高橋先生と鉄人だけだ。だから今日の残りの授業はあいつらは鉄人の特別補習だ。」

その後明久がボロボロでやってきた後はAクラスとFクラスのバカどもは鉄人の補習授業を受けていたらしいがどうでもいいか。


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