バカとオリと召喚獣   作:孤独なバカ

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映画

工藤と一緒に歩くこと数分俺たちは映画館に着いた。

「なんか久しぶりだな。映画とか。」

「そうなの?」

「いつもDVDを買って見てるからな、映画は結構秀吉の影響で見るけど映画館まで行くことは少ない……」

俺は足を止めてしまう。

「どうしたの?」

「いや。あれ。」

俺が指差した先には鎖で繋がれた手錠に囚われている雄二とそれを管理している霧島がいた。

「あっ代表と坂本くんだよね。」

「あぁ。」

「なんで坂本くんは監禁されてるのかな。」

「俺が知りたいなそのことは。」

なんか試召戦争で雄二が決めたことだがかわいそうになってくるな。

「……そ、そういえば何見たいんだ?」

「え、えっとこれ。」

工藤が指差したのは恋愛映画で前作もある有名なものだった。

「なら金払ってくるからちょっと待ってろ。」

「えっいいよ。ボクから誘ったんだし。」

「さすがに女子に払わせるわけにはいかねーよ。一応仕送りには余裕あるからな。」

それに明久もここにいるだろうし恩を売っておいてもよさそうだし、霧島達と話してきても面白そうだな。

「じゃあボクも行こうかな。することもないから。」

「まぁ、それくらいならいいけど。」

俺はチケット売り場に行くとやっぱり明久達がいた。

「よう。明久。」

「あれ、楽と、工藤さんなんでここにいるの?」

「お前ここにきて映画見にきたっていわなかったらなんていうんだよ。」

ため息をつく。

「じゃあ、大沢くんは工藤さんとデートなんですか?」

「……え?」

「うん。そうだよ!!」

工藤が代わりに答える。多分同級生がいるから学校モードになってるな。

てかそうだよな。よく考えたら二人きりなんだからデートと言ってもいいんだよなぁ。

……エスコートできるかなぁ

「いいなぁ。楽。工藤さんとデートなんて。」

「お前は…」

後ろで姫路と島田からすごくさっきが出ている。

「とりあえず、世界の中心で初恋を2のチケットを二枚ください。ついでにお前ら何見るんだよ。試召戦争で役に立ったから奢ってやるよ。」

「えっいいの?」

「えっ。いいんですか?」

「べつに。金には困ってないしな。」

「じゃあ、同じ映画でいいですよ。」

「んじゃ5枚」

俺は5000円を財布から出し払う。

「んじゃ、工藤行くぞ。飲み物なんかはさすがに払わないからな。」

「うん。ありがとう楽。」

「んで工藤は何かいるか?」

「それくらいボクに奢らせてくれないかな。ボクから誘ったんだし。」

気つかわせちゃったかな。それなら甘えとこうかな。

「なら、コーラLサイズとポップコーンSサイズ。」

「うん。じゃあちょっと待ってて。」

「サンキュー。」

俺は座ってると

「……あれ?大沢?」

霧島が気絶した雄二を引きずってきた。

「……」

後から雄二に何か奢ってやるか。

「そういえば愛子は?」

「買い出し。ってなんで工藤ときたって分かったんだ?」

「大沢が愛子以外の誰かと出かけるなんてありえないから。」

「どういうことだよ。」

「……愛子と付き合ってるんじゃないの?」

……はい?

「誰が言ってた?」

「ううん。そう見えたから。」

「付き合ってないぞ。最近よく言われるけどな。」

「そうなの?」

「あぁ。」

すると首を傾げて

「……そう。」

「あれ?代表どうしたの?」

買い出しから戻ってきた工藤が戻ってくる。

「大沢が見えたから挨拶してた。」

「そうなんだ。」

「もう私たち映画の時間だから。」

「そういや、霧島たちは何みるんだ?」

「…地獄の黙示録完全版。」

それ三時間あるやつでしかもデートに見る映画じゃないな。

気絶している雄二がかなりかわいそうに思えた。

 

「けっこう面白かったな。」

映画を見終わってオレと工藤、そしてなぜか明久たちがいた。

「そうですね。大沢くんは映画はよく見るんですか?」

「秀吉の影響でな。演劇や映画のビデオをよく貸してくれるんだよ。でも明久お前たぶん寝てたんじゃないか?お前こういった恋愛物よりアクションとかホラーとかの方が好きだろう。」

「うん。正直眠かったけど美波に寝そうな時に関節技かけられて起きた。」

なるほど一回後ろから叫び声が聞こえたのはそのせいだったのか。

「そういや、工藤どうする。このあと時間あるようだったらどっか飯でも食いに行くか。」

「うんいいよっ。」

「ちょっと楽焼き肉は?」

明久が裏切られたって顔してるけど。

「お前今日島田にクレープ奢るんだろ、その分週末があくだろうから雄二や康太たち呼んで派手にしようぜ。」

「ちょっと大沢。」

「お前らこいつの飯を塩水と砂糖水から公園の水道水にさせるつもりか。流石にこいつ死ぬぞ。」

「アハハ。面白い冗談だね。」

あっそうか。工藤は知らなかったんだっけ。

「工藤、こいつの仕送りを自分の趣味に使いすぎて食生活がちょっとおかしいんだよ。今はほとんどオレがおごらない限り塩水と砂糖水だけ生活している。まぁこれでもマシなほうだけど。今月はガスも水も止まってないし。」

「「「止まっていることがあるの(んですか?)」」」

「うん。先月はガスが止まってた。」

平気そうにいうけどこいつどういう生活しているんだよ。

「ってことだ。今週末焼き肉するときはお前らも呼ぶから。付け合わせは明久が作れるし。」

「えっ?明久くん料理できるんですか?」

姫路が驚いたようにしている。

「こいつめちゃくちゃうまいぞ。こいつの母さんと姉さんは料理下手だったから。」

「へぇー。アキが料理ね。」

「オレもけっこうお世話になってるしな。味は確かだぞ。雄二や康太も料理できたはずだからな。」

「康太って土屋くんのこと?」

「そうだけど?」

「それボクも出たいかな。保健体育の借りもあるし。」

工藤がかなりいい目をしているし康太のいいライバルになりそうだな。

「別にいいぞ。面白そうだし。」

「でも坂本くん生きてたらいいよね。」

「……そうだな。」

「うん、そうだね。」

オレと明久は工藤の冗談に肯定することはできなかった。


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