イナズマイレブン ~『必殺技』に憧れて~   作:@ドラゴン

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急ピッチで仕上げたから、誤字が多くなってるかも知んない…

批判の多い展開かもしれん。
だが、書きたかったから書いた!

相変わらずの駄文だけど、どうぞ!


第8話 最初の1点

「皆、紹介しよう。今日の助っ人に入ってくれる松野空介だ!」

 

「僕の事はマックスって呼んでいいよ。君達のキャプテン見てたら退屈しなさそうだと思ってさ」

この軽さに、他の部員達は少し不満気だ。

「退屈って、遊びじゃ無いんだぜ、試合は…!」

その気持ちも分からなくもないが、人が揃わねば土俵にすら立てない以上、あまり文句は言えない。

 

「心配いらないよ。サッカーは未だやった事ないけど、こう見えて器用なんだよね」

 

「ということだ。期待しようぜ」

 

「しかし此でもまだ10人だぞ?」

ん?気付いてないのか?

 

「いや、11人揃ってるぜ」

 

「え?何言って「…驚いた」!?」

 

「影野も入部したんだっけな」

 

「俺に気付ける奴はそう居ないと思ってたんだが…」

 

別に気配を隠していた訳ではないのな。

 

「天願は気配察知が凄いからなぁ…」

 

「そういや練習でボールが後ろから来ても普通に捌いてたっけ」

 

そうこうしている内に、帝国のバスがやって来た。

…なんだ、この登場演出は…?

レッドカーペットに敬礼って、こいつら軍人かVIPか何かかよ…?いや、帝国サッカー部でのVIPではあるかもしれんが…此処までやるか?

 

「鬼道さん、なんでこんなチームと試合を?ウチのスキルが上がるとは思えませんけど」

 

……聞こえるように言ってやがるな、事実ではあるが、こうも嘲る様な言い方をされるとな。

 

「面白いものが見られるかも、と」

その視線の先は…豪炎寺か。

 

「面白い物?」

 

「まぁ、楽しみにしてる事だ」

すると、バスの上部から椅子に座った男が…金掛けてんな。

 

あ、円堂が挨拶しに行って………すぐ戻ってきたな。

 

「初めてのグラウンドだから練習したいんだってさ…。」

 

それだけを聞けば良くある事だが…奴等から感じるこれは、悪意か?

 

ただの練習、には収まらんかもな…。

 

アイツらの練習はウォーミングアップの意味もしっかりあるのだろうが、これはどうやら力の差を見せ付けてるって感じか。

 

ウチの部員どころか円堂すらも萎縮し始めている。

弱小相手と知って尚、ここまでプレッシャーを掛けてくるか…。

 

アイツは…確か途中から仲間になる帝国のキャプテンだったよな。

 

何故1人だけ動かず此方を見て…何かを探している…?

 

俺と目があったにも関わらず動き続けた視線が円堂の所で止まった。そして感じられる悪意が急激に…っ!

 

「円堂、構えておけ」

 

俺の発言に、ポカンとした表情を浮かべる円堂

 

「は?何言っ「此方に、いや、お前に撃ってくるかもしれん」何だって…!?」

俺が言い切ったと同時に何らかのサインを出したのが見えた。

 

そして、予想通りアイツ自身が撃ってきた。

 

心構えは出来ていたからか、しっかりと受け止める。

それでも予想以上だったのだろう、両手を見て呆然としていた。しかしそれも一瞬、いつもの好戦的な笑みを浮かべて

 

「面白くなってきたぜ!」

今の状況で啖呵を切る…か、アイツらしいな。

 

だが良かった、精神的支柱なアイツが弱気になれば他の部員に影響があるからな。

 

「燃えてきたー!皆、一週間の成果をコイツらに見せてやろうぜ!」

 

他の面子は相当ビビってるんだが。あ!壁山がトイレ(セーフティ・ハウス)に逃げた!

 

「アイツが抜けたら10人になるが、どう埋める?他に居るのかな?」

 

そう言って露骨に視線を豪炎寺へ視線を向ける。

 

その時だった。

「円堂く~ん!」

 

誰かが円堂の名を呼び走って来る、マネージャーの木野と…誰だ?

「この人も参加してくれるだって!目金君って言うのよ」

 

すると、そいつは俺達を見渡し

「目金欠流だ、宜しく」

 

周りの反応から、余り運動出来る奴では無さそうだが…。

「ああ、宜しく」

 

目金は円堂の差し出した手に目もくれず、辺りを見渡し、

「どうやら、本当に僕が最後の1人になったようだね…」

 

壁山がエスケープしてるだけなんだが…嫌な予感がする、言わないでおこう。

 

念のため、円堂にも身振り手振りでそう伝えておこう。

 

「入部するにさしあたって、条件があるんだけど」

 

うん、中々プライドが高そうだ、壁山の事が発覚したら面倒な事になりそうだ。まぁ、誰かが口を滑らせない限り分からんだろう。

 

…あいつ試合前に戻って来るよな?

一応、練習試合という名目でウチまで態々足を運んで来ているのだ。余り待たせてしまうというのも良くない。

 

何人か連れて探しに行っておくが、あいつの事は…円堂に任せるとしよう。

 

 

壁山発見。どうやってロッカーに入ったんだ…物理的にどうやんだよ、これ。

このロッカーはたけし城ならぬ壁山城と名付けよう。

 

見付けたは良いが、このまま誰かを待つには時間が…仕方ない運ぶか。

 

円堂side

 

「すいません、今すぐ準備します!すぐ探してきます!」

マズイ!壁山何処行った!?

 

「ちょっと」

 

天願が探して来るって合図してきたけど…6人位連れてったのにまだ戻ってこない…!

 

「あの、聞いてます!?」

あ、戻って来た!あれ?天願の奴なんで片手にロッカー抱えてんだ…?

 

「どういう事ですか!僕は一番最後じゃないって…

なんですかあれ、本当に人間ですか?」

 

ここでロッカーを降ろした天願は

「円堂、過程は知らんが壁山はこのロッカーに入っちまったらしい!

取り敢えず、ロッカーごと持って来たが、何とか出来るか!?」

 

ツッコミ所は多々あるけど、天願はこういう事良くやる。

 

気にしないでおこう、サッカー部の皆だって

 

「ああ、いつもの…」

「俺、物理の勉強不足かもしんねぇ…」

 

慣れてるしな!

 

これを何とか出来そうなのは…

「キャプテン!自分がやってみます!」

 

「少林!頼むぞ!」

 

おお!良いキックだ!

壁山も脱出出来たし、何とかなったか!

 

Side out

 

ふう、間に合って良かった。

 

「鬼道さん、あれが貴方の言う、面白い物か…?」

「…いや、違う。」

「あのサイズの人間を、ロッカーごと持って来る様な奴だぞ!?」

「しかも、片手で、走ってだ!あれよりも凄いのか…!」

「……確認してきていいか…?」

「「「鬼道さん!?」」」

 

帝国の奴ら何を話し合ってる…?俺達相手に作戦会議なんざ必要ないだろうに…。

…距離が遠い上に声量も落としてる…徹底してるな…!

 

どうやら、円堂は上手く壁山を奮い立たせる事に成功したようだ。

 

さて、試合か…。

 

漸く始まるのか…ん?

アイツ、コイントスもやらずに何を…

 

「鬼道君!コイントスを…」

 

「必要ない、好きに始めろ。」

 

何だと?舐められるだけの実力差があるのが分からない程、俺は弱くないつもりだ。

 

だが流石に今のはムカついた。

ポジションに着く前に円堂と軽い打ち合わせをしよう。

 

「よう円堂、緊張してるか?」

 

「いや、むしろワクワクしてる!天願こそ頑張れよ!」

 

楽しそうで何よりだ。さて、これは死亡フラグだから使いたく無いんだが…

 

俺も久しぶりの試合で大分興奮してる様だ、もうこの衝動に任せよう!

 

「ああ、頑張るのは良いが

―――別に、開幕直後に得点してしまっても構わんのだろう?」

 

打ち合わせと言うよりは俺の勝手な宣誓だがな…!

 

円堂は一瞬呆けた表情をしたものの

 

「―――ああ、遠慮はいらないぜ!

アイツらの度肝を抜いてやれ、天願!」

 

…おお、まさか此処まで完璧な返しが来るとは思わなんだ。

なら、俺も最後までやりきるか。

 

「そうか。ならば期待に応えるとしよう。」

 

 

 

唐突だが、俺はこの試合の結末が分かっている。

 

いや、分かっているというのは語弊があるな。正確には予想出来ている、が正しい。

 

別に物語の内容を覚えているって訳じゃない。

 

原作では、敵と余りに実力差のある場合、競技間違ってない?と言いたくなる程に点差が広がる。

 

そういった場合、大体敵のスペックが強すぎて味方はボロボロになって地に倒れ伏し、一点も入れられない事が殆どだ。

 

大概その試合の終わりに誰かが来る、新しい必殺技の予兆などで逆転の可能性が出て終わるのだ。

 

この試合はそうなってしまうだろう。

恐らくは豪炎寺と円堂の二人が必殺技が炸裂、相手のシュートを止めた上で一点入れる。

そこで試合終了、といった具合に違いない。

 

流石に今の状況じゃあ勝ち目が0だって事は分かる。

例え豪炎寺が最初からいたとしても勝てないだろう、チームプレー、サッカーという競技はそういうものだ。

 

だが、そんなの悔しいじゃないか。

あんなに舐められていたのに何も出来ず豪炎寺と円堂の二人が希望を見せた事を慰めとする?

 

そんな事になってみろ、俺が俺を赦せなくなる…!

 

だから、決めた。

最初だけでも良い、竜頭蛇尾と嗤われ様が構わない。

舐め腐っている奴らに一泡吹かせてやる、そう決めたのだ。

 

キックオフになったら俺にボールを寄越して貰う様に伝えた。

後は俺が磨いてきた必殺技を駆使して、奴らに目にもの見せてやる…!

 

開幕を告げる笛が聞こえる、打ち合わせ通り俺にボールが来た。

 

行くか。

 

後の事なんて考えずトップギアで敵陣に突っ込む。

 

最初の相手は…お前か、鬼道。

「まさか1人で突っ込んでくるとはな。それともプレーの仕方すらろくに知らないのか?」

 

「何、アンタらのその態度が気に入らない。

だからそのゴーグルの下にある目を此でもかって位に見開かせたくなってな」

 

「弱小風情が、大言壮語にも程がある。今までの奴ら同様、蹴散らしてやろう」

 

「やってみろよ、やれるもんならなぁ!

 

 

固有時制御 二重加速(タイムアルター・ダブルアクセル)』!」

 

 

急にコイツが遅くなった気がするがそうではない、俺が速くなったのだ。

ゴーグルごしなので判りづらい筈の表情がみるみるうちに驚愕へ変化していか様が見える。

 

この技は負担が大きい、だから抜き切ると同時に即座に解除する。

 

鬼道を抜いた先にはキーパー以外誰もいない。大方、鬼道が抜かれるなんて想像もしていなかったのだろう。

 

だが流石は最強、驚愕による硬直からの立ち直りが早い。

俺への警戒レベルを一気に上げたのか、その表情には油断の一つもない。

 

このままではシュートへ行き着く前に妨害に入られるだろう、そう"このままでは"。

 

 

「『瞬歩』」

 

 

瞬間移動とも呼べる速度で、ゴール迄の距離を一気に詰める。

 

ディフェンスやキーパーの顔が驚愕に染まっていく。

 

瞬歩は移動距離に応じて消耗率が大きく変わる技。

結構な距離を詰めたのと、さっきの技の反動が重なった事でかなり苦しくなってきた。

 

大技のシュートを使うと失敗してしまうかも知れない。

ここは燃費が良く、威力も十分且つ後押しとして初見殺しの技にするとしよう。

 

 

「『5連 釘シュート』!」

 

 

パンチがシュートになっているのはご愛嬌。

驚愕から立ち直れていない様子だが身体がしっかりと反応しているのは流石と言うべきか。

 

「通さんっ!『パワーシールド』」

 

シュートが力場の盾にぶつかった瞬間、苦悶の表情を浮かべたが、暫くしてニヤリと笑った。

 

5「色々と驚かせて貰ったが、残念だったな」

 

「その台詞を吐くには…少し早いんじゃねぇか?」

 

4「フッ、何を言う。確かに強力なシュートである事は認めてやるがこのてい…っ!?何だっ…!?」

 

「聞こえなかったか、"5連"ってな」

 

3「まさか…グゥッ!?」

 

「後2回だ、耐えてみせろよ?」

 

俺は今、相当酷い悪人面をしていることだろう。

奴の盾に罅が入っていく。

 

2「クソォッ!後、少し…!持ってくれ!」

 

罅はどんどん広がり、もう無傷な所の方が少ない位だ。

 

「よくもったな、次でラストだ」

 

1「ウワァァッ!」

 

硬質的な音が響き、ゴールを守る盾は粉々に砕け散る。

 

直後、俺のシュートがネットに突き刺さる音が聞こえた。

 

「取り敢えず溜飲は下がったか」

 

まだ始まって1分も経っていないけど、得点を告げる笛の音と一瞬遅れて沸き上がる歓声に、俺はもう報われた様な気がした。

 

まだ、試合(地獄)は始まったばかりだというのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

「1位だ!1位がいる!」

 

「何の1位なんだよ」

 

「人気投票だよ」

 

「(何言ってんだ、コイツ)へぇー、誰が?」

 

「五条さん」

 

「あれが!?他にも居るだろ、色々と!

……てめえも嬉しそうにしてんじゃねぇ!」

 

 

 

 

 

「あのバス、スゲー金掛けてんな…。

ん?椅子が出て来て、なんだあの、グラサン掛けたモアイ像?」

 

「貴様!総帥に向かって何て事を!(駄目だ、まだ笑うな…堪えるんだ…いや…しかし…)」

 

「……おい、これが終わったら、訓練メニューのレベルを上限まで引き上げろ。

後、あの小僧は徹底的に潰せ」

 

「気にしてたんだ…俺もそんなイメージだったなぁ

(はっ!了解しました!)」

 

「」ビキビキ




仕事という現実から逃避したくて仕上げた。

お気に入りが順調にふえて来て嬉しい…!

『固有時制御 ◯重加速』
引用「fate」
使用者「衛宮 切継」

任意の時間、自身の速度を◯(重の前の数字)倍にするという単純故に強力な技。
ドリブル、シュート、ブロックどの様な局面にも有用。
しかしその反面、発動中に恐ろしい勢いで体力を消耗する上、技の終了時に使用した倍数に応じた反動が生じる為、使い勝手は非常に悪い。


『瞬歩』
引用「BLEACH」
使用者「死神であるキャラクターの多くが修得している」

任意の地点までの距離を高速で詰める技。
その速度は瞬間移動と表現しても差し支えなく、例えコートの端から端という超長距離間であっても一瞬で移動出来る。

但し、体力の消耗は距離に比例して加速度的に上昇する為、コートの半分以上の距離間における使用は現実的ではない。

技の発動には移動方向へ体を向けている事、使用距離の直線上に人が居ない事、この2つの条件を満たさねばならない。

また、技の発動直前と終了直後に短いとはいえ、硬直時間が存在する事もあり、使用時と移動予定の場所の付近に敵がいる時に使うのはリスクが大きい。


『◯連 釘シュート』
引用「トリコ」
使用者「トリコ」
本来の技は『釘パンチ』又は『レッグ釘キック』
シュートしたボールには時間差で◯(連の前の数字)回、"ボールをキックした時の威力がそのまま"後押しされる。
この特性により◯の数によっては超長距離から放たれても最高威力を保ちつつゴールを狙う事が出来る。
◯の数に応じ消耗も大きくなるが、1発の消耗自体が少ない事もあり、相当な回数にでもしない限りかなり使いやすい技となっている。

敢えて弱点を上げるならば、1発には威力上限が存在している事。使用者の膂力や技量がどれだけ上がろうとある一定以上は同じ回数での威力が変わる事はない。

◯の回数を一撃に込めた『ネイルガン』が存在する。

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