イナイレより俺の方が視野が狭いと発覚したよ…!
文字数マジで少ないな…なんで皆あんな書けるん…?
俺は2つの技を修得した。シュートじゃなくても使えたんだが、まあそれは置いておこう。
この2つの技『バーチカル』と『ホリゾンタル』はぶっちゃけ軌道が違うだけでほぼ同じ技だと考えていい。
にも関わらず何故どちらも修得したか、それはこの技の持つ特性に興味が湧いたからだ。
『SAO』ではアリシゼーション編において、この初歩中の初歩とも言えるソードスキルについての説明がある。
それによると、この技は軌道さえ変えていなければ向きの変更が出来るようだ。
普段は片方のモーションを多用しつつ、折りを見て別パターンを繰り出す、といった引っ掛けを行えると考えたからだ。
この世界では――技というものは大体そうなのだが――予備動作で何の技なのか判断出来るものもある。繰り出す技には判っていれば、引き返す、立ち止まる、寧ろ突っ込むなど案外簡単な方法で突破出来るものもあるのだ。
ならば相手に態と予備動作を覚えさせフェイントとして使う、という選択肢もアリと考えたのだ。
この2つの技は威力が弱い。シュート技と言ってはいるが、下手をすれば熱血パンチにも弾かれるだろう。
だが、その弱さを利用してパスとして使う、シュートチェインに利用する、といった方法で工夫すれば良いのだ。
要は使い方だ。弱い分発動後の隙も少なく別の行動に移れる為、自分がシュートチェインの起点とフィニッシュを同時にこなす事も可能なのだ。
そして、もう1つこの2つには上位版があるという点だ。
『バーチカル・スクエア』『ホリゾンタル・スクエア』
この2つは初動こそ変わらないが、四連撃になっている。
捕らぬ狸の皮算用かもしれないが、これらを修得した場合、取れる選択肢が大きく増える。
『バーチカル』でパス、シュートチェイン、若しくはそう見せ掛け『スクエア』を撃ちこむと場に応じ臨機応変に動けるのは相当な強みになると思うのだ。
パスにしても『バーチカル』は上下『ホリゾンタル』が左右と差別化も可能だ。
故に将来性の強いこの2つを修得を決めた。
学校に着くと、
「あれが…例の」
「おい、誰か声掛けて来いよ」
「噂じゃなく、実在したのか…!?」
なーんて、会話が聞こえるけど気にしない。気にしないったら気にしない、俺は噂の不死身の化け物とやらではないのだ…!
「おはよう、天願!今日もサッカーやろうぜ!」
と円堂が声を掛けて来る。
…円堂守、第一声に必ず「サッカーやろうぜ!」入ってる説、なんて浮かんだが……そんな事ないよな?
「おはよう。サッカーやろうぜって、まだ学校始まってないぞ。
少し気が早いんじゃないか?」
それにしても、俺と円堂はまだ知り合って3日目だ。昨日は会ってないから実質2日目である。
それなのにこの気さくさ、何というコミュ力、俺には一生真似出来んな…と戦慄していると
「分かってるって、じゃあまたな!」
と言って去って行った。目を泳がせている様な、ギクリという表現がピッタリだったのだが、アイツにとってのサッカーは俺にとっての必殺技みたいなものか、と考えると納得出来るものだ。
あっ、今日小テストがあった。この休みは必殺技関係で全く勉強してなかったが…転生してて良かったわぁ、ホント。
学校の授業は終わり放課後、夕陽が校内に差し込み人が疎らになってきた。円堂に会うまではゲームや漫画の為に自宅まっしぐらだったが、今は夢を追い掛けるスポーツマン(笑)なのだ。
…おかしいな、妙な悪意を感じる。
場所はあの鉄塔広場、原作と違い2つのタイヤが吊られている…。
いや、俺は今日円堂にストライカー宣言をするんだ!だからもう、アレと関わる事はない!
「悪い!遅れた!」
そう言って円堂が駆け寄って来る
「何か用事でも有ったのか?なんか無理に来させたみたいで、悪い」
と謝ると、目を逸らしながら、乾いた笑いを溢す
…あー、こいつさては…
「今日のテストはそんなに難しかったか?」
言って、悪どい笑みを浮かべてみる。
するとギクリと体を震わせてから項垂れていく
母ちゃんに怒られる、なんて声が聞きとれた。
「悪かったよ、そんなに落ち込むとは思わなかった。
気分転換も大事だぜ」と言ってボールを投げ渡し、
「やるんだろ、サッカー」と言うと
さっきまでのが嘘の様に
「ああ!そうだな!気分、転換?は大事だからな!」
途端に元気を取り戻した。
…小学校低学年は気分転換という言葉を、まだ習ってないのだろうか?
転生した弊害か、俺の性格の問題か、余り友達がいないためそういう事に疎い。
教師からも聞き分けの良い子扱いこそされているが、内心気味悪がられているのが透けて見える。
まあ関係ないな。
準備運動を済ませ、軽く動いた後
「円堂、今からシュートを撃つつもりだが、止めてみるか?」
と軽く挑発してみる。
「シュート?ああ、良いぜ、来い!」
挑発には気付いてないみたいだが一応、念を押しておこう
「全力で撃つぞ、だから気を抜くなよ?」
俺の気迫か、雰囲気か、何かを読み取ったのだろう。円堂は笑みを消して真剣に向き合ってくれた。
…ああ、これは怖いな。もしかしたら、とかそんな事さえ思えなくなった。
多分、いや、確実に止められると、そう直感した。今は、または未来なら抜ける日が来るだろう。
だが、最終的には俺は円堂守というゴールキーパーに勝ち越す事は無いのだろうと、そんな漠然とした、しかし妙に納得出来る確信があった。
「行くぞ!『バーチカル!』」
「止める!『ゴッドハンド!』」
だがまぁ、そうだなぁ…。
転生する、なんて予想外の出来事があるんだ。
だから、この確信すらも越えて、俺はコイツに勝ちに行こう。
決められた未来も運命も無く、先の事なんて誰にも分からないのだから。
「よし!キーパー練習始めるか!」
!?
「円堂?俺はストライカーを目覚しててな…?」
「えぇ~、やろうぜ!天願は才能あるって!あんな技直ぐ使えたんだし。
そうだ!全ポジション極めるとかどうだ!?」
「キーパーも含めた、パーフェクトオールラウンダーだと…!?
お前天才かよ!?良いな、それ!」
この後滅茶苦茶後悔した
天然って怖ぇ…いや、俺が馬鹿なのか…
よっしゃあ!これで次こそ原作入り出来るか…!?
と言っても覚えてない原作こそが最大の鬼門という罠
キャラも増えて、その辺の動かし方、主人公の立ち位置とか考えなきゃ…!
因みに、この時の円堂はゴッドハンドを完成させていません。
主人公は不発したにも関わらず技を止められて、心に深い傷を負います。
まぁ、それで何か変わるといった事なんざ無いので忘れていいです。