イナズマイレブン ~『必殺技』に憧れて~   作:@ドラゴン

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マタ…マモレナカッタ(週一投稿)

凄い難産だった……展開とか色々不安だけどコレ以上はまだ難しかった……。

結構進めたから次で世宇子戦行ける筈……!




水着イベどうしよ………弓王欲しいけど、これからに控える新水着キャラががが。


第27話 好敵手

アフロディが去って直ぐ、響木監督が現れたが、その時「今の雷門(俺達)では()()に勝てない」と言い切った。

 

それに反発した円堂が今まで以上に無茶な特訓を続けている、直ぐにでも止めたいが、響木監督に考えがあるそうなのでもう少しだけ様子を見ておこう。

 

後輩達はアフロディのシュートに吹き飛ばされた円堂の姿が焼き付いているのか、風丸達が声を掛けても今一やる気が見られない。

 

俺は午前に根を詰め過ぎたせいで化身技の練習が出来る様になる迄暫く掛かる、かといって何もせず時間を無駄にする訳にもいかないので、鬼道・豪炎寺と繰り出せる合体技の練習をしている。

 

化身技の強化が世宇子戦までに完成出来る保証も無い以上、保険を掛けておいた方が良いだろう。

 

 

 

 

すると急に、響木監督が俺達を集め

 

「お前達、合宿をやるぞ。」

 

「合宿……?」

 

合宿か………え、今合宿って言った!?

 

「ああ。学校に泊まって、皆で飯でも作ってな。」

 

「学校の許可は私の方から取ってあるわ。

誰かさんは、以前から休みの度にイナビカリ修練場(此処)に独りで泊まって特訓漬けだったみたいだけど。」

 

夏美がそう言って、俺の方を流し目で見てくる。

は、はて、ナンノコトダロウナー。

 

「休日潰してアレを……?いや、いつもの事か。」

 

「ああ、天願ならやりかねないな。」

 

「それを聞いて納得する自分がいるっす……。」

 

染岡、風丸、壁山の呟きや、チームメイトからのドン引きの視線を感じる……が、そんな事はどうでもいい!

 

合宿、前世では一度も経験出来なかったから心が躍る……!

 

俺の内心と同様に舞い上がっている一年組だが、円堂が待ったをかける。

 

「待って下さい監督。

飯でもって、そんな呑気な事言ってる場合じゃない……世宇子との試合は明後日、時間なんて無いんです。

其までにマジン・ザ・ハンドを完成させないと。」

 

「出来るのか?

今の練習で必殺技を完成させる事が。」

 

「だ、だから!それはやってみないと―――「無理だ。」

 

円堂の咄嗟の反論を言い切る前に、響木監督が断言した。

 

「マジン・ザ・ハンドは、大介さんが血の滲む様な努力で創り上げた幻の必殺技。

闇雲に練習して完成出来る様な柔な技じゃない。

 

それに………今のお前は必殺技の事で頭が凝り固まっている、そんな状態で完成させる事など不可能だ。」

 

響木監督の弁は正しい。

あんな練習で完成させれるんだったら苦労はしないし、寧ろそんな方法・心理状態で完成出来る様な技で自信なんてつけたなら、そんな半端な技も自信も完成直後にぶち破ってやるつもりだ。

 

響木監督が何も言わなければ、とっくの昔に止めている。

円堂が続けていたのはそういう(何も得られない)練習だった。

 

「そんな事言ったって……。」

 

だが、そういうのは当人が一番気付けないものだ。

それに指摘されて直ぐ止める様な奴でもない、現に不服そうな表情を隠せていないし、外堀から埋めていく必要があるか。

 

「俺は響木監督の案に賛成だ。」

 

「天願……!?」

 

円堂が信じられない物を見る様な目を向けてくる。

 

「今のお前は誰が見ても分かる位に焦り過きだ。

そのままじゃどれ程特訓を続けてもマジン・ザ・ハンドどころか他の必殺技すら完成できない。

進もうと足掻くのを悪いとは言わねぇ、だが、今お前に必要なのは立ち止まって現状を見つめ直す方だと思うぜ。」

 

「ああ、一度マジン・ザ・ハンドの事を忘れてみるのも良いかもしれないな。」

 

「俺も賛成かな。

ほら、ゴキブリを捕る時以外は急ぐなって言うし!」

 

「ゴキブリ?蚤じゃなかったっけ?」

 

「………そうとも言うよね!」

 

察したのか鬼道や一之瀬も続いてフォローに回ってくれた。

 

それでも円堂は難しい顔してるが。

 

「それじゃあ、合宿で決まりね。」

 

「皆、5時迄に準備をして集合だ。」「「「はい!!」」」

 

さぁて、合宿か…………何持っていきゃ良いんだ、宿泊学習や修学旅行の時と同じで良いのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は4時半、少し早めに来たか?そう思って体育館の扉を開けると――――おお、皆揃って……いや、円堂と豪炎寺がまだか。

 

既に枕投げに興じてる奴らも居るし、俺も混ざりに行くか!

 

 

 

集合10分前に豪炎寺が、5分程遅刻して円堂が来た頃、一年組と俺は染岡に枕ぶつけた件で説教されていた。

 

お前ら何しに来たんだよって視線が痛いなぁ。

 

「漸く全員揃ったな、よし先ずは飯だ!」

 

響木監督の号令で料理を始めるが、この人数なら相当な量になりそうだ。

 

さて、俺は何処を手伝おうか……見るからに玉ねぎの所は人手が足りてないな。

 

「よう、手伝うぜ。」

 

「た、助かるでやんす……うう、目が……。」

 

あー、成る程それでここだけ人が寄りついて無いのか。

 

「鬼道は大丈夫なのかよ。」

 

「やっぱゴーグル(それ)有ると違うでやんすか?」

 

「まぁな。」

 

………玉ねぎのは目じゃなくて鼻からじゃなかったか?

 

栗松との違いは、鬼道は玉ねぎを氷水に浸けてる事だが。

 

鬼道の発言を真に受けゴーグル完備の一年組だが―――

「「「目が、目がぁぁぁ!!!」」」見事ムスカっていた。

 

ふと、視界の隅に一人離れているのが映った、あれは―――円堂か、しょうがない。

 

「おい円堂!サボってねぇで手伝いやがれ!

じゃねぇと飯抜きにすんぞ!」

 

焦ってもろくな結果にならねぇし、強引にでもサッカーから離すか。

 

円堂は不満たっぷりの表情で此方を見てから

 

「別にサボってる訳じゃ……マジン・ザ・ハンドを修得しないと――――――て、天願が、食材を……切断している……!?」

 

―――おい円堂、なんだその顔は。

 

「だってお前独り暮らしなのに、家に行ってもカップ麺とか冷凍食品ばっか食べてるし。」

 

ひ、否定出来ない。

 

「舐めんな、その気になりゃ料理位出来るっつーの!」

 

そう苦し紛れに言うと横合いから鬼道が

 

「そうか、じゃあ玉ねぎが皮付きなのはどう説明するんだ。」

 

「野菜って皮の近くが一番栄養あるって耳に挟んだ事あるし、別に食えりゃ良いんじゃねーの………?」

 

そう言い切った途端、皆が頭を抱えてしまう。

 

「ちょっ、何してるんですか先輩!?」

 

「そうだ、天願(コイツ)食えれば何でも良いんだったチクショー!」

 

「どうしてこうなるまで放っておいたんだ……!」

 

「っていうか独り暮らしでコレって………マジかぁ……。」

 

「なんて事だ……退け天願、俺が代わりにやる!」

 

「天願君、皿の準備、それが終わったら調理器具洗ってて、それだけで十分だから!」

 

音無、円堂、鬼道、一之瀬、豪炎寺、木野が慌ただしく畳み掛けてくる、うん?どっかミスったかな。

しかし懐かしい反応だ、前世(むかし)も似た様な光景を見たな。

ちゃんと栄養バランスを考えて食ってんのに、医者の不養生とか色々言われてたっけか、何が駄目だったんだろ?

 

 

食器の数を確認しているとスプーンやコップが少し足りない、監督に言って、調理室から借りて来て戻ると――あれ?

 

「なぁ、皆何処行ったんだ?」

 

夏美以外には大人組しか残っていない。

 

「さっき壁山君達が御手洗いから帰って来た時、人影が見えて、もしかしたら影山の差し向けた刺客かと思って皆で探しに行ったの。

天願君は何処に行ってたの?」

 

「監督から聞いてねぇか?食器を取りに調理室まで行ったが、大人だと?

元イナズマイレブンの人ならすれ違ったが……影山の野郎……!」

 

「………ねぇ、ちょっと良いかしら。

元イナズマイレブンって、あの人達が校舎内に居たの?」

 

「ん?ああ、そうだが………そういやサプライズだから内緒にって言われたな。」

 

取り越し苦労で良かったが、なんかどっと疲れが……。

 

「「…………ハァ。」」

 

二人して溜息を吐くと、丁度皆が帰って来る所だった。

 

 

 

 

彼等の話を聞くと、円堂がマジン・ザ・ハンドに苦戦している話を聞き、サプライズでその養成マシンを運び込んでくれたらしい。

 

側面に3対あるハンドルを回す事で動かす様だが40年前の機械、所々に目につく錆びからメンテナンスが為されていそうにはない、使えるのか?

 

取り敢えず位置について回そうと試みるが……その気になりゃ動かせはするが、錆びつきのせいでぶっ壊れるなコレ。

 

先生がこんな事もあろうかと、と油を取り出すが、油を差してもどうにもならn………あぶらのちからってすげー!

 

ま、動いたから良いか。

この機械は、障害物を乗り越えて端から端まで踏破する、と言葉だけなら簡単そうに聞こえる代物だ。

しかし上下左右前後斜め、全方向から襲い掛かる木棒をかわしきるのは至難の業、障害に気を割きすぎていると流れる床のせいで一向に前に進めないし、急いで注意を散漫にするなど論外だ。

 

何度もトライ&エラーを繰り返していると、鬼道が皆の疲労具合について問い掛ける、つられて周りを見渡すと相当疲弊している様子が窺える。

 

円堂も皆の状態に気づき下りて

 

「ちょっと休憩にするか?」

 

そう言うと

 

「だったら、俺達が回すでやんす!」「お前ら――」

 

「先輩達が頑張ってるのを見ながら俺達だけ休むなんて出来ないっす!」

 

「俺達にも手伝わせて下さい!」

 

「キャプテン、私達も手伝います!」

 

「此処まできたら完成させたいもんね!」

 

「皆……………何やってたんだ俺は!

こんな仲間が居るのにマジン・ザ・ハンドが出来ないからって独り焦って―――――俺は世界一の大馬鹿者だ!」

 

やっと、いつもの顔に戻ったか。

 

「頼むぜ皆!絶対完成させてみせるから!」

 

 

 

 

それからさっきよりも上達速度が上がっていき、あっという間に端まで辿り着き

 

「よし円堂、次のステップだ!」

 

次と言っても、俺達のシュートを円堂が止めるだけなのだが、俺と豪炎寺、鬼道の3人でイナズマブレイクを撃ち込む。

 

円堂の身体から凄まじい力を感じるが、技は不発に終わった様だ。

 

それを幾度も繰り返すが、マジン・ザ・ハンドは完成しない、原因は分かっているが……。

 

「クソッ!何でなんだ!」

 

「何か、根本的な何かが欠けているが………マジン・ザ・ハンドは大介さんにしか出来ない幻の必殺技なのか。」

 

響木監督がそう呟くと周囲に落胆の感情が伝播し、場の雰囲気がみるみる落ち込んでいく。

 

やれやれ、士気上げなんざガラじゃねぇんだけどな。

 

ガシガシと後頭部を掻きながら

 

「……ったく、始まる前から気持ちで負けてどうすんだよ。

顔上げろお前ら、こんな雰囲気で試合に望めば、勝てるもんも勝てねぇだろ。」

 

 

「天願先輩……でも相手のシュート止められないんじゃ……。」

 

「だったら、点を取れば良いじゃない!」

 

木野?

 

「10点取られたら11点を、100点取られたなら101点。

そうすれば勝てるじゃない!」

 

「そうですよ皆さん!相手よりも多く点を取るんです!」

 

木野と音無に言いたい事を全て言ってくれた、俺はこういうの向いて無いから正直助かる。

 

二人の発言を皮切りに皆の士気が上がっていくのが分かる。

 

「10点取られたら11点。」「100点取られたら101点。」

 

「フッ……ああ!取ってやろうじゃないか、101点!」

 

「俺達だって守って守って、奴らにシュートを撃たせない!」

 

「俺もやるっす!」「意地でも守りぬくでやんす!」

 

「やろうぜ円堂、俺達なら力を合わせれば出来るさ!」

 

「よっしゃあ!皆、俺達の底力、見せてやろうぜ!」

 

「「「おうっ!!!」」」

 

 

 

 

そういや、伝えておきたい事が残ってたな。

練習が始まる前に円堂の肩に手を載せ

 

「マジン・ザ・ハンド、諦めんなよ。

あの技はお前の爺さんだけの技じゃねぇ、絶対に完成させられる技だ。

完成に足りないものは――――「待ってくれ天願。」

 

俺の言葉を遮った円堂の眼にはある強い意思が宿っていた。

 

「………安心しろ、伝えるのはあくまでヒントだけだ。

この技を完成させる為の全てのピースは出揃っている、それを見落とすな。」

 

それを言って円堂から離れる、アイツが止めずとも本来伝える予定だったものは言えた。

 

俺も化身技を世宇子戦までに間に合わせねぇとな。

 

 

 

 

 

 

 

グラウンドにて豪炎寺と鬼道と特訓だが、やはり化身の力が強く成り過ぎて暴走してしまう、制御(抑制)の方に力を割けば何とかなるが、そうして繰り出した時の威力・消耗を考えると二人でやる必要性が薄れる。

 

試行錯誤を繰り返す内に化身を顕現させるだけのスタミナなんて尽きてしまい、グラウンドに大の字で倒れ込む。

 

何かが足りねぇ、いや、足りない物は分かってるが、それをどうすれば良くなるかが掴めない。

 

「大丈夫か、天願。」

 

「ああ、疲れただけで問題ねぇよ。

にしても、結局完成出来ず仕舞いか……。」

 

「だけど他の合体技は創れた、やった事は無意味じゃないさ。」

 

「いやまぁ、そうなんだが……円堂のマジン・ザ・ハンドといい、俺達の化身技といい、根本的な何かが欠けてるって状況は同じなんだ、それで此方だけ無理でした、ってのは悔しいからなぁ。」

 

俺がそう言ってから暫くの間沈黙が続く、急にどうしたんだ?

 

疑問を覚えて少しすると鬼道が口を開く。

 

 

「天願、マジン・ザ・ハンドの助力を円堂にしないのか。」

 

「…………まあな。」

 

「やはり、マジン・ザ・ハンドに足りない物が何か、もう分かっているのか。

 

なら―――「円堂に教えるつもりは毛頭無ぇよ、例えアイツ自身が聞きに来ようとな。」

 

「………それは何故だ。

 

円堂があれほど苦悩しているにも関わらず教えない、その理由(ワケ)は――――」

 

「アイツが、()()()()()()()()だよ。

 

俺はな、悩んで苦しんで、それでも歩みを止めず、挫折や絶望にぶち当たっても諦めず前に進んで……そんな経験にこそ価値があるって、そう考えてる。

 

確かに此所でマジン・ザ・ハンドの最後のピースを教えてやれば、直ぐに修得出来るだろうよ、若しくはマジン・ザ・ハンドより強い技を教えるって手もあるな。

 

だけど、それじゃ意味が無ぇ。

 

簡単に解決させて、ろくな苦労もせずに乗り越えちまえば、これから先、更なる困難にぶつかった時に心が折れやすくなるし、それにアイツが今やっている努力を無意味に貶めちまう。

壁ってのは自分で乗り越えてこそ意味がある、心配なんざしなくてもアイツなら何とかするさ、俺達はさっきの通り点を取りに行くだけだ。

 

 

勿論、この試合は絶対に負けられねぇって事は理解してるさ。

これは俺の勝手な言い分だ、だから負けそうに成ったら、俺が何とかする。」

 

 

 

「………結果よりも過程が重要な時もある、という事か。」

 

「随分と円堂の事を信頼してるんだな。」

 

「雷門イレブンの面子じゃ一番長く付き合いだし自然とな、それに円堂ならマジン・ザ・ハンドがなくたって問題ねぇさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――同時刻、イナビカリ修練場

 

円堂、土門、一之瀬の3人が休憩中、一之瀬が

 

「ねぇ、円堂はさ、天願に聞いてみないの?」

 

意を決した様子で訊く、そんな一之瀬とは対照的に円堂は

 

「………『マジン・ザ・ハンド』の事をか?」

 

少し間こそあったものの平静を保った、否、その問いがいずれ来ると予想していた様だった。

予想した反応との差違に疑問を持ったが、それに構わず話を続ける。

 

「うん、彼は必殺技に関してなら誰の追随をも許さない、そんな選手だ……俺達や今まで戦って来た選手が使った技の全てを使える、そう言われても驚かない程に。」

 

「おいおい、そりゃ流石に―――――

「合ってるよ。」………嘘だろ?」 「やっぱりか。」

 

半ば確信を持った問い掛けだが、内容が突拍子も無い事もあり、信じられなかった土門だが、円堂の肯定に唖然としている。

その反面、思った通りだ、と納得する一之瀬。

 

「木戸川清修戦の後、豪炎寺と天願が話してる時に聞いた。

なんでも、完成度や威力が度外視になるけど()()()()()()()()()()()()()()()そう言ってた。」

 

「予想はしてたけど、いざ聞くととんでもないな……。

なあ円堂、そんな彼ならマジン・ザ・ハンドに足りない何かを知ってるんじゃないか?」

 

語られた事に驚きを隠せないが、自分が聞きたいのはそれでは無い、思いきってこの話を始めた核心を訊くが

 

「うん、天願なら知ってる筈だ。」

 

何でもない事の様に、さらりと答えた。

 

驚きの余り思考が止まり、場を沈黙が支配する、漸く頭が働き始めた土門が

 

「なら!直ぐに教えてもらお―――「いいよ、別に。」

 

思わず食って掛かるも、依然として円堂は冷静なままだ。

 

「それを分かってて……聞きに行かないんだね。」

 

また訪れた暫しの静寂の中、今度は円堂から語り始めた。

 

「………天願がどう思ってるかは知んないけどさ、俺にとって天願(アイツ)は唯一のライバルなんだ。

 

最初、ストライカーを目指してた天願に軽い気持ちでGK薦めてみたら意外と直ぐ乗ってきて、その日に必殺技も編み出して………他のポジション・必殺技の練習もあるのに、それからも止めず、今までずっと続けてくれてどっちが強いシュート止めれるか、なんて競い合ったりして楽しくて………豪炎寺に鬼道、色んな凄いヤツと会ってきたけど俺の中で本当のライバルだ、って思えるのは天願だけだった。

 

………この間の決闘と試合、トライアングルZやそれより強い技をあっさり止めたり弾き返したのを見て"格の違い"みたいなのを感じてさ…………凄く悔しかった………!」

 

「円堂………。」

 

「今みたいに負けたままじゃ嫌なんだ……。

俺の我が儘なんだけど、天願に追い付く為にマジン・ザ・ハンドはアイツの力を借りずに修得したい………!」

 

「………そうだな、俺だって負けたくない奴もいるしよく分かる……よし!練習やろっか、ライバルに勝つ為にさ!」

 

「うん………天願だって直ぐ追い抜いてやる、燃えてきたぞーーー!!!」

 

テンションを上げていく二人に、土門が気になった事を聞く。

 

「……なぁ、仮にお前らの予想が正しいとして、なんで天願はマジン・ザ・ハンドを教えに来てくれないんだ?」

 

「多分だけどさ、俺がマジン・ザ・ハンドを―――いや、マジン・ザ・ハンドを使えなくてもゴールを守れるって、そう信じてくれてるからだと思う。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が信じる円堂(アイツ)は」「天願(アイツ)が信じる俺は」

 

 

「「絶対に諦めない、そんな選手(ヤツ)だから、壁なんて幾らでも超えていく」」

 

「「だから」」

 

「「何処までだって強くなってやる、円堂(天願)にだけは負けたくねぇからな。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして夜は更けていき、遂に試合当日

 

しかし会場には閉鎖の看板が付けられていた。

実際、中には誰も居ない様で意識を凝らすも、会場内からは何の気配も感じ取れない……。

 

夏美の方に電話が掛かり、通話を終えると困惑の表情を浮かべ

「大会本部から………急遽、決勝戦の会場が変わったらしいわ。」

 

「変更?一体何処………に………は?」

 

スタジアムに隠れて見えなかった()()が姿を現した。

 

円盤の様な形の下部に、両手を広げ翼の生えた人の像がある。

 

地震とかに悩まなそうで羨ましい……そんな場違いな感想が浮かぶ位に俺も動揺しているらしい。

 

周囲からも驚きの声が上がっている。

 

 

 

この世界の科学力、影山の資金源が実に気になる所だが、今は世宇子に集中しよう、流石にこんなの見たら、もう何が来ようと驚かねぇ筈だ。

 

各々の覚悟を胸に俺達はスタジアムへ上がる道を踏み出して行った。




二人での化身は二人とも力を引き出す→力が強まり過ぎて暴走、で失敗しています。
今は片方だけに力を引き出させる→主人公が化身の制御に力の大半を割く→実質一人分のパワー
↑二人でやる必要なくね?って状態です。


主人公は料理出来なくは無いし、美味しい物は好きで味音痴って訳でもないです。
前世では何かと身の回りの世話をしてくれる人間に恵まれ、基本的には栄養さえしっかり摂れてりゃ味や食感を気にしないのでその辺が雑になってます。
カップ麺とかの時はコンビニで買ったカット野菜やサプリメントで栄養だけは調整してます。

因みに前世での職は医者→探偵助手だったりする。




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