イナズマイレブン ~『必殺技』に憧れて~   作:@ドラゴン

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話数から考えて、世宇子戦迄まだある大丈夫とか考えてたらもう準決勝……円堂に使わせたい技があったのに油断しすぎた……。

強力なシュート技に使わせたかったんだけど、帝国戦過ぎてからのシュートって初見殺し系ばっかで強力なシュート誰も使って来ない……木戸川清修戦では別にやりたい事あるしで……。

それに、エイリア編で主人公どうするかまだ迷ってる……。

身体能力・必殺技からすると、エイリア側からは豪炎寺以上に危険な存在なんだけど、豪炎寺と一緒にした時のシナリオが全く浮かばないし……。

やっぱプロット位は作っとくべきだったなぁ……今更になって後悔。


今回アンチヘイト強めなので、嫌いな方はすみません。


第23話 天駆けるペガサス、喧しい三兄弟

次の試合へ向けて今日も練習だ。

次が準決勝、そこに勝てば世宇子か……。

 

鬼道が雷門に加わってから、俺はアイツに応用動作を教えてもらっている。

 

最近になって漸く円堂から基本から応用への移行を許可されたのだが、俺より上手く、且つ教導出来そうなのは豪炎寺だけだった。

 

豪炎寺も凄いプレイヤーなのだが、ストライカーとしての得点を決める方に寄っている技術は、数々のシュート技を持っている俺にはあまり必要ないと判断、ボールを取られない動き・技を使わないシュート技術を教えてもらっていた。

 

鬼道は俺なんかより断然上手く、技を使わずにボールを奪う・ドリブルで抜く術に長けている、それらを学んでモノにしていかなければ、必殺技頼りじゃ何処かで躓くだろう。

 

すると、私服姿の少年がコート外に出たボールをドリブルして入って来た……上手いな、アイツ。

 

そして、円堂と技をぶつけ合い――ゴッドハンドを押し込んだか、シュートの威力も凄そうだ。

 

にしても、練習中に乱入するのは最早様式美みたいなものなのだろうか?

 

話を聞くとアメリカから来たみたいだが

 

「聞いた事がある、将来アメリカ代表入りが確実だろうと評価されている、凄腕の日本人選手がいると。」

 

ほほぅ、でもそんなプレイヤーが何故此処に?

 

皆が話を聞こうと囲んでいると、木野と土門が戻って来たらしい、すると―――ヒュゥ!大胆だな。

 

木野にいきなり抱き付いた、アメリカならハグは良くある事って聞くけど………あ、知り合いなのね、此方に来た理由は再開する為、と。

 

暫く3人で話していたが、円堂の誘いに乗って練習に参加してきた。

 

しかし本当に上手い、何も出来ずに抜かれてしまった、鬼道とサシでやり合ってるが、互角以上か!

 

次に円堂とPK対決をやってるが、結構な威力があるにも関わらず狙いは正確だ、FWとしても動けそうだな。

 

ただ、それって何時まで続けるんですかね、練習……。

 

 

 

かれこれ一時間以上続けた後

 

「円堂、仲良くなった記念に一緒にやりたい事がある。

 

『トライペガサス』だ!」

 

『トライペガサス』?円堂は知ってるみたいだな。

 

へぇ、シュート技なのか………円堂が組み込まれるシュート技ってこれで何個目だ?

 

このタイミングで覚えるって事は、これから、特に次の試合で使うんだろうし……円堂の絡む技は強力な技ばかり……かといってゴールをがら空きにするのはいただけない。

 

いっその事、前線に送り込んだ方が良い気がしてきた。

 

 

 

それから何度も練習するが一向に完成しそうにない、惜しい所迄は行ってんだがなぁ……。

 

それにしても、ああいう技の出し方もアリ、か……ふむ、これは新しい必殺技を出すのに参考になるかもしれん。

 

アイツらの練習を見続けて時間潰す訳にもいかん、此方も必殺技の練習しておくか。

 

最近覚えたのが消耗激しいのばかりだから慣らすか、合体技にして負担減らす努力しねぇといけないんだよ。

 

 

 

その日の夜は皆で円堂の家に集まり、一之瀬からアメリカの話を聞かせてもらった。

 

アメリカね、確か名戸秋葉がFF優勝校にはアメリカ遠征があるとか言ってたっけ?

 

なら、今度は俺達がアメリカに行って、なんて事を話したら円堂も一之瀬も凄くはしゃいでいた、コイツら似てるなぁ。

 

 

 

 

一之瀬が俺達の練習に加わってから、遂に帰国の日が来てしまった、しかし『トライペガサス』は未だ未完成のままだ。

 

タイムリミットまであと僅か、ラスト一回のチャレンジとなった時、木野が目印付近に立つというアイデアを出して来た。

 

失敗時の吹き飛ばされ方から考えてその位置はかなり危険なんだが、過去に完成させた時も全く同じ状況だったらしい。

 

立ったな、(成功)フラグが。

 

念のために、皆で対策をしていたが………上手くいったな、イナズマブレイクに勝るとも劣らない素晴らしいシュートだった。

 

「円堂、君たちに会えて本当に良かったよ!」

 

そう言って一之瀬は帰って行った。

 

 

 

 

夕暮れ時、飛行機が飛ぶ空を見上げて

 

「あの飛行機かな……一之瀬!また一緒にサッカーやろうぜ!」

 

一之瀬が帰るんじゃ、あの技って御蔵入りだよな、誰かが代わりにや「うん、やろう!」………はい?

 

 

「あんなに胸がワクワクしたのは初めてだ、だから帰るに帰れない!

 

もう少しここで、一つの事に熱く燃える円堂達とサッカーがしたいんだ!」

 

「雷門に来てくれるのか!?」 「うん、宜しく!」

 

「「「此方こそ、ヨロシク!!!」」」

 

心強くはあるんだけど、そんなドタキャンで向こうのチームや、此方での滞在費とかは大丈夫なんだろうか……。

 

 

 

「皆さーん!」

 

音無?

 

「次の対戦相手が決まりました、準決勝の相手は……木戸川清修です。」

 

木戸川清修……豪炎寺が居た所か。

 

 

 

 

 

「うーん、よりによって木戸川清修が準決勝の相手か。」

 

「豪炎寺が居たとはいえ、去年もそこまで勝ち上がって来たのは伊達じゃない、か。」

 

「もし、俺が転校して雷門と戦うってなったら……考えるだけでも嫌になるな。」

 

「何処が相手だろうが関係ない、サッカーはサッカーだ。」

 

「それもそうだな、よし!練習だ!」

 

 

一之瀬が練習に加わったがあのボールコントロールは凄まじいな、昨日まではシュートや突破力にしか目がいかなかったが、あれが連携に加わるのは本当に頼もしい。

 

豪炎寺の方は……若干の迷いはあったみたいだが、プレーには影響してない様だし大丈夫か、その辺の気持ちの切り替えが出来てる点、雷門の面子と比べてメンタルが強いな。

 

練習の帰りに

 

「円堂は守備の確認を徹底してくれ、相手はオフェンス重視のプレーをしてくる、となると此方の攻撃はカウンター主体で組み込んだ方が良い、か。

 

天願は下がってシュート妨害や反撃の用意を、豪炎寺は攻守の切り替えのタイミングに注意してくれ。」

 

「了解、任せておけよ。」

 

「ああ………。」

 

サッカーから離れるとコレって、プレーの時との落差凄いな。

 

そんな豪炎寺の姿を見て、円堂が

 

「よーし、作戦会議は休憩だ、来いよ!」

 

そう言って走ってく円堂に続くと

 

「うっわ、懐かしいな!今日誘ったのはコレか?」

 

「「駄菓子屋……。」」

 

「なんだ、豪炎寺と鬼道は来たこと無かったのか?

 

天願はあまり来れてないと思って久しぶりにな!」

 

雷々軒もそうだが、こういう場所に限って悉く家と反対の方向にあるからな……今日も円堂に誘われなけりゃ一緒に帰って無かった。

 

どれにするか……。

 

「おや、サッカー少年いらっしゃい!

 

そっちの子は久しぶりだね。」

 

前に来てから結構経つが覚えてくれてたのか……。

 

「どうも、お久しぶりです。」

 

さて、どれにしようか「どけよ。」……あ?

 

子供達の前に割り込んでいる連中が居た、こういう輩は何処に行ってもいるもんだな。

 

「3対2で俺達の勝ち、みたいな?」

 

「人数の問題じゃないだろ!」

 

「頭大丈夫かよ、人数にしても3対5だろうが。」

 

「小学生は頭数に入れてないですし?」

 

「俺達は常に三位一体なんだよ!」

 

最後の奴は何が言いたいんだ?

 

「三位一体ならお前ら3人で1人扱い、2対1になるぞ。」

 

言い返すも、コイツら人の話を聞く性質じゃねぇな、面倒くせぇ。

 

「ん?……豪炎寺!」

 

「久しぶりだな、決勝戦から逃げたツンツン君。」

 

「誰?知り合いか?」

 

円堂が聞くと……あ、これガチでダルい奴だ。

 

「俺達は!」

 

「武方勝!」「友!」「努!」「「「3人合わせて!」」」

 

「「「武方3kイタタタタタ!!!」」」

 

両手を大きく広げようとした下二人をアイアンクロー、真ん中の奴を二人の頭で挟んで屋外へ引き摺り出してから解放する。

 

「店の中で暴れんな、棚が倒れたらどう責任取んだ、外でやれ。

 

悪ぃおばちゃん、迷惑掛けちまったみたいでゴメンな。」

 

全く、あのおばちゃんも高齢なんだ、お前らの行為で腰抜かしたらどうすんだよ。

 

「そいつらは去年、豪炎寺の代わりに決勝に出場した、木戸川清修の3トップだ。」

 

鬼道は、頭を抑えて蹲る3人に哀れな物を見る目を向けながら解説する。

 

「さ、流石は鬼道 有人、有力選手の名前は全てインプットされてるみたいじゃん。

 

クソ、アイツ握力ゴリラかよ、まだ痛いじゃん!?」

 

店の迷惑を避ける為とはいえ俺から攻撃したのは事実、ゴリラ呼ばわりは嫌だが、甘んじて受けておこう。

 

鬼道はフッ、と鼻で笑って

 

「三つ子のFWが珍しくて覚えていたに過ぎない。」

 

その言い方から察するに、本当にそれ以外特筆する事は無さそうだ。

 

「なんだ三つ子で終わりかよ、つまらん。

 

十一つ子の大江戸アンビバレンツ見て出直して来い。」

 

「そんなチーム聞いた事ないんですが!?」

 

「というかだ、お前らの事・活躍なんて知らんし興味も無い、言いたい事があるなら兎も角、お前らの凄さって奴を証明したいんなら試合でやれよ。」

 

こういう手合は此方の話はろくに聞かんくせに、自分は語りまくる奴が多い、嫌な奴ら(狂信者)を思い出して苛々してきた。

 

「言いたい事ならある!」

 

「準決勝の相手が雷門中じゃん?」

 

「だから、ご挨拶として宣言しに来たんですよ。」

 

「「「俺達が豪炎寺 修也を叩き潰すとな!!!」」」

 

コイツら、雷門の挨拶なんて言ってるが豪炎寺しか見てねぇのな、サッカーは1人で勝敗が決まらねぇってのが分かってないとは……こりゃ危険には成り得ないな。

 

「言いたい事は言ったな?じゃ、行くぞお前ら。」

 

既にそうなんだが、これ以上は時間の無駄だ。

 

「どういう事だ、なんでお前達は!」

 

あ、円堂を止めるの忘れてた、コイツなら当然食い付くよなぁ……。

 

「豪炎寺 修也を叩き潰し、僕達の恨みを晴らしたい…。」

 

「それは……」 「それは……」

 

「「「豪炎寺が知っているから聞いてみて!」」」

 

「分かった分かった、後で聞いとくからそれで良いな?」

 

「「「おい!?」」」

 

「いちいちハモるんじゃねぇよ、五月蝿ぇな。

 

大方、去年の決勝で豪炎寺が居なかったから負けた~とかそんなんだろ?在り来たり過ぎて言わんでも分かる。

 

一つだけ言っとく、その試合で負けてしまえば、豪炎寺が居たとしてもお前らは豪炎寺を責めるぞ。

 

"なんで勝てなかったんだ"そんな風に文言を変えてな。」

 

「は、はぁ!?んな訳無――」

 

「テメェらみたいな連中は見飽きてんだよ、どんな思考をするか大体読める程には。

 

そもそも、決勝戦なんて大事な戦いに居なかったなら、まず第一に何があったかを心配するだろうが、豪炎寺が出れなかった理由をお前らは聞いたのかよ?

 

つーか、豪炎寺が抜けたから負けた?恥ずかしく無ぇのか、俺だったら勝てなかった事を謝るがな。」

 

「う、うるせぇ!お前に俺達の何が――」

 

「分かりたくもねぇよ。

 

一緒にプレーしてきた仲間の事を信じられない奴の気持ちなんざ。」

 

「……チッ、折角挨拶に来たんだし、偵察だ。

 

今の豪炎寺君の力を見てみたいな~、みたいな!」

 

これでも説得のつもりで色々言ったんだが、態度は変えない、か……。

 

「悪いが、その気はない。」

 

「おやぁ、また逃げるつもりですかぁ?」

 

「やっぱりお前はぁ……臆病者の卑怯者だぁ!」

 

武方勝が背を向けている豪炎寺に向かってボールを蹴る。

 

「背中を向けた奴にボールを蹴り出す……アンタの方が余程卑怯者に見えるがね。」

 

「クッソォ……もう我慢ならない!

 

お前達の偵察、俺が代わりに受けて立ってやる!」

 

「何言ってんの?」

 

「チョ~意味分かんないんですけど、みたいな。」

 

「分かんねぇならそれで良い、さっさと帰れ。

 

豪炎寺が受けないと言った以上、此方はお前らの偵察に付き合う義理なんざ無い。」

 

本来ならこの偵察を受ける必要もないのだから。

 

「さっきからお前、マジムカつくんですけど、みたいな。」

 

それは此方の台詞でもあるんだが。

 

「此は互いに5分の偵察だ、何故なら、此方はGK力・そっちはFW力を見せ合うんだからな。」

 

「卑怯者の豪炎寺君と違って、俺達は逃げも隠れもしない、みたいな。」

 

「よし、ついて来い!」

 

 

 

河川敷に着いて――

 

「これはまた、面白くなってきましたね。」

 

「偵察っていうか、決闘って感じ?」

 

「「「俺達武方三兄弟の力、見せつけてやりましょうか!」」」

 

3人でゴールへ走って……あ?あの2人なんでボールを……おいおい、卑怯者はどっちだよ。

 

「これは!?」 「ファイアトルネード!?」

 

「いや、回転が逆だ!」

 

「これがファイアトルネードを超える俺達の必殺技!

 

『バックトルネード』!」

 

 

俺は円堂の前に素早く降り立ち

 

「天願!?」

 

「悪いな円堂。

 

あっちはまともにやる気が無いらしい、だったら此方も真面目に付き合う必要はねぇだろ。

 

ブレングリード流血闘術117式『絶対不破血十字盾(クロイツシルトウンツェアブレヒリヒ)』!」

 

ゴール前に血の様に赤い巨大な十字型の盾が顕れ、飛んで来る3つのボールを弾き返す。

 

「ボールを3つも使って撃ったのに、GKでもない奴に止められて、どんな気持ちだ?」

 

「テメェ!勝手に乱入しといて何言ってんだ!」

 

「1度に3本同時に撃ってくるなんて、お前らの方こそ何考えてんだ!」

 

「落ち着けよ円堂、今のショボいシュートでアイツらの程度は知れた。

 

卑怯な事でもしなけりゃゴールを奪えない雑魚に構ってやる程、俺達も暇じゃねぇ。」

 

「何だと……!?」

 

「この野郎……止めたからって調子に乗りやがって!」

 

「絶対許せねぇ、みたいな!」

 

そんな一触即発の状況で

 

「やめろーーー!!!」

 

風丸が何人か連れて走って来た、どうしたんだ?

 

「円堂、喧嘩は不味いぞ!」

 

「……え?喧嘩って何の事?」

 

「決闘だって聞いて来たけど。」「誰がそんな事を?」

 

あー、もしかしてあれを誰かが見てたのか?

 

あの時は苛ついてたのもあって、周囲の気配に鈍かったから気付けなかったな。

 

「サッカーの勝負だよ、サッカーの。」

 

誤解が解けた様で何より、にしても夏美まで来てたとはな。

 

「ギャラリーも増えて来た事だしぃ」

 

「俺達の必殺技を見せてやりたい所だが……おい、そこのお前!」

 

アイツらの視線の先……俺か?

 

「ああ?何だよ。」

 

「バックトルネードを止めたからって良い気になるなよ!

 

このシュート、お前が受けろ!」

 

何を言い出すかと思えば……

 

「GKじゃない俺にシュートが止められたら、お前らがかく恥が酷くなるぞ。」

 

「この必殺シュートが止められるなんて、有り得ないんですけど、みたいな。」

 

「それとも怖くなって逃げるのか?」

 

その自信は一体何処から来るのだろう。

 

「お前ら、今度は天願まで……!

 

天願、アイツらのシュートを止めてやれ!」

 

仲間から言われてしまえば、流石に逃げらんねぇしな…。

 

「分かったよ。ほら、さっさと撃って来い。」

 

ポケットに手を入れたまま挑発する。

 

「何処までも舐めやがって……!」

 

「「「見せてやる!これが武方3兄弟最強の必殺技だぁぁぁ!!!」」」

 

やっぱ3人の合体技か……。

 

「「「『トライアングルZ』!!!」」」

シュートの軌道は俺の真正面、動く必要はないとなると……こいつを使うか。

 

「ん?……彼の後ろに出て来たあのバッタみたいな奴は何なんだ?」

 

「あれは天願の使う化身っていう力だ、でもアレは初めて見るな、マントみたいに纏ったけど……。

 

……おい、なんで天願は動かないんだ。」

 

「どうしたんだ天願?動け!」

 

「ハッ!ビビって身動き一つ取れねーみたいじゃん!」

 

違うな、動けないんじゃない。

 

この技は()()()()()()()なんだよ。

 

顔面にシュートが直撃するが、それは俺の身体を一切揺らす事なく――――止めた。

 

目の前の事実が信じられない様に、呆然としていたが

 

「は……!?嘘、だろ?」

 

「こんな事、絶対に有り得ない………みたいな。」

 

「お前、一体何をしやがった!!」

 

「俺の化身【20th Century BOY(トウェンティース・センチュリー・ボーイ)】……動けないが、どんなシュートも効かねーよ。」

 

「そんな技まで……!」

 

「凄いな彼は、まるでビックリ箱だ!あんなものは見た事がない!」

 

「クソクソクソクッソォ!!!

 

こんなの何かの間違いだ!おいお前!試合じゃ絶対にぶっ飛ばしてやる!」

 

試合じゃって……俺GKじゃねぇんだけど。

 

すると堤防から

 

「お前達、一体何をやっている!

 

サッカー選手ならば、試合で正々堂々と戦え!

 

先に帰って反省してろ。」

 

「「「分かりました………。」」」

 

そう言いながら、此方へ走ってくる人が……あの人の姿が見えた途端、急にアイツらの態度が変わったな。

 

「君達もそれで良いな?」 「「はい、すみません」」

 

「二階堂監督!」

 

豪炎寺がそう呼ぶってことは木戸川清修の監督か、あの3人と違って豪炎寺がサッカーしてるのを嬉しそうにしてるって事は……事情も知ってそうだな。

 

その後、西垣という少年が一之瀬達と感動の再開を果たした様だが……俺には関係ないし、これは別にいいか。

 

 

 

 

 

「で、どうするんだ?」

 

帰りに鬼道がそう聞いてくるが……

 

「どうするって何の事だ?」

 

「お前が今回GKをやるのかどうか、という事だ。」

 

「何言ってんだ……?そんなもん聞くまでも無いだろ。」

 

「円堂、トライアングルZを見てどう思った?

 

あの技を止められるか。」

 

「……正直分からない

 

あんな威力のシュートだとは思わなかった。」

 

ここまで弱気になった円堂は見た事がないな……。

 

「ああ、まさかあれ程のものとはな……そこでだ、止められる事が分かった天願をGKにして、円堂を攻撃に回すのはどうだ?」

 

いや、確かに俺もそれを考えなかった訳じゃないが……

 

「そうか……!それなら円堂が攻撃に参加した時、ゴールががら空きになるというデメリットがなくなる!」

 

豪炎寺も納得してるし……大丈夫なのか?

 

別にGKが嫌な訳じゃないが、ここは円堂が挫折して、立ち直って新たな力を手にする、といった展開だった場合、俺がやるのは非常に不味い……。

 

悩んでも仕方ない……円堂に決めてもらおう。

 

「円堂、お前の決定に従う。

 

GKをやるのなら俺が2人を説得する、試合に勝つ為とかは抜きにして、お前がやりたいと思った方を素直に言ってくれ。」

 

「俺は―――――――うん、決めた。

 

天願、次の試合ゴールを頼めるか。」

 

「―――――分かった。

 

なら俺の分も得点して来いよ!」

 

 

俺としては円堂が不在の時の代役位にしか考えて無かったんだが……まさか円堂がいる時にやる事になるとはな。

 

頼まれたんだ、何がなんでも守ってやるさ。




かなり無理矢理感ありますが、木戸川清修戦では主人公にGKをして貰います。

エイリア戦でもGKやる予定があるのですが、そこで突然やると仲間の方から困惑されるし、やるならここかな?と思いました。

丁度トライペガサスも覚えて、この頃はイナズマブレイクにイナズマ1号落としと、染岡よりシュート技豊富かつ全部が強力だから、主人公の抜けた穴は円堂に埋めて貰えますし。


一応補足

主人公と一之瀬の差ですが、最初乱入してきた時にかわされた皆の様に、一之瀬が簡単に抜ける位には差があります。

必殺技使わない主人公はまだそんなもんです。

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ブレングリード流血闘術117式
絶対不破血十字盾(クロイツシルトウンツェアブレヒリヒ)

引用「血界戦線」

使用者「クラウス・V・ラインヘルツ」

地面を殴り付け、そこから血の様な赤色をした巨大な十字盾を生成する。

ブロック技にしようかと思ったけど、パワーシールドやイジゲン・ザ・ハンドと挙動が似ている為、GK技にしました。


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化身

20th Century BOY(トウェンティース・センチュリー・ボーイ)

引用「ジョジョの奇妙な冒険」

使用者「マジェント・マジェント」

バッタの様な姿をしていて、マントの様に身に纏う事で効果を発動する。
化身アームドではない。

効果発動中はどんなシュートだろうと止めてしまう、とてつもない防御力を発揮するが、その間は一切動く事が出来ない。

その為使う状況を選び、今回の様に真正面から来るのが確定して、何処に当たるかも予測している時でないと使えない。

例えば、身体に当たっても際どい位置の場合、軌道を変えるだけでゴールに入りかねない。

また、動けるまで時間が掛かる為、シュートを止めてもボールを取るのに時間が掛かってしまうので、ゴール付近に敵がいる時に使えばその隙を突かれてしまう。

実戦的な技ではない。

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