イナズマイレブン ~『必殺技』に憧れて~   作:@ドラゴン

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活動報告に技についての募集があります。

良ければ見て、アイデアを分けて下さい。


第17話 秋葉名戸戦

「地区予選準々決勝の尾刈斗中vs秋葉名戸学園戦、この試合に勝ったチームと準決勝に戦う事になるわ。

尾刈斗中だけど、猛特訓の上に相当戦力を強化した様よ。」

 

「アイツらが更に特訓を!?」

 

「ある選手が切っ掛けになって催眠や暗示を使わなくなったけど、それを補ってあまりある程に強くなっているそうよ。」

 

ある選手の件から、全員が俺の方へ顔を向ける。

は、話を変えなければ…!

 

「い、良い事じゃないか、搦め手を使わないなら、俺達が強くなる分だけ、勝利に近付けるんだから!

 

そ、それで、もう1つの秋葉名戸学園ってのはどんなチームなんだ?」

 

「学力優秀だけど、少々マニアックな生徒が集まった学校、FF出場校中、最弱の呼び声が高いチームで………な、何コレ!?」

 

急に顔をを赤らめてどうした?

 

「お、尾刈斗中との試合前もメイド喫茶に入り浸っていた…ですって!」

 

「め、メイド喫茶ですと!?」

 

てめぇは何処に反応してんだ。

 

「よくそんな連中が勝ち進んで来れたね?」

 

「こりゃあ、準決勝の相手は尾刈斗中で決まりでやんすね。」

 

「だけど今回は豪炎寺がいないんだ、前みたいには…。」

 

そんな時、音無の慌てた声が聞こえて

 

「尾刈斗中が…負けた!?」

 

尾刈斗ォ!何でそんなチームに負けた?俺にリベンジするんじゃねぇのかよぉ!?

 

「フッ…此処は行ってみるしかない様ですね、メイド喫茶に…!」

 

学校の方じゃねえのかよ、おい、円堂に言いくるめすんな……あーあ、乗せられちゃったよ…。

 

「そっか、なら情報収集頑張ってくれよ。」

 

前世でもメイド喫茶なんて行った事はねぇが、テレビで取り上げられたり、読む漫画の中で出て来たりと、どんな場所かは知ってるからな、行く必要がねぇ。

 

そんな事より新しい必殺技に取り組んだり、稲光修練場に篭ったりと、やる事には事欠かねぇんだ。

 

「何を言っているのですか天願君、君も一緒に行くのですよ!」

 

「知識だけだがメイド喫茶がどんな所かは知っててね、それに情報収集に全員ってのも無駄過ぎんだろ。

ただでさえ豪炎寺がいねぇんだ、点を取るための練習をやるに越した事はねぇよな?」

 

「し、しかしですね「なら、俺が行く代わりに稲光修練場で」分かりました!君は君の役目を果たす為頑張ってください!」

 

言いくるめ完了♪明日は休み、そして円堂達を連れてってくれるみたいだし、帰ってくるまでの間全部を必殺技練習に費やせる…先ずは稲光修練場からだな……!

 

 

 

 

 

稲光修練場に行く準備をしていると、染岡と風丸がやってきた、はて、コイツらは円堂達と一緒にメイド喫茶に行ったんじゃ?

 

「どうしたよお前ら、そろそろ出発の頃合いじゃねえのか?」

 

「少し気になる事があってね、皆には悪いけど抜け出して来たんだ。」

 

「気になる事…ね。で、何だ?俺の所へ来たって事は、俺に関する事なんだろ?」

 

表情が固ぇな…真面目な話っぽいが、なんかあったか?

 

「天願、野生中との試合前の事覚えてるか?あの時、お前の必殺技を俺達が修得する事は難しいって言ってたよな。」

 

「まあ、ね。稲光修練場とかで特訓を続けてたら、その課題もクリア出来そうだがな。」

 

コイツらの現状じゃもう少し体力の方が欲しいからな。

 

「俺達が聞きたいのは、その後の事だよ。お前、その課題をどうにか出来なくもないって言ってたよな?

 

あの時は時間が無いから無理って言ってたが、まだ試合までそこそこある、今なら出来るんじゃないのか?」

 

…へぇ?あの時は態と流す感じに言ったが覚えてたのか。

 

てことはコイツら、結構キテるな……。

 

染岡は野生中の試合以降で単独での得点が出来ていない、そこから豪炎寺には及ばない、という劣等感が

 

風丸は元陸上部から来る速さ、という最大の強みを帝国、野生中において上回られた事からくる無力感が

 

焦燥・ストレスとして表れ、それが新しい必殺技があれば…という考えに繋がっている、ってところか。

 

これがふと思い出して、とかなら気にしないんだが、他の用事を差し置いて、態々俺の家にまで来るってなると話は別だ。

 

「可能・不可能で言うなら、可能だ。「「本当か!?」」

 

……少し落ち着け。先ず修得する時間だが、これは恐らく何とかなると見ていい。

 

次に俺達の息を合わせる時間だが、これも大丈夫だろう。

 

問題は、あのノートに書いてあった技は全部一人用で作られている事だ、それを二人で合体技で繰り出せる様に構成を練り直す事だが、そもそもの話をするとあのノートに書いてある修得方法自体確実じゃないんだ、そこへ更に手を加えるとなると……完成出来るかは五分ってところか。

 

徒労に終わるかも知れんが、それでもやるか?」

 

「本来なら俺1人じゃ新しい必殺技を作れるかも分からねぇんだ。」

 

「お前とやる方がまだ可能性があるしな。だから…」

 

「「頼む!」」

 

「……分かった、なるべく早く考えを纏めておく、念のために稲光修練場には行っておいてくれ、どれだけ消耗を減らせるかは分からねぇからな。」

 

此処へ来た時よりかは幾分か軽くなった表情で学校へ走っていった。

 

他の奴の事を気に掛けてられる程、俺も余裕がある訳じゃねぇが、あれ以上思い詰められても困るしなぁ……しゃあないか。

 

風丸と染岡で1つずつ、2つの技を覚えられるし、そろそろ合体技も使える様になっておかないとな。

 

 

 

 

 

メイド喫茶組が帰って来たみたいだが、何だありゃ?大分気が抜けてるな。

 

話しを聞いて、そんな事だろうとは思ったが、同時に何故そんな奴等が此処まで勝って来れたか、というのが気になる。

 

音無に教えてもらった時、俺達と戦った後の尾刈斗中についても調べたが、あれは野生中や御影専農にも劣らないレベルで強くなっていた。

 

それをどうやって降したのか……注意こそしておいたが、皆話半分で聞いてるな、どうしたもんか……。

 

 

 

 

~試合当日~

 

マネージャーがメイド服着用ってどんな規則だよ……夏美は兎も角、木野と音無はノリノリだな。

 

「で、豪炎寺の代わりは誰にする?

 

やっぱり土も「ここは、切り札の出番でしょう。」

 

寝言は寝て言え。」

 

「酷くないですか!?」

 

すまん、つい。

 

「昨日の視察で彼らのサッカーは理解出来ました。

 

この試合、僕が勝利に導いてあげましょう!」

 

えぇ~?本当にござるかぁ~?

 

「良いんじゃないか、目金で。」

 

馬鹿な、まさかお前が賛同するとは、自棄になってる訳じゃないよな…もしかして…!

 

「豪炎寺……お前やっぱり頭を打ったんj「怒るぞ?」

 

―――すみませんでした!」

 

「天願、今日のコイツのやる気は本物だ、俺には分かる!」

 

「お前らが言うんなら、大丈夫か。頼んだぜ、目金。」

 

「何か釈然としませんが……大舟に乗ったつもりでいて下さい。」

 

「脱出用の小舟完備を最優先で良いな?」

 

「沈みませんよ!?」

 

あまり話さなかったけど、打てば響く楽しい奴だな。

 

「……新しい玩具を見る様な目で見ないで下さいね…?」

 

 

 

 

 

 

 

前半終了、展開が雑だって?俺もそう思う。

 

アイツら一向に攻めて来ないしボールを奪いに行っても、あの痛い言動のせいで集中力が…。

 

にしても流石にこれはどうなんだ……?

 

「音無、ちょっと良いか?」

 

「何のご用件でしょう?ご主人様。」

 

楽しんでるなぁ……。

 

「すまん、真面目な話で、アイツらの今までの戦績ってあるか?」

 

「ありますけど……どうかしたんですか?」

 

「いや何、気になる事があって……っ!成る程、ね。

 

助かった、ありがとな。」

 

「どう致しまして、またのお越しを~♪」

 

「お、おう。……そういやその服似合ってるぞ。」

 

適当に言葉を濁して来たが、アレにはどう返すのが正解だったんだろう……。

 

「お前ら、ちょっと良いか。」

 

「どうしたんだ天願、って何だソレ?」

 

「これまでの秋葉名戸の戦績だ、それで点の動きなんだが…」

 

「おいコレ、全部後半だけで一点って……!」

 

「序でに言うと、後半開始に一点取った後は全員で守備を固めてるらしいぜ?

 

今までの試合の動きはアイツらの思惑通りだった訳だ。」

 

「つまり……こっからが正念場な訳だ…!

 

皆、気を引き締めて行くぞ!」

 

 

後半開始、予想通り攻撃を仕掛けて来た。

 

って何だありゃあ!?ボールとスイカを入れ換えるとかありかよ!?

 

おい審判、仕事しろ!

 

ど根性バット……直立姿勢を保つアイツも、片手で人1人支えるアイツも凄いんだが、一点取られた!?

 

油断すんなとは言ってたが、俺も人の事言えねぇな…!

 

「皆、俺達の考えが正しいなら、アイツらは守備を固めるはずだ!

ガンガン攻めるぞ!」

 

円堂が全員に激を飛ばす……アイツ自身、来ると分かっていながら止められ無かった事の責任を感じてるのかもな。

 

此方のキックオフだが、普段から練習をしていないと言うのは本当らしいな、全員で守備を固めてこそいるが、技量自体は大したこと無いから、染岡はもうゴール手前まで切り込めている。

 

ん?何だアイツら……目眩ましか?だが、染岡のシュートはそんなもんでどうにか出来る様なモンじゃ……何だと?

 

砂煙がはれると、染岡の撃ったシュートが枠内にあるのが確認出来た。

 

GKが強くてボールを止められるんなら納得出来るが、それなら何故『五里霧中』で砂煙を起こす必要がある?

 

あっちのGKが疲れてるから、何らかの技を使ったのは分かるが……それはどんな技だ?

 

俺が考えている間に皆立て続けにシュートを撃ち込んでいくが、全て同じ結果に終わる。

 

このままじゃ無為に時間が過ぎるだけだし……仕方ない、あれをやるか。

 

「風丸、染岡!同時にアレをやるぞ!」

 

「アレって…新必殺技の事か!?」

 

「つってもお前、アレは別々の技だろ!同時にってどうやるんだよ!?」

 

「染岡はタイミングを見てシュートに来てくれ!

 

風丸はあの通りの動きでいい、いけるな!?」

 

「やるしか無いんだろ?任せろ!」

 

「そのタイミングってのは分かりやすいんだろうな?

 

良いぜ、やれ!」

 

風丸と俺が『五里霧中』を使っている奴等全員を円で囲む様に走り、その中央上空に染岡がボールを放る。

 

最初は何とも無かったが、俺と風丸が描く円の中に出来た空気の渦が次第に大きくなり、そして雷光を孕む巨大な竜巻へと変化する。

 

「「『サンダーシクリオン』!」」

 

この竜巻から発せられる風圧で砂煙は完全に散った、GKも暴風のせいか動けずにいる。

 

っておい!?ゴールの位置が変わってんぞ、あれは駄目だろ!?

 

審 判 仕 事 し ろ

 

笛が鳴らないなら続行だ。

 

この技は本来ならこの後二人でシュートしに行く技だが、今回は…

 

「今だ、来い染岡!」 「言われなくても!」

 

三人同時にシュートする……っ!?何だこれは…化身が勝手に!?

 

蝶の翅脈のような紋様が浮かぶ翼

 

鋏の様な二股の尾、頭部に存在する巨大な刃

 

これだけなら【電竜 ライゼクス】だがコイツは違う…!

 

【ライゼクス】はこんな青白い輝きを放つ事は無かったし、何より、感じられる力が比べ物にならない程だ…!

 

「色々予定は狂ったが、行くぞお前ら!」 「「応ッ!」」

 

【青電主 ライゼクス】

 

「「「『ライトニングブレード』!!!」」」

 

【青電主】が刃の様な鶏冠に莫大な電気エネルギーを収束させたそれを、巨大な大剣の如く降り下ろした。

 

自分のせいでゴールを遠くに飛ばした為GKには何も出来ず、突き進むシュートはゴールネットを揺らした。

 

得点したし新しい必殺技も出来たけど、あれ見ちまうと釈然としねぇよなぁ……。

 

そんな事を考えている俺とは違い

 

「お前が必殺技に拘る理由が分かる気がしたよ……あれは凄いな、病みつきになりそうだ。」

 

「別々の技を即興で組み合わせよう、なんて聞こえた時には正気を疑ったがな。」

 

コイツらがあの時よりは憑き物が落ちたというか、スッキリした表情をしているし、まあ良いか。

 

 

目金が抗議しに行って、オタクとはなんたるかを説いているが、あれはアイツに任せた方が良いかな?

 

そして、目金がなんか覚醒した。

 

説教しながら相手の意気を失墜させて単独でゴール前まで進んでいく、五里霧中の面子の動きも止め、後はGK1人、あ、GKまで落としやがった!

 

敵チームの全メンバーを意気消沈させ、ゴールまで決める……まさか単独で得点に漕ぎ着くとはなぁ。

 

それと同時に試合終了……審判、こういう時しか仕事しねぇのな……。

 

それとも、俺が知らないだけでこの世界には反則が存在しないのだろうか…?

 

試合が終わった絶望してるアイツらに目金が近寄って……

 

聞きたく無かった……此処まで勝ち進んで来た理由が海外の限定商品が欲しいからだなんて……。

 

尾刈斗中ェ……真面目に戦うより、あの催眠戦法使ってた方が勝率が高かっただなんて……超次元サッカーでは常識を投げ捨てないと勝てないのだろうか…?

 

「天願さん!俺にもカッコいい必殺技を伝授して下さい!」

 

「合体技なんてあったでやんすね!」

 

「俺にもあんなのが出来るっすか!」

 

後輩達が今回のを見たからか、興奮して語り掛けてくる。

 

やっぱりこうなるよなぁ……おい、元凶二人!そっぽ向いてねぇで何とかするの手伝いやが……あれ、皆離れてく?

 

「なぁ、天願?こないだ俺達がメイド喫茶に行った時、基本練習を疎かにしてた、って聞いたんだけど?」

 

バレテーラ……馬鹿な、何処で洩れた!?

 

「帰ったらサボった分しっかりやるからな!」

 

おい、服が伸びる!首の後ろを引っ張るんじゃねぇ!

 

風丸ぅ!染岡ぁ!お前達から何とか言ってやってくれぇ!

 

「引き摺られて行っちゃったな……。」

 

「アイツ、あんな意気揚々としててバレてないとでも思ってたのかよ……。」

 

 

 

俺の目下最大の問題は、ポーカーフェイスを何とかする事だと思った。




心理学持ちの主人公は一応仲間のメンタルを気にして動いてます。
仲間達がどっかで闇落ちしてた記憶が残ってるので、出来る限り何とかしようとはしてます。
(それで止めれるとは言ってない)



『サンダーシクリオン』

引用「英雄伝説 零(碧)の軌跡」

ボールを持った相手を風丸と二人で円を描く様に敵を囲み、円周の軌道を走り、雷を内包した巨大な竜巻を生成しボールを奪う。

その後、空中にあるボールの地点で交差しながらシュートを放つ。(クロスファイアを斜めにした動き)

ボールを奪うと共にシュートへ繋げる攻防一体の強力な技。

範囲もかなり広いが、竜巻が生成される前に範囲外へボールを出す事で回避出来る。

【青電主 ライゼクス】

引用「MONSTER HUNTER」

主人公の使う【電竜 ライゼクス】の進化形。
合体技等の特定条件下でのみ発現可能。

『ライトニングブレード』

主人公と風丸の『サンダーシクリオン』にオーバーヘッドキックで染岡が、鶏冠に雷電を迸らせた【青電主】が雷刃を、同時に3人(と化身)でボールをキック(斬る)する技。
(3人の動きはイナズマブレイクの逆さver)


今回、【青電主】が発現したのも、『ライトニングブレード』を使えたのは上手く噛み合った偶然によるもの。

【青電主】『ライトニングブレード』は態々この2つの必殺技を組み合わせなくとも出せる。



今回出せなかった染岡との合体技

『バオウ・ザケルガ』

引用「金色のガッシュベル!!」

使用者「ガッシュ・ベル」

主人公が後ろから『ザケルガ』、染岡が『ドラゴンクラッシュ』を撃つ。
(サンダービーストの動きで、染岡はドラゴンクラッシュのまま、ドラゴンがバオウに変化)



余談

当初の予定は『バオウ・ザケルガ』に別の必殺技を加えるため、上位技の『シン・ベルワン・バオウ・ザケルガ』だったが、こんな早い段階で出すか……?と迷った結果、【青電主】になった。

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