イナズマイレブン ~『必殺技』に憧れて~   作:@ドラゴン

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何と言うか…ですね、クサイ展開と言うか、まぁ、そんな感じになってしまいました。

私としてはあの試合にて主人公が今までの事を自覚して尚、すんなり円堂達とサッカーを続ける事にどうしても納得がいかないのです。

たった数行位で纏める事もまた同様で、しっかりとけじめをつけてからでないとどうにも…。

という訳で今回もまた「あ、こういうの嫌い」と感じたら、ブラウザバックを推奨します。

こういうのがつまらない、嫌いだという方にとっては反吐が出る様な内容ですので。


余談

もしあの試合で開幕得点を決めなかった場合

鬼道にマークされず、弱点の指摘も受けない為、より必殺技に傾倒する事になっていきます。
その√ではエイリア学園編にて風丸ら同様、エイリア学園側に着くのですが、ダークエンペラーズではなく、ジェネシスのキーパーになって敵対します。


第10話 贖罪

俺の意識が覚醒した時、時間は既に放課後で、場所は保健室の様だった。

 

俺の胸中を満たす思いは1つ。

 

 

 

うあああああ!!スッゲェ悔しい!皆と一緒に勝利(?)の余韻を味わいたかったよおおおお!!!

 

あれだけの苦難を乗り越えたのだ、その喜びは格別のものと言えよう。

 

意識を失う寸前に帝国の試合放棄、解説の実質的に雷門の勝利~的な言葉が聞こえた気がする様なしない様な。

 

ただ1つ、俺の耳には一緒に戦ってくれた仲間達の喜色に彩られた声だけは確実に届いていた。

 

何であの時意識を保ち続けれなかったのか…!そんな事を悶々と考えていると、突如扉が開き…

 

「天願…?どうした!何処か痛むのか!?」

 

「天願君!?大丈夫?」

 

頭を抱えて「うごぉぉ…」とか言いながら踞る俺の姿を見た円堂と木野が慌てた様子で駆け寄って来る。

 

や、ヤバい…悶えてたとか恥ずかしくて言えねぇし、身体の不調と嘘を吐いて心配させるのは心が痛む…

 

「い、いや、大丈夫だ。あれだよ、えっと…そう!俺が気絶した後どうなったのか不安になってさ…」

 

少し苦しいか、これは…?

 

「良かったぁ~、大丈夫なんだな?」

 

「天願君が気絶するなんて事、想像もしてなかったから本当に心配したのよ?」

 

ヨシ!なんとか誤魔化せたみたいだな。

 

「安心しろよ。ほら、怪我なんざ殆どしてねぇだろ?」

 

ベッドから起き上がり、全身を使ってアピールしてみる。

 

「お、おお、凄い回復力だな…。」

 

「途中から円堂君よりシュートを受けてたのに、部員の誰よりも傷が少ない…」

 

あれ…なんか引かれてねぇか…?ま、心配掛けさせたままよりはマシだろ。

 

「そうだ!試合の事なんだけど、豪炎寺が決めた後、帝国が試合放棄してきたの!」

 

「点差も結構つけられて酷い試合だったけどさ、廃部撤回の条件はクリアしたんだ。

俺達、これからも雷門でサッカーを続けられるんだよ!」

 

円堂も木野も凄く嬉しそうに話してくれるから、つられて俺も自然と笑顔になれる。

 

「そうか、俺達のサッカーは此処から始まるんだな…」

 

……なら、始めるにあたって、言っておかなくちゃいけない事があるな。

 

「なぁ、円堂、木野、謝らなきゃいけない事がある」

 

そう言って二人へ頭を下げる。

 

「て、天願?急にどうしたんだ…?」

 

「えっと…何か謝られるような事があったかしら…?」

 

「俺さ、今まで必殺技の事だけ考えてきたんだ。」

 

「あぁ…それは知ってるよ。だって今まであれだけ一生懸命修得に励んでたんだ」

 

「だけど、それが何か謝る事に繋がるの?」

 

「そうだ。何せ俺は本当に必殺技の事しか目に入って無かった、サッカーなんてまるで見て無かったんだ。

 

円堂の練習に付き合ってたのだって、それが必殺技の修得に都合が良かっただけで、もし他に効率の良い事があったら…きっと今の今まで練習なんて続けて無かった筈だ」

 

二人は俺の告白を黙って聞いている。

それはあまりに静かで、この空間に自分以外誰も居ないと錯覚してしまいそうな程だった。

 

「円堂は真摯にサッカーについて教えてくれて、木野はこんな俺なんかの為に色々してくれたってのに……。

俺が許せないのなら、何だってする。お前達に近付くなと言われたら、そうする。

サッカーを辞めて欲しいんなら……それに従う。

本当に、すまなかった。」

 

……何れ程、時間が経ったのだろう。

 

1時間かそれ以上か、否、1秒と経っていないかも知れない。時間なんてそんな些事気にする事も出来なかった。

 

アイツらにどんな目で見られるのか、何を言われるのか、想像するだけでも恐ろかった。

 

「天願、頭を上げてくれ。」

 

円堂と木野の顔には悲しみの感情が色濃く残っている。

 

「正直に言うとさ…結構ショックだった…。

けどさ、嘘は言うなよ」

 

「…?俺は嘘なんて」

 

「サッカーを!本当に見て無かったんなら、今まで笑ってプレーしてたのは何だったんだよ…!

 

お前と初めて会った時、必殺技なんて持ってなくて、タイヤに何度も飛ばされたあの日、それでも楽しそうに笑ってた…サッカーがどうでも良かったなら、あの笑顔は何だったんだよ…!?」

 

あんなに前の事…まだ覚えたのか……

 

円堂がもう言う事が無いと察したのだろう、木野がポツリポツリと

 

「天願君さ、気付いてる?サッカーを辞めるって言った、自分の事。

凄く辛そうだったよ、もしサッカーがどうでも良いなら、そんな反応しないよね?」

 

「だから、さ。上手く言えないけど、許すとか許さないとかそんなんじゃなくて」

 

「私達が天願君に言う事があるとするなら」

 

二人は俺に手を差し伸べて、

 

「「これからも、宜しく!」」

 

そう言い切った後、それでも、と付け加えて

 

「もし、此で天願が納得とかいかないんなら……

天願の事は許す!ハイ、これでこの話は終わりな!」

 

感謝で声が震えるのを、必死で抑えながら

 

「ああ、ありがとう、本当に、ありがとう…!

此方こそ、宜しく頼む…!」

 

この二人の手をとり、強く握りしめた。

 

例え、何が起きようと、この日、この瞬間を忘れる事はないだろう。

 

 

 

夕陽は沈む事無く、笑いあう3人を暖かく染め上げていた。




凄く短いですが、これからも主人公を動かし続ける上で、どうしても書かなきゃ気がすまなかった…。

木野に関しては描写して無かったので、なんで急に?と思われるでしょう。

一応、捕捉(言い訳&後付け)しますと、雷門中に入る少し前に知り合ったという設定でした。
まあ、部のマネージャーとして円堂と3人で頑張ってきた、というのもありますが。
今まで一切描写出来ずに此処まで来てしまったので、急に出張ってしまう形になりました。
私の未熟故、困惑させてしまい、本当にすみません。

今までss読んでて、こういう展開とか良いから、早く進めてくんねーかな、なんて考えてた自分が恥ずかしい。

書くかどうかでモチベが全然違う、書き手に回るってこういう事なのかな…。

それでもやはり、こんな展開いらねーとか思う人は居ると思います。それに関しては、本当にすみません。

読み専だった自分にはその考えもまた理解出来る事なので。


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