イナズマイレブン ~『必殺技』に憧れて~   作:@ドラゴン

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うう…展開がちょっと雑かもしれん。

でも、これ以上上手く書けねぇ…

もっと勉強が必要だなぁ。


後書きに、使った必殺技の内容、原作、使用キャラを追記していこうと思います。
※ここに書く"技の内容"はあくまでこのssに適応、変化させたものです。
本来の仕様まで記述すると、後書きの文字数凄い事になってしまうので…

本当に申し訳ない byブレイク博士

需要ない? 知ってる(泣)


今回、後書きが 滅茶苦茶長いです。

書きたい事詰め込みました。


第9話 弱点

敵も味方も呆然としているのが目に映る、まるで現状をまだ認識しきれていない様だ。

 

それも当然の帰結だろう、最強のチームの筈だった帝国が弱小、いや、それ以前の問題だったチームに1分と経たない内に得点を許したのだ。

 

自陣に戻る最中、此方をじっと観察している鬼道とすれ違う

 

「末恐ろしいものだ、まさかお前の様な奴がいるとは」

 

独り言の様な言い方だったが、それは明らかに俺へと掛けられたものだった。

 

何故だろう、振り向きこそしなかったが思わず立ち止まっていた。

 

「その様子……やった事は効率的とは言い難いな。どんな意味があったのかも理解できん……だが、その技の完成度は称賛に値する」

 

きっと心底からの言葉だったのだろう、今まで感じていた悪意がまるで嘘のようだった。

 

「……その言葉は、素直に受け止らせて貰おう」

 

恐ろしい?それは此方の台詞だ、もう少し位誤魔化せると思ったんだがな…。

 

「そうしておけ。

称賛ついでにもう1つ。お前は特例だ、油断などしない。

覚悟しろ」

 

「ハッ………中々イイ趣味してんのな」

 

強がってみせたが、乾いた笑いと共にそう溢すのが精一杯だった。

 

「お前の様な奴を泳がせておくのは危険と判断した、それだけの事だ」

 

もう話す気は無いのだろう、そう言うや否や俺から遠ざかって行った。

 

やれやれ、さっきまでなら兎も角、今の俺を知って尚そう言うか…。

 

 

自陣に戻ると

「凄ぇな天願!何だよアレ、全部始めて見る技だったぞ!」

 

「急に速くなってから瞬間移動してシュートって、夢でも見てるのかと思ったぜ」

 

「正直な所、今でも信じられないな」

 

皆が駆け寄って来て、口々に褒め称えてくれる。

 

「まさかあの帝国から先制点をもぎ取るなんて!」

 

「さっきまで怖くて堪らないかったけど、これなら…!」

 

「もしかしたら、勝てるでやんすか!?」

 

この空気に水を差す様で心苦しいが、ハッキリ言った方が良いな…。

 

「いや、それは無理だ」

 

 

 

帝国side

 

「おい、アイツが誰なのか、誰も知らないのか?」

 

「あんな技を持ってるのに、無名の選手?そんな事があるのか?」

 

「業腹だが、次またやられて、止めれるとは言い切れねぇぞ」

 

 

 

「その心配は必要ない」

 

「鬼道さん?アンタすらも抜かれたんだぞ、その言葉の根拠はあるんだろうな」

 

「何、極めて単純な話だ。奴はもう必殺技を使えない。

ただそれだけの事だ」

 

「何!?それはどういう…?」

 

「抜かれてから、俺は奴をずっと観察していた。

 

シュートを撃った後だが、奴の息は絶え絶え、足を震わせているその姿は、まるで全てを出しきったかの様だった。

 

そこから平静に戻るまでの早さから、回復力が相当優れているのが理解出来るが、それでも技を出せたとして後2回程、少なくとも連発は不可能と見て良いだろう。

 

仮説だったが奴との会話で確信した。奴自身それを理解している様だったしな」

 

「驚いた…相変わらずとんでもない観察眼だな」

 

「つまり、その2回をシュートに使わせなければ良いって事だな?

じゃあ誰が奴を押さえる?話を聞く限りスタミナ切れらしいから適当に…」

 

「いや、奴は俺が直々にマークする」

 

「鬼道さん?」

 

「久しぶりに現れた"敵"だ、一切の容赦なく徹底的に潰す」

 

 

sideout

 

「そんな…つまり、さっきみたいな事はもう出来ないのか!?」

 

「交代して後半戦終盤まで回復に努めれば、やれなくはないが、それでもさっきの奴には及ばないだろうな」

 

「仮にそうしても、代わりに入ってくるアイツが天願のいない分をどこまて埋められるか…」

 

「待てよ、普通にプレーするには問題無いんだろ?なら、精神的に奴らにプレッシャーを与えられるんじゃ…」

 

「恐らくだがそれも無理だ。驚く程勘の良い奴が居てな、俺の状態を察してやがる」

 

「手詰まりって訳かよ…!」

 

「悪い……俺の独断のせいで…」

 

「いや、天願は点を入れて来たんだ。謝る必要はない」

 

「すまん……。」

 

皆が静まりかえっている時だった。

 

「なぁ、なんでそんなに落ち込んでるんだ?」

 

円堂…?

 

「だって、自分たちの中で一番強いシュートを撃てた天願が…」

 

「俺達は!この1週間頑張ってきたじゃないか!?

俺達はチームだ、天願だけじゃなくても、皆の力を合わせれば帝国にだって負けない、そうだろ!」

 

場の空気が変わっていくのを感じる。

 

「ああ、そうだ…!僕だって一生懸命やってきたんだ!」

 

「なんだか、弱気になってたのが、馬鹿みたいでやんす!」

 

「それに、天願だけに格好つけさせる訳にもいかねぇしな。」

 

「その意気だ!このまま勝つぞ、皆!」

 

皆、意気揚々と持ち場に戻っていく。

呆然としている俺の背中に軽い衝撃が走る。円堂が背中を叩いたようだ。

 

「天願はさ、俺達が舐められてた事に怒ってくれたんだろ?

ありがとな、だから、後は任せてくれ」

 

そう言ってゴールに向かって行く…俺はその背中に向けて

 

「何さらっと頭数から外してんだよ。

技が出せねぇだけで、プレー自体は出来るっての、戦力外通告してんじゃねーよ」

 

そう冗談めかして声を掛ける。

アイツの顔は見えないが、なんとなく笑っている様な気がした。

 

 

試合が再開される。

あっちのキックオフだが、相変わらずの悪意を感じるが、先程と違い油断の1つも見当たらない。

 

「さぁ、帝国のサッカーを始めよう」

 

そんな声が聞こえた。

 

蹴り出されたボールは……いきなりシュートだと!?

 

円堂は…良し、何とか反応出来ている…!

 

相当な威力があるのだろう、しっかりと受け止めたにも関わらずじりじりと押し込まれていた。

 

ゴールこそ守れたものの、円堂は片膝を付いたまま動きを止めている。

 

DF陣が駆け寄って…良かった、心配はなさそうだな。

 

だが……これから始まる蹂躙劇は、俺の予想なんて比較にもならない、そんな予感がした。

 

 

 

 

前半は終了し、点差は9対1

俺達の戦意をへし折りに来る様な怒涛の攻めを皆が受ける中、俺はボールに触ることすら出来なかった。

 

鬼道、アイツは終始俺をマークし、ボールに触れさせない様に動いていた。

 

俺は必殺技こそ威力や効果が強いものの、持ち前の技術は他の皆を少し上回る程度しかない。

 

ボールを捕れるチャンスが巡っても、奴のテクニックには歯が立たずどうすることも出来なかった。

 

前半終了時に奴の放った言葉が今でも耳に残っている。

 

「先程も言ったが、つくづく末恐ろしい。あれだけ消耗してなお、此だけ動けるとはな。

 

だが、其れだけだ。ろくな技術を持っていなければ、そんな物は意味を成さん。その無尽蔵のスタミナでさえ、あれ程消耗の激しい技の前では役に立つまい。

 

お前の事は、どうやら買い被り過ぎだったらしい」

 

何も、言い返せなかった。

 

俺が知識だけで知っていたこの世界はパワーやスピードといった、持ち前のステータスがどれ程高い奴がいても、強力な必殺技を繰り出した側が勝っていた。

 

だからだろう、我欲を優先して必殺技の修得に重きを置いていた。

 

俺は、この世界を甘く見ていたのだ。強い技を持つ方が勝つ、そんな単純な世界では無かった。

 

超次元サッカーだから、普通のサッカーとは違うのだと高を括っていた。

 

後半戦が始まってなお、気持ちは沈んでいた。

 

ただのシュートなら止められる、だが、それが必殺技となるとどうにも出来なかった事が拍車を掛けた。

 

鬼道は俺の体力を回復させない様なプレーをしていた為、もう技を出すことが出来ない。

 

気付けば円堂と俺以外は倒れていた、そういう俺達も限界寸前だ。

 

補欠の目金も気付けばいない、俺1人のキックオフだ。

 

ボールに触れた、だから何だ?技量差が有りすぎる、直ぐに 取り返されて、さっきまでの繰り返しをしているだけだ。

 

「無様だな」

 

「諦めろ」

 

「技に頼らねぇと、ボールの保持すら出来ないのか?」

 

ああ、正しくその通りだ。だけど

 

「まだ……諦めねぇ!」

 

勘違いばかりで誰よりもサッカーを舐めていたこんな俺と今まで一緒にやってきてくれた、円堂が諦めてないんだ。

アイツが立ち上がり続ける限り、俺が諦めていい資格は無い!

 

……!

その時だった。10番のユニフォームを来た誰かが、コートに入ってくるのが見えた。

 

「豪炎寺…!遅いよ!」

感極まった表情で円堂が声を掛ける。

 

豪炎寺…来てくれたのか…?

 

審判や帝国に認められ、正式にメンバーとして入った豪炎寺は、キックオフが始まるや否や、脇目を振らず一直線にゴールへ向かう、俺も豪炎寺に少し遅れて駆け出す。

 

豪炎寺は円堂がシュートを止めると確信しているのだろう。

 

円堂と一番長くサッカーをしていた筈の俺は、其が出来ていただろうか…今更、本当に今更だが、今からでも信じよう。

 

帝国は容赦なく円堂にシュートを浴びせる

 

『デスゾーン』

何度も俺達を吹き飛ばしたあの技、それに対し円堂は…!

 

あの動き、あの構え、これだけ離れても感じるあの力強さ……この土壇場で完成させたのか…!

 

円堂が長い時間を掛けて漸く修得した伝説のイナズマイレブンの技『ゴッドハンド』

 

もうボロボロなのにも関わらず、アイツは難なく止めてみせた。

 

……あぁ、本当に……凄いなぁ、アイツは。

 

直ぐ様、豪炎寺へパスをしようとするが、今までの負荷からか、少し不自然な姿勢から放られてしまう。

 

其に気付いて戻ろうとする豪炎寺に

 

「何としてでも俺が繋ぐ、アンタはシュートの事だけ考えてくれ」

 

それを聞いた豪炎寺は、此方へ頷きを返し、先へ進んで行った。

 

恐らく、これが俺のラストプレーになるだろう。立っている事すら限界な俺に出来るのは、それ位しかない。

 

……全く、どうしようもなく度し難い野郎だよ、俺は。

ついさっきに円堂を信じるなんて考えておきながら、"円堂のミス"を想定して動いていた…。

 

円堂の放ったパスは鬼道が奪ってしまう。

 

即座に反撃を仕掛けるのだろう、あれだけ注目していた豪炎寺に目もくれずドリブルして進む、その先に立ち塞がった俺に対し、

 

「もう立っているのがやっとだろうが、まだ技を出せるかもしれんからな。

最初の礼がまだだったな、お前には俺の技で倒れて貰う。」

 

技の撃ち合いか……いや、そんな事は考えるな、俺はただ豪炎寺に繋げる事にだけを意識すればいい。

 

今から繰り出すこの技は、非常に強力であるにも関わらず、驚く程に消耗が少ない。

 

しかしその代償か、技の難易度が恐ろしく高く、意識の乱れやほんの僅かに態勢を崩すだけで不発になる。

 

今の俺では即座に出す事は到底不可能、故に雑念を振り払うと共に左足を前に出し"構え"を取る。

 

「『イリュージョン ボール』」

 

奴の保持するボールが複数に別れた上、予測不可能な軌道で動き回る、もうどれが本物かなんて判別出来ない。なら"全て落としてしまえば良い"。

 

 

「『秘剣・燕返し』」

 

 

左足を軸に、全力で右足を振り抜く、それとは全く別の方向から突如発生した2閃が本物の1つを残し、全ての幻影を消し去る。

 

本来なら自分が振り抜いた足でボールを奪うのだが、残った余力全てを右足に込め、蹴り飛ばす…!

 

「行け……豪炎寺!」

 

ああ、もう意識を保つのも限界だ…せめてこの試合の結末位、見届けたかった…

 

「『ファイアトルネード』!」

 

初めての試合で気絶とは締まらねぇもんだが…今までサッカーを舐めていたツケが回ってきたのかもしれない。

 

既に意識は無かった筈だが、ネットを揺らす音と試合終了の宣言、そして沸き上がる仲間達の歓声が聞こえた気がした。









イナイレ技と他原作技のぶつけ合い…一番書きたかった事がやっと書けた…!

『秘剣・燕返し』

引用「fate」
使用者「佐々木 小次郎」

片足を引いた構え(原作やアニメ見て下さい)を取り、接近した相手のボールを奪う技

足を振り抜くと同時に、虚空から相手のボールを狙う2閃が発生する。

本来ならこの3つは全てパスコースを塞ぎつつボールを奪う軌道を描く。2つなら避けれる安全地帯は複数あるが、その全ては本命の1閃の範囲内にある。

この3つは全く同時に発生している為、対処は不可能。
技を受ける事がボールの奪取に直結する。

消耗が非常に少ない為、乱発が可能だが、(現時点では)構えを取る必要があり、構えている際は身動きが取れない。必然的に用途はカウンターに絞られる。

また、この技は難易度が非常に高く、ほんの僅かな心及び態勢の乱れで不発してしまう。

その為、敵からすれば技の発動範囲まで近づかない、何らかの手段を以て精神、構えのいずれかを揺らがせるだけで封殺出来る。



なんか超長くなったな…。
どうしよう、技解説の専用話でも作っておくか…?

(後書きは)もうちょっとだけ続くんじゃ

主人公について

speck

主人公のスペックはパワーやスピードといった身体能力がカンストしている様なものです。
素の身体能力だけで張り合ったなら、どのキャラであろうと勝てません。
それ故、技を使わない普通のシュートでは―――それこそ神のアクアやエイリア石等でドーピングでもしない限り―――突発出来ません。
それでもまだまだ発展途上、鍛える程成長を続けます。
ただし技量は今のところ全然ダメです。
また、スタミナの総量、回復速度も尋常ではなく、試合時間中をずっと、全力で走り続ける事が可能です。
ただし、一部例外を除き、所有する必殺技の消耗もまた尋常でなく、スタミナは直ぐ底を尽き、回復速度も追い付きません。
チート、というより、ピーキーなキャラにしていこうと考えてます。

technique

主人公は作中でも語られた通り必殺技の修得に傾倒していました。
円堂の課す練習以外知らなかったのは必殺技の修得が最優先で、技術については一切関心が無かった事によるものです。
円堂はそれを無意識下、本能レベルで察知し技術の教導に励みました。主人公を訓練させる描写が多めだったのはこの為です。
ですが、円堂自身はキーパー。故に円堂より上手くなっても、帝国にはまるで通用しませんでした。

長々と申し訳ありません。

読了、有り難う御座います。

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