インフィニット・エグゼイド~意志を継ぐ医者~   作:ルオン

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お待たせいたしました‼

今回は、永流が目覚めた理由が明らかになり、今後のことを決めます‼

それでは本編スタートです‼


Stage39:目覚めの真実と今後と謎の男女

突然、意識不明だったはずの永流が目の前に現れ、ブレイブと風魔、ガタックに変身していたことに、驚きを隠せないでいる黎斗たちの。

そんな中、恋と楯無がいち早く永流に抱きついた。

 

「うわっと⁉……れ、恋?カナ?」

 

「永流……‼……永流……‼」

 

「良かった…………目が覚めて……良かった……‼」

 

「……心配かけて、ごめん」

 

永流はそう言って、2人を 優しく抱きしめる。

その3人に、黎斗たちが近づいていく。

 

「永流君」

 

「お前、大丈夫なのか?」

 

「黎斗さん、大我さん、ご心配をおかけしました」

 

「永流……この馬鹿野郎‼心配かけやがって‼」

 

「目覚めてくれて良かったよ」

 

「ホントホント」

 

「紘助……猛……英志……ごめん」

 

「永流さん……ご無事で良かったですわ」

 

「ホントよ……心配したのよ」

 

「良かった…………永流が目覚めて……」

 

「うん…………」

 

「セシリア、ユリシア、鈴、簪…………心配かけたね」

 

心配してくれた黎斗たちに謝る永流。

するとそこに、一台の車がやって来た。

中からは、飛彩と2人の男性が出てきた。

出てきた男性2人の内1人を見て、黎斗と大我は目を見開いた。

 

「間に合ったか、永流」

 

「鏡⁉それにテメェは⁉」

 

「いったいどういうことだ?」

 

「説明は親父たちも含んでする。理事長室にいるんだろう?」

 

「ああ……こっちだ」

 

「君も来てくれるな?仮面ライダーゾルダ」

 

「ああ」

 

永流たちは大我を先頭に、理事長室に向かう。

理事長室に着いて、永流が中に入ると、灰馬が直ぐ様駆け寄ってきた。

 

「永流‼目が覚めたんだな⁉痛いとこはないか⁉大丈夫か⁉怪我はないか⁉」

 

「だ、大丈夫ですって院長。もう平気です」

 

「そうか‼……そうかそうか‼良かった~‼」

 

灰馬は泣きながら、永流の復活を喜ぶ。

そして灰馬の隣から、恭太郎が出てきた。

 

「永流、目覚めてくれたか」

 

「おじ……日向審議官、ご心配をおかけしてすみません」

 

「気にしなくていい。良く目覚めてくれた」

 

そう言って恭太郎は永流の頭を撫でる。

撫でられた永流は、嬉しそうな顔をする。

 

「お兄ちゃん‼」

 

「兄さん‼」

 

「おっと」

 

永流が嬉しそうにしていると、恭太郎の後ろから、亜夢とマドカが出てきて、永流に抱きついた。

そして2人の目からは、大量の涙が流れていた。

 

「お兄ちゃん‼…………お兄ちゃん‼」

 

「無事で…………無事で良かった‼」

 

「亜夢……マドカ……」

 

永流は、亜夢とマドカの優しさに嬉しくなり、2人を優しく抱きしめる。

すると永流の後ろから北岡が出てきて、灰馬に近づいていく。

 

「お久しぶりですね、鏡院長」

 

「ん?…………おお‼北岡先生‼お久しぶりですな‼」

 

「親父、彼を知っているのか?」

 

灰馬が北岡の事を知っていることに驚きながらも、灰馬に尋ねる飛彩。

 

「彼は聖斗大学附属病院を救ってくれた弁護士で、私の患者だった人だ」

 

「患者?」

 

「そうだ‼彼は当時は不治の病……まぁ新種のがんで苦しんでいたんだが、私ががんを摘出して救った…………ということだ」

 

「な、なるほど…………それで、何故IS学園に?」

 

「いや~、俺も歳だからね。後継者を探してミラーワールドを走っていたら、丁度相応しそうな子を見つけたんだよ」

 

「それが、山田先生だったと?」

 

「その通り♪」

 

灰馬と北岡の話を聞いて、納得する永流たち。

その永流に、大我が質問してきた。

 

「永流、いい加減、説明してくれねぇか?どうやって目覚めたのか」

 

「そうですね。では説明する前に、理事長や織斑先生たちにこちらの2人を紹介しますね」

 

そう言った永流は、飛彩と共にやって来た2人の横に行く。

 

「まず此方の方は、幻夢コーポレーション海外支部主任、南雲 影成(なぐも かげなり)さん。仮面ライダー風魔として戦ってます」

 

「南雲です。よろしくお願いします」

 

「そして此方の方が、霧野 エイト(きりの えいと)さん?南雲さんの補佐をしている人です」

 

「霧野です。初めまして♪」

 

一緒にいたのは、かつて娘を救うため、間違った方法をとり、永夢たちと敵対した仮面ライダー、仮面ライダー風魔こと南雲 影成と、かつて永夢や飛彩、別世界の戦士たちに助けてもらい、現実の世界に目を向けることにした少年から青年へとなった霧野 エイトであった。

影成は、事件の後、プログラミングの腕を買われ、幻夢コーポレーションに就職し、幻夢コーポレーションが海外にも手をのばすと決定して以降、海外支部の主任として着任する。

そしてエイトは、天才プログラマーとしての腕を買われ、高校卒業と同時に幻夢コーポレーションに就職し、海外支部へと行くことになった影成の補佐として、海外支部へと着任した。

では何故、海外支部にいるはずの影成とエイトがいるのか、それは数時間前に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―数時間前―

 

「……………………」

 

「…………永流」

 

目を覚まさない永流に、心配して視線を向ける飛彩。

その時、病室のドアがノックされた。

 

―コンコン―

 

「どうぞ」

 

『失礼します』

 

そう言って入ってきたのが、海外支部にいるはず影成とエイトだった。

2人を見た飛彩は、目を見開いた。

 

「南雲⁉それにエイト⁉何故お前たちが⁉」

 

「実は昨日、小星さんから永流くんが重傷を負ったと聞いて、心配で最後の便で帰ってきたんです」

 

「そうか」

 

「まだ……目覚めないのか?」

 

「ああ」

 

そう答えた飛彩は、再び視線を永流へと向ける。

影成とエイトも、永流へと視線を向ける。

永流を見たエイトは、何かを決心したような顔をする。

 

「飛彩先生、1つ提案があります」

 

「提案?」

 

「はい。うまく行けば、永流くんが目を覚まします」

 

「なにっ⁉」

 

エイトの言葉を聞いて、驚く飛彩。

するとエイトは、1枚のカードを取り出した。

 

「それは……ヒーローカードか⁉」

 

「はい。ゲーム世界のブレイブが飛彩先生に渡したヒーローカードです。実はコレを使ったリアルアクションゲームを、今開発している最中なんです。そして何度かテストをして、成功第一号がこのヒーローです」

 

そう言って、エイトは飛彩にヒーローカードを渡す。

そのヒーローカードに描かれていたのが、ガタックであった。

 

「このライダーは?」

 

「仮面ライダーガタック。地球外生命体ワームと戦った戦士です。彼と彼の友である仮面ライダーカブトのベルトには、人を蘇生する能力があるんです」

 

「蘇生だと⁉……しかし、それでは永流が」

 

「そのために、一時的にその力を蘇生ではなく、回復にする。そのためのプログラミングはしたし、そのためのエナジーアイテムもある」

 

「飛彩先生、試してみませんか?失敗しても、永流くんに影響は及びません」

 

「…………分かった。永流を……救ってくれ」

 

飛彩が頼むと、2人は直ぐ様準備に取り掛かった。

 

数分後、永流の腰には、具現化した仮面ライダーガタックがつけている【ゼクターベルト】が装着されており、ベルトには、パソコンから幾つものコードが繋げられていた。

 

「準備完了です‼」

 

「よし……やってくれ‼」

 

「ゼクターベルト……起動‼」

 

「エナジーアイテム……能力発動‼」

《超回復》

 

エイトがゼクターベルトを起動し、影成が新作のエナジーアイテム【超回復】を使用する。

すると、永流が眩い程の光に包まれる。

やがて光がおさまると、永流の眉毛が少し動き、そして

 

「ん…………あれ?ここは?」

 

「「「永流(くん)‼」」」

 

「えっ⁉ひ、飛彩さんに影成さん⁉それにエイトさん⁉」

 

永流は完全に意識を取り戻し、目の前にいた飛彩たちに驚く。

 

「えっと………ここって病室ですよね?なんで俺、病室にいるんですか?」

 

「覚えてないか?お前は織斑一夏とゲムデウスの攻撃を喰らって、重傷を負ったんだぞ?」

 

「織斑とゲムデウス?…………ッ⁉」

 

飛彩に言われ、先日の事を思い出した。

そして永流は、病院に来るまでのことと、来てからのことを飛彩から説明を受けた。

 

「そうだったんですね…………飛彩さん、影成さん、エイトさん、ご迷惑をおかけしました。そして、ありがとうございました」

 

「気にするな永流」

 

「私や鏡にとって、君は大切な息子だ」

 

「僕にとっては、大切な弟分だからね♪」

 

「皆さん…………ありがとうございます‼」

 

そう言ってくれた飛彩たちに、頭をさげて再びお礼を言う永流。

だがその時

 

「ッ⁉」

 

永流は何かの気配を感じとったかのように、顔を窓ガラスの方へと向ける。

 

「どうした?」

 

「分かりません…………でも、IS学園が危ない気がするんです」

 

「ちょっと待っててくれ」

 

そう言った影成は、パソコンを操作し始めた。

 

「何をしてるんだ?」

 

「今、IS学園の警備カメラにハッキングしてる…………ッ⁉コレは⁉」

 

「どうした?」

 

IS学園の警備カメラにハッキングをしていた影成は、パソコンに映った映像を見て驚いた。

永流たちも気になり、映像を見てみると、そこには大量のワームがいた。

 

「なんだコイツらは⁉」

 

「怪人⁉」

 

「コイツら……ワームか⁉」

 

「ワーム?」

 

「仮面ライダーガタックやカブトの敵で、宇宙から来た怪人です‼」

 

「宇宙からだと⁉」

 

「ッ‼」

 

エイトの話を聞いた永流は、直ぐ様ベッドから降り、ゲーマドライバーを手に取り、ガシャットを持とうとしたが、ガシャットはなかった。

 

「ガシャットがない⁉」

 

「……ガシャットは、檀黎斗が強化すると言って持っていった」

 

「ならエルピスで‼」

 

「エルピスも、あの科学者が持っていったぞ。調整するためと言ってな」

 

「クソッ‼」

 

「永流……何故IS学園に行く?あそこの連中は、お前を苦しめるぞ」

 

「そうかもしれません…………でも‼あそこには俺の大事な親友たちが‼新しくできた友達が‼大切な人たちがいるんです‼見捨てることなんてできません‼」

 

「「「永流(くん)…………」」」

 

永流の真剣な目を見る飛彩たち。

するとエイトは、青い機械のクワガタ虫【ガタックゼクター】を取り出した。

 

「永流くん、コレを使ってくれ」

 

「コレは?」

 

「ガタックゼクター……コレを使えば、君は一時的に仮面ライダーガタックに変身できる」

 

「ホントですか⁉」

 

「エイト……お前……」

 

「無理ですよ飛彩先生。彼はあの人の……永夢先生の息子なんですから。目の前に救える命があったら助ける。それが永夢先生と永流くんだ」

 

「…………そうだな」

 

「そういう親子だったな」

 

エイトの言葉を聞いた飛彩と影成は、諦めた顔をする。

そして2人は、懐からタドルクエストガシャットと、ハリケーンニンジャガシャットを、永流に向けて差し出す。

 

「飛彩さん?影成さん?」

 

「使え、永流‼」

 

「俺たちの力を使え‼」

 

「で、でも、このベルトもあるし、どうしたら」

 

「心配ない」

【分身化】

 

影成は永流に、分身化のエナジーアイテムを投げる。

すると、永流が一瞬光り、永流が3人になっていた。

 

「「「ど、どうして分身の力が⁉ゲームエリアは展開されていないのに⁉」」」

 

「私が使えるように調整した」

 

「早く変身して、友人を助けに行け‼」

 

「「「はい‼」」」

 

返事をした本体と、分身の一人は飛彩と影成からガシャットを受け取ってゲーマドライバーを装着し、残った分身が、ガタックゼクターを手に取った。

 

《タドルクエスト‼》

《ハリケーンニンジャ‼》

 

「「「変身‼」」」

「キャストオフ‼」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

《タドルメグル‼タドルメグル‼タドルクエスト‼》

《マキマキ‼竜巻‼ハリケーンニンジャ‼》

《HENSIN》

《cast off》

《change stagbeetle》

 

本体と分身の一人は、ガシャットをゲーマドライバーに挿入して、ブレイブと風魔へと変身し、残った分身がガタックへと変身した。

 

「「「よし‼」」」

 

「ブレイブ、風魔、コレを使え」

 

「コレは?」

 

「新エナジーアイテム【超高速化】だ。それを使えば早く学園に着ける」

 

「「了解‼」」

()()()()()

 

「ガタックはクロックアップを‼」

 

「了解‼クロックアップ‼」

《clock up》

 

ブレイブと風魔は新たなエナジーアイテム【超高速化】で、ガタックはクロックアップを使用して、IS学園へ向かった。

 

「行ったな」

 

「僕たちも行きましょう‼」

 

「ああ‼」

 

飛彩たちも、永流の後を追って、IS学園へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―現在―

 

「と、いった感じで、俺はブレイブに風魔、ガタックに変身して、ワームを倒したんです」

 

『『『『『……………………』』』』』

 

永流が説明を終えると、黎斗たちは唖然としていた。

その中で、大我が永流に話しかけた。

 

「永流…………お前は無茶しすぎだ」

 

「でも、そのおかげで恋たちを救えましたから」

 

「まったく…………困った息子だ」

 

そう言って、大我は永流の頭を撫でた。

その時黎斗が、永流に声をかけた。

 

「さて永流くん。君に聞きたいことがある」

 

「聞きたいこと?」

 

「君は…………学園をやめる気はあるかい?」

 

『『『『『……………………』』』』』

 

黎斗の言葉で、その場が沈黙で包まれる。

そして聞かれた永流は瞳を閉じて考える。

しばらくして、永流は目を開いて、黎斗に気持ちを伝えた。

 

「俺は…………学園をやめる気はありません」

 

「…………何故だい?」

 

「今、この学園はショッカーや財団Xに狙われています。それを知っていて、それに対処できる力を持っていて、何もしないのは、俺には耐えきれない‼それに、ここには大切な友人たちがいる。その友人を見捨てたら、人として最低です」

 

「…………だ、そうですよ学園長」

 

「宝生先生…………いいのですか?」

 

「はい‼」

 

「…………ありがとう……ございます」

 

十蔵は涙を流しながら、永流に頭をさげて礼を言い、永流は学園に残ることになった。

ただし、もし永流がやめると言ったら、退学をすんなり受け入れるという、恭太郎と灰馬の条件付きである。

 

それからしばらくして、永流は飛彩たちを見送るために、校門へと来ていた。

 

「またな永流…………無理すんなよ」

 

「明日までには、ガシャットを返すから待っていてくれ」

 

「はい‼ありがとうございます、大我さん、黎斗さん」

 

「永流…………体に気をつけてな」

 

「風邪とかひかないようにね?」

 

「何かあったら、すぐに言うんだぞ?」

 

「ありがとうございます、おじさん♪エイトさん♪院長♪」

 

心配してくれる大我たちに、礼を言う永流。

すると影成が、ある物を持って永流に近づいた。

 

「永流……コレを」

 

「コレは…………ハリケーンニンジャのガシャット⁉でもガシャットは今俺が」

 

「このハリケーンニンジャガシャットは、君用に新しく作ったガシャットだ」

 

「俺……用?」

 

影成の言葉に、首をかしげる永流。

 

「エグゼイドの強化用に、社長の許可を貰って作ったガシャットだ」

 

「そうなんですか⁉」

 

「ああ…………受け取ってくれるか?」

 

「もちろんです‼ありがとうございます‼」

 

そう言って、影成からガシャットを受けとる永流。

すると飛彩が永流に近づいていき、永流の頭を撫で始めた。

 

「ひ、飛彩さん?」

 

「あまり無理はするなよ。お前に何かあったら、俺や花家たち、“あいつら”も悲しむからな」

 

「…………はい。ありがとうございます」

 

「ではな」

 

そう言った飛彩は影成と共に車に乗り、IS学園を後にし、永流は部屋へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、空港では

 

「ん~~…………‼やっと日本に帰ってこれたね♪」

 

「そうだな」

 

「永流兄、元気にしてるかな?」

 

「恐らくな。なんて言ったって、永流兄さんは元気の塊だからな」

 

「そうだね♪さっ‼聖都大に行こ♪」

 

「ああ」

 

空港に永流を兄と呼ぶ2人の男女が現れ、2人の男女は聖都大学附属病院へ向かった。

 

to be next stage




今回はここまでです‼

次回は、永流がある人と新たな力で戦います‼
そして、あの2人が…………

次回も是非読んでください‼

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