インフィニット・エグゼイド~意志を継ぐ医者~   作:ルオン

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な、何とか、ライダーの前日には完成した。

今回の話では、簪の専用機が完成し、永流が束からプレゼントをもらいます。
そして最後、幻夢コーポレーションが…………

それでは本編スタートです‼


Stage30:完成した専用機と束からのプレゼント

永流が宝生家へ帰ってきた翌日、永流の部屋では

 

「ZZZ…………zzz……」

 

「ふふ♪可愛い寝顔ね♪」

 

宝生家に泊まった恋が、永流の部屋に浸入して、永流の笑顔を楽しそうに眺めていた。

そうしてるうちに、永流が目を覚ました。

 

「ん…………恋……?」

 

「ふふ♪おはよう永流♪」

 

「おはよう…………あの……恋?」

 

「なぁに♪」

 

「あの…………何をしてるんでしょうか?」

 

「永流にキスでもしようかと思って♪」

 

そう言って、ほほ笑みながら顔を近づけていく恋。

そうされたら、いつも顔を赤くするか、直ぐ様逃げる永流だが、永流は顔を赤くもせず逃げもせず、恋の顔に触れた。

 

「えっ?永流?」

 

「してみる?……俺とキス」

 

「へっ⁉」

 

まさかの永流の言葉に、いつも自分のペースを保っていた恋がペースを乱され、顔を赤くし始めた。

 

「え、永流?////ど、どうしたの急に?//////」

 

「いや………………ただ、恋が魅力的に見えてさ」

 

「ッ⁉////////////」

 

永流の言葉を聞いて、恋は顔を更に赤くした。

すると恋は、永流から離れ、扉へと向かう。

 

「恋?」

 

「あ、朝ごはんできてるから‼//////は、早く降りてきてね‼////////」

 

そう言って恋は、顔を赤くしたまま部屋を出ていた。

 

「あれ?俺、まずいこと言ったかな?」

 

そう言った永流はベッドから起き上がり、洗面所で顔を洗い、部屋で私服に着替えた後に一階へと降りていく。

一階へと降り、リビングに入る。

 

「おはよう、みんな」

 

「あっ‼永流、おはよう♪」

 

「おはよう、永流♪」

 

「永流、おはよう」

 

「あら永流♪おはよう♪」

 

「永流、おはようさん」

 

「お、おはよう永流//////」

 

「もうすぐ朝ごはんできるから、座って待ってて」

 

「分かった」

 

リビングに入って挨拶をかわした永流は、明日那に言われた通り、イスに座る。

しばらくして、明日那ができた料理を運んできた。

 

「それじゃあ、いただきます♪」

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

そう言って、食事を始める永流たち。

すると、明日那が何かを思い出したように、永流に聞いた。

 

「そういえば永流、今日仕事は何時から?」

 

「今日は午後からだから、午前中は幻夢コーポレーションにでも行こうかと思ってるよ」

 

「なら私も行くよ。黎斗にイチゴの差し入れしようと思ってたから」

 

「そういえば黎斗さん、いちご好きだったっけ?」

 

「うん。最近頑張ってるみたいだから、差し入れしようと思って」

 

「そうなんだ」

 

そう2人が話しているとき

 

―prrrrrprrrrr―

 

「あれ電話だ。誰だろうこんな朝から?」

 

永流のスマホから電話の着信音が鳴り、永流はスマホを取りに席を立つ。

画面を見ると、壇黎斗と表示されていた。

 

「黎斗さんから?…………もしもし?」

 

『ヴェハハハハハハハ‼永流ぅうう‼』

 

「うわっ⁉」

 

電話に出ると、いきなり黎斗が狂ったような笑い声をあげてきた。

永流は驚き、一度スマホから耳を離し、再びスマホに耳を近づけた。

 

「ど、どうしたんですか黎斗さん?いきなりの暴走笑い声なんて、驚きましたよ」

 

『永流ぅうう‼やはり私は神だぁあああ‼『いい加減にしろ‼』ぐはっ⁉』

 

「れ、黎斗さん?」

 

『永流、聞こえるか?』

 

「ぐ、グラファイト?」

 

『朝からすまんな。あの自称神は眠らせた。それより先程、簪のISが完成した』

 

「もう完成したのか⁉」

 

黎斗を眠らせたグラファイトから、簪の専用機が完成したと聞いて驚く永流。

 

『ああ。今日中に取りに『今すぐに来い‼永流ぅうう‼』貴様はまだ寝てろ‼『げはっ⁉』とにかく来てくれ』

 

そう言ってグラファイトは電話をきった。

幻夢コーポレーションの状況を察した永流は、苦笑いしながらスマホをポケットにしまった。

その永流に、明日奈が声をかける。

 

「永流、黎斗なんだって?」

 

「どうやら、簪の専用機が完成したみたい」

 

「ホント‼」

 

「ああ。ただ、黎斗さん暴走してるみたいで大変みたい」

 

「それじゃあ急がなきゃ‼暴走した黎斗を止められるの、私か永流だけだもん‼スコール、悪いけど片づけお願い‼」

 

「ええ、任せて」

 

「簪ちゃん‼なにモタモタしてるの‼行くよ‼」

 

「は、はい‼」

 

「ま、待ってくださいおば様‼私も行きます‼」

 

「お、俺も‼」

 

「ちょっと待ってよ母さん‼」

 

明日那に言われた簪と、一緒に行こうと考えていた永流と恋、英志の3人は慌てて出かける支度をする。

そして支度を終えた5人は外に出て、明日那と簪、恋と英志の4人は英志の車に乗り込んだ。

 

「永流‼早く車に乗って‼」

 

「いやいや、4人乗りの、しかも警察官の車に5人乗りは駄目でしょ‼」

 

「大丈夫‼責任は英志くんがとってくれるから‼」

 

「ちょっと明日那さん⁉それは無理ですよ‼」

 

まさかの明日那の発言に、驚く英志。

 

「大丈夫だよ英志。俺は愛車で行くから」

 

「愛車?」

 

永流はそう言うと、ガレージから一台のバイクを押してきた。

 

「愛車ってバイク?」

 

「そう‼俺の愛車の【ネイキッド CB1300】さ‼」

 

「紹介は後でいいから‼早く行くよ‼」

 

「は、はい‼」

 

明日那に言われた永流は、急いでヘルメットを被りネイキッドに跨がり、エンジンをつけて幻夢コーポレーションに向かった。

数分後、5人は幻夢コーポレーションに到着し、急いで社長室に向かう。

社長室に着くと、狂ったように笑う黎斗と、それを何とかしようとするグラファイトと束、クロエとパラドがいた。

 

「ヴェハハハハハハハ‼ヴェハハハハハハハ‼」

 

「落ち着けゲンム‼」

 

「落ちついてよクロくん‼」

 

「冷静になってください‼黎斗様‼」

 

「しらけることすんなよゲンム」

 

「みんな‼」

 

「大丈夫か⁉」

 

「ッ⁉ポッピー・ピポパポ⁉永流⁉」

 

「ピーちゃん‼えーくん‼」

 

「明日那様‼永流様‼」

 

「よぉポッピー、永流♪」

 

「黎斗の様子は?」

 

「暴走したままだ‼早く何とかしてくれ‼」

 

「任せて‼永流、やるよ‼」

 

「うん‼」

 

黎斗の様子を聞いた永流と明日那は、黎斗との距離をあけ構える。

 

「ポッピー‼」

 

「永流‼」

 

「「critical…………ダブルラリアット‼」」

 

「ヴェハハハハハハ―――グヴェハ⁉」

 

永流と明日那は黎斗に向かって走りだし、黎斗にダブルラリアットを喰らわせた。

喰らった黎斗は吹き飛び、壁に頭をぶつけて床に倒れた。

しかし黎斗は、ゾンビのように這い上がった。

 

「ポッピー‼永流‼いったい何をする‼」

 

「暴走した黎斗を止めただけだよ‼いつも言ってるよね?暴走しないでって」

 

「神である私に逆らう気かぁあああ‼」

 

「イチゴあげないよ?」

 

「まことにすみませんでしたぁあああ‼」

 

「「「「「「「態度変わるのはやっ⁉」」」」」」」

 

「あ、あははは……」

 

明日那がイチゴを上げないと言うと、黎斗は態度が一変し土下座した。

それを見た永流以外が、黎斗の態度を変える速さに驚き、永流は苦笑いしていた。

 

「あっ‼そうだった‼簪ちゃん‼君のIS、完成したんだよ‼」

 

「ありがとうございます篠ノ之博士‼それで、私のISはどこに?」

 

「ふふ♪ここだよ‼」

 

束がそう言うと、突然社長室の壁が開き、中から一機のISが出てきた。

 

「コレが簪ちゃんのIS‼君だけの専用機‼【打鉄弐式】だよ‼」

 

「打鉄弐式‼」

 

簪は、自分の専用機【打鉄弐式】を、目をキラキラさせながら見ていた。

それを見た束は自然と笑顔になり、説明を始めた。

 

「この打鉄弐式は、えーくんのエグゼイド、簪ちゃんのお姉さんが使うミステリアス・レイディの戦闘データを元に造りあげたんだよ♪」

 

「永流とお姉ちゃんの戦闘データ⁉」

 

「俺たちに何かできないか聞いてね。こっそり束に送っておいたんだ」

 

「永流……ありがとう♪」

 

「どういたしまして♪」

 

「さて、説明を続けるね。打鉄弐式の基本武装は、背中に搭載されている2門の連射型荷電粒子砲【春雷】(しゅんらい)と、近接武器である対複合装甲用の超振動薙刀【夢現】(ゆめうつつ)、そして必殺技並の威力を持つ、マルチロックオン型ミサイルを48発撃てる【山嵐】を搭載してるよ‼」

 

「凄い‼凄いです博士‼」

 

「ふふん‼それだけじゃないんだよ♪ストライクモード‼」

 

束がそう言うと、打鉄弐式の色が赤く変色し、背中の部分に巨大なブースターが装備された。

 

「い、色が変わった⁉」

 

「コレは【打鉄弐式 ストライクモード】だよ‼」

 

「ストライクモード?」

 

「このモードは、近接戦闘がメインのモードで、夢現に加えて、炎の力が使える刀【紅蓮】(ぐれん)と、氷の力が使える刀【月下】(げっか)、電撃の力が使えるクロー【雷電】(らいでん)、電磁波を放つ手裏剣【迅雷】(じんらい)が装備されてるよ。ただし、ストライクモードでは春雷は使えなくなっちゃうんだ」

 

「なるほど~」

 

「次はこの形態、ガンナーモード‼」

 

束がそう言うと、打鉄弐式の色が青く変色し、腕に巨大な盾が装備された。

 

「コレが射撃メインのモード、【打鉄弐式 ガンナーモード】だよ。このモードではストライクモードで使えなくなっていた春雷が使えるよ。加えて中距離武装に【ビームライフル】と【ビームサブマシンガン】、遠距離武装に【電磁ライフル】、近接用にマシンガンと盾、サーベルが出てくる盾【オールシールド】があるよ。あと、夢現は使えるけど、ガンナーモードでは威力が落ちちゃうんだ」

 

「そんなモードまであるなんて⁉」

 

「そして最後にコレ‼極モード‼」

 

束がそう言うと、打鉄弐式の背中にブースターが装備され、金色へと変色した。

 

「き、金色の打鉄弐式⁉」

 

「このモードは【打鉄弐式 極モード】。ストライクとガンナー、2つのモードの長所が使えるオールマイティなモードだよ」

 

「凄いな~。でも束、そんなモードがあるなら、ストライクとガンナーの2つはいらないんじゃ」

 

「永流様、残念ながら極モードにはタイムリミットがありまして、2分間しか使えないんです」

 

「そうなのか?」

 

「うん。付け加えると、極モードになる際はシールドエネルギーを20%くらい使用してなるんだ。だから簪ちゃん、使いどころに気をつけてね」

 

「はい‼分かりました‼」

 

「うんうん♪いい返事だね♪」

 

簪を褒めた束は、打鉄弐式に触れた。

すると打鉄弐式は光りだし、指輪へと変わった。

 

「コレが打鉄弐式の待機状態だよ。大切にしてね♪」

 

「はい‼ありがとうございました‼」

 

「ふふ♪どういたしまして♪……さて、えーくん?」

 

「なんだ」

 

「えーくんにプレゼントあげるって言ったの、覚えてる?」

 

「そういえば、そんなこと言ってたっけ」

 

「ふふん♪見て驚いてね?コレがえーくんのプレゼントだよ‼」

 

束がそう言うと、打鉄弐式が出てきた壁から、オレンジどころ黒で塗装された一機のISが出てきた。

 

「こ、コレは⁉」

 

「コレがえーくんへのプレゼント‼アシュアリー・クロインツェル社と共同で開発した機体【ラフトクランズ エルピス】だよ‼」

 

「エルピス……確かギリシャ語で、意味は…………希望」

 

「そうだよ♪えーくんは、束さんたちにとっても、ピーちゃんたちにとっても、患者さんたちにとっても希望の存在だから、ラフトクランズにエルピスの名前をつけたんだよ♪」

 

「束…………ありがとう」

 

「えへへ♪さて、ラフトクランズについて説明するね♪ラフトクランズの武装は、剣と銃になる武器【オルゴンソードライフル】と、クローと盾の両方を使い分けることができる【クローシールド】、内蔵武器で高エネルギー砲を放てる【オルゴンキャノン】を搭載してるんだよ‼」

 

「す、凄いな」

 

「更に更に、オルゴンソードでは、【オルゴン結晶】という物を剣のように形成して攻撃できるんだよ‼」

 

「そんなことまで…………」

 

「だけどねえーくん、このエルピスは、まだえーくんのじゃないんだ」

 

「えっ?」

 

「どういう意味ですか?」

 

束の言葉を聞いて、永流は驚いた。

何故、永流の物ではないのか、英志が束に聞いた。

 

「実はクロくんがエルピスに触れた時、クロくん吹っ飛ばされたんだ」

 

「黎斗さんが吹っ飛ばされた⁉」

 

「あの時は驚いたよ。まさかISに弾かれるように吹き飛ばされるとはね」

 

「他のスタッフも触ったら、同じように吹っ飛ばされたんだ。私は平気だったけど。でも、触れても待機状態にはならなかったんだ」

 

「恐らくエルピスは、主と認めた人にしか、使うことを許さないISなんだと思います」

 

「認めた人にしか……扱えない機体」

 

永流はそう呟くと、エルピスを見つめた。

すると永流は、何かを決心したような顔立ちになり、エルピスに向かって歩き出す。

しかしその永流を、恋が永流の手を掴んで止めた。

 

「恋?」

 

「永流……あなた、エルピスに触れる気?」

 

「うん」

 

「駄目よ。もし吹き飛ばされて、当たりどころが悪ければ、あなた…………」

 

「大丈夫だよ、恋。俺は吹き飛ばされたりしない」

 

「どうして…………そう言えるの?」

 

「何となくだけど、分かるんだよ。俺は吹き飛ばされないって」

 

「永流…………」

 

「だから恋、皆と一緒に見守ってて?」

 

「……分かったわ」

 

恋は永流の言うことを信じ、掴んでいた手をはなした。

そして永流は、皆が見守る中、エルピスに近づいていき、エルピスに触れる。

すると、エルピスは光りだし、指輪へと変わった。

 

「エルピス……俺を認めてくれたのか?」

 

永流がそう言うと、永流の問いに答えるかのように、中心にあるオレンジ色のクリスタルが光った。

 

「おめでとうえーくん♪これでエルピスは、正式にえーくんの物だよ♪」

 

「ありがとう、束。大切に使わせてもらうよ」

 

「うん♪実は、エルピスには特殊な機能がついてるんだよ♪」

 

「特殊な機能?」

 

「それについては、私が説明しよう‼」

 

「うわっ⁉」

 

先程まで黙っていた黎斗が、突然大声を出して言った。

永流はその黎斗の声にビクついた。

 

「エルピスには、私が組み込んだ特殊プログラムが搭載されている‼ソレを使えば、永流に敵う奴はいない‼」

 

「あの、その特殊プログラムってなんです?」

 

「ふふん‼その特殊プログラムとは‼」

 

勿体ぶるように話す黎斗。

そして黎斗が、プログラムの名を口にしようとしたその時

 

―ドガァアアアアアアン―

 

「「うわっ⁉」」

 

「「「なっ⁉」」」

 

「「「「「きゃあっ⁉」」」」」

 

突然爆発音が鳴ると同時にビルが揺れだし、永流たちは体勢を崩して倒れた。

 

「な、なんだ今の爆発音は⁉」

 

「同時にビルが揺れたぞ⁉」

 

急なことに驚く永流たち。

するとそこに、小星とバガモンがやって来た。

 

「皆さん大変です‼」

 

「外を見るだガー‼」

 

「外?」

 

慌てた様子で言うバガモンに従い、外を除く永流たち。

 

「「「「「「「「なっ⁉」」」」」」」」

 

「なんだあのISを纏った奴等は⁉」

 

そこには、ISを纏った女性が50人、武器を幻夢コーポレーションに向けて、浮かんでいた。

 

to be next stage




今回はここまでです‼

次回は、永流がある理由で激怒し、仲間と共に戦います‼

次回も是非読んでください‼

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