今回は、永流とある3人が学園を出ます。
それでは本編スタートです‼
永流と恋が腕を組ながらアリーナの中に入ると、一緒に来た楯無たちが待っていた。
「お疲れ様2人とも♪」
「あらカナたちじゃない♪迎えに来てくれたの?」
「ええ♪やっぱり凄いわね2人とも♪」
「ふふ♪ありがとう♪」
「ところで……いつまで腕を組んでるのかしら?」
「あら、いいじゃない♪愛し合う2人なら当然のことよ♪」
「「「「「「なんですって⁉」」」」」」
恋がそう言うと、突然楯無たちから黒いオーラが出てきた。
だが
「はいはい、冗談はそこまでにしてね」
「ふふ♪ごめんなさい♪」
「皆も、恋の冗談でいちいち黒いオーラ出さないで」
「「「「「「べ、別に出してないわ(ですわ/です/よ)‼」」」」」」
永流がそう言うと、楯無たちは黒いオーラを出すのをやめた。
すると、永流は何かを思い出したかのように、簪に話しかけた。
「そういえば簪、専用機の件、考えてくれた?」
「うん。一晩考えてみた。幻夢コーポレーションに…………黎斗さんたちに手伝ってほしい」
「OK。それじゃあ簪、今から行こうか」
「えっ?今から?」
「うん。今日と土日は病院に行くから、簪も一緒に行こう」
「でも……帰りとかどうしよう。きっと1日じゃ終わらないだろうし」
「なら外泊届け出して、家に泊まればいいよ」
「えっ⁉」
「「「「「なっ⁉」」」」」
永流の言葉に、恋以外の女性人が驚きを隠せなかった。
「駄目かな?」
「そ、それはつまり……永流と一緒に1つ屋根の下で」
―ホワンホワンホワンホワンホワン―
(ここからは簪の妄想です)
―ドンッ―
「え、永流?」
「簪……綺麗だよ」
月明かり照らされる部屋の中、永流は簪に壁ドンする。
「き、綺麗だなんて////私は……別に綺麗じゃ////」
「……そうだね、簪は綺麗じゃない」
「え…………」
永流の綺麗じゃないと自分を否定する言葉に、思考がフリーズする簪。
だが
―クイ―
「あ……」
「簪は綺麗というより、かわいい」
「ッ⁉//////」
永流に顎を上げられ、かわいいと言われた簪は顔を赤くする。
すると永流は、突然簪を抱え上げ、ベットへと運び、簪に覆い被さる。
「え、永流⁉//////」
「簪……俺は君と……絆を深めたい」
「永流…………私も……永流と絆を深めたい」
「簪…………」
「永流…………」
互いに見つめ合う永流と簪。
やがて2人の顔は段々と距離を縮めていく。
そして―――
―ホワンホワンホワンホワンホワン―
(妄想修了)
「ぷしゅー////ぷしゅー////」
「か、簪⁉大丈夫か⁉」
「これは完全に想像しちまったな」
「間違いないね」
「えっ?何を想像したの?」
「永流…………それは野暮ってやつだ」
「「「「「「「うんうん」」」」」」」
「???」
永流の家に泊まることで、永流とシュチュエーションを妄想し、頭から煙を出して赤面する簪と、それを察し、分からない永流に聞かないよう釘をさす紘助たち。
すると、赤面していた簪が妄想の世界から戻ってきた。
「永流‼」
「は、はい‼」
「今すぐ届け出してくるから‼校門で待ってて‼」
―ヒュン―
「「「「「「「「「き、消えた⁉」」」」」」」」」
簪は目にも止まらないスピードでその場から消え、永流たちは簪が消えたことに驚いていた。
「え、えっと…………とりあえず、校門に行こうか永流くん」
「そ、そうだね」
「ふふ♪永流の医者として姿、見るのが楽しみだわ♪」
「ん?ちょっと待って。もしかして恋も行く気なの⁉」
「ええそうよ♪もう外泊届けは提出済みだわ♪」
「「「「「えぇええええ⁉」」」」」
恋の発言に、驚く楯無たち。
「ち、ちょっと待ってください恋さん‼簪お嬢様は専用機の関係で、外泊届けがおりますが、恋さんはどんな理由ですか?」
「そんなの決まってるじゃない♪永流の側にいたいからよ♪」
「えっ?俺?」
「そうよ永流♪永流の医者として働きを見てみたいの♪」
「まぁ、邪魔にならないようにしてくれるなら別に構わないけど」
「ふふ♪ありがとう♪」
「で、でもどうやって、申請が通ったの?」
「ふふ♪裏技を使ったのよ♪」
「「「「「裏技?」」」」」
恋の発言に首をかしげる女性人。
すると恋は、どこからか1冊のアルバムを取り出した。
「そ、それはなに?」
「ふふふ♪コレは紘助の寝顔写真がおさめられたアルバム……紘助寝顔アルバムよ‼」
「紘助寝顔アルバム?それが…………まさか⁉」
「それを貰って得する人は⁉」
「気づいたようね♪コレを将来の義妹に渡して、申請をOKしてもらったわ♪」
(((((間違いない‼この人珠美(さん/名護先生/タマミン)を買収した⁉)))))
恋が珠美を買収したことに気づいた楯無たち。
その頃、珠美はというと
「えへへへ~♪紘助の寝顔かわいいよ~♪」
自分の部屋でアルバムを見て、にやけていた。
「それじゃあ私たちは行くわね♪行きましょう永流♪」
「ち、ちょっと⁉腕を引っ張らないで~⁉」
「ち、ちょっと待ってくれ2人とも~⁉」
恋はそう言いながら、永流を引っ張って行き、たけしは2人の後を追って猛が、アリーナを出ていった。
残された楯無たち女性人は、悔しいのか、ハンカチを口でかみしめる。
紘助は身の危険を感じ、その場から逃げた。
数分後
「まさか……恋まで一緒なんて」
「ふふ♪よろしくね簪♪」
数分後、一度永流たちは荷物を取りに部屋へ戻り、校門に行って簪を待った。
しばらくして、笑顔でやって来た簪だったが、恋が一緒に行くと聞いて、若干ブルーになっていた。
「えっと…………とりあえずモノレールで駅まで行って、タクシーで向かおうか」
「それなら大丈夫だよ永流くん。迎えを呼んであるから」
「迎え?」
猛の言葉に首をかしげる永流。
すると、校門に一台の車がやって来た。
そして車から、1人の人物が降りてきた。
「え、英志⁉」
「やぁ永流。昨日ぶり」
車から降りてきたのは、昨日女子生徒を逮捕した英志であった。
「英志、なんで」
「実は衛生省から依頼があってね。永流を病院に無事に運んでくれと」
「そうだったのか」
「それじゃあ英志くん、永流くんを頼んだよ」
「任せてくれ猛。永流は必ず守る。バイト頑張れよ」
「ああ‼永流くん、また明日な」
「ああ。気をつけてな」
猛はそう言うと、校門に持ってきていたバイクに跨がって、バイト先に向かった。
「さて、俺たちも向かおうか」
「悪いんだけど、簪を幻夢コーポレーションに下ろしてから、病院に向かってくれるか?」
「それについても、衛生省から頼まれてる。だが、今、幻夢コーポレーションは立て込んでいてな、6時以降に来てほしいとのことなんだ」
「それじゃあ私も永流の病院に行く」
「いいの?」
「うん♪」
「それじゃあまずは、聖都大学附属病院に行こうか」
「「「ああ(ええ/うん)」」」
永流たちは英志の車に乗り、聖都大学附属病院へと向かった。
数十分後
「病院よ‼私は帰ってきたぁああああ‼」
数十分後、聖都大学附属病院に着いた永流は、車から下りると、どこかの悪夢と同じように叫びだした。
「何叫んでるんだ永流?」
「いや、父さんが生前、久々に家に帰ってきたりしたら、こう叫ぶんだよって言ってたんだけど」
「それ、絶対にやめろよ?いいな?」
「わ、分かった」
英志の気迫に押され、頷くしかできなかった永流。
そして永流は、恋たち3人を連れて病院内へと入っていった。
中に入ると、受付の事務員が永流に声をかけた。
「宝生先生、お帰りなさい」
「ただいま♪鏡先生は今どこにいますか?」
「ちょっと待ってください…………鏡先生はただいまオペ中です」
「分かりました。それじゃあ俺はCRに行きますね」
「分かりました。あと、CRには花家先生とニコさんがいますよ」
「分かりました。ありがとうございます」
永流は受付にお礼を言うと、英志たちを連れてCRへと向かった。
数分後、CRについて扉を開けた永流。
するとCRの中は、ピンクなオーラで染まっていた。
その原因は
「はい大我♪あ~ん♪」
「あ、あ~ん♪」
「ふふ♪おいしい?」
「あ、ああ……おいしい////」
大我が、ニコが作った愛妻弁当を、ニコに食べさせてもらっていて、まるでまだ恋人のようなオーラを出しながら食べていたのが原因である。
それを見た永流と英志は苦笑いし、簪は顔を赤くし、恋はスマホで写真を撮っていた。
「ん?……え、永流⁉」
「えっ⁉え、永流⁉それに英志に簪、恋まで⁉」
「あ、あははは……」
「な、なんというか……」
「あ、あうあう////」
「ふふ♪ごちそうさまです♪それじゃあ♪」
恋を先頭にCRを出ていった永流たち。
CRを出た永流たちは、永流の希望で、自分が担当した入院している患者に挨拶しに行くことになった。
最初、永流が向かったのは、子供たちが入院している階であった。
永流が病室に入ると、子供たちが一斉に近づいてきた。
「「「「永流先生~‼」」」」
「やぁ皆、久しぶり♪」
「永流先生‼一緒にゲームしよう~‼」
「永流先生、あやとり教えて~」
「永流先生、後ろの人達だぁれ~?」
「先生のお友だち?」
「そうだよ♪3人とも、先生の大事な友達だよ♪」
「はじめまして♪永流先生の友達の、泊 英志です♪よろしくね♪」
「はじめまして♪永流の友達で、葛葉 恋よ♪よろしく♪」
「はじめまして♪永流の友達の、更識 簪です♪よろしくね♪」
永流の紹介で、子供たちに挨拶する英志 たち。
すると、子供たちの1人が質問してきた。
「お姉ちゃんたちは、先生の恋人~?」
「あら♪」
「えっ?」
「あはは……残念ながら違うよ。それにね、恋人は1人しかできないんだよ?」
「でも先生、バレなきゃ大丈夫なんでしょ~?」
「そうそう、バレなきゃ犯罪じゃないんでしょ~?」
「ちょっと⁉誰がそんなこと言ってたの⁉」
「「「「九条先生~‼」」」」
「き~り~や~さ~ん‼」
子供たちに、貴利矢が変な事を教えたことに、怒る永流。
その時
「はぁ……はぁ……宝生先生‼」
「ど、どうしたんですか?」
「宝生先生、今すぐ手術室に来てください‼鏡先生と一緒にオペしていた先生が、過労で倒れてしまって‼」
「分かりました‼今行きます‼」
永流は呼びに来た医者についていき、手術室に入る。
手術室に入ると、飛彩が必死にオペをしていた。
「飛彩さん‼」
「永流⁉戻ってきてたのか⁉」
「患者さんの容体は⁉」
「あまりいいとは言えん。手を貸せ」
「もちろんそのつもりです‼」
飛彩に言われ、永流はオペにとりかかった。
その頃英志たちは
「永流……大丈夫かな?」
「大丈夫だよ簪」
「そうよ簪♪だって永流だもの♪」
「…………うん♪」
永流が入った手術室の前で、永流が出てくるのを待っていた。
「それにしてもさっきの永流、学園の時と違っていきいきしてたわね」
「うん」
「やっぱり、永流にとって、一番生きてるって感じるのは、患者さんのために尽くすことなのかもな」
「そうね♪…………簪?」
「なに、恋?」
「私、負けないから。永流が永流のまま、やりたいことを貫く。私はそんな彼を振り向かせて、支えてみせるわ」
「わ、私だって、永流を支えてみせる‼」
「ふふ♪負けないわよ♪」
(相変わらずモテモテだな~永流は。果たして誰が永流と結ばれるのやら。まぁ、近いうちに、そんな問題はなくなるだろうけど)
永流をかけて、恋と簪の心に火がともり、英志はそんな2人を温かく見守っていた。
数十分後
「はぁ……はぁ……終わった~」
「「「永流‼」」」
オペを終えた永流が手術室から出てきて、英志たちが永流に駆け寄る。
「お疲れ様永流♪」
「お疲れ様♪」
「ありがとう、恋、簪」
「それで?オペは成功したのか?」
「当然だ。俺と永流に、救えない命などない」
「「「飛彩さん⁉」」」
英志の言葉に答えながら、飛彩が手術室から出てきた。
「久しぶりだな、英志、恋、簪」
「お久しぶりです飛彩さん」
「流石は永流と飛彩さんね♪」
「名コンビ」
「そんなことないよ。俺なんてまだまだ」
「だが、先程の手際、なかなか良かったぞ。これからも精進しろ」
「はい‼ありがとうございます‼」
飛彩はそう言うと、その場から立ち去った。
「永流、良かったわね♪」
「うん‼」
「永流、そろそろ6時になるから、簪を送りに行くけど、永流も行くか?」
「ああ。久々に幻夢コーポレーションの皆に会いたいしね。シャワー浴びてくるから、入り口で待ってて」
「分かった」
そう言った永流は、すぐにシャワーを浴びに行き、持ってきていた私服に着替えて、入り口に向かった。
「お待たせ」
「それじゃあ行こうか」
そして永流たちは、再び英志の車に乗って、幻夢コーポレーションに向かった。
to be next stage
今回はここまでです‼
次回は、永流たちが幻夢コーポレーションに行きます。
次回も是非読んでください‼