今回の話では、あの方々が怒り、ある人物が現れ、あの子から涙が
それでは本編スタートです‼
場所は保健室。
女子生徒たちと戦い、意識を失った永流は、保健室のベッドで眠っていた。
「ん…………ここは?」
目を覚ました永流は、辺りを見渡そうと体を起こそうとするが、体が動かない。
体を見てみると、恋と楯無が永流の手を握りながら、永流の体に顔を乗せて寝ていた。
「恋にカナ?」
「「ん…………永流?」」
「お、おはよう2人とm「「永流‼」」おわっ⁉」
目を覚ました恋と楯無は、永流が目を覚ましたことを確認すると、永流に抱きついた。
そして恋と楯無の目から、涙が出ていた。
「バカバカ‼永流のバカ‼なんで倒れるまで無理して戦ったのよ‼」
「刀奈の言う通りよ‼もっと自分の体を大事にしてよ‼」
「ご、ごめん…………2人とも」
「「許さない‼」」
「え~」
謝る永流であったが、恋と楯無は口をそろえて許さないと言う。
「えっと…………どうしたら許してくれる?」
「…………今度のゴールデンウィークに、何処か連れて行ってくれたら、許してあげる」
「私も、ゴールデンウィークに何処か連れて行ってくれたら許すわ」
「え…………それってつまり……デート?」
「そうよ」
「デートしてくれたら、許してあげる」
「いいのか?俺となんかで?」
「「永流じゃなきゃダメ‼」」
「わ、分かった‼」
2人の気迫に負け、承諾する永流。
「永流、今から学園長室に行きたいんだけど、歩ける?」
「大丈夫だ。問題ないよ」
「そう。なら学園長室に行きましょう。皆待ってるわ」
「皆?」
恋の言葉に疑問を抱きながら、ベッドから降りた永流は、楯無と恋と共に学園長室に向かった。
しばらくして学園長室に着いた永流は、ドアをノックしようとしたが
『いい加減にしていただきたい‼轡木学園長‼』
(ッ⁉この声は⁉)
突然、学園長室から学園長を怒鳴る声が聞こえてきた。
その怒鳴り声に聞き覚えがあった永流は、ドアをノックせずにドアを開けた。
中には、当事者であるグラファイトに紘助、鈴と一部始終を見ていた猛に亜夢、マドカにセシリア、ユリシアに千冬、真耶に十蔵、江梨子たち学園側と、いなかった灰馬に飛彩、黎斗に明日那、パラドたちがいた。
すると、永流が入ってきたのが分かった灰馬と明日奈、直ぐ様永流に駆け寄ってきた。
「永流‼大丈夫か⁉怪我はないか⁉痛いところはないか⁉」
「大丈夫永流?具合悪くない?」
「だ、大丈夫ですよ院長、母さん」
「永流‼無事で良かったぜ‼」
「どこも痛くないか永流くん?」
「だ、大丈夫だって。大したことないよ紘助、猛。2人とも大げさだって」
「「バカ野郎‼大げさなんかじゃねぇ‼当たり前の反応だ‼」」
「す……すみません」
紘助と猛に怒られて、若干しょんぼりして謝る永流。
その時、永流があることを思い出した。
「そ、そういえば、何故先程、院長は怒鳴ってたんですか?」
「それは簡単だ‼今回の女子生徒たちと今までのことに関して、怒鳴っていたんだ‼」
「じ、女子生徒の件については分かりますが、今までのことについてとは?」
「それについては私が説明しよう」
今まで黙っていた黎斗が、永流の前に出て言った。
「今回の件、そして財団とショッカーの襲撃時、IS学園は永流くんを守るという事で、永流くんをIS学園に入学させたにも関わらず、あなた方は守るはおろか、彼に守ってもらってるではありませんか」
「……………………」
「これらをふまえて、我々はある仮説をたてた。IS学園は永流くん欲しさに嘘をついた……とね」
「我々はそんなつもりでは」
「君たちがそう思ってなくても、我々から見たらそうしか見えない‼」
『『『『『ッ⁉』』』』』
「く、黎斗さん?」
黎斗の心の底からの怒りの言葉に、その場にいた全員が驚く。
「彼は、私や鏡先生に鏡院長、ここにはいないが九条先生や花家夫妻にとって、息子のような存在……いや、息子だ‼その息子が今日倒れた。あなた方の学園の生徒のせいでね‼こんなことが起きて、信用できるわけないだろ‼」
「……………………」
「なにより、彼は夢である医者の仕事をやめさせられたも同じなんだぞ‼それなのに「黎斗さん、もういいですよ」ッ⁉永流くん⁉」
「宝生…………先生?」
十蔵たちに怒鳴る黎斗を、永流が止めた。
「黎斗さんの気持ちは伝わりました。だからもう、轡木さんたちを怒らないでください」
「だがな永流くん‼現に君は⁉」
「分かってます。今回は流石に許せなかった。けどアレは、俺が好きで対処しただけですから」
「永流くん…………」
「やはりな」
「飛彩さん?」
今まで黙っていた飛彩が、永流の近づき頭を撫で始めた。
「ひ、飛彩さん、くすぐったいですよ」
「まったくお前といい、永夢といい、お前ら親子は根が強いな」
「飛彩さん…………」
「だが無理はするな…………お前の周りには頼れる仲間がいるんだからな」
「……はい」
「……学園長」
「は、はい」
飛彩は永流の頭を撫でるのをやめ、十蔵の方に顔を向けた。
「今回は永流に免じて引き上げます。ですがもし、永流の意思に背くことをしたら、容赦なく抗議しますので」
「分かりました」
そう言って飛彩は部屋から出ていこうとしたが
「待てよ飛彩」
「パラド?」
パラドが飛彩を止め、学園長の前に立った。
「なぁ学園長、永流を襲った女子生徒たちの処分は?」
「それなのですが、彼女らから抗議がありまして」
『『『『『…………はっ?』』』』』
「『私たちは正しいことをしました。悪いのはかれだ』と、言ってまして。それとその生徒たちの親も」
『『『『『はぁあああ⁉』』』』』
十蔵の言葉を聞いて、その場にいた全員が驚き、叫んだ。
「ふざけるなよ⁉グラファイト、今からその女子生徒どもを狩るぞ‼」
「いいだろう‼付き合ってやる‼」
「親父、整形の医師を何人か呼んでくれ。殺した相手が誰か分からなくしたい」
「付き合うぞ飛彩‼」
「私の永流にさんざん迷惑かけておいて…………絶版にしてあげる」
「お母さん‼私も殺るよ‼」
「私もだ母さん‼」
「小娘どもが…………地獄を見せてやる」
「今から監視カメラの映像を切ってきますね先輩‼」
「おほほほほほ♪誤作動でレーザーが当たったら事故で処理されますわよねユリシアさん?」
「当たり前じゃないセシリア♪」
「憧れの天才ゲーマーを狙った罪…………後悔させてあげる」
「ふふ♪永流を悪者呼ばわりするなんて…………うっかり殺しちゃいそう♪」
「うふふ♪うふふふふふ♪」
「れ、恋の奴、殺る気スイッチ入っちまった⁉」
「ど、どうしよう…………止めるべきか…………止めないべきか」
「いやいや、止めないと‼じゃなきゃ皆犯罪者になるよ‼」
一番正気だった永流が、ドアの前に行き、まさに殺人鬼のような顔をしたパラドたちを行かせないように立ち塞がった。
「み、皆、落ち着いてくれ‼皆がやろうとしてること、犯罪だから‼」
『『『『『永流(さん/お兄ちゃん/兄さん)』』』』』
「な、なに?」
『『『『『バレなきゃ犯罪じゃない‼』』』』』
「…………いや‼いかにも正論みたいに堂々と言うことじゃないよ⁉」
パラドたちの暴走をなんとか止めようとする永流。
その時、救世主が来た。
「心配いりませんよ皆さん」
「?…………ッ⁉お前は⁉」
「永流に悪さした生徒たちは今、護送車に乗らせてますから」
「英志⁉」
やって来たのは、永流や猛、紘助に恋、珠美の幼馴染み兼親友であり、警察の仮面ライダー【仮面ライダードライブ】こと泊 進之介(とまり しんのすけ)の息子であり、最年少警察官である泊 英志(とまり えいじ)であった。
「永流、久しぶり♪」
「久しぶり……じゃなくて‼なんで英志がここに⁉」
「実は黎斗さんから連絡を受けてね。永流と女子生徒たちの一部始終を見て、彼女たちを殺人未遂及び銃刀法違反、並びにその他もろもろで令状をとって、先程逮捕したところだよ」
「だ、だから黎斗さん、暴走してなかったのか」
「その通り‼神の恵みに感謝したまえ‼」
「あ、あはははは…………」
「と、とにかく、彼女らの身柄は此方で預かります。よろしいですね?」
「はい………お願いします」
「では、私はこれで。永流、今度何か食いに行こう」
「ああ」
そう言って、英志はその場から立ち去って行った。
「なんか、英志にいいとこ持ってかれたな…………帰ろうぜグラファイト。またな永流♪」
「ああ。永流、またな」
「うん。またなパラド、グラファイト」
「では俺たちも病院に戻る。永流、あまり無茶はするなよ?」
「永流。何かあったら私に言うんだぞ‼」
「はい。ありがとうございます、飛彩さん、院長」
「永流、亜夢、マドカ、体には気をつけてね?」
「うん」
「はーい♪」
「母さんも気をつけて」
「では諸君‼また会おう‼」
「黎斗さん、あまり神様ぶらないようにしてくださいね」
パラドを始め、学園長室から出ていくパラドたちを見送った永流たち。
その後、永流たちは学園長室を後にして、食堂へ向かって食事をとった。
数分後、食事を終えた永流は、猛と紘助、恋と楯無たちと共に部屋へと向かっていた。
「まさか、紘助が俺の隣の部屋で、恋が楯無と同室とはな」
「なはははは…………まあ迷惑かけるかもしれねぇが、よろしく頼むは」
「迷惑かけないようにしなさい」
「あで⁉」
「「「あははははは♪」」」
そう談笑しながら歩いていく永流たち。
やがて永流の部屋に近づいていくと、永流の部屋の前で体育座りをしている少女がいた。
その少女に、永流たちは見覚えがあった。
「鈴?」
「え…………永流?」
そこにいたのは、涙を流しながら目を赤くした鈴であった。
to be next stage
今回はここまでです‼
次回は鈴の涙の訳を永流が聞き、怒ります。
次回も是非読んでください‼