インフィニット・エグゼイド~意志を継ぐ医者~   作:ルオン

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今回の話では、前回言っていたようにクロスキャラが登場し、あのお嬢様と出会います。
そして‼クラス代表を決めるための話し合いで、永流が怒ります‼

それでは本編スタートです‼


Stage7:代表候補生とクラス代表と怒る永流

2時間目の授業

 

この時間の授業では、ISの基礎理論についての授業であった。真耶は黒板の前に立ち、黒板に授業内容を書いていき、教科書に書いてある内容を読み上げていく。それを聞きながら、黒板に書いてある内容をノートにうつしていく生徒たち。

しばらくして、真耶は書いている手を止め、生徒たちの方を向く。

 

「宝生先生……ではなく、宝生くんは、何か分からないところは、ありませんか?」

 

「大丈夫です。とても分かりやすいです」

 

「そうですか♪良かったです♪」

 

永流の言葉を聞き、内心ホッとして笑顔になる真耶。

永流は事前に予習していたため、授業の内容に追いつけている。むしろ、分からないところは、真耶が言ってしまったので、分からないところはなくなったのだ。

 

「織斑くんは、分からないところはないですか?」

 

「はい‼先生‼」

 

「はい‼織斑くん‼」

 

勢いよく手をあげる織斑。

その織斑の勢いに乗り、勢いよく織斑の名を呼び、内心少し喜んでいる真耶。

だが

 

「殆ど全部分かりません……」

 

「え゛……ぜ、全部……ですか?」

 

織斑の発言の固まる真耶と、目を見開き織斑に視線を向ける永流や猛、千冬や生徒たち。

 

「え、えっと……ここまでで、分からない人はいますか?」

 

真耶は生徒たちに確認するが、永流を含め誰1人、分からない者はいなかった。

 

「織斑、入学前に渡した参考書はどうした?」

 

「古い電話帳間違えて捨てた『バンッ‼』あだっ⁉」

 

「バカかお前は?必読と書いてあっただろ?再発行してやる。1週間で、内容を覚えろ。いいな?」

 

「えっ⁉いや、あの厚さを、1週間じゃ‼」

 

「い・い・な‼」

 

「……はい」

 

拒否権を認められず、千冬の気迫に負け、しぶしぶ頷く織斑。

その後、授業はスムーズに進み、休憩時間となった。

永流が猛と一緒にゲームをしようと考えていたその時、織斑がやってきた。

 

「頼む永流‼勉強教えてくれ‼」

 

「断る」

 

「なっ⁉なんでだよ⁉」

 

「俺だってまだ知識があやふやなんだ。人に教えてる余裕はない。それに、年上に頼む態度じゃないしな」

 

「今は態度なんて、どうでもいいだろ⁉」

 

「あのな「どうでもよくないよ」……猛」

 

永流と織斑の会話に、猛が割ってはいる。

その顔は、明らかに不機嫌な顔だった。

 

「えっと……あんたは確か……」

 

「風文字猛、永流くんの親友だ。さっき永流くんも言ったが、君の態度は、年上の人に頼む態度じゃないよ。それに、永流くんだって余裕はないと言ってるだろ?」

 

「で、でも、助け合うのが友だちだろ?」

 

「確かにそうかもしれないが、まず君と永流くんは友だちなのか?」

 

「友だちに決まってる‼なぁ永流?」

 

「友だちじゃない」

 

「……えっ?」

 

自信満々に友だちだと言った織斑だが、永流の返答を聞いて、信じられないというような表情になる。

 

「な、なんでだよ⁉」

 

「なんで?呼び捨てにするなと言っているのにも関わらず、呼び捨てするお前を、友だちとは思わない」

 

「そ、そんな⁉」

 

「とにかく教える余裕はない。コレ放課後まで貸すから、自分でなんとかしてくれ」

 

「……分かった」

 

永流から参考書を受けとり、織斑はしょげながら、自分の席に戻った。

 

「まったく…………彼には学習能力はないのか?」

 

「さぁ?」

 

「それより良かったのか?参考書貸しちゃって?」

 

「とりあえず内容は覚えてるし、念には念をいれて、知り合いから借りてたから大丈夫だ」

 

「そっか」

 

「それはともかく猛、一緒にゲームしようぜ?」

 

「OK‼」

 

互いにスマホを取り出し、ゲームしようとしたその時

 

「少しいいかしら?」

 

「えっ?」

 

金髪のロングヘアーの女子が、声をかけてきた。

 

「君は……確か、アメリカ代表候補生のユリシア・ファランドールさん、だったね?」

 

「あら、世界最年少ドクターである、あなたに知っててもらえるとは、光栄だわ♪Mr.宝生」

 

「君は、永流くんのことを知ってるのかい?」

 

「えぇ知ってるわ、Mr.風文字。Mr.宝生は大統領の命の恩人なのよ」

 

「だ、大統領の命の恩人⁉」

 

「そういえばあったな?大統領はその後大丈夫?」

 

「おかげさまで、毎日ジョギングしてるわ♪それと、大統領からよろしく伝えてくれと言われたわ」

 

「そっか、ありがとう」

 

「気にしないで♪これからクラスメイトとして、よろしくね♪」

 

「こちらこそよろしく」

 

永流とユリシアは互いに握手する。

握手をし終えたユリシアは、自分の席に戻っていった。

 

「感じがいい子だったな~」

 

「ねぇ、大統領の命を救ったって?」

 

「あぁ、実は、数年前に、アメリカに家族旅行に行ったことがあったんだ。アメリカについて、公園を散歩していた時に、大統領が暗殺者に刺されたんだ」

 

「あ、暗殺者⁉」

 

「しー‼声が大きい‼」

 

「ご、ごめん。それでどうなったの?」

 

「暗殺者は近くにいたSPに取り押さえられたんだけど、大統領の刺された部分が酷くて、俺が応急措置をして、病院に行って手術して助けたんだ」

 

「へ~」

 

「ちょっといいかしら?」

 

「えっ?」

 

アメリカでの話をしていると、紅い髪をした女子が話しかけてきた。

 

「君は?」

 

「私は3組のリアス・グレモリー。男性操縦者がどんな人か見に来たの」

 

「そうだったんだ。宝生永流だ。よろしく、グレモリーさん」

 

「よろしくね?宝生さん。そちらの方も、操縦者なのかしら?」

 

「いや、俺は永流くんの護衛の風文字猛だ」

 

「そうだったの。よろしく風文字さん」

 

「よろしく」

 

「とりあえず、今日はこれで失礼するわね?」

 

「うん。またね」

 

そう言って教室を出ていくリアス。

すると今度は、両側の髪をロールにした金髪の女子が永流たちに近づいてきた。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「君は……確か、セシリア・オルコットさんだっけ?」

 

「あら?私のことをご存じなのですね?」

 

「一応、同じクラスになる人のことは聞いていたからね。確か、イギリスの代表候補生だったよね?」

 

「そうですわ。どうやら先程の男とは違うみたいですわね?褒めてさしあげますわ」

 

「あははは……それはどうも」

 

セシリアの言葉に、苦笑いする永流。

近くで聞いていた猛も、永流と同じく苦笑いする。

 

「ところで、何か用があったんじゃないの?」

 

「そうでしたわ。もし分からないところがあれば、泣いて頼むのでしたら、教えて差し上げようと思いまして。何せ私は、試験で唯一主席だったのですから‼」

 

「試験って、ISを使っての戦闘試験だよね?」

 

「それ以外、ありえませんわ」

 

「へ~、君も生徒会長倒したんだ?」

 

「……えっ?今なんと?」

 

「いや、だから君も生徒会長倒したんだって聞いたんだけど?」

 

「私が戦ったのは、教員の方なのですが……」

 

「そういえば、生徒会長が立候補して戦ったんだっけ?」

 

「それに、今の発言からすると、生徒会長を倒したように聞こえたのですが?」

 

「そうだけど?」

 

「そ、そんな⁉一体どうやって───」

 

セシリアが永流を問いただそうとしたその時、予鈴のチャイムがなった。

 

「くっ‼また後で来ますわ‼逃げないことね‼」

 

怒鳴りながら席に向かっていくセシリアを見て、唖然とする2人。

それからしばらくして、本鈴が鳴ると同時に、千冬と真耶が教室に入ってきて黒板の前に立つ。

 

「それでは授業を始める…………と、言いたいところだが、この時間は再来週に行われるクラス対抗戦のクラス代表を決める。クラス代表者は、対抗戦の代表になるだけでなく、生徒会の会議や委員会の出席もすることになる。そしてクラス対抗戦は、現時点でのクラスの実力を測るものだ。こういった催しはクラスの向上心にも繋がる。1年間、しっかり務めてもらうから、そのつもりでいろ。自薦他薦は問わん」

 

「はい、織斑くんを推薦します‼」

 

「お、俺⁉」

 

「私も織斑くんを推薦します‼」

 

「ち、ちょっと待ってくれよ‼千冬姉『バンッ‼』あだっ⁉」

 

「織斑先生だ。いい加減学習しろ」

 

「お、織斑先生、俺はそんなのやらな───」

 

「自薦、他薦は問わないと言った。推薦された者に拒否権はない」

 

「だ、だったら俺は永流を推薦する‼」

 

織斑はクラス代表を逃れるため、永流を推薦した。

しかし

 

「悪いが、宝生は出られん」

 

「な、なんでだよ⁉」

 

「宝生の仕事上、そんな余裕はないからだ。宝生はただでさえ忙しい身なのに、クラス代表までさせたら体を壊す」

 

「確かに……」

 

「宝生さんお医者さんだもんね?」

 

千冬の言葉を聞き、周りの生徒たちは納得する。

だが、織斑は違った。

 

「そんなの納得いかねぇ‼先生がそんな贔屓していいのかよ‼」

 

(こいつ‼好き勝手言いやがって『ガシッ』え、永流くん⁉)

 

「………………」

 

(永流くん…………)

 

織斑の発言を聞いて、織斑に飛びかかろうとした猛であったが、永流に止められ飛びかかるをやめた。

するとその時

 

「そのような選出、認められませんわ‼」

 

セシリアがその場にたち、声をあらげた。

 

「本来なら、イギリス代表候補生である私が選ばれるべきなのに、ただ物珍しいからという理由だけで、無知な男が代表になるなど、いい恥さらしですわ‼貴族である私に1年間味わえとおっしゃるのですか⁉大体、無知な極東の猿に代表が務まりますの?実力からいえば、私の方が上でしてよ‼」

 

「………………」

 

セシリアの発言に、千冬を始め、真耶と周りの生徒たちがセシリアを睨み付ける。

だが、永流に関しては違った。

 

「……………………」

 

(まずい…………俺もそうだが、永流くんがマジでキレそうだ)

 

セシリアの発言を聞き、目をつぶってはいるものの、永流の体はプルプルと震えだし、それを見ていた猛は冷や汗を流す。

だが、セシリアはそれに気づかず、話を続ける。

 

「それに、文化なども後進的な島国に……」

 

(このままじゃ、まずいな)

 

これ以上、話がエスカレートすると、めんどうなことになると察した猛は、セシリアを制止させようと、立とうとしたその時

 

「いい加減にしろ‼」

 

今まで黙っていた織斑が、声をあらげた。

 

「黙って聞いてれば、好き勝手に言いやがって‼イギリスだって同じ島国じゃないか‼碌な料理も作ることもできないくせに‼激マズ何連覇だよ‼」

 

「なっ⁉私の祖国を侮辱しますの⁉」

 

「先に言ってきたのはそっちだろ‼」

 

(このバカども‼話をややこしくしやがって‼)

 

これ以上はヤバいと思った猛は、2人を止めるため口を開こうとした、その時

 

『バンッ‼』

 

「「ッ‼」」ビクッ

 

『『『『『ッ‼』』』』』ビクッ

 

「いい加減にしろ2人とも‼これ以上、人の命を奪う可能性をつくるな‼」

 

永流が机を思いっきり叩き、2人を黙らる。

それと同時に周りの生徒は、机を叩いた音に驚く。

そして、永流に言われた2人は、我に帰り永流に声をあらげた。

 

「な、なに言ってんだよ永流‼頭おかしいんじゃないのか⁉」

 

「そうですわ‼変なことを言って、話をややこしくしないでくださいまし‼」

 

「いーや変なことは言っていない‼今の発言で最悪戦争が起こるぞ‼」

 

「「なっ⁉」」

 

永流の言葉に驚く2人。

周りの生徒たちは、どういうことか分からずにいた。

 

「ど、どういうことだよ永流⁉」

 

「訳が分かりませんわ‼」

 

「まだ気づかないのか…………。セシリア・オルコット、君はイギリスの代表候補生だ。君の言葉は、イギリスの言葉として取られるのを分かっているのか?」

 

「それがなんですの⁉」

 

「まだ分からないのか‼君の先程言った日本人を極東の猿呼ばわりをし、日本を後進的な国と言った発言、これらを含め、イギリスは日本に宣戦布告したと捉えかねないんだぞ‼」

 

「あ…………」

 

永流に言われ、ようやく自分が言ったことを理解したセシリアは、顔を青ざめる。

 

「それに、君の発言でISの生みの親である篠ノ之博士や、初代ブリュンヒルデである織斑先生をバカにしたことになる。ここまで国をバカにしたとなっては、日本とイギリスの間に亀裂がしょうじ、最悪の場合戦争になりかねない‼君は背負えるのか?自分の行いで起きた戦争で、亡くなるかもしれない命の重さを、その亡くなった人の家族の悲しみや恨みを背負えるのか‼」

 

「あ……ああ…………」

 

セシリアは先程よりも顔を青ざめ、体が震えていた。

そのセシリアを見ていた織斑は、小さくガッツポーズをとった。

 

「次は織斑だ」

 

「お、俺⁉俺は別に悪くないだろ⁉」

 

「悪いに決まってるだろ‼お前だって、戦争を起こしかねない引き金になってるんだからな‼」

 

「なっ⁉それはオルコットが‼」

 

「確かにオルコットも悪いが、お前が言い返さなきゃ、戦争になりうる確率は、今より低かったんだぞ‼」

 

「そ、それは……」

 

「それに織斑、お前は先程イギリス料理を不味いと捉えかねない発言をしたが、お前はイギリス料理を食べたことがあるのか?」

 

「い、いや……ないけど」

 

「ないのに、不味いと言ったのか?」

 

「だ、だって雑誌とかでは不味いって」

 

「雑誌に書かれてるから、全員が不味いと思うのか‼その記事を書いた人が美味しくないと言っただけで、全員が不味いと言っていたと、書いていた訳ではないだろ‼」

 

「………………」

 

「宝生さん」

 

永流の言葉になにも言えなくなった織斑と、少しではあるが、自分の祖国の料理を弁護してもらい喜ぶセシリア。

 

「人によって、その文化の料理を上手い不味いと決めるんだ。自分で食べたこともない料理をバカにするのは、クズがすることだ‼」

 

「クズ⁉」

 

「そうだ‼それに今は、クラス代表を決めるために言い争いになっていたのに、食文化を持ち出すのは的外れもいいとこだ‼」

 

「うぐっ‼」

 

「そもそも織斑、お前もう15歳だろ?お前の言っていることは、子供の悪口と同レベルだぞ。いい年して恥ずかしくないのか?」

 

「………………」

 

「とにかく俺が言いたいのは、自分の立場を考え、後先を考えてから発言しろということだ」

 

「「………………」」

 

何も言い返せない2人。

それを見ていた千冬や真耶、生徒たちは唖然としていた。

沈黙がしばらく続く。

そしてようやく、セシリアが口を開いた。

 

「宝生さん……先程は、祖国の料理を弁護してもらいありがとうございます。それに、先程は言い過ぎました。皆様に不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした‼」

 

永流にお礼を言い、周りの生徒たちに頭を下げるセシリア。

周りの生徒たちは、『いいよ』や『気にしないで』など、セシリアを許した。

これでようやく静かになると思って座ろうとした永流だったが

 

「ですが‼ここまできた以上、後戻りは出来ませんわ‼織斑さん‼あなたに決闘を申し込みますわ‼」

 

静かになることはなく、セシリアは織斑に決闘を申し込んだ。

 

「いいぜ‼四の五の言うより簡単だ‼「ちょっと待て」な、なんだよ永流?」

 

「呼び捨てにするな。それと、お前もオルコットに謝れ。オルコットだって謝ったんだ。お前だけ謝らないのは不公平だ」

 

「ぐっ‼………ごめん」

 

永流に言われ、渋々頭を下げる織斑。

だがすぐに頭をあげ、永流を睨み付ける。

 

「永流‼お前はどっちの味方なんだよ⁉」

 

「どっちの味方じゃない。俺は、お前らの無責任な発言を止めるために、話に乱入しただけだ」

 

「とにかく‼織斑さん、もしわざと負けたりしたら私の小間使い……いえ、奴隷にしますわよ‼」

 

「侮るなよ、真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいねぇ‼」

 

これでようやく丸く収まると思った永流と猛だったが、次の織斑の言葉でまたややこしくなった。

 

「それで?ハンデはどのくらいつける?」

 

「あら?さっそくお願いですか?」

 

「いや、俺がどのくらいハンデつけるか聞いてるんだけど?」

 

((何を言ってるんだ?こいつは?))

 

『『『『『アハハハハハハハ‼』』』』』

 

「織斑くん、それ本気で言ってるの?」

 

「男が女より強かったのは、大昔の話だよ?」

 

「確かに織斑くんと宝生さんはISを動かせるかもしれないけど、それは言い過ぎだよ」

 

「それにオルコットさんは、代表候補生で強いんだよ?」

 

(この子たちも何を言ってるんだ?)

 

(理解してないみたいだな)

 

織斑や生徒たちの言葉を聞いて、理解できず頭を悩ませる永流と猛。

 

「……じゃあ、ハンデはいい」

 

((まったく、こいつは呆れたな))

 

織斑の言葉を聞いて、心底呆れた永流と猛。

 

「「はぁ~……」」

 

「お二方、なんですの⁉今の溜息は⁉」

 

あまりにも呆れて溜息が出てしまった永流と猛に、セシリアが反応した。

 

「いや……アホらしくて」

 

「あら、宝生さんも織斑さんをそう思いますか?」

 

「何を言ってるんだい君は?」

 

「えっ?」

 

「俺たちがアホらしく思ったのは、君と織斑、そして織斑を笑った奴等だ」

 

『『『『『なっ⁉』』』』』

 

永流と猛の言葉を聞き、セシリアや織斑、そして織斑を笑った生徒たちは驚く。

 

「まず織斑、お前は先程何て言った?『真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいねぇ』と言ったよな?」

 

「そ、それがなんだよ⁉」

 

「お前な、ハンデとは相手に手を抜くことを言うんだぞ?お前、自分で自分を腐ってるって言ってるようなもんだぞ?」

 

「…………あ‼」

 

永流の言葉を聞き、自分の言ったことが矛盾していることに気づく織斑。

その織斑に、今度は猛が話しかける。

 

「それに君の言ったハンデの取り消し、あのタイミングで言ったら、君がオルコットちゃんに恐れをなして、ハンデを取り消したと聞こえるよ?」

 

「お、俺はそんなつもりじゃ」

 

「君がそう思っていても、あのタイミングで言ったら、聞いてる側は自然にそう思ってしまうよ」

 

「くっ‼」

 

猛に言われ何も言い返せない織斑。

猛は織斑から視線を離し、女子生徒たちに視線を向ける。

 

「次は君たちだ。君たちは先程、男が女より強いと言ったね?」

 

「そ、それがなによ‼」

 

「当たり前のことでしょ‼」

 

「ふむ……なら、2人とも今から俺と、生身で戦おう」

 

「えっ⁉」

 

「君たち女性が強いのなら、生身で戦っても、俺は勝てないはずだ」

 

「そ、そんなの無理に決まってるよ⁉」

 

「何故だい?女は男より強いんだろ?それとも…………ISがないと勝てないと言いたいのかい?」

 

「「ううっ」」

 

猛の言葉に何も言い返せなくなる女子生徒たち。

そして周りの生徒たちも、今の言葉を聞き、猛から視線をそらす。

そこに、今度は永流が話を始める。

 

「まさか、男には生身でやらせて君たち女はISを纏って勝負するのか?それはあまりにも不公平だ。それとも、そんな勝負の仕方が君たちの公平な勝負なのか?」

 

『『『『『……………………』』』』』

 

永流の言葉に何も言えない生徒たち。

だが、その沈黙をセシリアが破った。

 

「先程、あなたは私の祖国を弁護してくださり、見所のある方だと思いましたが、私の思い違いだったみたいですわね‼宝生永流‼貴方も私と戦いなさい‼」

 

「断る」

 

「なっ⁉逃げますの⁉さんざん説教したくせに‼」

 

「そうだぞ永流‼あんなに言っておいて、逃げるのかよ⁉」

 

「なんとでも言え」

 

「くっ‼この腰ぬけ‼お前の父親も腰ぬけなんだろ‼」

 

「ッ‼」

 

今まで何を言われても気にしなかった永流が、織斑の言ったことに反応した。

それを聞いていた千冬が、織斑を止めようとする。

 

「よせ一夏‼それ以上言うな‼」

 

「いややめない‼さんざんあんなこと言っておいて、試合はしないなんて腰ぬけだ‼こいつの父親が腰ぬけだから『ブォン‼』ッ‼」

 

「ッ‼宝生⁉」

 

「宝生先生⁉」

 

「永流くん⁉」

 

織斑が悪口を言っていた時、永流は一瞬で織斑に近づき、織斑の顔に向かって殴りかかるが、当たる寸前で拳を止めた。

 

「織斑…………テメェは俺の心を滾らせた。覚悟しておけ」

 

「ッ‼‼‼」

 

永流に殺気をぶつけられ、動けなくなる織斑。

そして永流は拳をおろし、千冬の方を見る。

 

「織斑先生、クラス代表を決めるのに試合するのは可能ですか?」

 

「あ、ああ。織斑とオルコットが勝手に進めていたが、候補が複数いたら、試合で決着をつけようと考えていた」

 

「なら、俺もその試合に出ます」

 

「い、いいのか?仕事が……」

 

「父を……俺の目標となった父をバカにされたんです。参加しなきゃ、父に顔向けできません」

 

「…………すまん」

 

「織斑先生が謝ることじゃありません。それより、試合についてですが、一番勝数が多い人が、代表を決めるのはどうですか?」

 

「いいだろう。オルコットと織斑もそれでいいな?」

 

「はい‼」

 

「……あ、ああ」

 

「では、1週間後、この3人で代表決める試合を「織斑先生」なんだ?ファランドール?」

 

「私も代表を決める試合に参加します。一応私も代表候補生なので」

 

「分かった。では宝生、ファランドール、オルコット、織斑の4名で1週間後、クラス代表決定戦を行う。各人、準備するように」

 

こうして、1週間後永流は、クラス代表決定戦に参加することとなった。

 

to be next stage




はい‼ということで、クロスキャラは魔装学園H×Hからユリシア・ファランドール、ハイスクールD×Dからリアス・グレモリーが登場しました‼

次回は、永流と猛が懐かしい友達と出会い、あの人から勧誘を受けて、放課後を過ごす話しとなります‼

次回も是非読んでください‼

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