『ねぇお父さん?』
『う~ん?なに?』
ある日のある家。
その家に住む子供が、写真立を持って父親の膝の上に座っていた。
『ここにいる人たちってだぁれ?』
『この人たちはね、お父さんの仲間なんだよ♪』
『なかま?』
『お父さんは、お医者さんになる勉強をしながら、一緒に悪い人と戦った仲間だよ』
『お医者さんなのに、悪い人と戦うの?』
子供は不思議そうな顔をして、父親の顔を見る。
対して父親は、微笑みながら子供を見ていた。
『その悪い人たちはね、周りの人たちに悪いバイ菌をばらまいて痛い思いをさせてたんだ』
『え~、そんなのひどいよ~‼』
『そうだね。だからお父さんは、お父さんの友達と一緒に悪い人たちをこらしめたんだよ』
『スゴーい‼お父さんヒーローだ‼』
『えへへ♪ありがとう♪』
話を聞き笑顔を向ける子供と、褒められ照れる父親。
するとそこに、母親らしき女性が部屋に入ってきた。
『永夢、永流(える)、そろそろ約束の時間だから準備して』
『分かったよ明日那。永流、行く準備しよっか』
『はーい‼』
子供は元気良く返事をし、出かける準備をはじめる。
それを微笑みながら見守る両親。
すると母親が、子供に話しかけた。
『そうだ‼永流』
『なぁに?お母さん』
『永流…………起きなさ~い‼』
『えっ⁉』
─ジリリリリリリリリ─
突然母親から場違いなことを言われ、驚く子供。
それと同時に、周りに目覚まし時計の音が鳴り響く。
そして子供、宝生永流(ほうじょうえる)の夢が覚めていく。
─ジリリリリリリリリ─
「永流~‼起きなさ~い‼」
「う~ん…………あれ?母さん?」
「やっと起きたわね永流。朝ごはんできてるから、顔を洗ってから着替えて下りてきて」
「分かったよ」
起こされた青年、宝生永流は体を起こし顔を洗いに行き、着替えてリビングに向かう。
扉を開けると、母親が飲み物をついでいて、2人の女性が椅子に座っていた。
「おっはよー‼お兄ちゃん♪」
「おはよう。兄さん♪」
「おはよう、亜夢、マドカ」
座っていた女性たちは、永流の妹たちである宝生亜夢(あむ)と宝生マドカであった。
永流は椅子に座り、置かれていた食事を食べはじめる。
「お兄ちゃん、今日学校に送ってって‼」
「ごめんな亜夢。今日は飛彩さんと一緒に、外科研修を受ける研修医のみんなに色々教えないといけないんだ。だから、食事を終えたらすぐ行かないと」
「え~‼」
「駄々をこねるな亜夢」
「むぅ~、だって~‼」
「そんなに永流を困らせちゃダメよ?亜夢ちゃん♪」
「あっ、スコール、おはよう……って⁉」
入ってきた女性『スコール・ミューゼル』が入ってきた直後、永流はスコールから目をそらした。
そらした理由は、スコールが下着姿で入ってきたからである。
「ちょっとスコール‼なに下着姿で来てるの‼」
「あら明日那おはよう♪昨日は熱かったから下着姿で寝たのよね」
「だからって永流もいるんだから‼とにかく服着てきて‼」
「あら、それは無理よ♪」
「なんで⁉」
「だって~」
「うわっ⁉」
話ながらスコールは永流に近づいて、永流に抱きついた。
「こうしないと、永流を誘惑できないもの♪」
「ち、ちょっと‼//////スコール‼//////は、離れてくれ‼//////」
「い・や♪こうでもしないと、あなたを虜にできないもの♪」
「そ、そんな冗談はやめてくれ‼//////」
「あら、私は本気よ?なんなら───」
スコールは真っ赤になってる永流の顔を自分の方に向かせ、自分の顔を近づけていく。
2人の距離がだんだんと近づいていき、2人の距離が0になりそうになった。
その時
「おいスコール‼なに永流にキスしようとしてんだ‼」
部屋に1人の女性『オータム』が入ってきて、永流をスコールから離すために自分の方に引き寄せた。
「あらオータム、おはよう♪」
「おはようじゃねぇよスコール‼朝から永流を誘惑しやがって‼」
「あら、人のこと言えないじゃない」
「えっ?…………ッ⁉」
スコールに言われ、自分の今の状態を確認するオータム。
オータムは永流に抱きつく形で引き寄せていた。
それを確認したオータムは顔を赤くする。
「う、うわぁああああ‼//////」
「あだー⁉」
顔を赤くしたオータムは恥ずかしくなり、永流から慌てて離れると永流の顔をひっぱたいた。
ひっぱたかれた永流は床に倒れ、永流の元に亜夢とマドカが駆け寄る。
「だ、大丈夫お兄ちゃん?」
「な、なんとかな」
「オータム、いくら驚いたからってひっぱたくことはないだろ」
「す、すまない永流」
「いや、気にしないでくれオータム」
「永流、時間時間‼」
「えっ?…………やばっ‼」
明日那に言われ時間を確認した永流は、急いで出発の準備をする。
「それじゃあ母さん、行ってくるね‼亜夢、マドカ、勉強頑張って‼スコール、オータム、今日は休みなんだから、ゆっくり休んでろな‼」
そう言って、永流は家を出た…………はずだったのだが、永流は中に戻ってきて部屋にあった仏壇の前にきた。
「父さん…………行ってきます」
永流は父───宝生永夢の仏壇に手をあわせて、家を出た。
この日、彼の運命が動き出すとは、まだ誰も知るよしもなかった。
と、いうことで、エグゼイドとISのコラボ作品をつくりました‼
次回は永流の病院での話になります。
次回も是非、読んでください‼
それでは次回、またお会いしましょう。