インフィニット・エグゼイド~意志を継ぐ医者~   作:ルオン

1 / 67
プロローグⅠ:永夢の家族

『ねぇお父さん?』

 

『う~ん?なに?』

 

ある日のある家。

その家に住む子供が、写真立を持って父親の膝の上に座っていた。

 

『ここにいる人たちってだぁれ?』

 

『この人たちはね、お父さんの仲間なんだよ♪』

 

『なかま?』

 

『お父さんは、お医者さんになる勉強をしながら、一緒に悪い人と戦った仲間だよ』

 

『お医者さんなのに、悪い人と戦うの?』

 

子供は不思議そうな顔をして、父親の顔を見る。

対して父親は、微笑みながら子供を見ていた。

 

『その悪い人たちはね、周りの人たちに悪いバイ菌をばらまいて痛い思いをさせてたんだ』

 

『え~、そんなのひどいよ~‼』

 

『そうだね。だからお父さんは、お父さんの友達と一緒に悪い人たちをこらしめたんだよ』

 

『スゴーい‼お父さんヒーローだ‼』

 

『えへへ♪ありがとう♪』

 

話を聞き笑顔を向ける子供と、褒められ照れる父親。

するとそこに、母親らしき女性が部屋に入ってきた。

 

『永夢、永流(える)、そろそろ約束の時間だから準備して』

 

『分かったよ明日那。永流、行く準備しよっか』

 

『はーい‼』

 

子供は元気良く返事をし、出かける準備をはじめる。

それを微笑みながら見守る両親。

すると母親が、子供に話しかけた。

 

『そうだ‼永流』

 

『なぁに?お母さん』

 

『永流…………起きなさ~い‼』

 

『えっ⁉』

 

─ジリリリリリリリリ─

 

突然母親から場違いなことを言われ、驚く子供。

それと同時に、周りに目覚まし時計の音が鳴り響く。

そして子供、宝生永流(ほうじょうえる)の夢が覚めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─ジリリリリリリリリ─

 

「永流~‼起きなさ~い‼」

 

「う~ん…………あれ?母さん?」

 

「やっと起きたわね永流。朝ごはんできてるから、顔を洗ってから着替えて下りてきて」

 

「分かったよ」

 

起こされた青年、宝生永流は体を起こし顔を洗いに行き、着替えてリビングに向かう。

扉を開けると、母親が飲み物をついでいて、2人の女性が椅子に座っていた。

 

「おっはよー‼お兄ちゃん♪」

 

「おはよう。兄さん♪」

 

「おはよう、亜夢、マドカ」

 

座っていた女性たちは、永流の妹たちである宝生亜夢(あむ)と宝生マドカであった。

永流は椅子に座り、置かれていた食事を食べはじめる。

 

「お兄ちゃん、今日学校に送ってって‼」

 

「ごめんな亜夢。今日は飛彩さんと一緒に、外科研修を受ける研修医のみんなに色々教えないといけないんだ。だから、食事を終えたらすぐ行かないと」

 

「え~‼」

 

「駄々をこねるな亜夢」

 

「むぅ~、だって~‼」

 

「そんなに永流を困らせちゃダメよ?亜夢ちゃん♪」

 

「あっ、スコール、おはよう……って⁉」

 

入ってきた女性『スコール・ミューゼル』が入ってきた直後、永流はスコールから目をそらした。

そらした理由は、スコールが下着姿で入ってきたからである。

 

「ちょっとスコール‼なに下着姿で来てるの‼」

 

「あら明日那おはよう♪昨日は熱かったから下着姿で寝たのよね」

 

「だからって永流もいるんだから‼とにかく服着てきて‼」

 

「あら、それは無理よ♪」

 

「なんで⁉」

 

「だって~」

 

「うわっ⁉」

 

話ながらスコールは永流に近づいて、永流に抱きついた。

 

「こうしないと、永流を誘惑できないもの♪」

 

「ち、ちょっと‼//////スコール‼//////は、離れてくれ‼//////」

 

「い・や♪こうでもしないと、あなたを虜にできないもの♪」

 

「そ、そんな冗談はやめてくれ‼//////」

 

「あら、私は本気よ?なんなら───」

 

スコールは真っ赤になってる永流の顔を自分の方に向かせ、自分の顔を近づけていく。

2人の距離がだんだんと近づいていき、2人の距離が0になりそうになった。

その時

 

「おいスコール‼なに永流にキスしようとしてんだ‼」

 

部屋に1人の女性『オータム』が入ってきて、永流をスコールから離すために自分の方に引き寄せた。

 

「あらオータム、おはよう♪」

 

「おはようじゃねぇよスコール‼朝から永流を誘惑しやがって‼」

 

「あら、人のこと言えないじゃない」

 

「えっ?…………ッ⁉」

 

スコールに言われ、自分の今の状態を確認するオータム。

オータムは永流に抱きつく形で引き寄せていた。

それを確認したオータムは顔を赤くする。

 

「う、うわぁああああ‼//////」

 

「あだー⁉」

 

顔を赤くしたオータムは恥ずかしくなり、永流から慌てて離れると永流の顔をひっぱたいた。

ひっぱたかれた永流は床に倒れ、永流の元に亜夢とマドカが駆け寄る。

 

「だ、大丈夫お兄ちゃん?」

 

「な、なんとかな」

 

「オータム、いくら驚いたからってひっぱたくことはないだろ」

 

「す、すまない永流」

 

「いや、気にしないでくれオータム」

 

「永流、時間時間‼」

 

「えっ?…………やばっ‼」

 

明日那に言われ時間を確認した永流は、急いで出発の準備をする。

 

「それじゃあ母さん、行ってくるね‼亜夢、マドカ、勉強頑張って‼スコール、オータム、今日は休みなんだから、ゆっくり休んでろな‼」

 

そう言って、永流は家を出た…………はずだったのだが、永流は中に戻ってきて部屋にあった仏壇の前にきた。

 

「父さん…………行ってきます」

 

永流は父───宝生永夢の仏壇に手をあわせて、家を出た。

この日、彼の運命が動き出すとは、まだ誰も知るよしもなかった。




と、いうことで、エグゼイドとISのコラボ作品をつくりました‼

次回は永流の病院での話になります。

次回も是非、読んでください‼
それでは次回、またお会いしましょう。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。