では、本編始まります。
パーティーから数日が経ち、ルーミアにある程度仕事を任せられるようになった。
「それじゃ私は出かけるけど、仕事の方は頼むわね。夕方までには戻るから。何かあったら美鈴を頼ると良いわ。」
「わかりました。行ってらっしゃいませメイド長!」
咲夜の出かける場所は人里である。ルーミアに大体の場所を聞いていたので迷うことはなかった。
「思ったより遠いのね。人里って言うから結構大きい集落だと思い込んでいたわ。」
しばらく村をうろついている彼女だが、ある事に気がついた。
(この村の人たちは和服を着ているのね。そういう風習でもあるのかしら。そんな事より今は情報が先ね。)
「いきなりでごめんなさい。聞きたいことがあるのだけれど、八雲 紫について何か知っているかしら?」
その場にいた村の男に話しかけた。
「八雲と言えばあの大賢者様じゃないか!いつもどこにいるかはわからないけど、とっても美人なんだ。嬢ちゃんはその賢者様に何か用かい?」
「いえ、少し知っておきたくてね。ありがとう、助かったわ。」
「可愛い子の頼みなら何だって聞くのが男ってもんさ!そんなに賢者様の事が知りたいなら、この先にある鈴奈庵っていう本屋か稗田様の家に行くといいぜ。俺はこれから仕事なんでまたどこかでな!」
そう言うと男は去って行った。
「とりあえず本屋に行きましょうか。ついでに他の情報も手に入るかもしれないわ。」
歩く事数分、本屋らしき建物が見えた。中に入ると結構な数の本が積み上げられていた。
「ごめんね!今はお掃除中なのよ。また後でいらしてね。」
パタパタとハタキを振りながら出て着たツインテールの女の子はとても忙しいようだった。
本屋を後にした咲夜は次の情報を探しに稗田の家を探した。
(稗田様とおっしゃっていたわね。相当な貴族という事は間違いないから見つけるのは容易ね。)
しばらく探していると一軒の大きな屋敷があり、門の前に変わった服装をした白髪の女の子が1人いた。
「失礼、少しお訪ねしたいのですが、ここが稗田家であっているのかしら?」
「ああ、そうだ。稗田家に何か用か?」
「ええ、聞きたい事があるのよ。お会いする事はできるのかしら?」
「許可がでるまでここで待っていてくれ。少し時間がかかる。」
「わかったわ。そういや貴方は門番って感じじゃなさそうね。一体何者なのかしら。」
「ただの雇われ門番だよ。私のことはいいんだ。それより許可が出たから入っていいよ。くれぐれも不審な行動はしないようにね。」
門番に場所を伝えられ、咲夜は奥へと進んでいった。紅魔館程ではないが、かなり広い屋敷である。
「ようこそおいでくださいました。私は稗田家9代目当主の稗田 阿求 と申します。貴方は?」
「十六夜 咲夜よ。貴方、当主なのに随分と若いのね。」
稗田 阿求 彼女は10代ですでに当主である。彼女にもまた特別な能力があり、とてもおしとやかな性格である。
「色々ありますからね。そういや私に聞きたい事があるのですよね?何なりとお聞きください。」
「では早速。幻想郷の管理者、八雲 紫について知っている事を全部教えてもらえるかしら?」
「八雲 紫 ですか... また難しい事を聞きますね。彼女は幻想郷を作った大妖怪であり、賢者とも呼ばれています。能力についてですが、境界を操る程度の能力を持つと言われています。私に分かることはこれくらいのことですかね。」
「境界...ね。ありがとう。良い情報を聞けたわ。お礼はさせてもらうわね。」
そういうと、どこからともなくクッキーを取り出した。
「凄い魔法ですね!少しびっくりしちゃいました。」
「これはトリックよ。またお会いしましょう。」
咲夜は音も立てずにその場から消えた。
今回はRPG風にしてみたいなぁと思って書いてみました。よく遠回りさせるやつですね。
次回もまた情報収集でございます。紫さんって掴み所がなさそうなイメージです。