ルーミアちゃんの心境ってころころ変わりやすくて子どもみたいです。
2人の戦闘後から数十分後
「さぁ着いたわよ。お嬢様には私が言っておくから。ここで少し待っていなさい。」
「はい!メイド長!」
真っ赤に染まったその建物は、月明かりでとても不気味に見えた。
「おっきい建物!ここに住むのね。何で窓が無いんだろう...?まぁいいや!」
ルーミアが考え事をしているうちに咲夜は帰ってきた。
「OKをもらったわよ。まずはお嬢様に挨拶をしなければばならないわね。この屋敷はとても広いから迷わないようにしっかりついてきて。」
そう、外から見ると大きいだけの屋敷なのだが、中を見るとそれをも超える広さと高さがあるのだ。
「すっごい広いのね!これって何の妖術なの?」
「妖術?違うわ。これは私の能力と魔法のおかげよ。」
「メイド長って凄いんだね!魔法使いなんだ!」
「この魔法はお嬢様の友人の魔法よ。私はあまり得意では無いの。それより、妖術って何かしら?」
「妖術ってのはね、魔法みたいな感じだけど少し違うんだ。魔力みたいなのがなくても使える不思議な能力だよ!私みたいな妖怪だと妖気を変えて自分の技を身につけたりもできるのよ!それが私の暗闇を作る能力ね。」
(この世界では妖怪という種族がいるのね。この先も出会うだろうから気をつけなければ...)
「良いことを聞いたわ。ありがとね。さて、話している間にお嬢様の部屋に着いたわよ。失礼のないようにね。」
コンコン
「入って良いわよ。」
こんな事は初めてなので緊張するルーミアであったが、勇気を出してドアを開けた。
「し、しつれいします。...わっ!」
お嬢様を人間だと思い込んでいたルーミアは背中の羽を見てびっくりした。
「あら、驚かせたみたいね。私は見ての通り、吸血鬼よ。よろしくね、新人さん。この屋敷では自分の家のように思いなさい。」
「な、名前はルーミアと言います!ふつつかものですが、頑張らせていただきます!」
「あら、可愛い名前ね。元気なのは良いことよ、ルーミア。」
自分の名前を可愛いと言ってくれて顔を赤く染めた。
「とりあえず今日は休みなさい。明日から仕事を頼むわね。」
「はい!レミリアお嬢様!失礼いたしました。」
パタンッ
(ふう...緊張したなぁ...思ったより優しくて良かった。)
扉の外で安堵していると、目の前に咲夜が現れた。
「わっ!急に現れたからびっくりした!その技面白そうだから教えてくださいメイド長!」
「残念。貴方にはまだ秘密よ。それより貴方の部屋が出来たからいらっしゃい。」
そう言うと彼女はスタスタと歩き、ルーミアはそれに着いていった。
「ここが私の部屋なのね!とっても広くて綺麗!」
この部屋が気に入ったのかベッドでジャンプして大騒ぎしているルーミア。
「明日は朝早いから早く寝るのよ。おやすみなさいルーミア。」
「おやすみなさいメイド長!ふぅ、明日からお仕事かぁ。頑張るぞっ!」
そう意気込みながらベッドに潜る彼女であった。
はい。と言う事でね、ルーミアちゃんが無事採用されました!いや〜お嬢様の寛大さって凄いですよね。ほんと尊敬します。