お嬢様御一行は無事に異世界にたどり着けるのでしょうか...。
「────レミィ、着いたわよ。」
「え、もう着いたの?何かこう、ワープトンネルみたいなのはくぐって無かったんだけど...」
「魔法にはそんなもの必要ないのよ。ただ、魔力が多く必要なのが難点だけど私には関係ないわ。少し外を見て来てごらん。」
魔法陣に入ってから一瞬の出来事で本当に異世界に来たのか戸惑うレミリアだったが、その疑問も直ぐに消え去っていた。
「すごい!すごいわ!近くに大きな山があるし、湖もあるのね!自然豊かでとても住みやすい環境だわ!」
感激しているのもつかの間、何者かが突然レミリアの前に現れた。
「あら、いつの間に蚊が入り込んだのかしら。招待した覚えは無いのだけれど。」
「面白い能力ね。当分は居させてもらうつもりよ。それが何か不服でも?」
なにも無いところから出た彼女に驚きもせずじっと睨みつけた。
「あらあら、そんな怖い顔しないで。幻想郷は全てを受け入れるわ。勿論あなた達もね。」
「げんそうきょう?そう言う国の名前なのねここは。貴方は気に入らないけどこの国は気に入ったわ。」
「そう、それはどうも。私の名前は八雲 紫よ。この幻想郷の管理者ってところね。貴方は?」
「私は偉大なる吸血鬼、レミリア・スカーレットよ。この館、紅魔館の主だ。」
いきなり出て来た金髪ロングの美しい女性...八雲 紫という。この女性も特別な能力を持っており、何を考えているかわからない危険人物である。
「見た目と違ってしっかりとしているのね。私は冬眠に入るけど、あまり異変は起こさないでね。」
「待て、聞きたいことがたくさ────」
スッ と彼女は消えてしまった。
「咲夜、この館の周辺を見て来なさい。美鈴は仕事に戻って。パチュリーは屋敷に結界をはって来てちょうだい。」
「承知致しました。」
「異世界にせっかく来たのに仕事かぁ...。いた!すいません!了解です。」
「警戒しすぎじゃないかしら。まぁいいわ。」
各々が動き出し、レミリアはあの女に対して何か対策を取らねばならないと感じ始めていた。
「幻想郷って言うらしいですよ。なんだか面白そうな感じがしてきましたね咲夜さん!」
「これは遊びじゃないのよ。しっかり門の仕事してね。」
「臨時手当はあるんですか...?」
「ちゃんとあるわ。だけど、何が起こるか分からないから気をつけるようにね。」
「やったー!!ありがとうございます!あ、ここでは前の世界のお金って使えるんですかね...」
「さぁ?私は使えなくても構わないわ。」
「そ、そんなぁ...」
2人は話し合いをしながら外へ出て行った。
一方、パチュリーの様子は...
「ただでさえ病人なのに私の使い方が荒いのよ。まったく...。ただ、レミィの頼みなら断れないのよね。小悪魔、ちょっと手伝ってくれるかしら?」
「わかりました。ですが、あまり無理はなさらないようにしてください。かなり魔力を消耗していらっしゃる様子で...。」
「これくらいなんともないわ。さ、無駄口叩いていないで始めるわよ。」
これから始まる運命にレミリア達はどう動くのだろうか...
やっと動き出しましたね!
これからどんどん流れていく方向で進めていければいいなと思っております。