魔理沙ちゃんの帽子って、なんでも入る魔法がかかっていそうです。誰かのポケットと似ていますね(笑)。
本編はじまります。
紅魔館への行き方がわからない魔理沙は、しばらく考え事をしていた。すると、湖から何やら人魚のような姿をした妖怪が現れた。
「こんな場所をさっきからウロウロして何か用でもあるの?道にでも迷ったのかしら。」
「うおっ、人魚だ!紅魔館っていう真っ赤な屋敷を探しているんだ。何か知っているか?」
「ああ、この前急に現れた屋敷ね。それならここを右に曲がって真っ直ぐ進むと着くよ。どうしてそこに行くの?」
「なに、ちょっとした見物さ。情報ありがとう。この礼はまたどこかでな!」
そう言うと彼女はささっと飛んでいった。魔理沙は人魚に言われた通り進んだ。
(やっと紅魔館にたどり着いたのは良いんだが、門番がいるみたいだな。)
どうやって入ろうか悩んでいた彼女は、ガサゴソと帽子の中から魔法アイテムを取り出した。
「透明マント〜!」
説明しよう!透明マントとは、文字通り被れば透明になれる道具である。ただし、喋ったり音を出してしまえばバレてしまうぞ!
(さて、行きますか。門番には悪いけどここは素通りさせてもらうぜ。)
気配も消えているため、相手には気づかれない便利な魔法アイテムである。
魔理沙は門の上を掻い潜り、入り口の妖精メイドの後ろについていった。
(入ったは良いが、中はかなりの広さだな。何処から調べようか...。)
ふらふらと歩き回っていった彼女はある事に気がついた。
(魔力の痕跡がある...かなり強力な魔力だ。とりあえず辿ってみるか。)
それは屋敷の地下まで続いており、一つの大きなドアの前まで続いていた。ドアを開けると部屋中に本が並びつくされていた。
(おいおい、この量は多すぎだろ。まるで図書館じゃないの。それにしても部屋の構造がおかしい...。一体どうなっているんだ?)
魔理沙は目の前に広がる光景に信じられないという様子だった。
「あら、この世界の魔法使いが来るとは珍しいわね。」
(バレている...!? 声は出していないのにどうして...。)
一瞬で正体を見破られてしまい、心臓が高鳴る魔理沙。
「随分と恥ずかしがり屋さんなのね。そんな玩具を着て隠れても私には見えているわよ。」
隠れても無駄と分かった彼女はマントを脱いだ。
「私の自信作を玩具とは流石大魔法使いだな。恐れ入ったぜ。」
「とにかく私の読書の邪魔をしないで頂戴。今引き返せばなにも見なかった事にしてあげるわ。」
「分かったよ。って言いたいところだが、相手が魔法使いなら話は別だ。どちらが魔法使いとして優秀か勝負してもらう!」
「後もう少しで読み終わるから待ってなさい。その後なら何度でも叩き潰してあげるわ。」
パチュリーさんって、どんな時でもマイペースなイメージです。読書に夢中で話を聞かない事がありそうですね(笑)。
パチュリーさんと魔理沙ちゃんの勝負は次回という事で。