本編はじまります。
次の日の夕方、文は紅魔館を訪れた。
「先日はどうもです〜。あ、取材の件なんですけど、大丈夫そうですかね?」
「はい!許可が降りましたので屋敷を案内させて頂きますね。」
そう言うと美鈴は門を開け、彼女を屋敷の中へ案内した。
「結構広いですね〜。それに妖精がちらほらいるみたいですが、何をしているんです?」
「あぁ、それは咲夜さん...メイド長が雑用係に雇って来たんです。ここ最近忙しいらしく、人手不足でね。」
「なるほど、色々と大変なんですねぇ。」
文は彼女に数々の質問をし、ネタになるものを探していた。
「そろそろお嬢様の部屋に着きます。新聞楽しみにしてますね。」
そう言うと美鈴は門番の仕事へ戻って行った。
コンコン
「入っていいわよ。」
「失礼します〜。今回取材をさせて頂くことになった、射命丸と申します。」
「私は高貴なる吸血鬼 レミリア・スカーレットよ。よろしくね、新聞屋さん。」
(なるほど、この館の主が吸血鬼だから夕暮れ時に来いと言ったのね。)
「いや〜、威厳があってまさに当主って感じですねぇ。早速の質問ですが、いつ頃からこの幻想郷に来たんですか?」
「そうね、大体1ヶ月前よ。前の世界ではあまり面白い事がなくてね。」
「1ヶ月前、と...。レミリアさんは幻想郷についてどう思います?」
「とても不思議な場所だと思うわ。今までに見た事がない生物が沢山いるもの。一度鬼というものに会って見たいわね。」
「鬼...ですか。そう言えばレミリアさんは吸血鬼でしたね。同じ鬼同士気が合うといいですが。」
鬼という言葉に反応する文。過去に何かあったのだろうか。
「まだまだ質問したいことが沢山あるんですが、次で最後にさせてもらいますね。ここでの目的は一体なんですかね?私が1番聞きたいことはこれです。」
「面白い事を聞くのね。良いわ、答えてあげる。私がここに来た目的は────」
思わずゴクリと唾をのむ文。
「ただの暇つぶしよ。ここには刺激が沢山あると思ったからよ。いっそ妖怪達を従えるのも良いわね。」
(暇つぶしか〜い!)
思わず心の中で突っ込んでしまった。ただ、妖怪を従えるという言葉に相当な自信があるのだろうということはわかった。
「この世界では沢山の強者がいますから、中々難しいんじゃないでしょうかね。取材を受けていただきありがとうございました。明日の新聞をお楽しみにしておいてくださいね!」
そういうと彼女はレミリアの部屋を飛び出し、猛スピードで帰って行った。
「ドアぐらい閉めていきなさいよね、まったく...。」
ため息をつきながらも明日の新聞がとても気になっているレミリアだった。
メイド妖精は咲夜さんがお菓子で雇いました。
とっても美味しくて、食べると幸せになる味だそうです。
いや〜自分も食べて見たいですね。