幻想郷にレミリア達が来訪し、数週間がたったある日の朝 屋敷に興味を持った少女が空から飛んで来た。
(妖怪達が住む森の近くにあんなに目立つ屋敷があるなんて見たことがないわ。ネタの匂いがするわね。)
彼女は門の前にいる女性に声をかけた。
「すいませ〜ん。私、新聞記者の射命丸と申します。ここの主人は居ますか?ぜひ取材させて頂きたいのですが。」
鳥のような翼を持つ彼女、名前を射命丸 文 と言う。妖怪の山に住み、大天狗から妖怪の山護衛の使命を受けている。
自分が興味を持った物はたとえ危険でも構いはしない性格。清く正しく をモットーとしており、任務が終わった後幻想郷の隅々までネタを探し回っている。
「お嬢様はただいまご就寝中でして...。夕暮れ時になると起きてくると思いますので、その時にまたいらして頂ければよろしいかと。貴方は見たところ人間ではないみたいですが、妖怪さんですか?」
「では、明日の夕方にお伺いしますね。私は烏天狗という種族です。特徴的なのは、このように翼を持っており自由に空を飛ぶことができます。そういう貴方も見たところ人間ってわけじゃなさそうですね。妖気みたいなものを感じますもの。」
「まぁ私を含めてこの屋敷に住んでいるほとんどは人間ではないですからね。そういえば射命丸さんは新聞屋でしたね。少し見せてもらってもよろしいですか?」
「ええ、ぜひ!購読もして頂けると助かります。」
文は彼女に今日の新聞を手渡した。文が作る新聞の内容はほとんどがゴシップ系の記事である。
「ふむふむ...。暇つぶしにはちょいどいいですね。試しに1ヶ月分購読させてもらいます。」
「あやややや、ありがとうございます!これからも文々。新聞をよろしくお願いしますね〜。」
そう言って彼女は飛び去っていった。何処かにネタが無いか探しに行ったのであろう。
「この世界にも新聞ってあるんですねぇ。さて、仕事仕事!」
美鈴は新聞を折り畳み、門番の仕事に戻った。その後、夕暮れまで居眠りをしていて咲夜に見つかり、怒られてしまった。
「門番をしていると眠くなっちゃうのは仕方ない事なんです咲夜さん〜。お願いだから給料だけは減らさないでください...。あ!そう言えば、新聞屋さんがお嬢様に取材をさせて欲しいと来てましたよ。明日の夕方に来るらしいですが...。」
「はいはい、見なかったことにしてあげるわ。次からはしないようにね。取材、ね。許可が出るか聞いて来るわ。」
レミリアは取材の件についてあっさりOKした。
「私を取材したいだなんて流石ね、いい目をしてるわ。この際だから、妖怪達に宣戦布告をするのも面白そうね。」
「それはいけませんお嬢様。お嬢様が危ない目にあうと思うと心配で...。」
「冗談よ。私はそんな簡単に潰れるほどやわじゃないわ。ちょっと遊ぶだけよ。」
クスクスと笑っているが、彼女の目はやる気に満ち溢れていた。そう、レミリアは刺激を欲しがっているのだ。退屈な日常から逃れるためにここへ来たのだから。
咲夜は美鈴の元へ行き、結果を報告した。
「OKだそうよ。明日、私は手が離せない用があるの。美鈴、貴方が新聞屋をお嬢様の元まで案内しなさい。」
「了解です!いや〜取材ですか!これはまた新聞を見るのが楽しみですね!」
文ちゃんって、あの若そうな姿で1000歳を超えているってすごいですよね。若さの秘訣ってのを一度聞いて見たいです(笑)。
次回ですが、文ちゃんの取材がメインとなっております。
果たしてどういう結果になるんでしょうか...