お嬢様の異世界旅行   作:KKP110

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咲夜さんっていつも賢く冷静で、たまに思い切った行動をするようなイメージです。賭け事にはもってこいの技量ですね!(おい

はい、本編はじまります。


10話 村の本屋さん

稗田家で情報を入手した後、咲夜はベンチに腰をかけ昼食を取ることにした。ルーミアが作ったお手製の弁当である。

 

(よく出来てるじゃない。見た目も味も最高よ、特に卵焼きがいい甘さだわ。帰ったらしっかりと褒めてあげないとね。)

 

時刻は午後1時を過ぎ、咲夜はさっき中に入らなかった本屋へと向かった。

 

「掃除は終わったのかしら本屋さん。」

 

「はい。終わりました!こちら、鈴奈庵の店主、本居小鈴と言います。いや〜、大掃除なんてそう滅多にやらないもんで、大変でしたね。そういや何か本をお探しで?」

 

本居小鈴、彼女は若くして店主である。阿求とは友人関係で、休みの日には2人で遊ぶこともしばしば。少しおっちょこちょい。

 

「えぇ、妖怪に関する本を見たいのだけれど。あるかしら?」

 

「ちょっと待ってくださいね〜。...っと、これとこれ。あ、それにこれも!妖怪を比較的に分かりやすく書いたものと、より詳しく書いたもの。それと、対処法の本をお持ちしました!」

 

彼女はそれをパラパラとめくった後、何かを見つけたようだった。

 

「全部貰って行くわ。代金は変わりにこれを受け取ってちょうだい。」

 

会計場所にとても高価そうな金の塊を置いた。

 

「こ、これは本物!?初めて見た...。でも、こんな高価そうなもの受け取れませんよ!お金は持っていないんですか?」

 

「えぇ、こちらのお金は持っていないわ。見た所紙幣のようだからね。」

 

「そういう事ならいい場所がありますよ!ここから少し遠いんだけど、村のはずれにある道を真っ直ぐ進めば香霖堂と言う店に着きます。そこでならその金塊もお金に変えてくれますよ。」

 

「香霖堂はこのまま真っ直ぐ行くといいのね?少し待っていて。」

 

「えっ────」

 

次の瞬間 目の前にいた客人は消えてしまい、小鈴は何が起こったのかわからなかった。束の間、彼女は再び現れた。

 

「待たせてしまってごめんなさいね。代金はいくらなの?」

 

「えっ、あ、はい! 2500円になります。いや〜びっくりしましたよ。いきなり消えちゃうんだもの。」

 

「2500円ね、はい。さっきのトリックは頑張れば貴方にも出来るようになるかもね。また来るわ。」

 

「とりっく?新しい魔法なのかな...。 またのお越しをお待ちしておりますー!」

 

咲夜は鈴奈庵を後にし、時計を見た。もうすぐ夕暮れである。

「今日の情報収集はこれでひとまず終わりね。お嬢様がそろそろ起きる時間だから早く戻らないと...。」

 

村を一通り見終えた後、急いで屋敷へと帰った。

 

「あ、お帰りなさい 咲夜さん!村はどうでした?」

「結構栄えているわね。食材や衣類なども豊富で困った事はあまりなさそうだけれど。それと美鈴、貴方はルーミアを連れて食事の準備をしなさい。私はお嬢様と後から行くわ。」

 

そういうと彼女は姿を消した。

 

「さて、ルーミアちゃんを迎えに行きますか!確か図書室だよね。」

 

美鈴はスキップしながら図書室へ向かった。




本編の香霖堂でのお話は、また別の機会という事で。

情報収集って地味な仕事ですが、後々役に立って来るんですよね。

ではまた次回もお楽しみに!

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