クロックオーバー・プラネット   作:LW

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アニメ8話で?
カッコ強い八束脛の雄姿を視聴!
こんなカッコ強い八束脛の出番を潰す私☆

出番作ろうかな?


09 アンクルの涙

「あぁ、コレはアレかねぇ?

 バケモノを殺す為に………バケモノになっちゃあイケネェ。

 そう言うコトかぁ?」

 

 

「マスター、マスター!」

 

 

勝敗は決した。と言って良いだろう。

 

怪物は、シズが率いる軍勢に蹂躙された。

 

今は元の人間の姿に戻っている。

 

だがその身体はズタボロの穴ダラケで、まだ意識が在るのが不思議なくらいだ。

 

そんな襤褸雑巾に、アンクルちゃんは駆け寄る。

 

コチラも黒猫モードを解除して、紅い礼服姿に戻っていた。

 

 

「マスター、しっかり。しっかりして下さい。

 貴方が居なくなったら、私は………」

 

 

「………本当に人間臭くなったな?

 もう、良いだろ?オマエは充分、成長した。

 オマエはオマエに、アンクルになった」

 

 

男はそう言って、アンクルちゃんの頭を撫でる。

 

アンクルちゃんは納得してイナイように見えた。

 

あぁアンクルちゃんは、まだアイツと居たいダケ何だな?

 

と、遠巻きに見るオレにも解った。

 

 

「アンクル。

 最後の命令だ」

 

 

「イイ女に成れ。

 オマエなら出来る。ソレで精々イイ男でも、見つけると良い………」

 

 

「マスター!マスター!!」

 

 

暫しアンクルちゃんの嗚咽ダケが聞こえた。

 

ソレも終ると?アンクルちゃんは涙を拭い、

 

オレ達の、いやオレの前に立つ。

 

 

「お姉ちゃんのマスターの方ですね?

 一つ、貴方に聞きたいんです」

 

 

その目は決意を宿すモノの、敵意は無いように思えた。

 

リューズも動く事無く、オレに付き従う。

 

アンクルちゃんは、静かに問う。

 

 

「問い掛け。私は何者か?」

 

 

「!」

 

 

リューズの驚く気配が後ろからしたが、

 

オレはアンクルちゃんから目を離さない。

 

「私は何者か?」か。この状況下で、如何にも重要そうな問い掛けだ。

 

話の流れを思うと、例えばあの男なら?

 

「お前はアンクルだ」とでも言ったのかもしれない。

 

だがオレの回答は決まっている。

 

 

「アンクルちゃんは可愛い女の子だ。

 自分で選んだマスターに最後まで従って、

 自分のマスターの為に泣ける女の子だ。

 そんなアンクルちゃんが、可愛くない筈無いだろう?

 だからアンクルちゃんは、可愛い女の子だ」

 

 

アンクルちゃんは、もう一度泣いた。

 

ソレはきっと悲しみの涙では無く、別れの涙だ。

 

オレはアンクルちゃんが泣き疲れるまで、その小さな身体を抱き締め続けた。

 

 

「ありがとう、シズ。

 シズのおかげで助かった」

 

 

「…大丈夫。

 コレは私の意志。だから、大丈夫」

 

 

泣き疲れて眠るアンクルちゃんはリューズに任せて、

 

オレはシズに向き合う。そう!シズはようやく起動したんだ。

 

シズはオレの言葉に僅かに微笑むモノの、何処か浮かない様子だった。

 

 

「…ソレにお礼を言うのは私の方。

 ナオトは、私を組み上げてくれた。

 私をまた、シズと呼んでくれた」

 

 

シズは、尊い何かを口にするようにそう語る。

 

胸に手を当てる仕草が、何処かそう感じさせた。

 

 

「…私はその恩を忘れない。

 ナオトが良ければ、私のサブマスターになって欲しい」

 

 

「サブマスター?」

 

 

シズは申し訳無さそうに俯く。

 

サブと言うからには、メインが居る筈だが?

 

 

「…もう少し時間が欲しい。

 ………………………」

 

 

最後の方は、上手く聞き取れ無かった。

 

聞こえ無いのでは無く、聞き取れ無い。

 

シズ自身も、上手く言葉に出来てイナイ。と言う事だ。

 

どうやらシズを困らせている模様。

 

「解った。ありがたくサブマスターを努めさせて貰うよ?

 よろしくな、シズ?」

 

 

オレは友好的態度で、

 

シズの手を握って、シズの申し出を受け入れた。

 

 

「!!?」

 

 

のだが?

 

手を握った途端!シズが赤く沸騰した!!

 

何を言っているのか、良く解らないかもしれないが?ソレが真実!

 

シズは恥ずかしがり屋さんだった☆

 

 

「うへぁ…」

 

 

結局シズは、オレがオブって帰る事になったのだが?

 

小動物のように?羞恥で震えるシズが可愛い☆

 

でもオレから離れようとせずに、ギュッと捕まる仕草がまた可愛い。

 

お持ち帰りしたくなる可愛さです!!←帰る途中ダケど☆

 

 

「………申し訳在りません。

 結局ナオト様に、カップ麺を御出しする事になるとは」

 

 

「良いよ。

 元々コレ、オレの好物だから」

 

 

むしろ最初から、カップ麺で済ますべきだった。

 

昨日は結局?

 

新たにシズとアンクルちゃんを連れて、灯台の管理施設に戻った。

 

そしてそのまま眠った。

 

夕食の買い出しは出来無かったし、もう疲れていたからだ。

 

明けて、今は翌日の朝。

 

好物のカップ麺が、何とも食欲を誘う匂いを上げている。

 

 

「ソレにしても、驚きました。

 まさかアンクルが、マスター認証を拒絶するとは」

 

 

そう、オレはアンクルちゃんのマスターでは無い。

 

リューズが言うには、

 

マスターが死亡すると、自動的にマスター認証は解除されるらしい。

 

詰りアンクルちゃんはフリーだ。

 

そしてあの「私は何者か?」と言う問い掛けが、

 

アンクルちゃんのマスター認証の条件で、

 

アンクルちゃんの目に適う回答を出せば、マスター認証が結ばれるそうだ。

 

 

そして此処からが難しい処だが?

 

リューズから見てオレの回答は、充分ソレに適うモノだったらしい。

 

だがマスター認証は結ばれ無かった。

 

 

「マリーが居たら?

 自我を獲得した~とか、独立した一個の存在に~とか言いそうだが?

 一言で言うと………」

 

 

「言うと、何でしょう?」

 

 

「大人になった。そう言う事だろ?」

 

 

「では次のニュースです」

 

 

今朝は珍しく朝のニュースを見ている。

 

昨日の件を確認したかったからだ。案の状、騒ぎになっている。

 

あの男は例の巨大工場に勤めていた、軍人や研究員を皆殺しにしていたらしい。

 

だがその工場では、製造禁止兵器を造っていたようだ。

 

その上政府に対して、叛乱を企てていた証拠まで出る始末。

 

大量虐殺自体は?仲間割れで処理して、

 

早々に政府と、無関係を表明した軍の視察が三重に入るようだ。

 

どうやらギルドの調査も入るらしい。

 

 

「どうやらバカンスは終りらしい。

 コレではゆっくり出来ないだろう」

 

 

視察やら調査やらが入れば、区画の出入りに制限が入るだろう。

 

リューズやアンクルちゃんの事が、

 

知れ渡るような事が在れば?面倒事になる恐れが在る。

 

リューズやアンクルちゃん、勿論シズもだが?

 

皆に手を出そうとする輩が居るようなら?全面戦争に移行する処だ。

 

だが争いは不毛だ。そんな事よりリューズを愛でたい☆

 

シズともっと仲良くなりたいし、アンクルちゃんを可愛がりたい。

 

 

「さっさと三重を出よう。

 オレ達の(愛と言う名の)戦いはコレからだ!って言うだろ?」




アンクルのマスターが死亡する処を描きたかった。
アンクルが嗚咽する姿を描きたかった。
アンクルの涙はイイ☆とか思いません?
私って、鬼畜ですかね??

はい、2巻終了です。
世間を騒がす電磁兵器製造疑惑!
新たなる騒乱を呼ぶ火種!
しかし更なるオートマタに囲まれ、ナオトは幸せだった☆

09 ED2 オートマタ・パラダイス

次回は幕間。
クロス設定情報全解放と、オリキャラ設定も紹介します。

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