クロックオーバー・プラネット   作:LW

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これは?
アンクルの成長と、人の心を求める物語。←大風呂敷☆

はい、全国のアンクルファンの皆様!
こんなアンクルもアリだと私は思うの☆
ソレと私は平気だと思いますが、06は残酷描写ONかも?

最後に!
皆さんの知るベルモットさんは、ログアウトしました。
今頃は何処ぞの区画で?違法パーツを売り捌いている事でしょう☆

ソレでは原作2巻、スタート☆


06 最弱不退のアヴェンジャー/撃滅する者

「足りない。圧倒的に足りない。

 あの化け物に、届かない。あの神気取りのバケモノにぃぃっっ!!!」

 

 

先程まで立ち昇っていた黒煙も、今はもう収まった。

 

不時着しても乗員を生還させようとする延命システムらしい。

 

お優しい事だ。

 

無駄だ。蹂躙は完了した。

 

生存者は0だ!

 

あぁ、殺したのは俺だ。

 

死んじまったら無駄になるからな、急いだぜ?

 

本当に助かった。

 

ありがとうよ?俺が辿り着くまで生きて居てくれて!

 

 

だが足りない。あぁ足りない。

 

それが解る。

 

あのバケモノには遠く及ばない。

 

いったいどれだけ殺せば、あのバケモノに届く?

 

いつになったら、あのバケモノをヤレるんだ?

 

あのバケモノは………

 

 

頭がブレる。

 

あのバケモノの事を深く考えると、頭が不快になる。

 

切り替えよう、仕切り直しだ。

 

 

「………何だ?」

 

 

改めて今回撃墜した軍の輸送機を確認する。

 

生存者はもう居ない。

 

火の手も、もう止まっている。

 

ゆっくりは出来ないが?戦利品を漁る時間は在るだろう。

 

主目的は果たしたが?戦利品は必要だ。

 

俺はそうやって生きて来た。

 

そうして生きる事しか出来なかった。

 

俺のようなゴミは、さっさとノタレ死ねってか?

 

否!断じて否だ!

 

死んでたまるか!何もしないで!何も出来ずに!

 

虫ケラのように死んでたまるか!

 

俺は人間何だ!

 

神気取りのバケモノの都合で、死んでたまるかぁっっ!!!

 

 

気を落ち着かせる。

 

怒りは必要。生きる力だ。

 

だが焦りは不要。焦りは判断を誤らせる。

 

戦利品の回収に戻ろう。

 

 

コンテナを調べる。

 

実際はパスコードとやらが必要らしいが、

 

歯車は既に止まっている。

 

歯車を止めれば?この堅い扉も開く事を、既に学んでいた。

 

 

コンテナルームに入る。

 

ソコに入って目を引くのは、一つの柩だった。

 

貴族サマの成金趣味な柩とは異なるが、

 

何処か立派な、さぞ名の在る騎士サマでも眠っていそうな柩だった。

 

ま、そんなモン関係ねぇがな?

 

俺は騎士サマの埋葬品を暴く為、柩を開ける。

 

 

「あぁ、ガキだと?」

 

 

柩の中で眠っていたのは、黒髪のガキだった。

 

紅い、ソレこそ騎士礼装のような服を纏い、

 

頭に歯車型のアクセサリーを付けている。

 

 

ただ眠っているかのような死体。

 

と思っていると、ガキが目を覚ました。

 

本当に眠っていたダケか、趣味の悪い。

 

 

「問い掛け、私は何者か?」

 

 

目を覚ましたガキの、最初の言葉がソレだった。

 

俺はガキを殺すのを一瞬忘れ、答えを口にする。

 

 

「そんなモン、他人に委ねるなよガキが!

 自分が何者か?だと、

 ソレはなぁ、自分で成るモノだ!

 生きて、生き抜いて、勝ち取るモノだ!

 自分に成るってヤツだ!望む自分に、自分で成るんだ!

 俺達は生きて居るんだ!ソレが人間ってモンだろうが!

 生きる事を!人に成る事を!自分に成る事を、誰かに委ねてどうする!!

 はっ、まぁテメエはガキだからな?

 経験積めよ、経験!人はそうやって人に成る。

 人に成れ、そう言う事だろ?」

 

 

俺は熱くなっていた。

 

何が俺の琴線に触れたのか?俺にも解らない。

 

だが気付けば、人形のような眼をしたガキが、

 

人並みに焦点の在った眼で、俺を捉える。

 

 

「承認。

 私はYシリーズ肆番機、撃滅する者アンクル。

 よろしくお願いします。マスター」

 

 

「ハァ?」

 

 

意味不明の戯言を抜かすガキに対する俺の言葉は、

 

どうにもマヌケだった。

 

しかしこのガキ、アンクルが俺のような底辺とは違い?

 

使える奴だと知ってから、

 

アンクルは贄から道具に変わり、相棒に変わった。

 

 

「アンクル、下がってな」

 

 

「否定。

 私も同行します。人間に至るには多くの経験が必要です」

 

 

「チッ、この知りたがりが」

 

 

「肯定。

 マスターからそう教えられました。

 清濁合せ持つ者が人間だと、正と邪を内包する者が人間だと。

 マスター、私にその機会を下さい」

 

 

どうにも面倒だ。

 

ガラにも無い親心ってヤツを出してやった訳だが?

 

アンクルはソレを否定して来やがる!

 

まぁ良い、

 

どうせ直接手を下すのは俺だ。構わないだろう。

 

俺は、生き残った軍人共に止めを刺した。

 

 

「あぁ、胸糞悪い」

 

 

あの日、

 

アンクルが相棒になってからも、俺は変わらない。

 

いや、俺は変わらなくても?俺の行動は変わった。

 

アンクルが予想以上に強力だった。

 

今までのように、はぐれた奴をチマチマ殺す必要が無くなった。

 

今までより、より多くの獲物を狩るようになった。

 

 

幸い、アンクルは人間を殺せ無い。

 

止めは俺が刺す。そうでなければ意味が無かった。

 

俺は人間を、

 

特にイキの良い人間を殺せば殺す程、自分が強くなる事を自覚していた。

 

力が必要だった。

 

俺を虫ケラのように扱い、呪われた運命を課したあのバケモノを!

 

神気取りのバケモノをブチ殺す力が!!

 

その贄に敢て軍人共を選ぶのは、

 

デカイ態度が、あのバケモノのシモベ共を思い出させるからだ。

 

特に浅黒く頭の良さそうな奴は、絶対に殺す。

 

バケモノのシモベの中でも、特に猛悪な悪魔を思い出す。

 

 

「どうかしましたか、マスター?」

 

 

アンクルが不思議そうに首を傾げる。

 

チッ、アンクルは大いに戦力になるが調子が狂う。

 

俺はアンクルのマスターだ。

 

アンクルと初めて会ったあの日のブチマケが、

 

アンクルの目に適ったらしい。

 

アンクルは人に成る為、俺の元で経験を積むと言って聞かない。

 

 

だが俺の行く道は血ミドロだ。

 

決して善い経験が積めるとは思えないが、アンクルは俺に付いて来る。

 

ハッキリ言って、俺が親心を出すダケで異常事態だ。

 

俺は恐れているのか?人らしい感情を取り戻す事を、

 

俺が、足を止めてしまうかもしれない未来を!

 

 

「マスター、輸送艇が3機接近して来ます。

 輸送機の規模、速度から計算。

 3機全てにオートマタが満載されている可能性大。

 命令をお願いします」

 

 

「オートマタ。

 金属製のゴーレム共の事だったか、征くぜアンクル!」

 

 

「命令受諾。

 戦闘モードへ移行」

 

 

アンクルの姿が普段の紅い騎士礼装から、

 

黒と真紅のボディアーマーへと換装する。

 

何故か尻尾も生えるので、黒猫に見えない事も無い。

 

だがアンクルの戦闘力は本物だった。

 

都合12体の汎用ゴーレムと、やや大きい中型ゴーレムなど相手にナラナイ。

 

しかもアンクルは、ゴーレム相手なら容赦無くその力を振るう。

 

 

戦闘は俺達の勝利。

 

俺は逃げようとする輸送艇を、大筒で撃墜する。

 

この火を放つ大筒の扱いにも?もう慣れたモノだ。

 

 

「流石に同じ狩場で狩り過ぎたか?

 狩り過ぎると警戒されるのは、獣も人も変わらんなぁ」

 

 

「如何なさいますか?マスター」

 

 

戦闘の疲れなど感じさせない様子で尋ねるアンクル。

 

だがその姿は、やはり幼い。

 

 

「正直に、次の狩場に向かう。

 ノタレ死にはパスだ」

 

 

「肯定。

 具体的にはドチラに向かいますか?」

 

 

「三重とやらだ。

 上等の獲物が潜んでいる気がする」

 

 

アンクルの訝し気な瞳が、俺を捉える。

 

正直、もう大分人間臭いと思うが?

 

 

「………理解不能。

 マスターはどうやってその判断を?」

 

 

「勘だ。

 お前も経験を積めば、レーダーとやらが無くても解る」

 

 

「………理解不能。

 ですが解りました。向かいましょう、三重へ」

 

 

そうしてアンクルは俺の後に続く。

 

ハタから見ると、まさか親子に見えるのか?

 

そんな日常に慣れて来た自分が、俺自身信じられずに居た。




はい、オリキャラオリキャラ。
コイツの所為で、2巻のオチが決まりました☆

実はコヤツ、オバロ世界出身のモブキャラです。
そしてデミウルゴス牧場出身☆
はい、オバロファンの方なら良く解る経歴です。
詳しい経歴は?また後日☆

そして、スパルタな親がマスターとなったアンクル。
親が厳しいと、子供の成長ルートも変化すると思うの☆
戦闘マシンとしてのアンクルと、
人の心を求めるアンクルを?両立させた設定です。

また、アンクルがオリキャラに拾われたのは原作開始前です。
で?後半の戦闘シーンの話の頃には、2巻開始直前。
と言う時間設定です。

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