クロックオーバー・プラネット   作:LW

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はい、ソレでは原作一巻クライマックスです☆

奥の手の理論話をバッサリやりました!
爽快ですネ☆


04 リューズはオレの嫁

「ナオト様、御怪我は在りませんか?」

 

 

リューズの活躍で、ミサイルの回避に成功した。

 

車に直撃する筈の処を、その車を両断して回避。

 

で、その後はリューズに抱き上げられて着地。ケガ一つ無い。

 

 

「大丈夫………ケガは無いよ?」

 

 

ケガは無い。ケガは無いよ?

 

だけど手段がお姫様抱っこだ。

 

非常事態だ。命の危険が在った。

 

リューズの方が力も在るし、運動性も上だ。

 

理論武装、理論武装。

 

勿論嫌な訳じゃない。

 

抱き上げられて密着していると、リューズの胸と柔肌の感触がする。

 

だがソレは、オレを必死で護ろうとした結果だ。

 

オレを包み込んで、ケガ一つさせまいとするリューズの意思だ。

 

不謹慎な欲望は心のゴミ箱へ。

 

まだリューズにお姫様抱っこはして無いのに!

 

と言う正直な気持ちは、取り合えず保留だ。

 

 

「コアタワー前の最終防衛ラインって事かな?

 デカブツより大型の案山子も居るな?」

 

 

前方には、

 

ズラリと並ぶ中型以上の軍用オートマタの群。

 

ホテルの地下駐車場にも現れたデカブツが、小さく見える大型主軸の編成だ。

 

さっきのミサイルを撃って来たのもこの大型!

 

オレはメンドーなので、案山子と呼んでいる。

 

目を瞑っても当てられそうな巨体だから案山子。

 

因みに中型のヤツがデカブツ。

 

コアタワーを始め、良く見掛ける小型のヤツがザコ。

 

タランチュラは?気を抜くとヤヴァイからネームド扱い。

 

 

「………ナオト様。しばし御傍を離れる事をお許し下さい。

 ナオト様の行く手を阻む鉄屑達を、塵芥に致します」

 

 

リューズは、振り返らず背を向ける。

 

振り返らずに前方の障害に対峙する。

 

けどその後ろ姿は………

 

 

「………ナオト様。どうか私のゼンマイを、

 私に触れる事を恐れないで下さい」

 

 

どうしようも無く小さく見えた。

 

だからオレは迷わなかった。

 

 

「ナオト………様?」

 

 

オレは、後ろからリューズを抱き締めた。

 

オマエを手放す何て選択は在り得ない。

 

オマエがどんな恐ろしい力を持っていても、

 

オマエはオレの嫁のリューズだ。

 

リューズを愛している!

 

そう告げて、リューズと誓いのキスを交わした。

 

 

「では、行ってまいります。

 ナオト様の………いえ、私達の行く先を開く為に」

 

 

そう言ったリューズに、憂いは無い。もう大丈夫。

 

因みにその間、オレ達は無防備をサラしていた訳だが?

 

マリーとハルターのオッサンが奮戦していた事を、後で知る事になる。

 

そしてオレは、宣誓を聞く。

 

 

「定義宣言――Initial―Yシリーズ壱番機

 付き従う者リューズ」

 

 

世界はとっくに滅びている。

 

大袈裟な事情は無い。ただオレ達の親や、そのまた親がやり過ぎたダケ。

 

資源を得る為、大地を犯し続けた。

 

広大な母なる海を、無限と信じて汚し続けた。

 

遙かなる蒼穹の空を、永遠と誤り穢し続けた。

 

大地は命を忘れ、海は毒の沼と化し、空は酸の雨を降らし続けた。

 

生き残った人間は閉ざされた世界、

 

循環閉鎖地下都市アンダーアーコロジーを築き、細々と生きた。

 

だが世界の限界は覆らない。詰みだ。

 

 

ソコに一人の時計技師が現れる。

 

Y。

 

後世には、ただそう伝えられている。

 

Yは告げる。

 

滅び逝く世界に代わり、自分が歯車で世界の全てを再現しよう。

 

世界を再構築しよう、と。

 

 

ソコから世界は生まれ代わった。

 

人は再び世界に帰って来た。

 

だが新しい世界に、救世主たるYの姿は無かった。

 

そうして新しい歯車世界は今日まで続いているのだと、

 

まだ学生をやっていた頃学んだ。

 

 

だがYが居なくても、Yの伝説は残った。

 

Yの遺産。

 

世界を再構築する程の技を持つ、

 

Yの技術の結晶。Yの落とし子。Yの娘。

 

ソレがYシリーズ!

 

伝説の欠片、最高のオートマタ!

 

マリーも言っていた。Yシリーズこそ、

 

星時計の設計図。クロックワークプラネットだと!

 

 

「リューズ!!」

 

 

気付けば全てが終っていた。

 

アレだけ居た防衛ラインの軍用オートマタは、

 

宣言通り、ただの塵芥と化した。

 

歴戦のサイボーグたるオッサンが、

 

恐らく反射的に?銃に手を伸ばして、伸ばした処で止める。

 

マリーは硬直していた。何かブツブツ言っているが、どうでも良い。

 

 

リューズは眠るように倒れていた。

 

全てが終る前、リューズの白いドレス姿を見たような気がしたが、

 

リューズの姿は、見慣れた黒ゴス?だった。

 

駆け寄り、迷わずゼンマイを廻す。リューズの目が開いた。

 

リューズだ。オレの嫁のリューズだ。

 

 

「………決めたよ。

 やっぱりオレ達の結婚式は教会が好いと思う。

 ソコでオレは、

 白いウェデングドレス姿のリューズを、可愛いお嫁さんを貰うんだ」

 

 

「はい。ナオト様///

 ですが………」

 

 

「残念です。

 せっかくナオト様がプロポーズをして下さいましたのに、

 誓いの指輪が在りません。

 ナオト様は甲斐性無しですか?」

 

 

その後の出来事は、全て消化試合だ。

 

問題のコアタワー24層まで行って、詳しい故障ヶ所を特定した。

 

まだ残っていたギルドのマイスターや、

 

マリーに後処理をブン投げて、オレ達はアンクルちゃんの安否確認に向かう。

 

まぁ、ついでに少し忠告も。

 

 

「オレ達はアンクルちゃんを迎えに行くから?

 あぁソレと、あんまり無能を甘く見るなよ?

 無能な奴って、他人の足を引っ張るのは大得意だからな?

 余計な隙を与えるなよ?」

 

 

「解った。………ナオト!

 ありがとう。今回の件、貴方のおかげよ?」

 

 

「あぁ、

 そうそう。当然だが報酬!忘れるなよ?」

 

 

こうして京都強制パージ事件は幕を閉じた。

だが予測通り、

リューズの案内で辿り着いた場所に、アンクルちゃんの姿は無かった。

 

 

「………申し訳在りません」

 

 

「アンクルちゃんの事はとっっっても残念だ。

 でも、そう悪い気分じゃないんだ。

 オレは今回、捨てられないモノを手に入れたから☆」

 

 

「ナ、ナオト様!?」

 

 

オレは、申し訳無さそうに俯くリューズの隙を付く。

 

隙を付いて、リューズを抱き上げる。初お姫様抱っこだ☆

 

初めてったら、初めてで在る!

 

 

「………外までコレで行こう。

 良いよね?オレのお姫様☆」

 

 

「はい☆

 ですが、何処まででも構いません///」




思いの外?綺麗に終った気がします。

数々の謎を残し、
アンクルの行方も知れず、
誰一人祝福する者は居ない。←マリー達も次の現場へ!
けれど振り返ればソコに、愛するリューズが居る生活☆
ナオト的大勝利EDじゃね?

04 ED1 リューズはオレの嫁

此処で終ったら?クロスタグが死ぬ☆
まだ続きます。

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