クロックオーバー・プラネット   作:LW

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ナオト手製のオートマタ!と言う設定の、
クロスキャラの外見情報を一部解放。
クロス先で彼女をこよなく愛する人なら気付けるかも?


02 原作展開の回収はマリーさんのお仕事です

「リューズ。コレは貰って構わないか?」

 

 

ナニをする時間的余裕は無くても、

 

脱出の準備をする余裕は在る。と判断している。

 

脱出の際に持ち出す物。

 

財布やカード、身分証明や愛用の工具。

 

自室に置いて在る貴重な予備パーツ。

 

衣服や日用品はスルー。後でテキトーに買い揃えば良い。

 

だが最も大切なモノを持ち出す為、

 

オレはリューズが入っていた柩を指差した。

 

 

「勿論構いません。そもそもソレは、

 私を目覚めさせる事の出来なかった有象無象の方々が用意した物です」

 

 

「良し、なら早速………」

 

 

リューズの許可を得て、彼女を柩に横たえる。

 

もう長い付き合いだ。見慣れた彼女の寝顔を窺う。

 

だが勿論、突然目覚めるような兆しは無い。

 

彼女も連れて行く。その決意は決してブレ無い。

 

柩の裏には運搬用のベルトが在り、背負って行ける。

 

 

「今更ですがナオト様、そちらの方は?」

 

 

私はただ眺めているダケでした。

 

ナオト様は私が眠っていたケースに、彼女を運びました。

 

所謂お姫様抱っこ、と言うモノです。

 

ホンの少し、胸の歯車が軋むのを自覚します。

 

そして改めて彼女を認識する。

 

 

年齢設定はアンクル、と言うよりテンプに近い程。

 

ですが小柄な印象を受ける体形と容姿。

 

人形のような、と言うのは?

 

オートマタで在る彼女に対して、陳腐な表現でしょうか?

 

そして何より目を惹くのは、

 

長く美しいピンクブロンドの髪と、片目を覆う眼帯。

 

作り手の拘りを感じる造形です。

 

 

「………オレの初恋の相手。かな?」

 

 

無事マンションを脱出したオレ達は、契約済の貸し工房に向かう。

 

この貸し工房はオレの副拠点だ。

 

充分な設備の工房と、隣接する貸し倉庫に蓄えた自前パーツ。

 

ついでに仮眠室も在る。

 

ソコで彼女に損傷が無いか?と入念なチェックと、粉塵の除去処理を行う。

 

幸い問題無く処理は済む。が、気付けばもう日は落ちていた。

 

 

「日が落ちてる。じゃあ、少し出よう」

 

 

リューズを連れて、夜の街並みに出る。

 

まず行くのは行き付けの違法パーツ屋だ。

 

このパーツ屋の店主は凄腕の違法パーツ屋で、

 

表の店では並ぶ事の無いパーツや、軍需企業の先行試作品。

 

トライアルに敗れた死蔵系の掘出物までもが店先に並ぶステキショップだ。

 

 

「ヘイっ店主!今日のステキパーツは何か在るかい?」

 

 

「誰かと思えばクレイジーイヤーか、

 舐めるなよ?ウチの品揃えは今日も新鮮だ」

 

 

オレの声に応えて、ローブの男が姿を現す。

 

ローブの男。深いローブを被り、顔の見えない怪しい男。

 

ソレがこの違法パーツ屋の店主だ。

 

結構な付き合いだけど?顔は勿論名前も知らない。

 

相手はただの行き付けの店の店主だ。別におかしくは無いだろう。

 

ただ相変わらず聞こえの良いオレの耳は、

 

店主はまだ若く、サイボーグで在る事を把握している。

 

 

「流石☆で、今日のオススメは?」

 

 

「任せな!

 今日はヴァシュロンの先行品が入ってる。見るか?」

 

 

「見る!うぉぉぉぉぉっっぐはっ!

 製造禁止兵器の対抗兵器じゃん!うわぁっ世の中イカレてるぅ☆」

 

 

「と言いつつ楽しそうだぞ、クレイジーイヤー。行くかい?」

 

 

「行く!

 リューズ!こっち、こっち☆」

 

 

購入したパーツはオートマタ用の追加装備。

 

この歯車世界の天敵。世界規模で製造が禁止されているアレの対抗兵装!

 

製造禁止兵器その物では無く、対抗兵器だと言う点がミソだろう。

 

ヴァシュロンは良く解ってる!有難く使わせて貰おう!!

 

 

「………い、如何ですか?」

 

 

「うひょおぉぉぉっっつ、イイよ!ステキだよ!

 そのまま試着室な密室で致したいくらいだよ☆」

 

 

ソレをリューズのサイズに調整して貰って、試着開始。

 

(勿論リューズのサイズはオレが図った☆)

 

気分はブティックの着替えイベントで在る!

 

普段の黒ゴス系?の服を脱ぎ、その下に着る的な装備だ。

 

若干嬉しそうに微笑むリューズが可愛い。

 

 

「止めろ、バカが」

 

 

「………ご、ご冗談を///」

 

 

じっくりリューズを堪能して店を出る。

 

その後オレも人間なので空腹を覚え、食事を取る。

 

ソコで仕返しとばかりにリューズのあ~ん攻撃が炸裂したが、

 

オレは迷わずあ~ん攻撃を受け入れた。

 

 

「………流石は変態マニアのナオト様です。

 このような露出プレイはご褒美でしたか?」

 

 

「躊躇う必要が、全く無いねっ!!」

 

 

人間は食事を取ると眠くなる生き物だ。

 

その上朝は、絶賛倒壊中の危機的状況下でリューズを起動させた。

 

その後はずっと!彼女のメンテに明け暮れていた。

 

眠くなるのは当然だった。

 

 

「……ナオト様」

 

 

だから貸し工房に一直線で帰ろうとしたケド?

 

リューズは足を止める。

 

そして今までに無い位、リューズの頬は染まり俯いている。

 

しかもリューズの歯車の音がハッキリと聞こえる程だ!

 

何が起きた!?と思ったケド?此処がラ〇ホ通りだと気付く。

 

 

うん、思い出すのは今朝の事ですネ☆

 

感情のまま欲望に従いました!本当にありがとうございます!!

 

いろいろ美味しくて幸せでした!

 

すーはーすーはー。深呼吸終了。うん、悔いは無い。

 

 

「へっへっへっ、すこぶるイイ女が居るじゃねぇか?」

 

 

「リューズ」と、声を掛けようとしたモノの?

 

何処のテンプレだよ?と言う社会のゴミが三匹現れた。

 

あぁっ!リューズの萌え顔が、虫ケラを見る目に変わった!!

 

リューズの萌える表情を崩しやがったよコイツ等!

 

処刑確定☆

 

 

「ぐぼあぁっっ!!!」

 

 

「はいはい。戦闘終了、戦闘終了。

 ちょっと弱そうだからって、危険じゃね~とか、限らね~から?

 非武装とかも限らないからな?来世で活用すればイイんじゃね?」

 

 

社会のゴミ三匹は?オレの違法スタンガン二刀流の前に沈んだ。

 

授業料に手持ちの現金を回収し、カードの類はへし折り、

 

残りは通りすがりのコンビニのゴミ箱に捨てる事にする。

 

 

「ナオト様は充分お強いのですね?

 ………私の手は、不要ですか?」

 

 

私は不安を、そう不安と言う感情を抱いていました。

 

目を覚ませばソコには、

 

久しぶりに私を起こしてくれた最高のマスターが居ました。

 

ですが、ですがナオト様の傍らには?既にあの方の姿が在りました。

 

あの方の姿を一目見た時から作り手の、ナオト様の愛情を感じました。

 

ナオト様があの方を抱き上げた時に感じたのは、

 

嫉妬、では無く不安です。

 

唇で感じたナオト様の温もりが、冷めてしまいそうな不安。

 

だから、私の熱が冷めてしまう前に………

 

もう一度、貴方の熱を感じたい。

 

 

「………オートマタも、泣けるんだな?」

 

 

「当然です。私には自由意思が、心が在りますから」

 

 

リューズが涙を流していた。

 

コレは悲しみの涙だと解っていても、綺麗だ。と、そう思った。

 

次に片手でリューズの手を取り、もう片方の手でリューズを抱き寄せる。

 

そしてもう一度リューズの唇を塞いだ。

 

目の前で涙を流す女の子に、只々好意を伝える為に!

 

 

「リューズ。オレの嫁になって欲しい」

 

 

「はい!

 今のお言葉は、既に永久保存しました!

 この身全てが滅ぶまで、撤回不能です☆」

 

 

この時のリューズの笑顔を、オレは忘れないだろう。

 

背景がラ〇ホでなければ?最高のシチュだと思う。

 

まあ、手間は省けたケド☆

 

その後の電飾が眩しいお城的建物での出来事は、

 

オレとリューズだけの思い出!と言う事で描写はカットで☆

 

 

「………やっぱりリューズは好い音がする。

 ぐっすり眠れる気がするな☆」

 

 

「はい、お休みなさいませ。

 私の音の中で」

 

 

此処で終れば?

 

オレとリューズのイチャコララブラブストーリーとして、

 

全てに幕が引かれたかもしれない。

 

だが違った。オレはリューズに包まれながらも、深夜に目を覚ます。

 

例によって、オレの耳は無駄に優秀だった。

 

圧倒的に不快な歯車の音が、地の底から聞こえる。

 

この音から、全てが始ろうとしていた。




リューズは毒舌設定ですが?
今回の告白の返事の内容なら、口に出来るかな?
と言う私の判断です。

因みにタイトル通り?マリーさんは原作展開を邁進中です☆

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