短くてすみません……
とりあえず、本編にもどります!
「来たか、白猫ぉ!」
「何であんたがまだいるのよ!!!」
「ストップにゃ!! もう私目にはストックがありません。同じ猫の好でここは手を引いてはくれないかにゃー?」
レンを連れてウィズの店に行ってみると、いました。生物とかいて、なまものと読む生物が。
「はぁ? ストック? いいじゃない、あんた達をここで滅せられるなら本望よ」
レンは戦闘態勢に入る。
「まてまて、ここはウィズの店だ。それに、あのエプロン。どうやら、ここでバイトをしているみたいだぞ」
NECOが着ているのは、ウィズ魔道具店
と日本語で書かれたエプロン。現地人に読めるかどうかは謎である。
「この猫、レンが片付けたって言ってなかったか?」
「ええ、そのはずなんだけど……」
どうやら、1匹だけ残ってしまったみたい……と呟くレン。猫なのに鳥肌が立っている模様である。
「まあ、そういうことなので、店員をいじめないで下さい。あちしに手を出したら、店長が黙ってません」
なんか、相当強気だな、この生物。
「あ、志貴さん。いらっしゃいませ」
奥から、ウィズさんが出てくる。
「今日はどのようなものをお探しですか?」
「いや、俺が用があるってわけじゃなくて……」
「悪いウィズ、俺の用なんだ」
俺の後ろから顔を出すカズマ君。
「カズマ? 女神の私がいるのに、リッチーの店に来たっていうの? ふざけてるの? 死にたいの?」
カズマ君の後ろから顔を出す駄女神ことアクア。彼女、相当不服なようである。
「お前は黙ってろ。だから連れてきたくなかったんだ……」
頭を抱えるカズマ君。まあ、予想はできたことだ。いつもなら、留守番でもしていたのだろうが、どうやら男2人+1匹で美味しいものでも食べると思ったらしく、付いてきたらしい。
「そういえば、さつきとネロさんは?」
「あの二人なら商品の仕入れに行っていますよ。あと数日は帰らないと思います。私が行こうとしたのですが、止められちゃって……」
なるほど……あの二人がここの赤字を阻止しているということか……
「なになに? やっぱり、志貴ってあの吸血鬼のことが好きなの?」
やはり駄女神。変なところに食いついてくる。
「馬鹿なこと言うな。俺には決まった人間がいるんだ。おいそれと、他の子を好きになるわけがないだろう」
「ヒュー、言うわね。どっかのヒキニートとは大違いだわ。プークスクス」
何気にカズマ君を貶すアクア。
「お前は黙っとれ!! んで、ウィズ。本題だが、ウィズのスキルを教えて欲しいんだ」
「はあっ!? リッチーの店に来るだけじゃ飽き足らず、リッチーにスキルの教えを乞おうっての? この邪教徒め!!」
「うっせー! リッチーのスキルなんてめったに手に入るものじゃないんだからいいだろうが! んで、どうだウィズ?」
「私は構いませんけど、どんなものがいいですか?」
ウィズは悩むことなく承諾する。それでいいのか、リッチー。
「どんなのか……どんなスキルがあるんだ?」
「ええっと、相手を呪い殺したり、氷漬けにしたりでしょうか……?」
「色々ハードだな!? しかしそれは、志貴さんとレンで事足りるな。他にもっとソフトなのはないのか?」
口には出さないが、どういう意味だ? 後で問い詰める必要がありそうだ。
「それなら、ドレインタッチなんてどうでしょう? これは、標的から魔力や体力を奪って他人に分け与えることも出来るんです」
「お、それ良さそうだな。教えて欲しい」
どうやら、決定したらしい。
「ええっと、見せればいいんでしたよね? あの、志貴さん、手を貸してもらっても?」
「ん? ああ」
右手を差し出すと、ウィズは手を握る。
「ドレインタッチは、その名の通り相手との接触が必要です」
ほんの少しだけ、力が持っていかれる感覚がした。
「こんなところです。どうでしょう?」
「ばっちりだ! サンキュー、ウィズ」
ということで、カズマ君は無事スキルを入手。何事もなくてよかった。
「ウィズさん! クエストの依頼があるんですが!!」
一人の男が店に入ってきた。
これは、なにか厄介事が起こりそうである。