転生先は…光の線を描きもの   作:㐂眼翔

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ソ連の少年衛士









あの日は人生で忘れないぜ。

俺らを殺しにくるBETAに助けられるなんて。

俺が怯えて身体を震わせている間に終わっちまったんだから。

色々な体験してきたけどよ…

あれ以上の事は、この先は絶対に無いって断言できるね。

だってあれ以上の事ってなんだよ。

以外に優しく俺を守ってくれたアイツには感謝しているさ。

また会えたら…ど突いてやる!

ありがとうってな!


合わせる身体

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は、私にとって大切な日だ…。 敵対するBETAに対する兵器である戦術機、私はより強く早く性能が良い戦術機を開発する為に『XFJ計画』に参加した。

だが、どんなに良い戦術機を作ったとしてもBETAを葬る為の武器も無ければ…奴らの獲物に過ぎない。 ならば、突撃級の装甲すら貫く武器を作り上げればいい。

 

それが『試製99型電磁投射砲』だ。 長い時間をかけて日本帝国軍技術廠により試作された戦術機用装備なのだ。 強大な磁場を発生させるローレンツ力によって弾体を加速し発射するこの電磁投射砲は、極めて高い初速による貫通力に加え120mm砲弾を毎分800発の速度で連射が可能。

 

そんな装備を私はアラスカにあるユーコン基地に運ばせた。 そして装備が様々な話が上がり使われる時が来た。

XFJ計画でテストパイロットに選ばれたアメリカ合衆国陸軍戦技研部隊所属『ユウヤ・ブリッジス』少尉に託す事に。

彼には過去に辛い思いをしたのか、日本は余り良くは思っていない。 しかし、可笑しな話か日本で作られた装備を使わせるのは皮肉になってしまうのかとその時私は少し罪悪感を感じていた。

彼とは色々とぶつかる場面はあったが、今では少しずつとお互いを認めるほどになっていた。

 

ミリコヴァ地区、BETA上陸予測地点では作戦通りに我々と他国の隊で編成された戦力を配置に着く。

そして、コード991が発生。 BETAが襲来を知らせる警報、それが世界に電磁投射砲の性能を公に晒す瞬間だった…筈だった。

 

あの光線級が現れなければ。 だが、私は不思議と嬉しかった。 また光線級を見れたのだから。 今の世界での常識を覆した一体のBETAが、また1人また1人と命を掬い上げていた。

それが、世界と不思議な光線級との関係を決定づける瞬間でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

ミリコヴァに凄まじい数のBETAが、海から陸に上陸していく。 その際に待ち構えていた人類は、BETAに向けて攻撃を開始する。

戦術機をメインに、ヘリ・戦艦・戦車を使い戦闘が行われていた。 少し…少しずつと戦車や戦艦から放たれた砲弾はBETAを倒していく。

しかし、現実では理不尽な事が多くある事が普通である。 作戦通りに行かず、戦車の数は足りないのかBETAの進軍を許してしまっていた。 その為、控えていた戦術機達がBETAとの戦闘が始まった。

 

人類とBETAでの戦闘では、余りにもBETAの物量が大きく人類の被害は大きくなってしまう。 人間は感情を持っている為に、死に恐怖してしまうが為動きを止めてしまいBETAの餌食になってしまう。 逆にBETAは恐怖など知らずに、お構いなく襲いかかるのだ。 無情にも時間が過ぎる度に、犠牲者が無慈悲にも増えていく。

 

一機のソ連軍の戦術機が頭部を破損し、コックピットでのモニターは外の映像は切られ機体は倒され戦車級が群がっていた。

 

「ガチガチガチガチッ。 た…助けて、誰か! しっ死にたくない!! 嫌だー!!!」

 

ソ連軍に所属するまだ幼い少年の衛士は、短い走馬灯を眺めながら迫り来る死に怯えていた。

動かない横たわる戦術機に群がった戦車級は、コックピットの開口部分を持ち前の力で抉じ開けようとしていた。

 

ギギギギギギギギギッ

 

金属の嫌な音がコックピットの中を鳴り響く。 少年の衛士は身体を震わせ、この後に起きる惨状に失禁していた。そして…。

 

バガァッ

 

凄まじい音を鳴らし、コックピットの蓋は開けられてしまった。 少年の衛士は、歯をカタカタと鳴らし身体を震えコックピットの中を覗き込もうとする戦車級の姿を待った。

 

ヒョコッ

 

しかし、少年の前に現れたのは予想できていなかった物だった。

そこには身体は緑に染まって、大きな目を2つ持ち人類から制空権を奪ったBETAの光線級の姿が。

 

その後は、少年の衛士は語った。

 

『意味がわからない』と…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ふぅー。 長い月日を重ねて、今の今まで生きてきた…どうも、名無しこと私です。

様々な場所に歩き、海を渡り陸を横断して化物達を葬ってきましたな。 私に助けられた人間達は、全員とは言わないが恐れる者が9割。

せいぜい小さな子供が怯えず、好奇心で近寄ってきたのは私の心の癒しだった。

 

それにしても、人間達と化物達の戦いは長い。 一度私は化物達が湧いている所を見つけ出し、絶滅を図ったが…巣みたいに建てられたオブジェに近寄ろうとしたが頭が割れるかと思った。

化物と近くにいる時に私の頭に鳴り響く何かが、巨大なスピーカーや稲妻などでは比較にならないほど私の頭を蹂躙する。

 

『『『『『『『『『『『回収せよ』』』』』』』』』』』

 

余りの大きさに何重にも私の頭を鳴らし、気絶してしまったが巣に近くにいる限り頭が鳴り響く為に何回何十回と起きては気絶の繰り返し。

気が狂いそうになる中、正気を保ちその場を離れた。 金輪際、化物達の巣には近寄りたいと思わない。 私も化物であるが。

 

何はともあれ。

 

私は地球を一周したんじゃないかと言わんばかりの距離を歩いていると、奴らが近くにいる時の頭に鳴り響く物が発生した。

今は私は海底で歩いていると、陸に目指す化物達の大行進を見つけた。 奴らが陸に上がれば戦闘があるのが当たり前になっているのを私は学んだ。

 

なので、私は急いで奴らの後を追う。 水中では何も出来ない私は、少しでも前に進む為にバタ足で急いだ。

 

だから! 鮫、お前は邪魔!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漸く陸に上がれば、案の定と化物達と人間達が戦っていた。 そして私も人間の方に加勢に入る事に。

 

んっ? 何故、私が人間と一緒じゃないと奴らを倒さないのかって? それは効率良く奴らを倒せていけるのと…奴らは私だけで戦って疲れ果てて横になっていたら、今まで無視しているのを嘘だったんじゃないかと言わんばかりに群がってくるのだ。

あれには肝を冷やした。 人間達が味わっているに違いない恐怖に襲われたのだ。 大量にいる奴らが疲れ果てた私に向かってくる光景。

あんな恐怖は御免だ。 だから、私は私だけで戦わず人間達と戦かう事を決めたのだ。

 

今日も今日とて化物達にやられているロボットを加勢するように、奴らを葬っていく中で私は一機のロボットを見つけた。 頭部が破壊されてだけで倒れ赤いのに群がっているのを。

私は閃いて、ロボットに向かって走り出す。 そして、私は赤いのを蹴り飛ばしていきロボットの腹に乗った。 今このロボットが動けないのは、頭部が無い為に外が見えないから動けないと見た。 ならば、使う手は無い。

それにしても…戦場の少し離れた場所から変な違和感が身体を反応させる。 チラッとその方向を見ると、そこには白をベースにしたロボットが見えた。 何故か私はそのロボットに違和感を感じていたが、一度意識から外し目の前のロボットの胸部分を鍛え続けた脚で蹴り飛ばした。

見事コックピットの中を覗けるように破壊し、中を覗き込んだ。 そこには恐怖に染まった表情で震えた少年がいるではないか。 まぁ、大半は私の姿を見て怯えているのはわかる。

しかし、時間に猶予は無い! 前に私はこれと似たロボットで片腕が破損しただけの奴を操縦した事がある。 見た所、その時の奴と中身は変わらないのにホッとして私は少年を触手で丁重に掴み上げ…コックピットから出すと私は行動に移した。

 

ムニュ

 

コックピットの中に私の身体を後ろから入るだけ押し込んだ。

 

後は、入り込んだ触手を使い操縦する為の機器を操る。 一先ず、機体を起き上がらせてから宙ぶらりんの少年を固定する為に私の足に持っていく。 両足で輪っかを作るようにして、少年を挟み絶対に落とさず余り負担をかけないように頭にも触手を巻いた。

巧みにロボットを動かし、近くにあった銃を拾い上げる。

 

よしっ! では、私(わたくし)は戦場の華と成りに行きますか!!

 

人間が作ったロボットは空が飛べる。 ブースターを唸らせて、戦場をかけて奴らを手に持った銃で撃ち込んでいく。 おっ、仕込み武器もあるじゃないですか。 チェンソーのような小さな武器で近接戦闘も行う。

今私の足に挟まれた少年には悪いが、赤いのが少年に襲いかかろうと必死なる為に良い囮になるのだ。

 

カチン

 

おっと銃の弾が切れたのか。 近接戦闘だけでは後退している戦車達に援護出来ない…ならば!

私は少し機体を上昇させて、戦車を追いかける奴らにとっておきをお見舞いする。 機体の両手を私を庇うように丸めた後に胸を張らせる。

 

喰らえっ、ブレストフ◯イヤー!

 

私の必殺技と言っても過言でも無いビームを長く照射して、戦車を追いかける奴らを薙ぎ払った。 …少し疲れが来たのか、身体に違和感が。

だが、今の私はロボットが機動力なのだ。 少し無理に撃てるのがデカイ。 1番奴らの中で巨大な身体を持った化物に、ロボット達が苦戦しているのを見て再び使用する。

 

ブレスト◯ーン!!

 

ビームに調節を加え、威力を一点に細め切断力高めたビーム。 下から上になぞらせるように、巨大な化物相手に放つと縦一直線に切れて真っ二つにした。

ヤバイ…これ以上ビームを撃つには危険だ。 私は戦い方を変えてまだ増える化物達を倒していくと、不思議な事に気付いた。

 

ロボットや戦車達がある場所から離れていく。 それを見た私は周りを眺めると、先程違和感を感じたロボットの前にはロボット達や戦車達の姿が余り見られなかった。 余りとは半壊したロボットやキャタピラが破壊された戦車など。

違和感を感じるロボットに装備された武器に何かあると踏んだ私は、動けないロボットから銃を拝借して化物達を倒しながら一先ず動けない戦車達を移動させる事に。

それを見た他のロボット達が、私と同じように化物達と交戦しながら動けないロボットや戦車を移動させ始めた。

全てあのロボットの前から、味方の物を退かすと私の動かしているロボットとは色違いの奴が近くにいたので近づく。 何機かのロボットが、色違いのロボットを守るように陣形を固めた。 それを裂くように色違いが、逆に私の方に近づいて来た。

 

私は足に挟んでいた少年をロボットの手に乗せて、色違いに渡すように腕を伸ばした。

ここからは少年がいては危険の為に、今の内に渡しておくのが無難だろう。 色違いは外部スピーカーを使って何かを喋っていた。 だが、残念。

私には君達の言葉は理解出来ない。 だから、少年を受け取ってくれるまで動けない。 下手に動けば少年を落としてしまうのだから。

 

だが、他のロボットは私が色違いの返答が無いのを敵対しているように見えたのか武器を構える。

やめてくれよ…こっちは動けないし、少年を落としたくないのだ。

 

そんな気持ちが色違いに通じたのか、後ろにいるロボット達を止めるように片腕を上げた。

 

ふー。

 

そして色違いが少年を受け取ると私は、再び戦場に戻る。 私は今頭の鳴り具合を確かめながら、化物を集めるようにする。

ある程度、化物達を集めきって白のロボットに向けて目を光らせる。

 

ピカピカッピカッピカッピカピカピカピカッ

 

モールス信号のように一定のタイミングで目を光らせる。 気付いてくれるか? もう陸に上がっている化物で全部だと。

すると白のロボットは持っている装備を一度銃身を上に向けて再び構えた。

…理解したと見よう、私は素早く機体を動かして射線上から離れると身体が震えた。

 

ヴォンッ

 

ドオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ

 

私の後ろでは白のロボットから放たれた攻撃が爆音を鳴らし続けていた。 もしや…私は入らなかったのでは? あんな武器があれば化物達を殲滅するのも簡単だろう。 しかし、砲撃が終わった後の白のロボットから違和感が弱くなるのがわかった。 もしかして…あの攻撃は。

難しく考えていた私は、一度ロボットを地面に降りる。 もう私の頭には何も鳴り響く事が無いことに化物達がいないのを確信した。 ならば、私はお役ご免だ。 ロボットを拝借して遠くに行こうとすると、白のロボットより奥の方から頭に話しかけるような感覚に囚われた。

 

んっ? 誰かいるのか。

 

だが、その感覚は一度だけで私からの返答は無かった。 気の所為だと決めつけて、一体の赤いのを持ち上げて場を離れようとするが先程のロボット達が立ち塞がる。

私は気にせず、上昇させて飛び立とうとするが色違いがロボットの腕を掴み止める。

 

…しゃあない。

 

私は片目でビームを色違いの掴む手を焼いた。 驚く事に色違いは大人しくそのまま私を去るのをただ見ていたのだ。

 

まぁ、少年や他の人間を助けた代金として一機のロボットはもらう事に。 飛べる所までどっかに行きましょう。

 

身体に風を浴びても心地よく無かったが、気持ち的にはまた命が救えてよかったと心地よく思えた。

 

さて…何処に行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりあの『光線級』だ。 貴方には色々と本当に驚かしてくれる。

 

近いうちに…また出会うとは私は知らなかった。

 




どうも、ヨッピーです。

失礼ながら私はマブラブの設定を余り知らないで書いています。

変な所があるでしょうが…そこは見逃してください。m(._.)m

彼がルクスとして、作中でどんな動きを考えるのが楽しくて書いてます。

人とは敵対な存在で、奇妙な関係をこの先皆様に読んでほしいと思っています。

長い目で応援してくれるとありがたいです。

では、バーテンダー!ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( ̄◇ ̄)┘

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