転生先は…光の線を描きもの   作:㐂眼翔

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彼が…どう思っているのかは知らない。

彼が…動かす理由も知らない。

ただ彼は…自由で生きようと思っただけの奇妙なお話。


天文学的な確率のイレギュラー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界とは幾つあるのだろう。

 

AとBの世界。

 

表裏の世界。

 

時間軸の世界。

 

並行世界。

 

天文学的な数の世界が、この世には存在している。 それを管理する神がいるのかは…誰も知らない。

 

そんな数の中に、一つの世界である人間が過去に戻っては繰り返す世界があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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世界には歴史があり未来がある。 宇宙が誕生して、様々な新たな星が生まれては死に…凄まじい時間を経て広大な空間が広がっていく。

 

その工程を進んでいくのが過去になり歴史となり、未来に繋がっていく。 そんな中に将来、生物が生きていくに最適な星が誕生する。 その星は地球と呼ばれた。

 

地球には、生物として頂点に近いものが誕生した。 それは人間であり、動物を殺しては食べ自然の一部を削り文化を築いていた。

人間の歴史は殺し合いに奪い合いが当たり前だった。 血が血で洗い、増えては減るのを繰り返す。

そして、人間は動物や自然の一部を奪い絶滅や消し去る事を続けていた。

 

人間とは欲が強く、不合理な生物と言っても過言では無かった。

 

しかし、そんな中で世界は動いているのが確認できる事が起きる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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西暦1944年、その年にまた一つ歴史に残る争いが終わった。

同じ人間による争いで夥しい数の人間が死んだ。国と国が争い、大切な人や恋人など色々な人は戦いに巻き込まれては死んでいった。 涙、汗、血、尿、糞、様々な物を流しながら。 だが、時間が過ぎれば再び人間は増え始める。

 

1950年、戦争と言う争いが6年が経つと人間は戦いから未知の世界に興味を向ける。

 

1958年、人間は地球以外の星に目をつけていた。 その星は火星だった。 人間は衛星を作り上げており、米国調査衛星『ヴァイキング1号』を火星に到達させた。 人類にとって初めての他の星に調査を行った。

それが事の始まりだったのだろう。

 

衛星は火星に存在した生物らしき影を映しては、地球に映像データを送信した。 それを見た人間は、軌道上からの観測で火星には生物が存在すると確信した。

翌年には、火星に存在する『火星起源種』に関する調査に力を入れ始めた。 そして、特務機関『ディグニファイド12』が結成。

 

1966年、少しずつ人間への脅威が近づいてきていた。

特務機関である『ディグニファイド12』は改編・拡充。 地球外生命体とのコミュニケーションを行う為と目的とした対話計画である『オルタネイティブI』を開始した。

 

1967年、この年に人間は恐怖する。

国際恒久月面基地「プラトー1」にて地質調査チームが月面で火星で確認された生物と同種の存在を確認した。 それが本当の始まりだった。 人間は…その生命体とファーストコンタクトを取る事を図るが、コンタクトが取れず襲撃され月面に送られた調査隊は絶滅。

後に、その生命体を国連で『人類に敵対的な地球外起源種』と命名。 縮めて『BETA』。

 

1968年、『オルタネイティブI』は破棄となり新たに『オルタネイティブII』を開始された。

 

1973年、人類は地球にBETAの侵略を許す。 4月19日、中国にBETAを搭載したユニットが飛来。 そして初めてとして最初の巣である『ハイブ』が誕生。

それからが人類とBETAとの戦いが始まってしまった。 人間達は、幾多の手段を使って撃退を行うが…BETAの脅威により失敗。 そして、BETAには様々な個体が産み出されては人類は制空権を奪われてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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長い時間が過ぎる中、未だ人類とBETAは争いを止めない。 人間は、自分達の存亡をかけて戦いBETAは自然や命を奪っていく。

 

最早、人間は奪われる側になっていた。

 

しかし、この世界には『イレギュラー』が発生していた。

 

人類の敵である『BETA』には種類が確認されていた。

 

戦車級。(タンク級)

 

闘士級。(ウォリアー級)

 

要撃級。(グラップラー級)

 

突撃級。(デストロイヤー級)

 

光線級。(レーザー級)

 

要塞級。 (フォート級)

 

他にも確認されていないのか、まだ種類はいると思われている中で人類から制空権を奪った奴がいた。

それが光線級だった。

 

見た目は、どのBETAも生理的嫌悪感や本能的恐怖感を襲わせるが光線級は…巨大な目を持ち二本に繋がれたような管を通して毛のような生えた身体を持つが二足歩行であるが腕は存在しなかった。

脅威なのは、巨大な目から放たれる光線である。 対空戦闘や遠距離用に産み出されたと思われるBETAである。 この種の最大の特徴が「レーザー照射器官」である。 光線級から放たれるレーザーは大気や気象条件で威力の減衰が期待できない程の高出力を持ち、一度捕捉されたが最後、逃れる事は決して叶わないと言われている。

そして、同じBETAには誤射が無いときた。レーザー照射後には、再照射までエネルギーの充填時間があり、再照射に要する時間は光線級は12秒間。 有効射程距離は30km。

 

これほど脅威な光線級が、この世界に一粒のイレギュラーが誕生するのは誰も予想は出来なかったであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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天気は快晴、空が青く何処までも清々しく思わせる天候。 そんな日であるにも関わらず、人類とBETAは戦っていた。

 

パパパパパパッ

 

ザシャッ

 

ドシャッ

 

ゴガンッ

 

ドドドドドドドドドッ

 

溢れかえるBETA、進軍を迎え撃つ人類。 終わりが見えぬ戦いが繰り広げられていた。 夥しい数のBETAの死骸に血、ひしゃげたロボットや粉々に粉砕されたロボットなどが地面一杯に広がっていた。

 

『くそっ!』

 

『増援はまだか!! このままでは…』

 

『いやぁぁぁっ!!』

 

『助けてくれー!!』

 

『ぎゃあああああぁぁ……』

 

人類がBETAと戦う為に造られたロボット『戦術機』。 それに乗る人間達は、戦術機同士の通信が行き交っていた。

 

『ちくしょう…ここまでなのかよ。 BETAには勝てないのか、俺たち『バァン』…』

 

また一つ通信が切れていく。 対抗する戦術機と迫り来るBETAの数が違いすぎて、人類は押されていた。

 

そんな戦場に一体の要塞級がBETA側の後方に存在していた。

 

要塞級、地球上で確認されている最大規模のBETAである。外殻は堅く持久力もあり、見た目は足が10本あり目も口も確認出来ない頭に蜂のような尾を持っている。

しかし、要塞級は身体の仕組み的に機動力が無いが尾節には約50mもの触手が収納されており、この触手の先端は外見が気持ち悪いだけでは無い。

 

何かに触れると強酸性溶解液が分泌されるという恐ろしい特性を併せ持つ。 この衝角もまたダイヤモンド以上に硬く、その巨体に似合わぬ器用さでこれを振り回してくる。 また、胎内に収納機能があり、光線級ならば6匹は収納されているらしい。

 

その要塞級が一匹の光線級を産み出していた。

 

産み出された光線級は、立ち上がると他の光線級には無かった動きを見せる。

突然、周りをキョロキョロと見回し自分の身体を眺めていた。 そして光線級は、歩き初めて戦場から離れていく。 この時は人類もBETAも、この光線級の存在には気づかないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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時は1998年、争いは終わっておらずBETAは北九州を上陸する。

 

「BETA先頭集団、朝鮮半島南端より対馬海峡に入水! なお、後続多数!」

 

環境など気にせず進軍するBETA達を、海から攻める敵を撃退を試みる軍隊。 だが、戦車や戦艦などでは太刀打ちが出来ないでいた。 戦艦に乗る搭乗員達は、連絡を回し敵の動きを把握する。 しかし、把握するだけではBETAは止まらない。

日本は少しずつBETAに侵略されていく。

 

7月31日。

京都嵐山仮説補給基地。

 

「舞鶴西方6km地点にて第22機動偵察隊が、BETA第3集団B軍と接触…交戦を開始!」

 

「福知山付近でも交戦を確認。 交戦地点なおも増加中!」

 

京都最終防衛戦、時間が経つ度に進んでくるBETA。人間は無条件に選択肢を選ぶ事に、戦うか…諦めて死を待つか。

選んだ選択肢…。

 

ビィービィービィー

 

鳴り響く警報音。 京都嵐山仮説補給基地では大人が少女達に命令を送る。

 

「貴様らの任務は、この補給基地の死守にある! 実戦経験の無い…ましてや教練も満足に終えていない貴様たち学生が前に出ても正規部隊の足手纏いになるだけだ!!」

 

整列された少女達に、怒鳴り上げるように叫ぶ上官と思われる女性。 戦闘が近いと感じているのか、緊迫とした空気が流れていた。

 

「今はここを守る事だけを考えろ!!」

 

「「「「「はいっ!!!」」」」」

 

様々な思いを込めて、少女達は戦術機に搭乗してブースターを唸らせて戦場に向かう。

 

『第2小隊は突撃級の殲滅』

 

『第2小隊、了解!』

 

『第3小隊は要撃級を各個撃破しつつ、光線級の殲滅を最優先とする』

 

『第3小隊、了解!』

 

通信が飛び交う戦術機の中で、少女達は前方から向かってくるBETAを見て気を引き締める。

 

『迎撃シフト、アローヘッドワン! 全機、兵器使用自由!! 行くぞ!!』

 

そして戦闘が開始される。 何体か戦術機がBETAを倒すが、一体…また一体と戦術機は撃墜されていく。 そして、戦術機のメインである突撃銃も弾が徐々に消費されてパイロットの気力も削られ行った。

 

事態は最悪の方向に進む。 嵐山補給基地はBETAの侵略により陥没。 それによる残った小隊は後退をする事に。

 

彼女達が後退する中、一匹の光線級は市街地を歩いていた。 それは何かを探しているように…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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最早、京都はBETAによって侵略されていた。 そんな中、三体の戦術機は色んなものを置いて逃げていた。 共に学んだ者達、それを教える教官などを。

逃げている最中に三機の中で、黄色の戦術機が墜落する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……つっ」

 

黄色の戦術機に搭乗していた少女は、墜落した衝撃で気を失っていたが痛みより気を取り戻す。

 

「……」

 

優しそうな目にショートヘアーで殆ど男性なら美少女と言っても良いほどの顔付き。 そんな可愛らしい少女の名前は篁 唯依。 彼女は人類の敵であるBETAを殲滅する為に軍入り戦術機の訓練などを行なっていた。

しかし、BETAを倒す為の戦術機は大破してしまっている。 その為に機体から脱出する。

 

バンッ

 

スタッ

 

コックピットから出た唯依は、ボロボロになった戦術機を見上げる。

 

「瑞鶴…よくもってくれたけど、ここまでか」

 

最後の武器である拳銃を持って唯依は、戦術機から離れていく。 その近くには、唯依には聞こえていなかった物音がなっていた。

 

 

 

 

唯依は戦術機から離れてから、夜の暗闇の中で残りの仲間を探す為に戦術機が落ちたと思われる場所に足を進める。

 

「山城さん、和泉。 聞こえていたら応答して」

 

パイロットスーツに搭載された無線機を繋げて、他の2人に連絡を取ろうとするが繋がらないでいた。 少し歩いているとライトで照らしていた先に、光が反射した物を唯依は見つけて拾い上げる。

 

「これは和泉の…」

 

拾った物は、唯依の仲間である少女と男子が写された写真が入ったペンダントだった。 そして、近くには横たわる仲間の戦術機を発見する。

唯依は戦術機のコックピットを確認するが、誰もいなかった。

 

「何処に言ったんだろ…」

 

ドシャッ

 

再び探し始める唯依。 建物の大きく開かれた場所に出ようとする瞬間、目の前に戦術機の装甲の一部が飛んでくる。

 

「!!!」

 

装甲が飛んできた方に目を向けると、座り込む戦術機の中には仲間の姿があった。 最悪の事に、コックピットが丸見えの状態で群がるBETA。

 

群がっているBETAは、『戦車級』。

身体は赤く染まっており大きさは軍用トラック程。 頭には複眼の様な物があり6本の足と腕が2本。 そして、強靭の顎が胴体にあった。

 

戦車級が戦術機に群がって、中にいる人間を食う為に狙い定めていた。

戦術機の中にいる仲間は髪はロングで少しツリ目な少女山城 上総、コックピットの中で座っていた。 頭と右腕から出血しているのが見えており、少女は逃げられないのが分かっているのか冷静だった。

 

「山城さん!!!」

 

『…お願い…』

 

通信機から山城の声が聞こえてくる。

 

『私を…撃って……。 コイツらに…食われる前に…!』

 

唯依は震えながら両手に持った拳銃を上げていく。 山城は最後の力を絞って、唯依に大声で叫ぶ。

 

「…撃ってよーー!!! 唯依ィィーーーー!!!!」

 

「…………!!!」

 

唯依は…彼女、山城の叫びと共に彼女自身も泣き叫ぶ。

 

ダンッダンッダンッ

 

「うああぁぁーー!! 山城さんから離れろーーーーー!!! BETAーーッ!!!!」

 

カチン

 

撃ち出された弾は、山城の頼みとは違い戦車級に当たるが全く効かず…拳銃の弾を撃ち切る。

それが分かっていたのか、山城は少し笑いながら涙を流した。

 

『…あなたにだけは、カッコ悪いところ…見られたくなかっ…』

 

山城が話してる最中、一匹の戦車級が彼女を掴もうと腕を上げた。 それを見た唯依はもう一度叫ぶ。

 

「やめてーー!!!」

 

 

 

 

 

 

ズサーーーッ

 

すると唯依の目の前には、突然現れた物に驚く。 そこには先程唯依が拾ったペンダントに写っていたツインテールの少女能登 和泉の姿があった。 そして、眠ってると思われる能登は唯依の方に投げ出されていた。

 

「えっ!? きゃっ!!」

 

何とか抱きしめてキャッチするが、視線を上げた瞬間…唯依は怯え始める。 そこには間近で見るハエトリグモの単眼の様な大きな目、人類から制空権を奪った光線級の姿があった。

歯をカチカチと鳴らし怯えてる中、唯依の前に立つ光線級は振り返り山城の方を見ていた。

 

『……』

 

山城もいきなり事態に言葉も出なかった。 戦車級も突然の光線級の登場に、山城を掴もうとする手が止まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、唯依と山城は目を疑う光景を目の当たりにする。

 

光線級は、少し膝を曲げて踵を上げた瞬間に素早く踵を地面を叩く。 すると光線級は走り出しては、山城が乗る戦術機にかけ上がっていく。

コックピットまでの高さまで上がると、光線級は山城を掴もうとしていた戦車級を蹴り飛ばした。

 

メキャッ

 

戦車級の身体は、光線級の凄まじい蹴りで陥没して吹き飛んだ。 光線級は、止まらずに他の戦車級も蹴り飛ばしていく。 蹴られた戦車級は絶命してしまったのか、全く動かなくなっていた。

それを唖然と眺めていた2人は、動けないでいた。 それもその筈、光線級はBETA。 人類の敵、種類は違くても光線級と戦車級は仲間。 それが目の前で暴れる光線級は…まるで人を助けようとしか見えないのだから。

 

(な…なんで)

 

そんな事を考えていると、光線級は一通り戦車級を蹴り飛ばすとコックピットの方に近づく。

山城は覗き込む光線級に怯える。 当たり前の話だが、彼女は戦術機越しで遠距離でしか見た事が無いのに光線級が間近にいるのだ。 恐怖で身体を震わせて、目の前のBETAが何をするのかが予想がつかない為により一層と恐怖に駆られる。

そんな事もお構いなく、光線級は背中を山城に向けてコックピットに近づく。

 

「い…いや……何する気…?」

 

光線級は背中の臀部のような所を、少し入れると毛のような物が触手となっていて山城を自分の所に何本か操り光線級の背中に椅子でも座らせるようにした。

負傷と恐怖により動けないでいた山城は、人形のように思うがままにされていた。 そして山城を自分の身体に触手で優しく固定すると戦術機から降りてくる。

 

唯依はそんな光景を眺めていると、光線級は戦術機から降りてきて唯依の方に近づいていく。 唯依は意識の無い能登を抱きしめながら、光線級の動きに警戒した。

光線級は、唯依の目の前に立つと突然後ろを向き中腰になり背中の山城を触手を使い、唯依に近くに降ろした。

 

「「……」」

 

降ろされた山城と唯依は、言葉に出来ずにいた。 2人は少しずつ、冷静さを取り戻していくと目の前にいる光線級は他の光線級と少し違うのが確認とれた。

彼女達が見ている光線級は、足が人間に近いが身体に合わない細く指が2本しかないのだ。 しかし、この光線級は競技者や格闘技者の様な筋肉美がある脚だった。 人間のように指は5本あった。 だが、残念なのが光線級の肌は緑色の為に気味の悪さが際立てた。

 

そんな光線級は、山城を降ろすと立ち上がり他の残った戦車級に襲いかかる。 自分より大きな相手を、軽々と蹴り戦車級を葬っていく。

誰が想像できるだろう…彼女達を助けた光線級が、アスリートのように軽やかに動き回り有段者のような蹴りを放つなど。 ましてや、光線級の最大の武器であるレーザーを上手く使いこなし薙ぎ払うように照射しているのだ。

 

今は彼女達の味方に見えるが、こんな光線級が敵に回られたら厄介な相手では無く…人類は最早白旗を上げしかないだろう。

光線級の習性であるレーザーを撃つ際に硬直が、あの光線級には無く動き回りながら放つのだから。

 

何秒何十秒何分が経ったのか、2人には分からないが…やがて彼女達の前には光線級以外の生きてるBETAは存在しなかった。

光線級は座り込む3人少女の周りで、他のBETAが彼女達を襲いかかる中で守り続けたのだ。 やっと自分達の襲いかかる脅威が無くなり、少し余裕が持てた唯依は自分達を助けた光線級に話しかける。 コミュニケーションが取れるかは分かんないでいたが…。

 

「アナタは…一体」

 

声をかけられた光線級は、唯依の方に身体を向ける。 そしてお互い目を合わせて数秒が過ぎると光線級は、不思議な行動をとる。

 

少し唯依達から離れて、その場でクルリと片足を軸にしてターンを決めて唯依達の方に正面にすると足を自分の身体の幅より広げて胸?首?と思われる管のような部位を胸を張るように主張する。

 

シャキーン

 

何処と無く…そんな効果音がなりそうなポーズを光線級はとった。 少し身体を後ろに反らし、どうよ?と言わんばかりの仁王立ち。

 

これには再び彼女達の思考を止めさせた。

そんな時、光線級は仁王立ちのポーズから目を上に向けた瞬間横に飛び跳ねた。

 

ドオッ

 

先程光線級が立っていた場所に一つの銃弾が撃ち込まれた。 その爆風に唯依と山城は身体を丸めて、吹き飛ばされないようにしていた。

 

コオオオオオオッ

 

彼女達の頭上から、建物の中に入ってくる青い戦術機が舞い降りた。

青い戦術機は光線級に顔を向けると、所持していた突撃銃で光線級に向けて発砲する。

 

タタタタタタタッ

 

しかし、光線級には当たらなかった。 軽やかに躱し、その場から逃げる様に爽快な走りを見せて光線級は居なくなった。

 

そして、2人の少女は緊張の糸が切れたのか意識を手放してしまった。

 

それから1カ月間の攻防の果てに、京の都はBETAに蹂躙され陥落したのであった。

 

その日を境に軍の中で、一つの噂が上がっていた。

 

『光線級にも関わらずに人間を助ける個体がいる』

 

『他の光線級とは違う性能を持った光線級』

 

『筋肉美の美脚を持った光線級』

 

『助けた人間の前で不思議なポーズをとる光線級』

 

など、色々な噂が挙げられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京都が陥落してから3年が過ぎ、私は戦術機の開発に力を入れていた。 少しでも多くのBETAを倒せる強く性能が良い戦術機を開発する為に…。 そうすれば、あの子達も死ぬ事は無かったのに。

 

あの日に生き残ったのが、私と和泉と山城さんだけだった。 今でも思う…あの光線級はなんだったのか。 何故敵である私達を他のBETAから守ったのか、未だに解らないでいた。

 

だけど、怨敵であるBETAであるが貴方だけには一度お礼が言いたいものだった。

 

基地の建物の屋上で、長くなった髪が風に煽られながら目の前に広がる土地を眺めながら私はもう一度会いたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

3人の少女を助けた光線級は、また違う場所での戦場で敵である人間を他のBETAから守っていた。

 

シャキーン

 

あの時2人に見せた仁王立ちのポーズを助けた人間に見せながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、ヨッピーです。m(__)m

私の他作品を見て知ってる方、初めての方にも感謝を。

前はある程度投稿していましたが、仕事の関係により殆どが失踪したような感じになっていたとおもいます。

色々と問題を抱えながらも、この作品を作り上げました。

私の他作品の投稿を待ってくれている人は大変申し訳ありませんでした。

ヨッピーは、生きています。

近い内に、また投稿していきたいと思います。

そして今回のオリ主は、光線級として転生。

彼の決めポーズは、スーパー○ァミコンからの魂○のLRの同時押しのポーズからとりました。

昔、友人と最大難易度を丸一日かけてクリアした思い出のゲームでした。

そんなポーズを、BETAの中で好きな光線級にとらせたいと言う理由で書き上げましたw

では、またいつかサラダバー!

ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( ̄◇ ̄)┘


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