魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい   作:ちあさ

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注意:捏造設定満載です。

今回の語り部は戦闘民族高町家のお父さん、高町士郎です。

一人称とかも完全捏造なのでとらハファンの方怒らないんでね。

ちなみにとらいあんぐるハートシリーズは1作目が一番好きで、出た当初は猿のように何度も繰り返しやってました。



やべぇ年がバレる。





もうひとつの英雄伝説

ソードアート・オンラインについて改めて考察してみる。

 

 

 

このゲームの世界では割り振られたステータスと取得したスキルに応じて現実世界では出来ないような身のこなしや戦闘が可能になっている。

 

 

STR(筋力)を上げればより重いものを持ちあげる事が可能になる。

さらに武器攻撃やソードスキルなどの威力が上がる。

 

VIT(耐久)を上げればよりHPが上がり頑丈になる。

攻撃を受けた際の衝撃も減らすことができる。

 

AGI(敏捷)を上げればより素早く動く事が可能になる。

足の速さだけではなく、武器を振る速さも関係してくる。

 

DEX(器用)を上げればより細やかで正確な動作が可能になる。

武器で攻撃する際や、投擲をする際に狙った場所へと当てることができる。

 

LUK()を上げればより幸運になる。

これは敵を倒した際のドロップアイテムの確立、そして索敵や隠密、料理や鍛冶などのスキルを使用した際の成功率や失敗率に関係する。

ただし、スキル熟練度の方がより優先されるので、よほど特化したい場合以外は無視してもいい。

 

これらのステータスによって肉体的な能力が決定され、

身体を使う動作はこのステータスによって制限されている。

 

 

 

そして実際の戦闘や補助的な行動はスキルというものを取得し、自身のスキルスロットへと装備することで使用可能になる。

例えば、片手剣を使って戦闘したり、ソードスキルを使いたいならば【片手剣】スキルを装備する。

これを装備しないで片手剣を使ってもまともにダメージを与えることは難しい。

 

 

【索敵】や【隠密】なども同様に、装備してそのスキルを発動させることにより敵の位置を探ったり、敵から身を隠すことが可能になる。

スキルを使用せずに隠れても、足音や草木への接触で音が鳴りすぐ見つかってしまうだろう。

 

 

他には特殊な【料理】や【鍛冶】などの職人スキルだ。

これは実際に料理の仕方や鍛冶のやり方をリアルで知っていてもスキルがないと全部失敗するようになっている。

 

職人スキルが"特殊"とした理由。

それは実は職人スキル以外のスキルはあくまで"補助的"なものであるからだ。

 

 

この世界は実によく出来ている。

まるでもう一つのリアルのように。

リアルで出来る事はこの世界ではほとんど再現可能なのだ。

 

 

例えば先ほど片手剣の戦闘を行うには【片手剣】スキルを装備すると言ったが、

実はそんなことをしなくても片手剣での戦闘は可能だ。

もちろんスキルがないとソードスキルは使用できない。

だが、ソードスキルを使用さえしなければ、スキルが無くても攻撃できる。

スキルなしで攻撃してもダメージが与えられないのは、片手剣の正しい使い方を知らないからである。

 

 

もし、普通の人がリアルで剣を渡されたとして、イノシシを倒せるか。

はっきり言って無理だろう。

剣というのはただ振ればいいだけではない。

ちゃんとした持ち方、振り方、体重移動から刃の使い方。

これらがしっかりしていないと、斬ることはできず、単なる鉄のこん棒と変わらなくなってしまう。

だが、剣道などの竹刀ではなく、真剣で相手を斬ることを練習、もしくは実践している人なら、

中世の剣と普段使っている剣の違いで多少の戸惑いはあるだろうが、すぐ使いこなせるようになるだろう。

 

 

つまり、"スキル"とはリアルで経験したことがない人でもスムーズに使用できるようにシステムが補助するためにあるのだ。

そしてソードスキルとは、あらかじめ決められた動作を素早く自動的に行い、威力に補正をかけ、派手なエフェクトを付加したものである。

なので、スキルが無くてもその速度を出すのに必要なAGIさえ満たしていれば、自力でソードスキルを再現することが可能だ。

ただし、ソードスキルとして発動した際の威力補正がなく、エフェクトもないので派手さにはかけるであろうが。

だが、その反面、ソードスキルのデメリットである途中で行動をキャンセルできないこと、発動後にソードスキルごとに設定された硬直時間があること、これらが自力ソードスキルには存在しないのである。

まぁ、威力補正がないのならあえてあんな隙だらけな技を使おうとは思わないが。

 

 

【索敵】もスキルとして使用すれば自動でできるだけで、そんなものを使用しなくてもリアルで常に敵の気配などを察知することができるのであれば可能である。

いや逆にリアルよりもこの世界のほうが気配を掴むのは容易である。

リアルでは雑多なノイズが多すぎるからだ。

空気の流れ、常になる様々な音、大小さまざまな生物に多種多様な匂い。

この世界ではそれらはスペック的に省かれているため、よりシンプルに音と振動を探知すればいい。

そしてそれ以外にもこうなにやら感じる気配、おそらくキャラクターやモンスターに設定されているデータ量が読み込まれる際にでるほんのわずかなラグ。

注意深く探ればこれを感じられるようになる。

 

『より強いキャラクターやモンスターはより大きい数値のステータスや多くのスキルを保有しているから、その分データ量が多くなり、より顕著にラグが感じられるね。

そのラグがプレッシャーとして生存本能を刺激して、ボスモンスターやより強いプレイヤーと相対したときにプレイヤーたちがひるんでしまう原因になってるんじゃないかな』

 

娘のなのははそう推測していた。

 

 

【隠密】スキルは移動の際の音や振動を軽減させるだけではなく、それらのデータを圧縮してラグを少なくしているのではないか。

これも娘の推測である。

 

 

故に、これらのラグをより感じやすくするために、心を無にして瞑想するといい。

そう指摘され、実際に行ってみると、データのラグというものを感じ取れるようになってきた。

これを【システム外スキル】と娘が名付けていた。

 

 

次にはステータスについて。

 

 

LUKという検証が難しいステータスは別として、実はあまり理解されていないのがAGIというステータスだ。

これは足が速くなる、動作が速くなると理解されている。

実際そうである。

だが、どれだけ早くなるのかというのは上位のプレイヤーにも理解されていないことが多い。

AGI特化型と言っていた情報屋『鼠のアルゴ』に最高速で走ってくれと依頼した際、彼女は実に素早く時速30キロほどの速度をだした。

だが、彼女よりAGIの低い僕はそれよりも早く動くことができる。

これは恐らく脳による制限であろう。

人間はこれだけ早く動ける。つまり、これより早く人間は動けない。

そういう思い込みがあるのだ。

実際30キロというのは原付並みの速度だ、一般人だとこれに追いつくなんて考えない。

だが、100m走のオリンピック選手は9秒台で走る。

これは時速40キロ近くあるのだ。

それに裏社会ではもっと短い距離ならそれよりも早く動く人間をもっと見てきている。

実際、僕も奥義である"神速"を使えば時速100キロ程で動作可能だ。

改めて言おう、この世界はリアルでできることは再現が可能だ。

AGIを比較的多めに振っている僕は、神速最高速度の100キロは再現できなかったが、80キロ近い速度で移動ができた。

これからのAGIへと振っていけばいずれ100キロを超え、それより更に早く動けるようになるだろう。

しかもスタミナや肉体への負荷という要素がないこの世界では、その速度が永続可能なのだ。

 

 

恐らくこのステータスを設定した茅場は僕たちのような脳のリミットを外せる人間を想定していなかったのだろう。

武器を振る速度はソードスキルがあるために、脳がこれならできると学習し、動きを速めれるが、

身体全体がそうだということまで理解しているプレイヤーはまだ少数であろう。

A-01の人たちは僕が指摘して初めて気づいていた。

彼女らは連携や身のこなしから軍属なのであろうが、それゆえに自分のできる動作というのを熟知しすぎていて盲点になっていたのだろう。

そして、僕が指摘するよりも前から理解していたのがナイトハルト君とキリト君、アスナ君である。

ナイトハルト君は出会ったころからより効率的に最適化された動作をしていた。

彼は妄想力なら誰にも負けないと言っていた。

娘によると彼の事を伝説のネットゲーマーであるそうだし、そして裏社会では最強のギガロマニアックス能力者であり、

300人委員会に敵対する組織『ワルキューレ』の一員としても知られている人物だ。

ならば強くても理解ができた。

 

 

だけど、キリト君とアスナ君は一般人らしい。

キリト君を見かけたのはゲーム開始初日の事だ。

茅場の演説の後、混乱する始まりの街を素早く抜け出した僕と家族は森の中へと爆走しながら敵を倒す彼を見た。

当時はそんなにレベルが高くないだろうに、なぜあそこまで早く動けるのか。

これがAGIに疑問を抱く最初の切っ掛けであった。

そしてその後片手直剣『アニール・ブレード』を取得するクエストで森の中で一人猛烈な勢いで敵を狩る彼を見かけてその戦闘ぶりに感心していた。

なので迷宮区入り口で出会った際に同行させる気になったのだ。

アスナ君はその後、迷宮区内の安全地帯で発見し、ボス部屋に辿り着く間に観察していたが、

彼女もまた一般的な常識を超えた動きをしていたので、このまま連れて行っても大丈夫と判断したのだ。

その判断は正しく、レベルが足りないであろうに取り巻き相手によく奮闘していた。

彼らならこのまま経験を積んでいけば強くなるであろう、そう確信させる働きだった。

まぁその後アクティベートを頼んだ結果、英雄にさせてしまったのは少しは悪いと思っているがね。

それでもキリト君とアスナ君はまだ一般人の領域だった。

 

 

このゲームでは意外に裏社会に名の通っている人間が多い。

鉄腕組などその筆頭であろう。

まさか弟の雅次がこんなゲームをやるなんて思っていなかったが。

その裏社会の人間が対人で強いのは理解できる。

ステータスがある程度あればリアルの動きが再現できるのだから。

 

 

ただ、裏社会の人間以外にも化け物がいるなんてね。

本当に想定外の事ってのはあるものだ。

 

 

さて、ここらで脳内考察を終えて、今差し迫った現実に思考を戻そう。

 

 

+++++

 

 

 

「俺はササマルだ」

 

 

今、僕の前に立つ少年。

僕は今日、ボス討伐のためにキリト君を迎えに11層へとやってきた。

転移門を抜けて街を出て、キリト君が滞在している村に行こうとしたとき少年が現れた。

僕の前に立つこの少年は化け物だ。

ササマルと名乗る少年は剣を無造作に持って何気なく立っているだけ。

だが、下手に動けば次の瞬間には僕は斬り殺されているだろう。

見た感じではキリト君とほぼ同じぐらいの少年だ。

なのに彼の気配は熟練の剣士のそれだ。

剣術などを習っているわけではなく我流なのだろう、無造作な構え。

だがそこに隙は全く感じられなかった。

 

 

「キリトさんはとても疲れていてね。少し休養が必要だと思うんだよ」

 

 

彼の雰囲気からは濃密な血の匂いがする。

けっして道場で鍛えられた剣ではない。

彼の剣は実践で鍛えられた剣。

幾多の血と命を吸って鍛え上げられた魔剣だ。

彼を退けてキリト君を連れていくなら、御神流の剣術全てを使い、本気で彼を殺す気で戦わねばならないであろう。

 

 

「まさか、君ほどの実力者がいるなんてね。世界ってのは広いね」

 

「俺は仲間と違って剣を振るしか能がないからな。で?どうする?」

 

「やめておくよ、いくら死は覚悟しているって言ってもこんなところで死ぬのは流石に無意味すぎるからね」

 

 

このゲームで死ねば現実でも死ぬ。

そんなのは全く気にならない。

現実でも命を懸けた斬りあいなんてのは何度も経験しているから、このゲームもリアルも違いなんてないから。

だけど、無意味に死にたいってわけじゃない。

まだまだ愛しい奥さんや可愛い娘と一緒にいたいし、あの朴念仁なバカ息子の結婚式っていうレアなものがリアルに戻れば見れるんだしね。

僕は彼の気が変わる前にすたこらさっさと逃げさせてもらった。

 

 

でもあの若さであの強さ。

リアルに戻って成長していけば、一体どれぐらいの強さになるか。

彼がこのまま実践を積んでいけば、幕末の伝説の剣客『魔法少女殺しの姫斬り抜刀斎』の領域にまで至れるかもしれない。

弟に負けた後、死ぬ気で鍛えなおしてみたけどやっぱり上には上がいる。

最強の御神流を名乗っている身としてはまだまだ現役は引退できそうにないな。

本当に人生ってのは面白ね。

 

 

 

 

『魔法少女殺しの姫斬り抜刀斎』…幕末に活躍した伝説の剣客。

幕末、討幕軍は江戸幕府お抱えの魔法少女部隊(当時は『妖姫(あやかしひめ)』と呼称されていた)に苦戦していた。

抜刀斎という剣客はその討幕軍に加わり、幕府の魔法少女を執拗に狙って斬って斬って斬りまくった変態。

明治時代以降は討幕側の魔法少女も関係なく斬りはじめ、のちに北海道に渡っても斬り続け、それにも飽き足らず中国大陸にまで渡って老衰で死ぬまで斬り続けたまさしく変態。

『姫斬り抜刀斎』の異名は当時の魔法少女世界を震え上がらせた。

彼の使っていた刀は1000人を超える魔法少女の血を吸ったことにより、魔法少女に対する致命的な概念武装へと進化を遂げ、紆余曲折を経て鉄腕組の台所にあったりなかったり。

口癖は『働きたくないでござる』

 




こういう設定とか考えるのって結構面白いですよね。

脳汁垂れ流しながらスルスルかけました。

今日は19時に黒豹団の方も更新します。

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