魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい   作:ちあさ

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今回の話はサブタイトルが先に決まってました。


前々回の話の時にサブタイトルを探していた際に、今回のサブタイトルを見つけ、
「何これ超使いたい!」となってしまい、
そのサブタイトルを使うにあたってどういう話を書こうかとなった結果、
今回の不可思議な話が出来上がりました。


なので原作キャラのファンの人に謝ります。


トンデモナイことになっていると。


まぁしょうがないね、作者の頭がちょっとアレなので。




きらきら道中~僕がダンサーになった理由~

ゲーム開始から3ヶ月程のある日。

低層の森の中。

 

 

 

PoHは男2人と女1人のパーティを見付けて密かに後をつけていました。

数時間ほど彼らの会話を聞いていましたが、どうやらこの3人密かに痴情がもつれかけているようです。

名前が分からないので『エイジ』『ビイタ』『シイコ』と仮名をつけて得意のプロファイリングで人間関係を整理してみました。

 

 

 

『エイジ』と『ビイタ』は小さい頃からのリアルからの幼馴染で仲が良く、

シイコはゲームが始まった当時に彼らと知り合い3人一緒に行動するようになりました。

 

『ビイタ』はどうやら可憐で女らしい『シイコ』が好きでたまらなく常に気にかけている様子で、イケメンである『エイジ』を密かにライバル視しています。

だが『シイコ』は面食いでイケメンな『エイジ』が好きなようで、それが理由で彼らと行動するようになったものの『エイジ』と仲がいい『ビイタ』が邪魔なようです。

そして『エイジ』はどうやらゴリラ顔の筋肉質な『ビイタ』が好きな同性愛者で、『ビイタ』に好意を寄せられている『シイコ』の事を妬ましく思っているのです。

 

 

 

まさに完璧なまでのトライアングル。

これはほんの少し焚きつけるだけでお互い殺し殺される素敵なパーティへと変貌するだろう。

是非とも隙を見つけて近づいて煽らねば。

そう思っていた隠れていたPoH。

 

 

 

 

 

そんな彼へ誰かから声がかけられます。

 

 

 

 

 

 

「真実はいつも一つ…」

 

「じっちゃんの名に懸けて…」

 

 

 

 

 

 

小学生ぐらいの眼鏡をかけた男の子と高校生ぐらいのぼさぼさ髪の男がPoHの背後にいて、

ボソボソとPoHの耳元で囁いてきます。

 

 

 

「また会ったね」

 

「今度は一緒に解決するか?」

 

2人はニタリと嗤いながらPoHへ声をかけてきます。

 

 

 

そう、この2人と会うのは初めてではありません。

今回と同じように、ちょっと煽れば刃傷沙汰になりそうな危ういパーティを見つけては、

さぁどうしてやろうかと考えていると、

いつの間にか彼らが後ろにいて同じセリフをボソボソと繰り返しているのです。

一体どんな怪奇現象なのでしょう。

 

 

 

そんな彼らは行動を起こそうとしないPoHをニヤニヤと嗤いながら、

 

 

PoHの背後から左右の肩へそれぞれ手をかけ、

 

 

「「別に君が真犯人でもいいんだよ」」

 

 

PoHの顔を肩越しに覗きこんできました。

 

 

 

森の木陰の為に暗くなっている中で、見開かれて爛々と輝く目と三日月のような笑みを作る口だけが浮き上がってよく見えます。

 

 

「ヒギッ」

 

 

思わず喉から悲鳴が出そうになるのをなんとか堪え、転びそうになりながら必死で這ってPoHは逃げ出すのでした。

 

 

 

「チキンだね…」

 

「冷やかしかよ…」

 

 

 

そんな侮蔑の言葉をかけられ、PoHのメンタルは既にボロボロになっていました。

だがそれも仕方がないことなのかもしれません。

あの2人はこのゲームの中ではかなりの有名人なのです。

 

 

 

眼鏡の少年はプレイヤー名コナン。

ぼさぼさ髪の男はプレイヤー名キンダイチ。

 

 

 

共にこのゲーム内では死神扱いされていました。

 

 

 

現在、ゲーム開始直後の騒ぎで死んだ数人以降、未だに死者は100人を超えていません。

何しろモンスターとの戦闘で死ぬような手緩い人生を送ってきた一般人は少ないのですし、

戦えないからといって自殺するほどこのゲーム世界を悲観している人もいません。。

魔法少女に魔術師や妖怪、悪霊、ゴジラから秘密結社ショッカーまで数多の不思議がまかり通るこの世界の日本、

例え戦うことが出来ない何の力もない一般人でもメンタルだけは一級品なのです。

朝起きたら隣の市が物理的に消滅していたなんてことが起こっても「日本では日常茶飯事だぜ」の一言ですまされるので。

逆に言うならそのような摩訶不思議アドベンチャーなリアルに比べれば、

安全圏のあるこのゲームはダラダラ過ごすのには最適なのでしょう。

 

 

 

故にゲーム内で死ぬ人間の死因は、同じ人間相手の他殺がほとんどでした。

やはり、最後の敵は同じ人間です。

 

 

 

そして事故や正当防衛以外の事件性のある殺害現場には必ずこの2人の姿が目撃されています。

いや、正確に言うならば彼らの向かう先で殺人事件が起きるのです。

 

 

 

リアルでも彼らが赴く先には常に殺人事件が発生していました。

日本の殺人事件の8割がコナン少年が住む町・米花町で発生しています。

コナン少年はそんな危険な街で最低でも1日3件以上も起こる殺人事件をハシゴするのを趣味としていました。

 

"殺人事件が多発するからコナン少年がいるのか、コナン少年がいるから殺人事件が多発するのか"

 

まさに永遠の謎です。

 

 

 

そんな三度の飯のように殺人事件と戯れるコナン少年に対して、遭遇する事件数では勝てませんがキンダイチ君も大概異能者です。

 

 

 

彼はコナン少年にように一つの町に留まらず、全国各地様々な場所へ旅行しています。

いつも面倒くさそうにしているわりにはフーテンの寅さんのように一つのところに留まらず、あっちこっちへとふらふらと出かけているのです。

そして旅行先で必ず殺人事件が起きています。

しかもそのほとんどが連続殺人事件です。

単発殺人が多いコナン少年と違い、彼は連続殺人に特化した名探偵なのです。

これだけ行く先々で連続殺人事件が起きると、まるで予知してその場所に向かっているように思えてきます。

 

 

 

こうして日本各地で起きる殺人事件の多くの場所で彼らの姿が目撃されているようなのです。

噂によると同日同時刻に別々の複数の場所でコナン少年やキンダイチ君が同時に存在していたという証言まで…。

 

 

 

『名探偵は遍在する』

 

 

 

これは裏社会でほぼ常識になりつつある事象なのであります。

 

 

 

"悲惨な運命に遭う被害者を救済しよう"

そう考えたとある白い魔法少女が自身の魔法を駆使して運命を変えようと何度もしました。

ですが、彼らが現れた場合、如何に運命を改ざんしても殺人事件は起きてしまいました。

『殺人事件』という事柄に関しては彼らの能力は"神上の領域(レベル6)"に達しているようです。

今回、彼らがこのゲームに招かれた理由が、一時的であれ日本から殺人事件を減らそうという試みでもありました。

 

 

 

結果、殺人事件を減らすことは出来ず、何故かゲーム内にいるはずの彼らが未だに日本各地の殺人事件現場で目撃されているそうです。

 

 

 

話はゲーム内の彼らについてに戻ります。

 

 

 

彼らはゲーム内で起きた殺人事件へと遭遇すると、

いや、発生するのを近くで見守り、

発生後にまたたく間に犯人を決めつけ、監獄送りにするのです。

 

 

 

彼らがそれぞれ持つエクストラスキルである【少年探偵】と【名探偵】

 

 

 

このスキルを発動すると一時的にその場は"推理フィールド"という安全圏となり、

推理が終わるまであらゆる戦闘行為や暴力行為が出来ず、

また不可視の壁が出現してその場からの離脱も不可能になります。

そしてスキル所持者に"論破されて犯人と断言される"と強制的に監獄へと転移されるのです。

その発動に証拠や真相など関係ない所が彼らが恐れられている最大の要因でしょう。

 

 

 

PoHもその光景を何度と見ていて、いつ自分が犯人として監獄送りにされるのか恐怖に震えています。

 

 

 

『コナンとキンダイチを見かけたら全力で逃げろ』

 

 

 

これは全プレイヤーの共通認識と成りつつありました。

 

 

 

+++++

 

 

 

暗殺対象の"犯人はヤス"は常に引きこもって出てこない。

"犯人はヤス"に悪意をもたらす煽動も、なぜかゲーム直後に達成されている。

ゲーム内を掻き乱すために殺人事件を起こそうとしても、振り向けば名探偵がいる。

 

 

 

もはや八方塞がりのPoHさんがその後どうなったのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イッツ・ショウ・タイム」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を合図に今日も狂乱の宴が幕を開けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポンチョを着たピエロ化粧のギルドマスターが始まりの街の広場で大玉に乗って踊り歌っています。

周りには"スキル"でテイムされたモンスターたちが火の輪をくぐったり、ボールや空中ブランコで芸をしています。

他にも同じギルドに所属する芸人や歌い手そして踊り子達がそれぞれの自慢の芸を披露して盛り上げます。

 

 

 

「「「「L・O・V・E!ラブリーユナたーーん!!うほーーーラブリー光線いただきましたーーー!!!」」」」

 

 

 

今日の演目では最近話題沸騰中アイドル『ラブリーユナちゃん』のライブもありました。

最前列では『狂乱のノーチラス』と呼ばれる少年が、毎日鍛え上げエキストラスキルにまで発展させた【オタ芸】で狂ったように応援しています。

彼以外にも観客であるプレイヤー達は殺伐としたゲームを一時的に忘れ、大いに楽しんでいます。

鉄腕組のマスターであるリップルさんなんて常連になるぐらい通い詰めています。

彼らサーカス団の存在を知らない人はもういないと言われるぐらいの人気です。

 

 

 

しかも彼らはサーカス芸だけじゃなく、オリジナルの歌や演劇を記録結晶で販売したり、

そこから人気が出たアイドルや俳優のグッズで大儲けしたり、

それらの資金を元に漫画家や芸術家を集め娯楽雑誌などを発刊したりと、

多岐にわたる事業展開で今後どんどんと規模を増やしていくのです。

 

 

 

始まりの街には今まで戦闘ができないことでお荷物扱いされ、やる事もなくダラダラと過ごしていたプレイヤーたちが大勢いました。

娯楽が増えることによって、そんな彼らの戦闘以外の才能が注目を集め、他にも運営や販売などの仕事にも人手が必要とされていき、

結果、それがゲーム内の活気へと繋がっていきました。

 

 

 

だけどその活躍は良い面ばかりではありませんでした。

それらのムーブメントは今までストイックに攻略に専念していた人達すら巻き込んで次々とオタクへと変貌させていったのです。

結果的に攻略速度を半分までに落とし、

リアルへと帰還しても『一般人には戻れなくなった重度のオタク』を量産したことが「これは一種のPKである」とまで言われ、

「ある意味で最も残虐なPKギルド」と言われることになります。

 

 

 

ギルド『ラフィン・コフィン(笑う棺桶)

 

 

 

それは運命に翻弄されたギルドマスターPoHに【道化】のスキルが生えたことにより結成された娯楽ギルド。

ピエロ化粧で顔を隠し、ゲーム内を娯楽にって"掻き乱す"という任務に適合する、これが彼に残された最後の生き延びる術だったのです。

それこそ大衆の心の機微に詳しく煽動活動に精通したPoHにとって天職ともいえたのです。

 

 

 

ゲーム内にて幾人もの才能あるプレイヤーを発掘して支援育成し、

巨大化したギルドの運営を指揮することで経営者の才能をも開花させました。

そしてリアル帰還後、彼はゲーム内で培った経験と人脈を生かし『総合芸能事務所7753』を立ち上げることとなります。

 

 

 

伝説のプロデューサー『道化師のPoH』はこうして誕生したのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「リップルさんも喜んでるし及第点をあげましょう」

 

 

ゲームをモニターしていた白い少女は満足気でした。

 

 

 

 




本当に酷いことになってますよね。


キャラ設定とか冥王星まで吹っ飛んでますよ。


でもSAO劇場版のキャラも登場させれたし、原作ファンへのサービスが出来たかな?


そして明日から待望のゴールデンウィーク。


今回まででやりたい事はやったし、やっちまった感もありますし、
これ以上やるとSAOファンに刺されかねないかなって気もするし、
それに別に期待もされてないだろうし、


ってことで連休中は思い切って英気を養うことにします。


そして来年のゴールデンウィーク明けまでには投稿できるようにしたいと思います。


いつか来世で会えるといいね。



正直な話、月夜の黒豹団(決して黒猫団とか言う可愛い存在ではない)とかの話も考えたけど、アレをやるとマジで激怒される。
もし続けるとしても今後の展開はもっとマイルドにして「流石キリトさんカッケーー」な内容に作り直さないと。

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