魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい 作:ちあさ
仕事中になんとなくネタが思い浮かんできてしまって、
いやサボりじゃないよ、サボってるんじゃないよ。
ただ暇だっただけなんだよ。
ネタなので続くかどうか分からんし、そもそも面白いかどうかも…。
導かれし者たち
2022年11月6日12時
某国 鉄腕市 鉄腕組総本部内 国政部門 鉄腕党の事務所一室
「姐さん勘弁してくださいよ。来週から総裁選で忙しいんです」
気苦労で髪が非常に可哀想な"犯人はヤス"内閣総理大臣がリップルにヘルメット型ゲーム機を押し付けられて困惑していた。
どうやら来週の総裁選に向けて新調したスーツを試着していたところをリップルに捕まったようで、
周りには『35億円』の値札が付いたスーツが大量に並んでいた。
全身にダイヤモンドなど宝石類が散りばめられている上にラメがキラキラと施されていて非常に目に痛い成金趣味なスーツばかり。
事務所内では何人もの週刊誌記者がパシャパシャと並べられたスーツと値札を撮影していてまたもや炎上案件必至である。
これらのスーツは当然小雪がヤス名義で鉄腕金融に借金させて揃えさせた物である。
でも大丈夫、ヤスは『アーガス』というゲーム会社の筆頭株主、これぐらいの借金は今日発売の新作ゲームによって上がる株価で返済可能であろう。
内閣総理大臣まで登りつめた男の経済力は格別である。
しかも唸るほどの資産をそのまま眠らせるのではなく、財テクによって増やすことも忘れない。
その資産を大ヒット間違いなしの新作ゲーム「ソードアート・オンライン」を発売する『アーガス』の株に一点集中したのだ。
これでまた資産倍増間違いなし。
ちなみにこれも小雪からのアドバイスである。
「だいじょーぶだいじょーぶ、ちょっとの息抜きぐらいしないとうまくいくものだってうまくいかないぞ。
内閣支持率だって悪くないんだろう、また明日から頑張れば続投間違いないって。
それに議会じゃあんた『その件については記憶にございません』以外喋ったことないじゃん」
心配するヤスにリップルは気楽な感じで返す。
その通り、常に炎上しマスコミや野党に叩かれない日はないヤス氏の支持率は全く下がる気配はない。
この前も野党に漢字テストを受けさせられて見事0点をたたき出したり、
首相夫人ののっこちゃんによるSNSでの大暴走が報道されて全部見事に炎上している。
更には国会前では首相夫人のっこちゃんが『内閣続投』のプラカードを持って5万人の指定暴力団員たちによるデモを連日先導しているのも報道され問題視されているが、
それでもなぜか支持率は上がる一方である。
「そりゃあ、私なんて小学校ですらまともに行ったことないですし。
無理やり政治家にされてからも議会や取材でカンペ通りに喋る以外に仕事なんてないですし。
カンペには『すべては部下に任せています。なのでその件については記憶にございません』しか書いてないですし」
相も変わらず言い訳がましいヤスだが、そんなことで止まるリップルはこの作品にはいない。
「白いのも何があっても問題ないって言ってたし、全部部下に放り投げて今日はソードアートオンライン死ぬまで楽しもう!」
そう言って、リップルはヤスの頭に無理やりナーブギアを装着させ、
小雪に用意させたヤスの「リンクスタート」という合成声を再生し、ゲームを強制開始させた。
その一部始終を見ていたマサはこのゲームは小雪案件だと悟り、
部下に何かあった時の対処を指示して諦めたように自分からナーブギアを被りゲームを開始した。
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同日
国連軍横浜基地
白銀武中尉は自分の所属するA-01中隊宛に届いたゲーム機を子供のようなキラキラした目で見つめていた。
「各員傾注!
本日の任務は副指令の研究協力者より依頼されたこのゲーム、ソードアートオンラインのタイムアタックである。
このゲームはリアル志向のゲームであり、普段使いなれない刀剣類の訓練と今後現れると予測されている地球外生命体への対応力を養うためのものである。
故に、ゲームだと侮らず真摯に攻略にあたり、一度の死亡も許可しない」
中隊長である伊隅みちる大尉の説明が続く。
そんな中でも白銀武大尉の内心は
『バルジャーノンみたいにロボットは出てこないだろうけど、世界発のVRゲームを仕事で楽しめるなんて最高だろう』
とテンション最高潮であった。
なぜか今回のループではBETAは存在を予測されてはいるが未だに飛来していないし、
年代も大幅にずれているという謎の展開を迎えて困惑のまま数年の軍隊生活を送っていた白銀武。
無数のループによる習慣でまじめに訓練は続けているが、
案外今回はこのまま平和に終わるんじゃないだろうかと期待もしていた。
だが残念、この世界はもっと愉快であった。
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他にも…。
渋谷にて疾風迅雷のナイトハルト氏が知り合いの白い少女から渡されたナーブギアとソードアートオンラインをウキウキしながら始めていた。
種子島にて「ガンヴァレル キルバラッドON-LINE」の1位に上り詰め、3年前にとある事件を解決に導いた八汐海翔。
その彼は「実物大ガンヴァレル」制作スポンサーになってくれた白い少女に渡されたナーブギアを手に、
VRという新しいゲームジャンルでも全一を目指すと意気込んでいた。
米花町ではなぜかずっと小学生の名探偵な少年と友人たちが『おもちゃの鉄腕屋』のくじ引きで人数分当たったナーブギアとソードアートオンライン一式を手に楽しくプレイを開始していた。
海鳴市在住、戦闘民族高町家の面々は高校時代からの友人の白い少女から全員分プレゼントされたナーブギアと(以下略)していた。
更に全国津々浦々、数奇な運命を辿ってきた幾人ものツワモノたちが謎の白い少女に導かれてソードアートオンラインへとログインしていくのであった。
ソードアートオンラインは今まさに人外魔境、伏魔殿へと化しつつありました。
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NERV一室にて、アーガスをハッキングし、ソードアートオンラインのサーバに直結したモニターを白い少女は愉しそうに見ています。
その顔には恍惚とした笑顔を浮かべ、どこからか聞こえてくる無数の声に身悶えしながら歌うように賛美します。
「ふふふ、茅場晶彦君、もっともっと面白くなるようにしてあげましたよ。
努々見つからないように気を付けて行動してくださいね。
それと本来英雄になるはずだった誰かさん。
必至で頑張らないとモブのまま終わっちゃいますよ。
あなた達の因果律が強いか。それとも私の用意した者たちの力が勝つか。
さぁさぁ皆さん、楽しい楽しいゲームの時間ですよ。
どんな最後でもすべて私が受け止めてあげますので、どなたも好い声で哭いてくださいね。
あぁ、本当に素敵な娯楽ですね、ソードアートオンラインって」
まさに外道。
白い少女とは一体誰なのであろうか。
謎は深まるばかりである。
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後日、総裁選直前に現職の内閣総理大臣がデスゲームに巻き込まれたと世界中でトップニュースになり、これでは再選は無理かと思われたが。
「こういう展開とは、いやはや彼には勝てませんな」
「やっぱり私など器ではなかったってことです!すべては小雪様の御心のままに!」
と鉄腕党の対立候補たちはそれぞれ自主的に辞退し、
心配されていた内閣支持率は9割上回り、世論は"茅場晶彦は冤罪!犯人はヤス!"一色で染まり、
デスゲームに囚われ意識不明のままでSAO事件首謀者として逮捕されても首相を続投するという、
全く意味が分からない展開の疑惑満載な内閣総理大臣が誕生するのでした。
「全く…日本は平和ですね………フンガー」
本当にカオスになってきたなぁ。
まぁこの適当感がこの作品の味ということで。
というかこれを許容できない人はここまで読んでないだろうと開き直ってみる。
続き?
いつかまた会えるよ。
追伸
投稿後色々修正しました。
久々の更新だからキャラ設定とか忘れてること結構あってw