魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい 作:ちあさ
もう開き直ってとことんまでやってやる。
原作?そんなものどっかに捨ててきた。
今回は初っ端から残虐でグロい描写があります。
苦手な人は注意してください。
引き続きアリス視点なのでロリコげふんげふんアリスファンの皆様、楽しんでください。
クチュ・・・クチュ・・・
あっ・・・あっ・・・
「ではこの人は誰ですか?」
クチュ・・・クチュ・・・
「あっ・・・あっこの人は・・・魔王パムっああっ・・・」
クチュ・・・クチュ・・・
あっ・・・あっ・・・
薄暗い部屋の中で水晶球がほんのりと光り、その中に映像が浮かんでいる。
クチュ・・・クチュ・・・
「あっ・・・魔王パムは・・・あっ四枚の羽を・・・自在に使う魔法で・・・あっ・・・」
クチュ・・・クチュ・・・
水晶球に映っているのはB市内にいる捜査チームの面々。
どこかのカラオケルームの一室のようです。
小雪さんがその3人の魔法少女について質問しています。
「他の二人のことは知ってますか?」
クチュ・・・クチュ・・・
「あっ・・・知って、あっ・・・ます、だか・・・ら・・・あっもう、やめ・・・」
クチュ・・・クチュ・・・
小雪さんがアッシー君ことピティ・フレデリカの頭をお箸のようなものでクチュクチュとかき混ぜています。
頭をかき回されているピティは白目を向きながら絶望的な顔で魔法を行使しつつ、映っている人たちのことを説明していきます。
まったく何度見ても夢に出てきそうな気持ち悪い光景と臭いです。
小雪さんは「魔法少女は頑丈だから大丈夫」といつも言っていますが、どうみてもその人もう壊れかけていますよ。
普段は気持ち悪くて嫌いなこの人ですが、流石にこんなことをされているのを見ると同じ女性として同情したくなります。
魔法少女には人権もジュネーブ条約もないらしいのでしょうがないですけどね。
「ねぇアリスちゃんもやってみる?結構面白いよ」
こっちに振るのは止めてください、小雪さん。
流石に魔法少女になったといっても、人間まで止めたつもりはありません。
アッシー君もそんな泣きそうな怯えた目で見ないでください、やりませんから、私は。
楽しいんだけどなぁ、と小雪さんはまたクチュクチュやりはじめました。
あっ・・・あっ・・・
それにしても本当に便利ですよね、このアッシー君。
水晶球による移動魔法に覗き見魔法、除いた先の物や人を引き出す魔法。
それらを覗く対象の髪の毛を指に巻くだけで出来るんですから。
そしていままでの覗きの成果による魔法少女への深い知識。
有名人は大抵網羅しているし、他にも今日の捜査チームみたいな魔法の国運営関係者の髪の毛と情報も持っています。
更にそれだけではなく、魔法の国のお偉いさんたちの人には言えない情報も押さえています。
それをネタに鉄腕組の存続を認めさせたり、色々と派手に動いても揉み消したりすることが出来ています。
そうじゃなきゃ、東京タワーをぶん投げて街を崩壊させたりしたのにお説教だけで済むわけがありません。
組への貢献度でランキングを決めるなら十分トップ争い可能ですよね。
よくよく考えてみれば、この人、小雪さんにだけは確保させちゃいけない人材ですよね。
確保させちゃった結果がご覧の有様ですよ。
でも便利なので殺されないで三食昼寝付きに悠々自適の生活なんだから噂に聞く魔法の国の監獄に入るよりはマシかもしれないですよ。
食事って言ってもドックフードなんですけどね。
それにしても魔王パムさんですか。
リップルさん以外にもいたんですね、自分のことを魔王なんて呼ぶ中二病を拗らせた痛い人。
いえ、リップルさんは別に自分では呼んでなかったっけ?
まぁ、彼女は違う理由でも色々と痛い人なので変わりませんが。
この魔王パムさんは4枚の羽を”自由自在”に操るそうです。
この場合の自由自在とは本当に自由自在で、人型にして自動で戦わせたり、炎を出したり、冷気を出したりと、どんな性質にでも出来るそうです。
なんかチートですよね、羨ましいです。
対抗手段としては4枚の羽でカバーしきれないほどの手数や人数での飽和攻撃か、羽が反応できないスピードだそうで、どちらも私には無縁ですね。
他の人、ニコニコ笑顔にうさぎ耳の下克上羽菜さん。
彼女はその柔らかそうなイメージに反して生粋のグラップラーで、感覚を上昇させることができるそうです。
高めた感覚で近接格闘能力や回避力を高めるだけではなく、彼女から半径3m以内の敵にも魔法を使うことが可能。
怪我をした相手の痛覚を上げて悶絶させることも出来るし、さらに迂闊に近寄った相手の視覚や聴覚を急に大幅に上げることによってマトモに戦えなくすることも出来ると。
私には幸い痛覚はないですが、それでも目や耳は使えるのでやっぱり相性が悪いです。
最期にメガネをかけたちょっとキツそうなマナさん。
彼女は魔法少女ではなく魔法使いだそうです。
魔法少女のようなパワーやスピードはないですが、魔法少女と違い、儀式や呪文を唱えることで様々な魔法が使えるそうです。
さくらさんみたいなものでしょうか?
でも彼女は指揮官タイプでこの中では一番戦闘力が低いそうです。
スッと近づいてフンガーと殴れば勝てそうです。
でもこういうタイプは言葉を弄してこちらを翻弄してくる場合もあるから注意。
リップルさんによると私は洗脳や支配されないかぎり無敵だと言われました。
なので私は洗脳や支配系、催眠術系の魔法や能力への対策を重点的に訓練されてきました。
洗脳や支配系の能力は強力ですが、それを発揮するときには条件がある場合が多いです。
私は会ったことはありませんが、クラムベリー騒動の時のルーラさんのように。
なのでやたらと言葉を投げかけてくる人や、不自然な動作をする人、特定の武器やアイテムでの攻撃にこだわるタイプは要注意だそうです。
戦闘中だと言うのに話しかけてくる人がいたら「フンガー」とでも言って言葉が通じないアピールをしておけばいいと言われました。
又、魔法少女が服装にあった固有の武器を持っている場合、魔法もその武器に関係すると考えたほうが無難だそうです。
特に私の場合、回復力は高いですが回避力がないので特殊効果付きの武器持ちは危険だとか。
あれ・・・私って相性が悪い相手が多くないですか?
もしかして私って弱すぎですか、そうですか、フンガーーーーー!!!
ところでもう情報も集まったことですし、そろそろ行きませんか?小雪さん。
クチュ・・・クチュ・・・
あっ・・・あっ・・・
「ふふふ、”聞こ”えますよ。ここをこうされると、(クチュクチュ)もっと困るんですよね?ふふふ・・・」
駄目です、小雪さんトリップしちゃってます。
こうなった小雪さんを止められるのってマサさんか・・・
「小雪ぃいいい!食べ物で遊ぶんじゃないっていっつも言ってるでしょうが!!!」
やっと来てくれました。
一気に走り寄って小雪さんのお尻を蹴り上げるつばめさん。
「イタタ・・・トップスピードさん、いつも使い終わったらちゃんと残さず食べてますって、アッシー君が」
「いやいや可哀想じゃえか、それは。
そもそも何でいつも納豆を頭にかけて掻き混ぜてんの。
ほら、こんなに頭ネバネバになっちゃって、大丈夫か?」
「そこはそれ、このSSの作者が茨城県民だから、納豆ネタを一度は入れないとって」
「そんなメタな発言はやめな!
ピティ、あんたいつも大変だな。
あーあー、泣くのは良いけど頭をこすりつけてくるのはやめてくれねーか、納豆がつくからよ」
頭を納豆まみれにされて掻き混ぜられていたアッシー君がつばめさんに縋り付いています。
アッシー君の方が随分と年上だったはずですが、幼児退行でもしているんでしょうか?
「でも確かにそろそろ良い時間帯ですね、準備は・・・まだやってるみたいですが」
トップスピードさんがドアを開けっ放しにしているので外の喧騒が聞こえてきます。
「いいか見習い共!現地での人命救助は小雪様がやってくださる。だから人的被害なんて考えずに全力でぶっ放せ!」
「倉庫から魔法の武器ありったけかき集めてこい!」
「動くやつは全部殺すの。逃げるやつは魔法少女なの。逃げないやつはよく訓練された魔法少女なの。小狼くん頑張るからお空で見守っててね」
「孵化可能なグリーフシードは全部持ってくるんだよ!街中にばら撒くんだ、そんだけじゃ全然足りねーんだよ!」
「戦略自衛隊から対地N2ミサイルかっぱらってきました!」
「ばかやろう!そんなもん使ったら地図の書き換えだぞ!そんなのは一番最後に使え!」
「ジュエルシードの封印をもう一度確認!暴発したら日本が丸々吹き飛ぶわよ!」
なんだか廊下や階下からやたらと物騒な声が色々と聞こえてきます。
これって間違いなく後でリップルさんが怒られるパターンですよね。
喋られないって事になってるから私では止められません。
まったくもってしょうがないですよね、フンガー。
次回ぐらいから戦闘に入れればいいな。
次回がいつになるかわからないですが。
ちなみに時系列がわかりにくいそうなので説明を。
本編(クラムベリー騒動)
↓
(騒動から)
1年後、アフター1『白いの様がみてる』
↓
3年後、『unlimited編』
↓
7年後、アフター3&4&5『7753襲来三部作』
↓
17年後ぐらい、アフター2『正義の魔法少女』
という流れです。
もう行ったり来たりで何が何やらですよね、ゴメンナサイ。
7753が今回投入されなかったのは、
リップルたちを7753のゴーグルで見られて上司との繋がりがバレると色々と面倒そうだったのと、
鉄腕組が介入したら7753じゃ先ず生き残れそうになかったからです。