魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい   作:ちあさ

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魔法少女に会いました

僕の魔法は「投げたものが狙った場所に命中する」と言う極めてシンプルなものだ。

ただし投げる時に狙う場所を"視認"していなければならない、という制約があるけどね。

 

 

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魔法少女になった僕は確か消臭剤みたいな名前の謎生物(名前忘れた)の案内で教育係の先輩魔法少女に会うことになったんだが。

 

 

絡みたいなんたら(名前を覚える気がない)とかいう義父みたいなクセェ臭いをプンプンさせたガンマンに出会い頭、包丁を投げつけた僕は悪くない。

 

 

投げつけた包丁はあっさり銃で撃ち落とされ、そのまま殺し合いに突入しようとしたところで、トップなんたらさんに拉致られました。

離して、あいつ殺せない。

 

 

絡みたいさんを振り切った後、トップなんたらさんに散々怒られた。

なにこの理不尽。

魔法少女と言ったら愛と正義のマジカルヒロインでしょ。

だから町のゴミはすぐかたづけないと。

あんなクセェそびえ立つクソを放置するのはどうかと思うのよ。

そう説明しようと思ったけど、結局思っただけ。

コミュ力が壊滅的でクッと唸ることしかできない僕は今流行りのくっころ系魔法少女。

 

 

結局、トップなんたらさんは僕の教育係をやってくれることになった。

彼女はまだ何も知らない僕に、こうしたらいい、ああしたらいいと甲斐甲斐しく世話は焼いてくれる。

でも自分のことを俺と呼んだり、正義っていうのゆうのはだなあーだこーだと、やたら熱いのでクーリングオフってできませんか?

まぁ、まだ一言も喋れてないんですけどね。

結構頑張ったんだがコミュ障な僕には喋るのは無理なのが再認識できた。

それでも会話が一方通行なのは頂けないってことでたどたどしく魔法端末を使ってチャットすることで交流始めました。

 

 

そしてトップなんたらさんの魔法を教えてもらったんだが、猛スピードの魔法の箒を扱うことができるって魔法少女っていうか魔女ですよね?

それをチャットで指摘したら殴られました。解せぬ。

そして少しずつ付き合って分かったのだが、この人もなんか色々おかしい。

どこの戦闘機だってぐらいの音速飛行でご機嫌に奇声を上げて飛び回る姿は、きっと色々溜め込んでいるのかなって心配になってくる。

いやはや魔法少女関連は謎生物とトリガーハッピーとスピード狂と、今のところキチガイ率100%とかどうかしている。

きっとマトモなのは僕だけだろう。

染まらないように気をつけないと。

 

 

そのあとトップなんたらさんに魔法少女の集まるチャット広場を教えてもらい、入ったらなんかいっぱいいたので即切りしました。

ほら、人って3人いたら派閥ができるっていうでしょ。つまり3人いたら必然的に僕がボッチになる。

そして、もしこんな僕にもよくしてくれるトップなんたらさんに目の前でハブられた日には、包丁を投げてしまうかもしれない。

そんな不幸な事故を回避するためにはあそこには金輪際行かないことにする。

 

 

その日以降、トップなんたらさんは呼んでもいないのに僕を見つけ出しては、魔法の箒に載せてあっちこっちに連れ回してくれた。

ただ僕がチャット広場の件で対人恐怖症だと勘違いしたのか他の魔法少女に無理に会わせたりはしなかったのは助かった。

いや僕はちょっとコミュ力が足りてないだけの普通のシャイボーイなんだよ、勘違いしないでよね。

 

 

それに僕の魔法の仕込みも彼女の連れ回しのおかげでだいぶ捗った。

僕の魔法はシンプルだけど、それ故に事前の仕込みで性能が大きく変わると思うのだ。

絡みたいなんたらさんみたいなのにいつ何処で絡まれるか分からないから、準備は常に万全にしておかなきゃ。

今度会ったら、ちゃんと殺そう。

 

 


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