魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい 作:ちあさ
二日後、夜の倉庫街、とある倉庫の中に呼びかけた魔法少女たちが集まった。
会合に集まったのは僕とトップなんとかさん、キマシタワーと犬さん?だけだった。
まぁあのお馬鹿な双子が素直に参加するとは思っていなかったんだが予想通りだな。
とりあえずそのことは後回しにして会合をはじめることにする。
今回の目的は森の妖精さんに対する警告と対処方法の相談、そしてお互いの持っている情報の交換だ。
森の妖精さんに関してはキマシタワーも以前襲われたことで不信感があったそうだが、今回ナイト様を襲った映像を見せることで対処が必要だと改めて認識してもらった。
それでもお花畑さんはもう一度話し合いたいと言っていたが、流石にぬりかべさんが危ないからと止めていた。
人死にが出ているのにまだ話し合いとか言い出すお花畑さんはやっぱりお花畑さんだ。
是非とも中東やアフリカ辺りで平和のために活動してきて欲しい。
森の妖精さんの能力に関しては、ぬりかべさんからの情報で、やはり音を操っていることに確信が持てた。
となると奇襲も難しく、連携も声掛けなどが信用できなくなるので難しいであろう。
また打撃の際に非常に高い衝撃を感じたそうで、お花畑さんの強化が無かったら耐えられなかったとのこと。
まさに近接無双だな。
対処としては音を出さないトラップなどを駆使するか遠距離攻撃で戦うかだろう。
やっぱり森ごと焼却するのが一番安全な気がするな。
双子の物質変身の能力なら気づかれることなく近寄れるのではないかと尋ねたら、犬さんが双子の能力なら何にでも完璧に変身できるから奇襲ならお手の物と自慢げに教えてくれた。
だけど物に変身しても心音などは消せないので小さい音も聞き分けられるなら難しいであろうとも。
確かに良い情報だが本当に残念だ。
他の魔法少女の情報としては、
白いのに関してはトラブルなど危険を知ることができる魔法らしい。
やっぱり未来予知っているのかな、奇襲とか感知されそうでやっぱり僕とは相性が悪いな。
なるべくなら敵対しないように動きたいが。
また新人に関して魔法は不明だが黒系の衣装で人付き合いの苦手そうなタイプ、そして白いのの情報を求めていたそうだ。
おそらく白いのと因縁があるのだろう。
お互い潰し合うのはいいが、せめて森の妖精さんをどうにかしてからにしてほしい。
今後の方針としてはお互いにマジカルフォン以外の携帯かスマホに連絡先を交換しておき、襲われた時はお互い連絡を取って逃げることを優先するということになった。
最後に犬さんが透明外套を僕に渡してくれた。
これからお互い助け合うのだから友好の証として使って欲しいとのこと。
へー、友好の証か。
これって確かなんていうんだっけ、そうトロイの木馬っていうんだよね。
僕は貰った外套をケダモノの槍で切り裂いた。
案の定、外套は上半身と下半身が泣き別れになった女性の姿へと変わっていった。
だってね、さっきから僕の持っているモバイルノートにさ、映っているんだよね。
お寺で心配そうに空を見上げている女の子がさ。
事態に気づいたぬりかべさんが犬さん?を押さえつけようと飛びかかる。
だが犬は変身を解いて元の小さい姿に代わり、鬼のような形相をした彼女が隠し持っていたナイフで僕を刺そうと飛びかかってくる。
やめてよね、本気でケンカしたら、僕が君にかなうはずないだろう。
間一髪、ぬりかべさんの魔法が発動して彼女の凶刃が僕に届くことはなかったけど、本当に怖かった。
振りかぶられたナイフを視た瞬間、恐怖で体が全く動かなくなったんだ。
おかしいよね、今まで絡みたいさんに散々撃ちまくられたり、僕の方も包丁を投げつけたり平気でしていたのに。
あのままだとあっさり再起不能(リタイヤ)していたことだろう。
助けてくれてありがとう、ぬりかべさん。
お礼に警告するけど、そいつにばかり気を取られるより、そろそろ他への警戒をしたほうがいいよ。
おそらくすぐに次の攻撃が来るからね。
僕が警告をしたすぐに、倉庫の中へ銃弾の雨が降り注ぐ。
あらかじめこうなる可能性があることを伝えていたトップなんとかさんは魔法の箒で障壁を張り、お花畑さんを掴んで外へと飛び出していく。
不本意ながら不意な銃撃について僕はもう慣れてしまっているので、危なげなく用意していた鉄板を盾にして抜け出す。
ぬりかべさんもなんとか逃げ出しているようだが、双子の生き残りが避けきれず、銃弾でズタズタに引き裂かれていった。
外にまろびでると、やっぱりいました絡みたいさん。
何処から仕入れたのか重機関銃でこちらを銃撃してきています。
色々と準備しやすかろうと、二日後に会合をセッティングしたところ、双子さんが絡み組をご訪問していたのを確認したのです。
恐らく庇護を求めたのだろうけど、絡みたいさんがタダで守ってくれるわけないじゃないですか。
恐らく、会合で僕か誰かを殺してくるように言われたのでしょう。
そして混乱している所に絡みたいさんが襲撃をかけると。
でもそんなことをして失敗した時や、成功したとしても自分の身が危ないということに気づかない所が双子の残念さだ。
変身をすれば逃げれるとでも思ったのだろうか。
せめて犬さんの援護があれば逃げられたのだろうが、流石の犬さんも今回の件は協力しなかったのだろう。
ぬりかべさんが壁を駆使してなんとか耐えているが、お花畑さんの魔法がない状態だと攻めにまで転じることはできないようだ。
だとするとやはり僕がなんとかするしかないか。
絡みたいさん、この会合は僕がセッティングしたもので、場所だって僕が決めた。
つまり、地の利は僕にあるのだよ。
ましてや二日もあったのだ、色々準備しているに決まっているだろう。
僕は隠れて移動しながら倉庫街に設置してある監視カメラで絡みたいさんを視て、隠してあった刃物や鈍器を次々と投擲していく。
絡みたいさんはそれを銃撃で次々と撃ち落としていく。
何度か弾切れになるが、四次元袋から追加の弾倉を取り出しリロードしている。
さすがそれなりにやりあった仲、手の内は読めているということか。
だがこれならどうだ。
僕は倉庫の中に積んであった袋を複数抱え上げ一気に投げつける。
案の定、彼女は袋を銃撃で撃ち落とそうとするが、僕が投げたのは”袋”じゃなくて”その中身”だ。
銃撃で切り裂かれた袋から飛び出した小麦粉が彼女に向かって殺到する。
そこに僕が火を付けたライターを投げ込んでやる。
本来は密閉された室内でないと拡散してしまい、起こらない現象だが、僕の魔法によって、彼女がいる場所へと殺到する小麦粉には十分な密度があった。
彼女を包み込んだ小麦粉がライターの火で一気に燃え上がり、いわゆる粉塵爆発を起こした。
だが小麦粉が覆ったところで視界が外れていたせいで、誘導が中途半端だったため、絡みたいさんはダメージを受けつつもなんとか爆炎の中から転がり出てくる。
だがそれも想定範囲だ。
準備していた切り札を彼女へと投げつける。
彼女はそれを銃撃しつつ逃げようとする。
それの中身もまた、小麦粉のように銃撃で破壊されるようなものではない。
また、それは透明な液体なので彼女への視界が切れることもなく、誘導が切れること無く彼女へと命中する。
それを浴びた彼女は苦悶の声を上げて体が凍結していく。
その液体は液体窒素という。
某未来から来た最強ロボットすら凍結させることができる危ない液体だ。
良い子は絶対真似しちゃいけないぞ。
体の半分以上が凍結して満足に動けない彼女に僕は容赦なく最後の武器を投げつける。
喰らえ!ロードロー・・・タンクローリーだッ!!!
倉庫街に紅蓮の炎が立ち上がり、絡みたいさんは再起不能(リタイヤ)していった。
まったく汚い花火だぜ。
後半に向かって動き出しましたよ。
あとやっぱり色々と捏造しています。
あっさりと勝てたように思えるけど、おそらく絡みたいさんは油断していたのではないかと。
特に最後の方に関してはターミ○ーター2をみてやりたくなったとかそんなことは多分ないと思いたい。