魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい   作:ちあさ

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魔法少女は開けました

ナイト様の死の真相にすぐに判明した。

町中のいたるところに設置してある監視カメラのデータはこの改造モバイルノートへと常に転送されている。

ここ数日の映像を遡って検索していくと、倉庫街の監視カメラに森の妖精さんとの戦闘が記録されていた。

 

 

この時間ってキマシタワー戦のすぐ後、僕が砲撃されてわたわたと逃げ回っているころじゃないか。

あの後にはしごするとかどんだけバトルジャンキーなんだ。

血を見るまで止まらないって幻朧魔皇拳でも食らっているんじゃないのか?

それにしても絡みたいさんはピーピングトム対策にうまく利用されたわけだ。

でもさすがに監視カメラまでは把握できていなかったらしい。

各陣営の溜まり場だけではなく魔法少女が人目を忍びやすい廃墟や倉庫街なんて重点的にカメラ設置済みだ。

どんなお宝映像が撮れるか分からないからな。

おかげで他陣営を焚き付けらえそうな面白映像を手に入れた。

これで白いのには敵討ちで華々しく散ってもらおう。

 

 

今回ナイト様が死んだことにより新たな事実が判明した。

誰かが死んで枠が空くとその分キャンディのリタイヤが免除されるそうだ。

そして新しく魔法の国のアイテムが販売されることになった。

無料ゲーにありがちの課金アイテムで俺Tueeeeができるアイテムで、販売数は残った魔法少女13人に対してたったの5個。

ただし購入に必要なのがリアルマネーではなくリアルの寿命という悪辣さ。

最大で25年も寿命が削られるがその分効果は凶悪だ。

今回判明した事実と追加アイテムによって見えてくる悪意。

運営は僕たちに直接殺しあえと、そう唆している。

 

新アイテム:四次元袋(10年)、透明外套(25年)、武器(5年)、元気が出る薬(3年)、兎の足(6年)

 

ちなみに僕は買いませんよ。

だって僕は150歳まで生きる予定なので。

流石にそれ以上は生きられると思っていないので1年だって寿命を削る気はありません。

それにこの中で僕の魔法的に一番役立ちそうなのは10年も削らないといけない四次元袋。

一人で持てる物という制約はあるがサイズ・重量を無視していくらでも入るのは投げる物を大量に携帯できるというメリットがある。

だがいくら便利でも10年はないよねー。

それにこのアイテムを買いそうな人に心当たりがある。

僕と同じように武器を用意して持ち歩く必要のある魔法を使う者…つまり絡みたいさんだ。

向こうもこちらがこのアイテムを必要としているというのは認識しているだろう。

つまりここで無理して僕が購入したとしたら、これ幸いとばかりに僕を殺して奪い取ろうとするだろう。

つい先日這々の体でN市を逃げ出した身で、更に火に油を注ぐとかどれだけ自殺志願者だよ。

仏の顔も三度までというが、絡みたいさんはそこまで心広くはないので次は僕が仏になっちまう。

それにいざとなれば投げるものなどそこら中に転がっている。

持ち運べるサイズの物ならわざわざ持ち運ぶ必要などない。

これが持てないような重さやサイズでも自在に出し入れできるのなら無理してでも僕が買っただろうけどね。

 

 

あと厄介なのは透明外套か。

これを買ったやつは問答無用でタンクローリーだ、慈悲はない。

 

 

どれもこれも厄アイテムや屑アイテムばかりだが、鉄腕少女がうさぎグッズの兎の足を購入しないように妖怪車椅子女にメールしておいた。

聡明な彼女がこんな物を買わせるとは思えないが念のためだ。

売り飛ばした僕が言うのも何だけど、彼女には悪いことをしたとは思っているんだよ。

また来週にでも彼女の好きな兎のぬいぐるみを送ってあげよう。

 

 

そうこうしているうちにアイテムは売り切れたようだ。

みんなどれだけ殺る気マンマンなんだよ。

さて誰が何を買ったのか少し覗いてみるとしよう。

鉄塔、寺、廃墟、キマシタワー、倉庫街に絡み組と魔法少女がたむろってそうな場所の映像を表示させていく。

絡みたいさんは予想通り四次元袋をご購入あざーっす、いつか殺して有効活用してやるからな。

チーム寺はなんと3つも購入してるよ、どんだけガチだよ。

双子が薬に、犬が武器で妖怪水着女が透明外套か。

そして妖怪水着女が犬とアイテムを交換している。なに?フォルムが気に入ったのん?

うっとりした目で槍を見つめる水着さん、ヤバイわーマジヤバイわー。

やっぱりあいつが一番わけわからねーよ、未来に生きてんな。

それとも透明外套を持っていたらやがて来る空飛ぶタンクローリーでも幻視したかい?

残念だがお前は何も買わなくてもタンクローリー確定だから。

寂しくないように家族と一緒に火葬してやるから成仏してくれ。

犬は…まぁご愁傷様です。

付き合う相手を間違えたよね、この娘。

友達はちゃんと選びなさいって教わらなかったらしい。

 

 

あと1個兎の足が見当たらないな。

まぁ能力もかなり微妙だったからどうでもいいのだが。

それにしても白いのと新人が見当たらないなー、何処彷徨いているのだ。

新人ってまだ見てないのだけどもうポップしているはずだよね?

でも今夜にも遅れていたタンクローリー一式が届くから焦る必要はない。

タンクローリーさえ届けばみんなまとめて吹き飛ばしてやるぜ。

例えどんな能力を持った新人だろうとほむ印のタンクローリーの前には無力無力!!!

どっからでもかかってこいだよ。パイセンが胸貸してやらぁ。

 

 

ぴんぽーーーん

・・・あれ?誰か来たようだ、はいは~い、今開けますよ~どなたですか~、ガチャッ!

 




平日はお仕事があるからそろそろ1日1話ぐらいになるかも。

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