こんな篠ノ之箒ちゃんはいかがですか? 作:妖精絶対許さんマン
不夜城のキャスター、だいぶとピーキーな性能ですね。
シンフォギアXDも配信されましたね。
翼(イグナイトモジュール)、調(イグナイトモジュール)、奏(限定解除)切歌、調が当たりました。やったぜ。
今回は短めです。
「唯。買い物に行ってくるから留守番お願いね」
「えー。話の続き聞かせてよー」
「帰って来てからね」
家事も一通り終わり、夕食の材料の買い出しに行こうとすると唯に話の続きをねだられた。
「約束だからね!帰って来たら絶対に聞かせてね!」
「はいはい。留守番お願いね」
私は唯に留守番を任せて家を出た。家から近くのスーパーまでは歩いて十分ほど。品揃えも良くて値段も安いのでよく利用している。十字路に近づくと、前から見知った人物が歩いてきた。
「・・・・・・千冬さん」
「久しぶりだな・・・・・・篠ノ之」
織斑千冬。姉の幼馴染みで、学園時代の私の担任で『彼』の姉だ。夫との結婚式以来だが、心なしか窶れている気がする。
「・・・・・・買い物か?」
「はい。あの・・・・・・今日は一体?」
千冬さんは私が右肩から下げているカバンを見ながら聞いてきた。千冬さんとは結婚式以降は音信不通で今は何をしているのかも知らない。
「少し話があるのだが・・・・・・」
「歩きながらで構いませんか?」
時間は有限だ。家の家事を預かる者として時間は無駄に出来ないし、小学三年生になったとは言え唯を一人家に残しているんだから。
「構わない」
千冬さんは私の隣に並んだ。
「・・・・・・何年ぶりだろうな、お前と会うのは?」
「そう・・・・・・ですね。結婚式以来になるので、八年ぶりぐらいになりますね」
私と夫が結婚したのは私達が二十五歳になった時だ。結婚の時点で私は唯を身籠っていた。身籠っていたことに気がついたのは結婚式が終わった後だった。結婚当初は夫の給料もそこまで高くは無く、私の両親が住んでいる家に同居していた。
「子供は・・・・・・産まれたのか?」
「はい。今年で小学三年生になりました」
「そうか・・・・・・お前が羨ましいよ」
千冬さんの顔は、まるで眩しい物を見るような顔をしていた。
「・・・・・・私はIS学園をクビになった。いや、退職したと言った方が良いな」
「えっ!?」
私は千冬さんの言葉に思わず驚きの声を上げてしまった。
「私の教え方はもう古いそうだ・・・・・・。実際、私も内心では気がついていたんだよ、私は古い人間だと。・・・・・・ISは競技用の物からアイツが・・・・・・束が目指した宇宙探索用に変わっていったからな」
・・・・・・私達が結婚する前、世の中は大きく変化した。私自身、姉が開発した物には一切関心がなく、世の中の変化にも興味はなかった。・・・・・・本当のことを言えば夫との結婚式が待ち遠しくて、そこまで余裕が無かった。
「・・・・・・本題に入ろうか。篠ノ之、一度で良い、一度で良いから一夏に会ってくれないか?」
私は思わず足を止めてしまった。何となくは勘づいていた。千冬さんが私に会いに来るとしたら、一夏に関することだけだ。
「一夏も一度お前に会えば、少しは立ち直れる筈なんだ」
「それは・・・・・・」
一瞬、学園を卒業する時に起きたことを思い出してしまった。
『箒!俺は、お前が好きだ!』
学園から出発するモノレールに乗るとき、私の後を追ってきた『彼』ーーーーーー幼馴染みの織斑一夏に告白された。だが、私はーーーーーー
『ありがとう、一夏。でも、すまない。私にはもう・・・・・・好きな人がいるんだ』
ーーーーーー一夏の告白を断った。私は呆然としている一夏を残してモノレールに乗り込んだ。最低だと思われるかも知れないが、一夏の顔を見ていたくなかった。振った相手とすぐに話せるほど当時の私は強くなかった。
「少しだけ・・・・・・考えさせてもらえませんか?」
「構わない。元々、断られることを前提に来たんだ。そう言ってもらえるだけ助かる。アイツのスマホのアドレスは変わっていない」
千冬さんはそう言うと去っていった。
「・・・・・・はぁ」
正直、考えるとは言ったものの一夏と本当に会うべきなのか分からない。もし、一夏と会ったら私はどんな顔をすれば良いのだろうか。
「ーーーーーー箒」
「あっ・・・・・・佑樹!」
延々と一夏のことを考えている内にスーパーについていた。そしてーーーーーー私の最愛の夫が目の前に立っていた。
「買い物?」
「うん。佑樹は今日は早いんだ」
「元々、今日は祝日出勤だからね。早めに終わるのは決まってたんだ」
夫が勤めている会社はそこそこ有名な会社で、何度かテレビや雑誌に取り上げられたことがある。
「唯は?」
「家で留守番中。もう、三年生だしね」
「そっか。なら、久しぶりに二人だけの買い物だね」
唯が産まれてからは三人で買い物に行くことが多くなり、夫と二人だけで買い物に出かける機会が減った。だから、今日のような夫との二人だけの買い物の時間はとても貴重だ。
「ふふっ・・・・・・♪」
「何か良いことでもあった?」
「うん。ちょっとね」
私は夫の手を握る。学生の頃に比べて大きくなった夫の手。今は一夏のことは忘れて、帰ってから相談しよう。だから、今は夫と二人だけの短い買い物を堪能しよう。
ちょっとした時系列整理
1、箒ちゃんと旦那さん結婚式直前にどこかの兎があることを発表。
2、世界情勢が大きく変動。箒ちゃん、そんなことは気にせず結婚式を心待にする。この時、箒ちゃんは唯ちゃんを身籠っている。
3、どこかの世界最強、学園からのリストラ勧告を了承。退職して後を後輩に譲った。今は職につかずにフリーター状態。
4、箒ちゃん、久しぶりにどこかの世界最強と会う。幼馴染みに会うように頼まれる。返事は保留。
5、箒ちゃん、旦那さんと二人だけの短い買い物を堪能中。←今ここ。
だいぶと大雑把な時系列整理でした。