携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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この章も終わりです


傍観者たち

~月面~

 

今俺は月面から地球を見ている。それはきっと多くの人が望むことの一つではないだろうか。そこから見える地球は青く美しかった。正直俺にとっては生命にあふれた地球の方がこの穴ぼこだらけの殺風景な月よりもずっと美しいと思う。俺は何となく月の都を散歩していた。先程の七色の光で全員やられたらしくて気絶している。あの姉妹も今度こそ完全に倒れ伏していた。月の都はほぼ壊滅と言ってもいい状態だった

 

しばらくすると俺はZクリスタルを異空間から出した。そして今度こそそれを取り込んだ。すると俺の体にさらなる力が宿ったのだ。それは間違いなくZワザの力だった。こうして俺はZワザの使用が可能になったのだった。そして俺は幻想郷へと帰るのだった

 

 

~???~

 

「月の都をたった一人で壊滅させるとは。本当に強くなったものね」

「まったくね。何といってもあの閉鎖的で生命のくせにそれを否定して他の世界を馬鹿にしてる月人をあそこまで叩きのめしてくれて実に愉快だわ。しかも最後はその生命と浄土と言い張る月の力で止めを刺したところが良かったわね。あなたも気分がスッとしたんじゃない?」

「ええ。おかげさまでね。・・・あなたと戦う日もそう遠くはないんじゃないですか?」

「・・・・・・」

「もう少しと言ったところなのかしら、〇□?」

「ああ。我と戦えるようになるまではもう少しだけ強くなってもらう必要がある。そしてその域に達した時、我は異変を起こしてあいつをおびき寄せるつもりだ」

「そう・・・」

「近々月に襲撃するつもりでしたが、もうする必要はありませんね」

「そうだな」

「そういえば幻想郷の賢者はちゃんと見たのかしらん?」

「見たようだぞ。我がスキマを覗いて確認した」

「そうですか」

「さて。どこまで強くなるかしらね」

「それを授けるに値するまでにあのものは強くなれるでしょうか?」

「我の目に狂いがなければな・・・」

(まあその心配はなさそうだがな)

 

~スキマ空間~

 

「・・・・・」

「まさか本当に月の都をたった一人で壊滅させるとは」

「・・・薄々感じてはいたけど、とうとうここまでの実力を手にするとはね・・・」

「いかがなさいますか?紫様」

「どうするも何もしたくても何もできないわ。第一次と第二次ともに惨敗で終わった相手を壊滅させた相手にどうやれば勝つことが出来るというのよ」

「幸いにも善人であるのが救いでしょうか」

「そうね・・・だからこそ余計に質が悪くもあるわ・・・それにとうとうあの方も動き出すかもしれないわ。なんでも古い友人と出会ったという話よ」

「あの方がですか・・・」

「ええ、でも今は何もしないとおっしゃっていたけどね・・・・いったい何をなさるのかしら・・・龍神様」

 

 

~自宅~

 

俺はしばらく眠っていた。幸いにも今日は休日だったのが救いである。今度はZワザの特訓を開始することを決めた

 

(それにしてもどうしてあのZクリスタルは俺を呼んだんだろう?そもそもどうして月に・・・)

 

俺は外を見ながら物思いにふける

 

思えばこの感じは前からずっとあった。あの謎の本もそうだし、それが一番強く感じたのはデオキシスの時だった。あの時倒したあとに「見事だ・・・」と威厳たっぷりの声が聞こえた。今回のZクリスタルもそうなのかもしれない。そして

 

(その存在が俺を幻想郷に生まれさせ、この力を授けた張本人である可能性が極めて高そうだ。・・・・いつかその存在に出会うことが出来るのだろうか・・・)

 

何となくではあるけどこのまま修行を続けることが必要な気がする。メガシンカにZクリスタル、あの本だってそうだ。共通点は俺に新たな力を与えることだった。きっとこれは俺にもっともっと強くなってもらうためのものだと俺は感じる。だから

 

「・・・今日も元気に修行するとするか」

「おーい!!」

「真聡さーん!!」

「おお!魔理沙!!早苗!!」

「今日も使わせてもらうぜ」

「私は成果を見ていただけませんか?」

「ああ。いいとも」

 

だから今日も修行をする。大切な人たちを守るためにも・・・

 




今回はバトルが中心の回でした。次回からはまた原作の異変を解決していきます。まあもう主人公もですが、周りも相当強くなっているのでそこまで苦戦することはなさそうです。ですからまたオリジナルの展開をする予定です

今回は一応最終章への伏線というか、それを匂わせる話になりました。あともう少し続けていく予定です

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