携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

92 / 123
一応幽香の容姿は旧作と同じで髪が長いです
あと幽香ファンの方はあまり見ない方がいいかも


修行によって生まれた蹂躙

「ハイドロポンプ!!」

 

俺は手始めに光線の如き勢いで極太の水流を発射した。しかし幽香はそれを躱す。そして傘を開いて弾幕を大量に放ってきた。白い光弾は星の形をした黄色い弾幕がばらまかれる。俺はそれを躱しながら剣での攻撃を行う。時折から「ハイドロポンプ」や「きあいだま」で遠距離攻撃をする。そして「アクアジェット」での高速移動攻撃を加えていく。しかし幽香はそれをいなしていく。正に一進一退の互角の攻防だ

 

(ここはあの技を使うか)

 

俺は再び接近戦を仕掛けるが

 

「遅い!!」

 

幽香は魔力を込めた傘を振り回した。魔力がこもった一撃は凄まじいが俺は

 

ユラァァ・・・

「!?」

 

俺はそれを流れるような動きでかわす。幽香は傘の猛攻を繰り出す。しかし俺は流れる水のように流麗にかわしていく。時に穏やかに、時には激しく、緩急自在の動きを見せる。これはとある漫画の御庭〇衆の御頭の技を取り入れた回避術だ。「かげぶんしん」や「アクアジェット」を複雑に組み合わせて応用させて、更に波導を組み合わせた動きだ。そしてもちろんあの技も習得済みだ。緩急自在な流れる流水が激流になるような高速の剣技

 

「回転剣舞六連!!」

ズバア!!

「ガハ!!」

 

本来は刀と脇差の中間くらいの長さの小太刀で行う技だが、俺はこの二つの剣でこの技を完成させてみせた二刀流の剣技である。やたらジャ〇プの作品の技が多いが、現世では愛読誌だったし、昔の作品も読んでいたのだ。そこからの受けた影響力は強い。何にせよ6撃すべて的確に入った。いくら幽香でもただでは済まないだろう

 

「やってくれるじゃない」

「あの時よりもさらに強くなっている。それだけですよ」

「ふふ、そう。嬉しいわっね!!」

 

するとさらに強力になった傘の一撃が放たれる。地面に叩きつけた拍子で地面が割れて衝撃波が飛んできた。俺はそれを剣を交差させて防ぐが、完全に防ぎきれずに空中に移動した。その後膨大な数の白い光弾が埋め尽くした。その密度も速度も前に戦った時の物と比べ物にならない。いよいよ本気というわけだろうか。俺はサイドステップや飛翔や剣で弾いたりして躱していく。やがて幽香が俺の周囲を取り囲むように弾幕を放ってきた。そして傘を俺に向けて構える。すると凄まじいエネルギーが溢れ出した。俺は瞬時にあの技だと悟った。しかし俺も黙ってはいない。俺は二つの剣を天にかざした。すると強い光が幻想世界を照らす

 

「おおおおおおおおおおお!!!!」

 

天に掲げた二つの剣は合わさってやがて一つになり始める。そして巨大な一つの剣となった。「せいなるつるぎ」と「しんぴのつるぎ」を合体させた一つの剣、俺は「しんぴのせいけん」と名付けた。両方の剣が使えるケルディオならではの技であり、まさに次世代の大技だと俺は思う。そして俺は幽香が放たれた「マスタースパーク」にその巨大な剣を突き立てた

 

「はああああああああああああああああああああああああああ!!」

「!?」

 

俺はそれを押し切って地上から飛び上がりながら切り裂いた。そしてこれを思いっきり振り下ろした。動きは某ピンクの悪魔の「ファイナルカッター」が元だ。しかしおそらく威力は比べ物にならない。例えるならあれを「ウルトラソード」で行ったと言えばわかりやすいだろう。超巨大な斬撃が幽香に襲い掛かった。幽香もこれは慌てて回避するしかなかった

 

ズッバアアアアアアアン!!!

 

斬撃は地平線の彼方に消えていった。その直線状は底が見えないほどの大穴が開いていた。くらえば真っ二つとか言うレベルではない。さすがの幽香も少し冷や汗を搔いていた

 

「はああああ!!」

ブオン!!

 

俺は横へと薙ぎ払うが飛んで躱される。威力は絶大だが、武器が巨大だとどうしても技の方が制限されてしまうし、懐に飛び込まれてしまうと弱いという弱点がある。これでは駄目だと悟った俺は別のポケモンに変えた。俺が新たに宿したのはメガスピアーだ。今度は槍とレイピアの中間のような突きがメインの武器を装備した

 

ヒュン・・・ヒュンヒュン!!

 

俺は圧倒的なスピードと機動力で相手の弾幕を躱していく。新たに丸い使い魔のような白い物体が加わり弾幕を放ってくる。更に分身して弾幕や「マスタースパーク」を放ってきた。しかし俺はものともせずに躱していく。使い魔は一瞬のスキをついて「とどめばり」で破壊した。これによって同時にこうげきを上昇させていった。二ついたが両方とも倒した。そして猛スピードで弾幕の隙間を潜っていき、しばらくしたら「こうそくいどう」で一瞬で間合いを詰めた。普通の状態でも大妖怪の目でさえまともに追えない速度で移動するのだから、それが「こうそくいどう」したときの速さはもはや目視不可能だった。そして超スピードの突きの応酬で攻め立てた

 

ズバババババ!!

 

メガスピアーは完全な接近戦専門の進化だ。とくこうをすばやさとこうげきに注いで逆に下がり、防御面は一切上がっていない超とがった性能だ。しかしそれをフルに活かした接近戦は脅威の一言だ。飛行能力を活かし、前からでなく側面は頭上、背面からあらゆる角度から絶え間なく攻めることが出来る。幽香も必死で防御するが、防御しきれず少しずつ掠り始める。これが幽香でなかったら全身を貫かれてハチの巣になっているだろう。しかしメガスピアーの神髄はもう一つある。それは

 

「ガフ!!」

 

幽香は口から血を吐いた。そう猛毒である。スピアーは元から針に強力な毒を持っている。それがメガシンカによってさらにパワーアップしている。掠っただけでも確実に毒が体に浸透していく。すると消耗が激しくなるうえにどんどん体が弱っていく。幽香の体が言うことを聞かなくなる。すぐにでも解毒するか防御結界を張りたいのだが、真聡はそれをさせない

 

誤算だった。真聡は想像以上に強くなっていたのだ。あまりに蹂躙ぶりに周りのギャラリーも唖然としていた

 

そして幽香はいつの間にか真聡がいなくなっていることに気づいた。しかし次の瞬間衝撃が走る

 

「真下がガラ空きだ!」

「ダブルとんぼがえり(サマーソルト)

ドドカ!!

 

超高速の二連蹴りが幽香に炸裂した。そして打ちあがったところを素早く後ろに回り込んで

 

一突き

ザク!!

側面から二突き目

ザクウ!!

正面から三突き目

ザックウ!!

そして

ズバババババババババババババババババババババババババ

全身を襲う絶え間のない突きの猛襲。そして

ザッシュウウ・・・「終わりだ」・・・

 

止めの一突きを腹に決めたのだった

 

全身を貫かれたうえに猛毒が体に浸透している。勝敗は決した。幽香は完全に意識を失っていた

妖怪は物理攻撃には極端に強い。ハチの巣にしても幽香ほどの大妖怪なら再生する。しかしその分精神力が弱い。今回の戦いはおそらく精神的にも来たはずだ。プライドをズタボロにされたに違いない。一番の原因は修行を欠いたことだろう。真聡は日々の修行と戦いで日進月歩で成長していく。幽香はそれを怠っていた。強敵との戦いが久しぶりだったのもあるかもしれないが、なんにせよそれがここまでの大きな差を生んだのは間違いないだろう

 

俺も鬼ではない。幽香に「かいふくのくすり」を使ってあげた。解毒されて出血は収まり、傷はふさがれていく。流石はポケモンの世界の道具と言ったところか

 

薬を使った後、俺はそのまま元の世界に帰ろうとした。誰も俺に攻撃する気はないらしい

そして俺は元の世界へと帰っていくのだった

 

こうして誰にも語られることのない戦いは終わった

 




スピアー   NO.15  タイプ:むし・どく

元祖序盤虫ポケの一種。猛スピードで飛び回り腕の二本と針とお尻の針にある強力な毒で敵を仕留める。現実の蜂のように集団で襲ってくることもあるお尻の針が一番強力な毒を持つらしい。長らく弱いポケモンだったが、ORASにてメガシンカを獲得した。こうげきとすばやさ一辺倒の強化という見た目通りとがった性能になった
アニメでは悪役になることが多いが、「ライコウ 雷の伝説」などで活躍することもたまにある
ポケモンスペシャルではサカキ愛用のポケモンとして登場する。ゲームでの性能が嘘のように滅茶苦茶強い。高速移動でデオキシスを追い詰めたりもしているが、一番はイエロー編のワタル戦の時に溶岩を余裕で耐える泡のバリアを「ダブルニードル」でうち破ったシーンが印象的だろう。「真下がガラ空きだ!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。