携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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今回はとある要素を入れてみました


共鳴する力

~名もなき平原~

 

「イクゾ!!」

 

すると勇儀がとびかかってきてパンチを放ってきた。俺はそれをギリギリでかわす。しかし

 

ドゴ―ン!!

(ただのパンチでコレかよ)

 

パンチの衝撃波で前方の森や大岩が粉砕されてしまった。衝撃でこれとなると実際にくらうと半端じゃないダメージになるだろう。しかしチャンスは出来て俺はコンボをつなげることにした。俺は勇儀の足をつかみ、高速でジャイアントスイングのように回転した。そして地面に思いっきり投げ飛ばした

 

「じごくぐるま」

バアーーン!!

 

つかんだものを地平線の彼方まで投げ飛ばす怪力を使っての投げ技を決めた。今ので大きなクレーターが出来上がる。しかし更に追撃を開始する。俺は叩きつけた勇儀を持って上に放り投げる。そしてカイリキーの二本の腕が俺の一本の片腕に宿っているため、先ほどの倍の「250連釘パンチ」を右腕で行う。そして一瞬遅れて「250連釘パンチ」を左腕で叩き込む。そして最後に両腕を突き出してとどめの攻撃を決める

 

「500連ツイン釘パンチ!!」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・

 

合計1000発の猛ラッシュが勇儀に直撃した。素のパワーも片腕で山を動かせるほどの怪力。それの合計1000発のパンチはひとたまりもないだろう。しかし

 

「ガアアアアアアアアアアアアア!!!」

「何!?」

 

なんとそれを受けている途中なのにもかかわらず力ずくで跳ね返した。そして猛烈なパンチをしてこようとしてきたため、俺は咄嗟に腕を交差して「ビルドアップ」をした

 

ズッガア―――ン!!

 

俺は平原から遥かに離れた名もない山にまで吹き飛ばされた。何とか立ち上がれたが、ダメージは半端じゃなかった

 

「ガハ・・・くそ、なんて力に防御力だ」

 

おそらくあれが完全に本気の状態なのだろう。彼女には「怪力乱神を持つ程度の能力」を持つと以前早苗に教えてもらった。「怪力乱神」とは人知を超えた存在や現象のことを指す言葉である。具体的にどういう能力なのかはわからないが、今はそれをフルに使っている状態なのだろう。推測だが、勇儀は修行している。それと久しぶりの全力の戦いで自分の本来の能力を取り戻した感じがした。何にせよ俺はあれを発動することを決めた

 

そうこうするうちにもうパンチが迫る。ものの数秒でここまで来たのだ。言っちゃ悪いが文さんよりもはるかに速かった。だから俺は一気に決めることにした。

 

ズッガーン!!

 

パンチが俺に直撃する。その余波で周りの後ろの山が吹き飛んでしまった。しかし次の瞬間七色の光が輝き始めた。俺は今の攻撃を受け止めていた

メガシンカの昇華版であり派生版ともいえる力。その名も

 

「共鳴バースト!!」

 

「共鳴バースト」とはポッ拳で登場したパワーアップのことである。俺と宿したポケモンを100%を越えて共鳴することで絶大な力を手にすることが出来る。使えるポケモンは限られてはいるが、メガシンカと違った強力な力である。更に「バーストアタック」という超強力な大技を放つことも出来るのだ

しかしこれには欠点がある。通常のメガシンカは戦闘が終わるまで発動できるが、これは時間制限がある。つまり俺はこれが続く間に一気に決着をつけることにしたのだ

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

「ガアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

勇儀と俺とも壮絶な殴り合いが始まった。勇儀はスピードで圧倒的に勝るが、俺は波導をフルに使って予測して対応する。反射神経もずば抜けて強化されていた。もはや弾幕の「だ」ではなく「打撃」の「だ」の文字しかない肉弾戦オンリーの戦いになった

 

ドカ!!バキ―!!ズガアーン!!ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

激しい殴り合いで周りの地形がどんどん変わっていく。森も山も砕け散っていき、地底にまで貫通した穴までできた。壮絶な殴り合いの末、お互いがボロボロになった

 

すると勇儀が大技の構えを放つ

 

ズーーン!!

 

一歩目。周りの大地が陥没し、そして大量の弾幕が張られる

 

ズッドーン!!

 

二歩目。更に陥没して張られた弾幕の外側に更に弾幕が張られる

 

これには見覚えがあった。それは以前萃香との死闘の時の最後の大技に似ている。おそらく次の一歩で大技が飛んでくると直感で分かった。俺は拳を天へと掲げる。すると拳が光り輝いた。そして渾身の力を込めて身構えた

 

「来る!!」

ズッガア―ン!!

 

三歩目。するとあたりを覆うほどの超巨大な光弾が出現した。それはまるで勇儀の拳が巨大化したようだった。それが勇儀のパンチと共に俺に放たれた。俺もそれを迎え撃つ

 

四天王奥義「三歩必殺!!」

バーストアタック「爆裂ラッシュ!!」

 

そしてお互いのお技がぶつかり合った

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

勇儀の拳とそのエネルギーが詰まった弾幕と共鳴バーストの力が詰まった拳の猛襲が激突した。その衝撃は幻想郷中に響き渡る

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

威力は互角だ。しかしこれではまだ足りない。俺はさらに力を加えようとする。それはまた勇儀も同じだった

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

「おおお!!「1000連ツイン釘パンチ!!!」

 

更に高ぶった両者の大技が激突した。そしてしばらくしたのちに光に包まれた

 

 

~数分後~

 

技の激突が終わった後、周りの地形は完全に更地になっていた。山すら消し飛んでいた

そして勝者は・・・

 

「・・・・・ふう」

 

真聡だった。俺はどこかの拳王のように拳を天に掲げていた。死んではいないけどな。周囲には結界が張られていた。おそらく紫や霊夢あたりが張っておいたのだろう

 

「一応あの平原にもいざってときのためにしばらくしたら元通りになるとように特殊な空間を張っておいたけど、被害はそれ以上に及んだらしい・・・・また怒られるな・・・・後で元に戻さないと」

(しかし今の体力ではとても禁止伝説を宿せるほどの余裕はない。まだまだ修行の余地があるな)

 

そう思いながら俺は意識を手放して倒れた。ただし「ねむる」で体力の回復を図りながらである

 

こうしてまた一つ幻想郷の歴史に刻まれた。この激闘は長く語り継がれるのであった

 




カイリキー  NO.68   タイプ:かくとう

ゴーリキーを通信交換することで進化するポケモン。名前通り途轍もない怪力の持ち主で腕一本で山を動かし、つかんだものを地平線の彼方にまで投げ飛ばすという。あらゆる格闘技をマスターしており、四本の腕をすべて使ったパンチは2秒間で1000発という接近戦では凄まじい強さを持つ。ただし細かい作業は得意でなく、四本の腕が絡まってしまうらしい。強者に出会うと気持ちが昂る性格
ネタポケとしても人気が高い。ポッ拳でもルカリオと共に登場した
ポケモンSMではライドポケモンの一匹として登場。「かいりき」で大岩を動かすことが出来る。ちなみに主人公をお姫様抱っこして移動する

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