携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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少し短めです


妖怪退治

今人里の外れは騒然としていた。先ほど少年に助けられた二人組は言われた通り妖怪から離れていた。その時

「阿求、大丈夫か!?」

「あっ慧音さん。私は大丈夫です。柴もこの通り無事です」

「そうか、よかった。お前と柴さんが逃げ遅れていると聞いて急いできたんだ。今はどうなっているんだ?」

『今対峙している少年が不思議な力で助けてくれたのです。あの少年が助けに来なければ阿求様は・・・。くっ私が不甲斐ないばかりに』

 

とお付きの柴という名前の男はかなり悔やんでいる様子だった。阿求は

 

「そんな。あなたは私を助けようと必死に戦てくれて・・・」

 

そこに慧音が割って入り

 

「不思議な力を持った少年?まさか・・」

 

と言って人込みをかき分けて最前列に向かった。そこには・・・

 

 

~人里の外れの広場~

 

俺は今二体の妖怪と対峙している。獣の妖怪はもう瀕死寸前だが、一つ目の妖怪は槍である程度はダメージを与えたようだがあまり堪えていないようだ。俺はとりあえず二体の妖怪に言い放つ

 

「このまま戦って死ぬことになりたくないのなら、さっさと逃げろ。もちろん人里に二度と立ち入らないのが条件だが」

 

しかし二体とも依然として変わらず殺気をむき出しにしたままだ。そしてしばらくしたら二体同時に俺にとびかかった。一つ目妖怪は大きな腕を振り下ろし、獣型は爪と牙で引き裂こうと飛びかかる。

しかしその先にはだれもおらず、つかんだ手ごたえすらなかった二体は振り向くといつの間にか真聡が後ろにいたことに気づき、また攻撃を加えるが

 

「・・・テレポート」

 

とまた姿を消し、別の場所に現れる。ゲームでは野生の戦闘に対して強制離脱するだけの技で対人戦では全く役に立たない技である。しかし実戦で使えば一瞬で姿を消し、別の場所に移動できるため攻撃を回避するのにはうってつけの技へと変貌する。

 

しばらくかく乱して俺は再び獣の妖怪に「サイコキネシス」を放ち、今度は一つ目の妖怪へととばす。そしてそのまま先ほどたたきつけた大岩に一つ目の妖怪ごとたたきつける。

ドッゴーと大きな音がしたあと、俺はさらに強めて押し付ける。するととうとう大岩は崩れて地面に吹き飛ばされた。

 

「ギャオーーーー」

 

獣の妖怪は断末魔を上げて息絶えた。一つ目の妖怪も岩と妖怪に挟まれるような状態になり大きなダメージ受けて弱っていた。しかしもう歯止めが利かないのか、懲りずにまた俺に突っ込んでくる。そして大きな腕を俺に振り下ろした。しかしその腕は少年に受け止められていた。妖怪は目を疑った。人間相手に力で自分の腕を止められたことが信じられなかった。さらにそのあと少年は妖怪の体を両手でつかんで持ち上げたのだ

 

「体重は400キロ弱ってところなのかな?これを軽々と持ち上げられるのだからワンリキーの腕力ってすごいな」

 

真聡はケーシィからワンリキーへと変えていた。ワンリキーは体は赤ちゃん並みの大きさだが、大人を100人投げ飛ばすほどの怪力の持ち主だ。一人当たりの体重が60キロと仮定すると100人で6トンほどになり、これは一人で大人の象を持ち上げるようなものだ。6トンに比べれば400キロ弱などあまりにも軽い。

 

そして俺は持ち上げた妖怪を地面に思いっきりたたきつけた。そしてそのあと今度は真上に思いっきり投げ飛ばした。この妖怪は空を飛べず空中ではなす術がない。上に上がりきった後は重力に従って地面に真っ逆さまに落ちてくる。その間に俺は一回深く呼吸して腕に力を込める。そして

 

「ばくれつパンチ!!」

 

と叫びながら落ちてきた妖怪に渾身のパンチを放つ。その拳は妖怪の顔面をとらえ、一瞬メキメキと音を立てるとそのあとは近くの森まで吹き飛んだ。木をなぎ倒しながら妖怪は吹き飛んでいき、やがて勢いが止まり、地面に倒れ動かなくなった。

 

戦闘が終わり、ひと段落つけようとしたら、ワァーーーーー!!と歓声が上がった。

 

「ありがとう!」「すげー妖怪を殴り倒しやがった!!」「何者なんだあいつ!?」 

 

などと周りは騒然としていた。こんなふうに周りから騒がれたことがないので困惑するが、とりあえず俺は賞賛の声に対して手を振りながら先ほど助けた二人組がいる場所に足を運んだ。

 

 

 

 

~人里上空~

「へえ~人間が妖怪を倒すとは。ここ最近大したネタがなかったのでこれはちょうどいいネタが転がってきましたね~」

と上空から今の戦闘を見ていたものがいた。しかし隠れてみていたのはその一人だけではなかった

 

 

 

 

~???~

「・・・・木戸真敏。彼はいったい何者なのかしら?」

 




ワンリキー  NO.66   タイプ:かくとう

鍛えるのが大好きでどんなに鍛えても痛くならない特別な筋肉の持ち主。いろんな格闘技をマスターしており大人100人を投げ飛ばすほどの怪力を持っている。金銀クリスタルではコガネシティのデパートでケーシィかスリープと交換してもらえる。ニックネームは「きんにく」。ちなみにメスである。コガネシティのジムリーダーアカネ戦の救済処置として出されたポケモンと思われる。

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