携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

89 / 123
星熊勇儀戦です


VS星熊勇儀

~名もなき平原~

 

俺たちはまたいつもの平原に向かった。最近では人や妖怪たちに決闘の聖地と呼ばれている場所でもある。勇儀も「やっぱりここか」とつぶやいていた

 

「さあて、じゃあやろうじゃないか」

ポキッゴキッ

 

勇儀は腕を鳴らす。ようやく戦いたかった相手と戦えて心底嬉しいようだ。俺にとっても修行の成果を試す絶好の相手だ。俺も全力で挑むことにした

 

「いくぞ!!」

 

すると勇儀はものすごい速さで飛び出して殴りかかってきた。俺はバンギラスの力を宿して受け止める

 

ドゴォーーン!!

「くっ」

 

受け止めることは出来たが想像以上の重さだった

 

「んんんんんんん・・・」

「むむむむむむむ・・・」

 

お互い押し合いになった。両者の力は互角だった。やがてお互いは弾けるように離れて距離をとった

 

「あくのはどう」

 

俺は腕から漆黒の波動を放った。更に「ストーンエッジ」と「いわなだれ」で攻め立てる。上から巨石の雨、下からは巨大な鋭利な岩が出現した。「あくのはどう」による薙ぎ払い攻撃もあった。どれも修行の成果により、威力と精度が格段に上がっていた

 

「はっ!!やるねえ」

 

しかし勇儀も負けてはいない。素早い動きでかわして巨石を次々と砕き割り、弾幕で攻め立てていった。俺はとくせいを発動させた。辺りは砂嵐となり俺は別のポケモンに変えた

 

フ・・・

「消えただ」

「ドラゴンクロー」

「!?」

ズバア!!

 

俺は砂嵐を利用して姿を隠し、高速で動いて攻撃した。俺の宿した力はガブリアス。レートでも人気な強ポケだ。レートでは隠れとくせいの「さめはだ」が主流だが、今は本来のとくせいの「すながくれ」で砂に隠れながら音速を遥かに凌駕する速度で攻撃した。修行のおかげで音速を凌駕する速度で移動することが可能になった。砂嵐に身を隠し、超高速での連続攻撃は勇儀を大いに苦戦させた。姿が見えないのでは攻撃の狙いが定まらないし、そもそも動きが早すぎて攻撃を当てるのが困難だ。しかし

 

「舐めるなあ!!」

ブオン!!

「!?」

 

何と拳による風圧で砂嵐を掻き消してしまったのだ。これにはさすがに驚愕した。そしてこちらが攻撃のために接近していることは見抜いており、カウンターの要領で強烈なパンチを俺に放ってきた

 

「がは!!」

ドッカーン

 

俺は殴られて遠くへ吹き飛ばされた。咄嗟に体をひねって直撃は避けたが、ダメージは大きかった

 

(くっ。こりゃ萃香さんよりも上かもしれない。技の萃香に対して力の勇儀と呼ばれているらしいけど、それに恥じないパワーだ)

 

でもこれくらいでは倒れない。俺は大地を叩きつけて「じしん」を発動した。大地のエネルギーが揺れとなって襲い掛かる。勇儀はこれを飛んで回避するが俺は素早く移動した。あまり威力は出ないが「りゅうのはどう」や「だいもんじ」で攻め立てる

 

「その程度!!」

 

勇儀は弾幕と更に殴って掻き消した。素手で掻き消したのは驚いたが、これはあくまで牽制だ。俺は再び接近戦に持ち込む。パワーアップしたとはいえガブリアスだと単純な力ではやはり勇儀の方が上だろう。だから俺は速度を最大まで出して突っ込む。勇儀も迎え撃ってきた。そしてお互いの攻撃がぶつかり合った。そしてお互いがすれ違うと

 

「ぐああああああ!!!」

 

すると勇儀が苦しみだした。俺は「じしん」を勇儀に直接当てたのだ。殴ると同時に地震のエネルギーによる揺れが体に伝わる。これは二〇の極みを参考にさせてもらった。元から直接「じしん」を叩き込む技は編み出していだが、それを更に昇華させたのだ。殴ると地震の揺れを同時に発動させて一瞬で何重もの衝撃を相手に叩き込んだのだ。これには勇儀も大ダメージを受けたようだ

 

「く。やるねえ!!想像以上だ」

 

だが勇儀は倒れる気配がなかった。それどころかますます闘志が燃え滾っていた。鬼特有の気迫が周りのフィールドを揺るがした

 

「いよいよ本気というわけですか。ならば全力で応えさせてもらいますよ」

「望むところだ!!」

 

戦いは激化していく。大地を揺るがすどころか消し飛びかねないほどだ。俺は様々な技で攻め立て、勇儀は弾幕と拳や蹴りでの猛ラッシュで迎え撃つが、両者ともに決定打には至らなかった

 

(こうなったらこいつの出番だな)

 

俺は別のあるポケモンを宿した。おそらくだが、設定上は接近戦なら最強クラスのポケモンの力だ

 

「ストーンエッジ」

「そんなもの!!」

 

俺は「ストーンエッジ」を放つが勇儀は避けることすらせずに殴り壊しながらつき進んできた。接近戦なら好都合だ。勇儀はパンチを繰り出してきた。俺はそれを体で受け止める

 

「ビルドアップ!!」

 

強化された筋肉によって生まれた防御力は勇儀の拳をも防いで見せた。そしてその隙に技を叩き込む。これはとある技を参考・・・否、そのままパクった技だ。たぶんこいつくらいしかできないだろう。その名も

 

「125連釘パンチ!!」

「!?」

俺が殴りつけた瞬間

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッゴオーン!!

 

俺はト〇コの必殺技、「釘パンチ」で攻撃した。俺が宿したのはカイリキーだ。カイリキーは2秒間で1000発ものパンチを放つことが出来るポケモンだ。つまり4本の腕一つにつき、1000÷2÷4で125発のパンチを打ち込むことが出来る。それを更に昇華させて「釘パンチ」の領域にまでにしたのだ。流石の勇儀も大ダメージを受けたようだ。しかしそれでも立ち上がる。ボロボロだというのに気迫と闘志はますます強くなっていた

 

「はああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

勇儀は鬼の四天王の力のオーラのようなものをまき散らした

 

「サア。モットワタシヲタノシマセテクレ!!」

(ここまでしても尚もこの闘志。これはいよいよあれを実戦で使うときが来たようだな)

 

俺は更なる秘策を発動させることを決めたのだった

 




ガブリアス  NO.445  タイプ:ドラゴン・じめん

第4世代で登場した600族のポケモン。翼を折りたたむことでジェット機のようになり、ジェット戦闘機並の速度で大空を飛び回ることが出来る。頭の二つのトッキはセンサーの役目を持ち、はるか先の獲物の様子がわかるらしい。またきめの細かい鱗は空気抵抗を減らす役割を持っているという
メガシンカするとスピードは落ちるがパワーはさらに上昇する。鎌状になった腕はメガシンカによる過剰なエネルギーによって溶けてしまってできたもののようだ。それを振るい、大地を微塵切りにしてしまうほどのパワーを持つ
シロナの切り札としても有名なポケモンで、その強さで苦戦した方もきっと多かったことだろう


カイリキーは次回で行います

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。