携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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また早苗が戦いますが、戦闘描写はあまりありません


古明地姉妹

~地霊殿・庭~

 

すると薄い緑色のセミロングに緑の瞳、黄色いリボンが巻かれた黒い帽子に黄色い服に緑のスカートを着ている。そしてさとりと同じような眼玉を持った少女がいた

 

「さっきからつけてたようだけど、君は?」

「・・・やっぱりバレてたんだね」

「こいしの能力まで・・・」

「君は姿をくらます能力が使えるんだね」

「うん。「無意識を操る程度」の能力を持っているの」

「無意識?」

 

その後説明してくれた。その能力は相手の無意識を操ることで気配を完全に消して認識できなくなる。まるでそこらへんに落ちている小石のようなものとしか認識されないらしい。これを利用すれば。戦闘でも相手に完勝することが出来る恐ろしい能力だ

 

しかし俺の波導には通用しない。波導は生物である限り、常に発し続けるオーラである。妖怪だって生き物。他人の無意識を操って姿は消せても波導は消すことは出来ない。彼女にとって俺は天敵ともいえるだろう

 

「本当に波導って便利ですね」

「波導っていうんだね。そのちから」

「まあな」

 

としばらく和気藹々と話していたら・・・

 

「おっと」

「きゃ!!」

「ちょっとお姉ちゃん!!」

 

するとさとりは弾幕を放ってきた。そして狂ったようにこう言った

 

「やはりあなたは危険ですね。消えなさい!!」

 

するとなんと突っ込んできて殴りかかろうとしてきた。俺はじっとしているが

 

ボカ!!

「あう・・・」

 

すると早苗が横から強烈なキックを決めた。霊力を纏った強力な蹴りでさとりはふきとんだ

 

「ナイス!!体術の威力も上がっているな」

「ええ」

 

しかしまた立ち上がる。まだ狂ったような様子だ。すると早苗は

 

「そんなんじゃ真聡さんに傷一つ付けられませんよ!!代わりに私が目を覚ましてあげます」

 

すると早苗はさとりに挑みかかった。俺はそこから離れて様子を見守る。するとこいしに俺は言った

 

「どうする?このままお姉ちゃんを助けるの?それとも俺に戦いを挑むのか?」

「ううん。挑まないよ。お姉ちゃん私にまで弾幕撃ってきたし、あのお姉ちゃんのいう通り目を覚ましてもらった方がいいと思う。それにお兄ちゃんには弾幕ごっこでも実戦でも勝てる気がしないもの。お兄ちゃんが戦うところも遠くから見てたし」

「そうか」

 

こいしは俺の戦いを今まで何度か見ていたらしい。紅魔異変に、萃香との戦い、映姫との戦いなども見ていたらしい。そしてその実力を目の当たりにして、自分では勝てないと悟ったのだそうだ

 

「せっかくだからお兄ちゃんには教えてあげるよ。私がどうして無意識を操るようになったのかをね」

 

俺は彼女の話を黙って聞いた。この子もかつてはさとりと同じく覚妖怪で心を読むことが出来たようだ。しかしその力のせいで周りから嫌われていることを知って、サードアイと呼ばれる読心を司る目を閉じて封印したと語った。そのせいで心を閉ざし、無意識を操る力を得たという

 

「だからお姉ちゃんの能力でも私の心は読めないの」

「そうなんだな」

「うん。お姉ちゃんにとって私以外では二人が初めて出会った心が読めない生き物なの」

「なるほど。それで混乱しているのか」

 

今のところ早苗と張り合っているが、ほとんど早苗の一方的な蹂躙だった。相手の心を読むことを利用した戦術が一切使えないし、接近戦を挑んでも彼女自体苦手のようでしかも冷静さを失っている。対して早苗は冷静に対処していき、弾幕を確実に被弾させていく。接近戦になっても真聡との修行で素人臭い動きはもうなかった。拳をいなし蹴りや正拳でカウンターを決めたりしてダメージを与えていく。どんどんダメージが蓄積していき弱っていく

 

「はあ・・はあ・・、人間相手にここまで」

 

さとりは地底ではかなりの実力者である。彼女の知り合いと言えば逆らうものはまずいないという。普段は冷静で物腰柔らかい。相手の心を読んで過去の技も容易く再現できる力もある。たとえその能力を封じられてもここまで弱い存在ではなかった。しかし能力どころか冷静さも欠けてしまい、もう強者の面は見る影もなかった

 

脳符「ブレインフィンガープリント!!」

 

すると緑色の光弾を放ってくる。途中大玉も放ってくるが途中で消滅する。そしてしばらくすると爆発を起こして攻撃するというものだ。早苗は咄嗟に結界を生みだして防御する。最初は驚いていたが、種がわかれば恐れるに足らないようで以降は全く当たらなくなった。そして

 

「この風で目を覚ましてあげます!!」

大奇跡「八坂の神風!」

 

すると巨大な暴風が発動する。そし大量の弾幕が螺旋状に放たれる。それは正に神の風と呼ぶにふさわしい。庭からとび出し、地底の天井まで風が立ち昇った。やがて風が止むと、それに飲み込まれたさとりが無残にも倒れていた。もう完全に意識を失っていた。だが死んではいない。しかし次の瞬間地上に降りて来た早苗の前に真聡がいきなり現れた

 

「・・・手を出さないんじゃなかったのかい?」

「いつの間に!!」

「あ・・・・」

 

俺は早苗に無意識で近づいて攻撃しようとしたこいしをバンギラスの怪力で受けとめていた。どうやら無意識の行動だったようだ

 

「ごめんね、お兄ちゃん、お姉ちゃん。私無意識に・・・」

「それだけお前は姉を慕っているってこと。そうだろ?」

「うん。お姉ちゃんは普段は優しくていつも私を心配してくれるの」

「そうか」

 

とりあえずこいしに寝室へと連れて行ってもらい、「いやしのがどう」で回復させた。しばらく経てば目を覚ますだろう。そしてこいしから奥の灼熱地獄跡への道の入り口に連れて行ってもらった。すると

 

「はあ、はあ」

 

入り口に誰かがいた

 

「あ、お燐」

「!!こいしさま!!帰って来たんですね。それと後ろにいる人間は・・・」

「俺は木戸真聡」

「東風谷早苗です」

「俺たちは・・・」

 

お燐という猫のような妖怪に目的と今までの経緯を話した

 

「そんなことが」

「お燐。お空はどうなの?」

「もう手が付けられなくなって困っているんです。このままじゃ・・・」

「とりあえず案内してくれないか?このままでは本当にまずそうだ」

 

こうして俺は異変の首謀者の元へ向かうのだった

 

 


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