携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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今回は早苗が戦います。早苗は自分でいろいろ改良して今作オリジナルの性能になっています


風祝VS橋姫

~地底~

 

道中に襲ってくる敵を蹴散らしていながら順調に進んでいく。だんだん広くなってなっていき、やがて大きな空洞に辿り着いた。すると遠くから明かりが見えた

 

「あれがヤマメが言っていた旧都か。結構大きいな。人里くらいはありそうだ」

「あそこは旧地獄ともいうんです」

「旧地獄?」

「はい。それは・・」

 

早苗の話によるとここはかつては本物の地獄だった場所らしい。しかし閻魔が地獄のスリム化をするためにこの場所は地獄から切り離されたそうだ。だから旧地獄と呼ぶのだそうだ。その中心に灼熱地獄跡があり、お空というやつはそこで暴れているのだという。すると橋が見えてきた。俺は渡ろうとするが

 

「待ってください」

 

と早苗が俺を呼び止めた。あそこには水橋パルスィという橋姫と呼ばれる女神がいるらしい。なんでも橋を守護する存在らしくて本人は嫉妬心を操り、嫉妬が本人の力となるらしい。能力がなくとも嫉妬深いため、ここは迂回して別の場所から旧都に入ろうと提案してきた。しかしどうやらそううまくはいかないらしい

 

「あんたたちそこで何してるの?」

「ああ。見つかっちゃいましたね・・・」

 

すると金髪のショートボブで緑色の瞳、そしてエルフみたいなとがった耳が特徴的な女性が現れた

 

「えーとあなたがパルスィさんですか?」

「ええそうよ。誰かと一緒に来るなんて妬ましい」

「え?」

(なんかいきなり妬ましいって言ったけど・・・まあとにかく)

 

俺たちは軽い自己紹介とここに来た目的を丁寧に話した。全てを話し終えると彼女はこういった

 

「事情は分かったわ。でも通すわけにはいかない」

「なんでだ?」

 

しばらく言い合いになる。個人的には無駄な消費はしたくないし、できれば穏便に済ませたいのだが

 

「通りたければ弾幕ごっこで私に勝つことね」

「・・・・そうか」

 

無理矢理突破する手段もあるにはあるが、この人はしつこく追いかけてきそうだ。ならばここは勝負に勝って認めさせた方が最良の選択か。交渉はダメそうだし

 

「よし分かった。じゃあ俺が・・・」

「待ってください」

「何だ早苗?」

「ここは私に任せてくれませんか?」

「お前に?」

「はい。私も腕試ししたいですし、真聡さんに頼りきりってわけにもいきません。それに今回の異変の主犯を倒すにはあなたの力が必要ですから、ここは私に任せてくれませんか?」

(確かに相手は核を使うらしいし、その方がいいかもな)

「わかった。じゃあ頼むぞ早苗」

「はい!!」

 

そして早苗はパルスィの前に対峙する

 

「仲がいい、信頼し合っている・・・妬ましい!!」

 

するとパルスィに緑色の邪悪なオーラが出てきた。しかし早苗は全くひるまずに対峙する

 

「妖怪相手にひるまないなんて、妬ましい!!」

 

花咲翁「シロの灰」

「これはルナティックの弾幕!!」

 

すると緑色の大玉と中くらいの光弾が飛んだあとに桜の花を模した弾幕が出来上がる。そしてまた緑色の光弾が来てまた桜の弾幕が出来るのだが、厄介なことに花の弾幕はしばらくの間残ったままなのだ。つまり下手に動いたらそれに囲まれて移動範囲が狭まるし、障害になってしまうということだ。つまり先を読んだ動きが必要ということになる

 

(幸い弾幕はそこまで速くはないし、軌道は直線。冷静に見極めれば)

 

早苗は弾幕の動きを見極め、回避できるスペースを常に確保するようにかわしていく。そして難なくかわし切り、スペルブレイクしてみせた

 

「お返しです!」

奇跡「客星の明るすぎる夜」

 

すると早苗の前方に大きな青い光弾が出来る。そして回転しながら青いレーザー上の弾幕をばら撒いていく。更に途中からまた光弾が増えてそこからもレーザー弾幕が放たれた。しかも途中で向きを変えてくるものもあった。この弾幕をパルスィは避けてはいたが、とうとう被弾する

 

ピチューン!!

「まずは一本です!!」

「う・・・人間のくせに妬ましいわね」

 

そしてパルスィはまたスペルを取り出す

 

舌切雀「大きな葛籠と小さな葛籠」

(これは確か分身するスペルですね)

 

するとパルスィが二人に分身した。一人は大きな緑色の光弾、もう一人は大量の小さい白い弾幕を放射状に発射された。しかし早苗はこれで対抗する

 

開海「モーゼの軌跡」

 

するとパルスィを挟むように大海のような水の塊が波のように凹凸する。更に自身からも弾幕を発射していく。これにより、パルスィの分身は飲み込まれてしまう。これパルスィも早苗を狙って弾幕を発射しながら避けていく。しかし早苗は

 

ゴポポッ!!

「!?」

「あれは!!」

 

すると波から波紋が広がって水の弾幕となって向かっていく。正体はポケモンの技の「みずのはどう」である。縦と横からの同時攻撃にはパルスィも苦しいようだ。しかしこのスペルはこれで終わりではない。早苗は移動していくと波が引き始めた場所があった。しかしパルスィは行かなかった。弾幕の対応に追われていたのと出来たスペースにも激しい弾幕があったからだ。しかし次の瞬間

 

「え?」

ザッパーン!!

ピチューン

 

突然波が閉じてしまった。突然のことで対応できずになす術なく飲み込まれてしまった。これはあの時スペースに逃げないといけなかったのだ。実際さっきまで空いていた場所は水に飲み込まれていない。おそらくこれは旧約聖書のモーゼの軌跡の結末をイメージしたのだろう。イスラエルの民が渡り切ったあと、モーゼは奇跡を止めた。そして追ってきたエジプト兵は全員海に呑まれて溺死してしまったという場面だ。パルスィはいわばそのエジプト兵と同じ。哀れにも大海に飲み込まれてしまったのだ。弾幕ごっことはいえ海に突然挟まれたらダメージは大きく、そのまま気を失った

 

こうしてこの弾幕ごっこは早苗の完勝に終わった。早苗は笑顔で俺にピースしてきた

 

「やるじゃないか」

 

早苗の成長をしかと見せてもらった。俺は親指を立てて賞賛したのであった

 

 

 




解説し忘れていたポケモンを一斉に紹介します

イワーク  NO.95  タイプ:いわ・じめん

岩でできた蛇のような姿をしているポケモン。地中に住んでいて時速80キロの速さで掘り進む。それが影響で地鳴りがおこる。地中のいろんな硬い物質を取り込んで体をさらに頑丈にしていき、やがて体の成分が変化して黒いダイヤモンドのようになる。年を取るほど体は丸みを帯びていくらしい

ミュウツー  NO.150  タイプ:エスパー

元祖禁止伝説級のポケモン。ミュウの遺伝子から人によって生み出されたポケモン。しかしあまりの凶暴性と力から研究所を脱出してしまった。高い知能と凄まじい超能力を持つがそれ故か優しい心を持たず、その圧倒的な戦闘能力で敵を打ちのめすしか考えなくなった。普段はいつでも最大限のパワーが出せるように洞窟の奥深くで少しも動かずに力を溜めているらしい
ポケモン初の映画「ミュウツーの逆襲」の主役である。凶暴な面はなく、人から作り出した自身の存在の意味に自問自答していくポケモンである。最強のポケモンの名に恥じない力を持っており、指を振るだけで大嵐を生みだし、高速具月でも何十匹のケンタロスの群れを一斉に浮き上がらせ、巨大な湖の水を表層ごとテレポートさせるといった正に怪物と呼ぶにふさわしいだろう
ポケスペで登場した際は「サイコウェーブ」で作った巨大竜巻や鋭利なスプーンのような武器を生みだしたりしている
メガシンカはXとYの二つを持ち、Xはかくとうタイプが付加される


レックウザ  NO.384  タイプ:ドラゴン・ひこう

天空を司る伝説のポケモン。何億年もオゾン層の中で生息していて、地上に降りることはまずない。カイオーガとグラードンが激突した際に現れ二体の争いを静めた。普段は空気中の塵と水を食べているらしい
ORASにて新たに隕石を喰らう設定が加わり、それによってたまってエネルギーでメガシンカすることが出来る。そいてレックウザはメガシンカポケモンたちの始祖であることが判明した。メガシンカすると体の文様が龍のひげのようになって黄金に輝く。その粒子の濃さを調節することで天候を自在に操ることが出来る。メガレックウザ固有のとくせい「デルタストリーム」はひこうタイプの弱点を半減させる力を持つ乱気流を発生させる。その力により、カイオーガとグラードンのゲンシカイキの力を奪い取ったという。専用技の「ガリョウテンセイ」を放つときは体をまっすぐ伸ばして、髭と尾をつないでΔ型の形になる。その破壊力は世界を滅ぼすほどの巨大隕石を一撃で粉砕する威力である。ちなみに研究員曰くその大きさは直径10キロメートルほどらしい。現実だと恐竜を滅ぼしたとされる隕石の大きさクラスである

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