携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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地霊殿編スタートです


第七章:地霊殿編
地底の異変


~守矢神社~

 

比那名居天子が起こそうとした異変は木戸真聡によって、事前に阻止された。あれから天子も懲りて悪さをしなくなったようで、真面目に天人としての勉学と修行に勤しんでいると衣玖さんから聞いた。俺は割とトラウマになっているらしい

 

それからはまた平和が続き、今は冬となり、雪が降るようになった。今日は早苗との修行中。最近は新しいスペルも作った

 

地符「だいちのちから」

 

すると地面にひびが入ってマグマが噴出してそれが弾幕となる。俺からは「マッドショット」で作った弾幕を発射していく。更に「ふんか」を発動して正に火山の噴火のような巨大なマグマの柱が発生する。そして天に打ちあがったマグマは火山弾となって降り注いだ。しかも噴煙によって視界を悪くする効果もある

 

「くっ・・・・」

 

早苗はそれをかわしていく。視界が悪くなっても八方向から来る弾幕を冷静にかわしていき、時にはお祓い棒で弾くという芸当もやってのけていた

 

奇跡「ミラクルフルーツ」

 

最近生みだした新しいスペルだ。赤い弾幕を周囲に8つ浮かべてそれを放射状に一斉に拡散させるスペルだ。更にそれを途中風を起こして相手の動きを阻害したり、操ることもしている。最近は自分で新たなスペルを生み出している。更に自身のスペルの精度を上げたり、本人曰く原作にはないものも作っているらしい。事実この風の操作は自分なりに作ったオリジナルとのことだ

 

最近は人々に頼まれて妖怪を退治することもしている。俺が忙しい時にたまにやってくれているところを見たことある。彼女もだいぶ馴染んだらしい。最近の目標はこの幻想郷に慣れることだと言っていた。そしてこういっていた

 

「うふふ。ここでの挨拶の仕方を学びました」

「この幻想郷では常識に囚われてはいけないのですね!」

 

という感じで妙に自信満々に言っていた。まあ確かにその通りではあるのだが

 

「・・・確かにそうだが、非常識になれということではないと思うぞ」

 

と忠告しておいた。まあここに馴染んでいるようで何よりだ。強くなってきているし俺にとっても嬉しい限りだ。ある程度済んだら俺たちは休憩した

 

「ほい。「おいしいみず」で作った暖かい緑茶だ」

「ありがとうございます。ふう・・・やっぱり冬には緑茶ですね」

「全くだな」

 

修行の後のお茶は実に美味い。今は冬だから暖かい茶は最高だ。ちなみに俺は最近小傘に頼んで水筒を作ってもらった。前に早苗は小傘と会ったことがある。この二人は相性が良いらしくてかなり仲がいい。しかし何故か早苗が小傘を弄ることが多くなっている。少しSに目覚めてないか?・・・まあ現世でも遊んでいるうちに割とこんな感じの性格だったなとも思えてきた

 

そんなこんなのいつも通りの一日・・・ではなくて、今日ははちょっと違う

 

「はい。これが俺からの誕生日祝いだ。受け取ってくれ」

「え!?覚えていてくれたんですか?ありがとうございます!!」

「なあに、早苗も俺のときにくれたからな。俺からもしないとって思ったまでさ」

「開けていいですか?」

「うん。いいぞ」

「じゃあ開けますね・・・・これは!!」

 

今日は早苗の誕生日である。俺が誕生日の時、幻想郷に来てからは言ってないのに覚えていてくれてプレゼントをくれたのだ。ちなみにそのプレゼントの中身は俺は冬生まれだったのもあって手編みのマフラーだった。色は緑色で彼女らしいと言えばそうだった。現世でも一度作ってくれたのだが、その時はあまりうまくなくて不格好ですぐにほどけてしまった。だからそのリベンジということでまた挑戦したらしい。あの後から今度はうまくなってやると思って練習していたらしい。まあその次の誕生日に俺が倒れてそれどころではなくなってしまったが。「こんなものですみません」と言っていたが、俺にとってはすごく嬉しかった。その時「あの時のも作ってくれて嬉しかったんだよ」と言ったら少し照れていた。そして俺が渡したのは

 

「マフラーですか!!もしかしてこれって・・・」

「ああ、手編みだ」

 

俺も手編みのマフラーに挑戦した。俺はこういうのがうまそうなアリスさんに頼んで作り方を教わった。何回か失敗したのもあったけど、練習していくうちに無事に完成した。何とかいい色に仕上がったと思う。ちなみに色は俺が好きな色の青だ

 

「どうかな?うまくできてるか?」

「ええ!!とてもよくできてますよ!!」

 

と言って早苗はマフラーをかけた。結構似合っていると俺は素直に言った。早苗も嬉しそうだった

 

こうしてプレゼントも無事渡し終える。そしてそろそろまた修行に戻ろうとしたら

 

「おーい!真聡!!」

「魔理沙!!」

「魔理沙さん!!」

 

すると魔理沙がここにやってきた。何やら慌てているらしい

 

「どうした?」

「大変だ!!博麗神社で突然温泉が湧いたんだけど、その間欠泉から大量の霊がいっぱい出てきて、人里にうろついているらしい。私はたまたま人里にいて、自警団の所長から守矢神社にいるだろうから連れてきてくれと頼れたんだ」

「何だと!?そうかそれはご苦労だったな魔理沙。すぐに向かうとしよう。早苗ここから先は今度な」

「いえ、私も行きます。様子を見ておきたいので」

「そうか。じゃあ行くぞ!」

 

こうして俺はすぐに魔理沙と共に「テレポート」で向かった

「・・・・・・・・」

 

~人里~

 

すると本当に霊があふれて人里にも来ていた。しかし幸いにも大人しい霊たちで、また作った「れいかいのふくろ」に入れていった。触ったところ前の物とは少し違う気がする。とりあえず数は減らせたけど、穴から次々現れて大変らしい。大人しいのが救いなのだがとはいえ気になる出来事である。騒動が終わると早苗は俺と二人で話したいことがあると言ってきた。俺は時間が出来たときに話を聞いた

 

「どうしたんだ?」

「・・・実は今回の出来事は神奈子様と諏訪子様が原因なんです」

「何だと!?」

 

話を聞くと原作では神奈子さんと諏訪子さんが信仰獲得の一環として、「幻想郷エネルギー革命計画」というものを始めることにしたらしい。それは霊烏路空という地獄にいる烏の妖怪に太陽を司る神、ヤタガラスの力を与えたらしい。それは核エネルギーを操る力でそれを制御装置として核融合を実用化、そしてそのご利益にして一気に信仰を得ようとしたらしい

 

何というか今回ばかりは擁護出来ない浅はかな理由だ。早苗は反対して表面上はしないと言っていたが、訪問している日にどうやら術により、一日中眠らされていて気づかない間に力を与えていたのではないだろうかとのことだ。自分の不甲斐なさを恥じていたが、ここで言っても仕方がない。まずはその空というやつの暴走を止めないといけない。なんでも過剰な力を持ったことが原因で地上を火の海にしようとしているらしい。何としても止めなくてはならない

 

(しかし「核」か。厄介だな。勝てる手段はまああるけど・・・)

 

と不安を抱きながらも俺は早速準備して地底に向かおうとする。それと早苗も自分に責任を感じているようで一緒に行くとのことだ。しかし感づかれたことが二人にバレたら連れ戻されるだろう。だから今すぐに向かいたいとのことだ

 

そういうわけで今回の異変は早苗と共に向かうのだった。早苗にとっては初の異変解決だが、今後のことも考えていい機会だと思う

 

こうして俺と早苗は地底に向かうのだった

 

 

 

 




地霊殿では時期の二人に支援キャラがいますが、今作では早苗にその役目をやってもらうことになりました。今作の早苗はゲームキャラの自分の扱いのことも知っているので、原作と比べてかなり常識的なキャラになるかもしれません


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